せどり転売で一番大切なのは資金管理⁉転売ビジネスで利益を増やしていく方法

せどりや転売ビジネスの基本は、ずばり「安く買って高く売る」です。

…こう聞くと、だれしもが「安く買うこと」や「高く売ること」に意識を集中させがちです。でもせどり転売で成功し、ビジネスを拡大させていくためには「買う」「売る」といったポイントだけに集中していてはいけません。「買うべきポイントで買う」「売るべきポイントで売る」ために、資金管理を適切に行っていくことが重要です。

そこでこの記事では、せどりや転売ビジネスにおける資金管理についてご説明していきます。

せどり転売で一番大切なのは資金管理⁉転売ビジネスで利益を増やしていく方法

せどりで資金管理しない人が多いのはなぜか

せどりで資金管理をしない人が多い理由は、次の2点に集約されます。

  1. 資金管理が面倒くさい
  2. 資金管理が難しい

1の「面倒くさい」は、とくに個人でやっている場合に良く聞こえてきます。仕入れや販売、販売といった作業に日々終われて毎日身体はクタクタ。それでも動かないことには利益も生まれないので、とにかく毎日動くしかない。そして売り買いそれぞれの価格管理も適宜やらなければならない。こうやってやることに追われていくうちに、資金管理がどんどん後回しになっていきます。

2の「難しい」は、せどり転売のようなモノを扱うビジネスで起こりがちな理由です。というのも、モノを仕入れてから販売するまでにタイムラグがあります。仕入れにクレジットカードを使う場合には、モノを仕入れるタイミングとその代金を支払うタイミングにもズレがあります。また販売を誰かに委託したり、どこかのプラットフォームを使ったりする場合には、モノが売れるタイミングと入金されるタイミングも異なります。このように、お金の出入りタイミングが多く存在するため、「難しい」と感じる人が多くなるのです。

無在庫転売のように入金が先にあって、出金があとからくる場合は、比較的分かりやすいかもしれません。ですが先に仕入れをしてから販売に臨む場合にはこのタイミングのずれがやっかいであり、ビジネス規模が大きくなればなるほどお金の流れが分かりづらくなります。

この2つの理由から、せどりで資金管理をしていない、もしくはやっているつもりでもザル管理になっているケースは多いです。特に販売が好調で資金繰りに困っていないときほど、「とりあえずお金がまわっているから大丈夫だろう」と資金管理をあとまわしにしがちです。もしかしてこれをお読みのあなたも、心当たりがあるのではないでしょうか。

資金管理をしないとどうなるの?

資金管理をやらないと、なかなかビジネスの拡大が見込めません。それどころか、やってもやってもほとんど手元にお金が残らないジリ貧状態になったり、下手をすると赤字に陥ったりする。そんな状態が続けばやがてはビジネスそのものが破綻、ということにもなりかねません。

しかもやっかいなのが、自分がどんな状況にあるのか気付けないということです。資金管理をやっていないと、いま自分が赤字なのか黒字なのか、ギリギリ黒字ではあるけどジリ貧状態になっているのか、そういったことが分かりません。誰しも使える時間や労力には限りがあります。今のまませどり転売ビジネスを続けていて良いのか、あるいは今よりももっと時間や労力を効率的に使えるビジネスに転向したほうがいいのか。資金管理をしていないとそういったことを判断するためのデータがないので、ジャッジメントが難しくなります。

自分の持っているものすべてがお金ならば管理がしやすいのですが、せどり転売ビジネスの場合は持っているものがお金ではなくモノ、つまり仕入れ済みでこれから販売する商品というケースがよくあります。お金とモノが合わせてどれだけあるのかを把握するために、資金管理を行う必要があるのです。

転売ビジネスにおける資金管理のポイント

資金管理の重要性が理解できたところで、ここからは具体的にやるべきことを解説していきます。すでにある程度ビジネスが進んでいる場合、「今から全部やるの!?」と困惑される方もいるかもしれませんが、現状把握は必要です。ぜひ無理にでも時間を作って、取り組んでみてください。

ポイント①:収支とキャッシュフローの違いを理解

収支とキャッシュフローは、どちらもお金の出入りをさして使う言葉ですが、意味が異なります。せどり転売ビジネスでは収支とキャッシュフローの両方を管理する必要があるため、まずはこの2つの違いを理解するところから資金管理が始まります。

収支とは、収入と支出のことを言います。入ってくるお金が収入で、出ていくお金が支出、そして収入と支出の差が利益となります。

せどり転売ビジネスであれば、収入や支出には具体的に次のようなものがあります。

  • 仕入れ費用は出ていくお金なので支出にあたります。
  • 商品を誰かに販売したときの売上は、入ってくるお金なので収入にあたります。
  • 商品が売れるまでの間どこかの倉庫に保管したり、売れた商品を購入者向けに配送したりするのであれば、それにかかる費用は出ていくお金なので支出になります。

一方、キャッシュフローとは実際のお金の動きを指します。現金仕入れ時、クレカ利用代金の引き落とし時、売上金の受け取り時などがキャッシュフローでのポイントとなります。お金が実際に流れる様子、まさにフローを把握するのがキャッシュフローとなります。

せどり転売ビジネスがうまくいっているかどうかは、きちんと利益が出ているかどうかで判断するので、収支でみるのが正しいでしょう。そして、実際にお金が回っているかどうか、支払うべきものが遅れなく支払えているかどうかといったことを把握するためには、キャッシュフローをみるのが正解です。このように、資金管理とひとくちに言っても収支とキャッシュフローの2つがあり、この両方を把握・管理していく必要があります

ポイント②:キャッシュを枯渇させないことを最優先

収支とキャッシュフローの両方をみていく必要がある、とポイント①でお伝えしましたが、どちらをより優先しなければならないかというとキャッシュフローが優先になります。どんなに収支が良くても、実際のキャッシュが回らなければビジネスとして続けていくことができないからです。企業でいえば決算上の数字は黒字なのに取引先への支払いが滞ってしまう、いわば黒字倒産の状態となります。

キャッシュを枯渇させず、フロー確保するためには、出ていくお金と入ってくるお金をしっかり管理する必要があります。金額はもちろんですが、タイミングも確実に管理しなければなりません。でないと、極端な話「支払いが入金より1日だけ早かったために回らなくなった」なんていう事態がおこってしまいます。

出ていくお金としては、例えば次のようなものがあります。

  • 商品の仕入れ時に支払うお金
  • 販売や仕入れの際に使っている有料サービスがあれば、その代金支払いに充てるお金(都度払い・月額払いなど)
  • 商品の配送費用や仕入れ時の交通費など、かかる経費があればその請求時に支払うお金
  • 作業の一部または全部を外注する場合、外注先に支払うお金
  • 上記費用についてクレジット決済とする場合、クレジット利用分の引き落とし時に銀行口座から引かれるお金

現金払いの場合、使うタイミングと支払うタイミングがほぼ同じなので認識はしやすいですが、回数が多くなり管理が煩雑になります。クレジット決済の場合、お金が出ていくタイミングを月1回の引き落とし時に集約できるので管理は楽ですし、現金払いよりもお金が出ていくタイミングが遅くなる場合がほとんどなのでキャッシュの枯渇が起こりにくくなります。ただし使うタイミングと引き落としタイミングがズレるので「何にこんなに使ったんだっけ?」と細かい認識が難しくなります。

一方、入っていくお金としては次のようなものがあります。

  • 売上金として入金されるお金

基本は1つだけです。出ていくお金と比べると至ってシンプルです。しかも管理が漏れていたところでキャッシュが余るだけで、枯渇の心配にはつながりません。といっても実際のところ、売上金については多くの方が割としっかり把握されているので問題ないでしょう。出ていくお金よりもタイミングが遅くなる場合がほとんどなので、「いつ入金される?」という点は漏らさず管理しましょう。

ポイント③:収支には見込み売上を含める

せどりを始めて間もない方から多く聞かれるのが、「実際に売れてはいるものの、なかなか稼げている実感がない」という声です。こういった方に多いのが、収支を管理していない、もしくは見込み売上の考慮を忘れているパターンです。

収支とは、収入(入ってくるお金)と支出(出ていくお金)の管理をすることですが、キャッシュフローとは異なります。キャッシュフローの場合は実際にお金というものが回るかどうか、資金ショートを起こさないかどうかを見るのが主目的なので、お金が実際に出入りするタイミングの管理をするものになります。逆に、お金さえきちんと回っていれば、とりあえず今日明日困ることはないかもしれませんが、何かを売って得たお金をすぐ別の何かの仕入れに使う、と言う形になっていると、手元にお金が残らないので実際に稼げているかどうかが判断できません。それが「稼げている実感がない」というところにつながってきます。

一方、収支は「稼げているかどうか」を見るのが主目的なので、出入りのタイミングはあまり気にしません。それよりも、いくら入っていくら出ていくかということを商品単位で管理する、というのが大切になってきます。ある商品に対して、いくらで仕入れて、いくらで売って、売るまでにいくら経費がかかったので儲けはいくらだ、ということを管理していきます。最後の「儲けはいくらだ」という数字が見えると、「稼げている」という実感につながります。これは収支を管理して初めて見えてくる数字なので、いくらキャッシュフローを管理しても分かりません。

さらに収支を管理するうえで大切なのは、「見込み売上をきちんと見ていくこと」です。扱う商品の数や種類が増えていくと、仕入れたもののまだ売れていない商品もそれに比例して増えていきます。売れていない商品というのはまだお金になっていませんが、売れればお金になります。でもこの「売れればお金になる」、つまり見込み売上というものを管理せず手元のお金だけを見ている人が多く、「たくさん仕入れたのに手元のお金が増えていないから」=「稼げている実感がない」と思い込む方も多いです。

収支を管理する際に見ていきたい項目は、次のようになります。

  1. 仕入れに使った金額
  2. 販売して入ってきた金額(もしくは入ってくる見込みの金額)
  3. 販売するまでに使った金額(配送料、保管料、外注費など)

2から1と3を差し引けばそれが利益額になります。これらを商品ごとに計算して積み上げていきます。商品ごとが難しければ、1回の仕入れごととかでも構いません。また3については商品ごとの数字を出すのが難しい場合もあるので、ある程度大きなくくりで計算しても構いません。大切なのは、だいたいの概算でも良いから数字としてみていくこと。これをやることで、稼げていればそれを実感できますし、実はやればやるほど赤字になっているという状態が見えてきたりもします。

ポイント③:今後の展開は収支を優先して考える

収支、つまり収入額と支出額が分かれば、その差から利益額を算出することができます。この利益額というのは「ビジネスがうまくいっているかどうか」を表す数字となります。これからこのせどり転売ビジネスとどう付き合っていくか、今後の展開をどうしていくかということを考える場合には、キャッシュフローではなく収支をみていく必要があります。

利益額とはすなわち儲けのこと。どのくらいの儲けが出ているかがわかるので、例えば他のビジネスと比べて効率よく稼げているかどうかが分かります。毎日どのくらいの時間をせどり転売ビジネスに使っているかが分かれば、毎月の利益額をその月の稼働時間で割り算して時給換算することもできます。商品ジャンル別の収支を見れば、利益の出しやすいジャンルとそうでないジャンルが分かります。このように、ビジネスとしての成績データは収支データから得ることができます。今後の展開を考える場合には、まず収支データを使って検討し、収支がうまくいくようならキャッシュフローについても考える、という順番で進めていくようにしましょう。

転売ビジネスが軌道に乗ったら考えてほしいこと

せどり転売ビジネスというのは、やり方を間違えない限りはやればやっただけ成果が伸びるジャンルと言えます。ですが時間や労働力には限りがあるため、がむしゃらにやり続けているとどこかで頭打ちが来ます。キャッシュフローと収支からある程度軌道に乗ったことが確認できたら、ぜひ次の転換を考えるようにしてみることをオススメします。

利益を使ってビジネスの効率を上げられないか

ある程度利益が出てきたら、その利益を使ってさらにビジネスを加速できないかどうかを考えます。例えば次のような戦略が考えられます。

  • 注文管理や納品作業などを外注することで仕入れ作業を増やせるなら、利益から外注費を捻出することを検討する
  • 利益額を使って仕入れ量を増やせるなら、大量仕入れと引き換えに仕入れ単価の引き下げを交渉できないか検討する
  • 特に利益率の良い商品ジャンルがあれば、そちらに資金を集中させることでビジネス全体の利益率を上げられないか検討する

収支をきちんと管理しておけば、「軌道に乗ってきたな」ということを体感する前に数字として認識できるので、こういった行動を早く始められます。頭打ちが来る前にこういったことを考え始めておくと、スムーズにビジネス拡大をはかることができます。

他ビジネスと組み合わせられないか

せどり転売ビジネスに集中するのも良いですが、他ビジネスと組み合わせるというのもひとつの方法です。例えば次のような組み合わせが考えられます。

  • せどり転売ビジネスのノウハウを発信する
  • せどり転売ビジネスをこれからやりたい人向けの育成スクールを運営する
  • 自分でハンドメイド商品を製作して販売する、あるいは自社ブランドを立ち上げる

組み合わせがうまくはまれば掛け算で加速していくので、せどり転売ビジネスだけを頑張るよりも拡大スピードが上がります。ただし、他ビジネスがすでに立ち上がっているものならばよいのですが、新たに立ち上げる場合は準備にそれなりに時間がかかります。その時間を捻出するために、今までやっていた作業の一部を外注化できないかなど合わせて検討すると良いでしょう。

余剰資金を他で運用できないか

キャッシュフローにある程度余裕が出てきたけれど、それをビジネス加速に使うつもりがないという場合、その余剰資金を他で運用できないかを考えましょう。お金に働いてもらうことで、自分ひとりで働く以上の利益を見込むことができます。ただ銀行の普通預金として預けておくのも良いですが、たとえば株や投資信託の形に変えておくという方法もあります。特にせどりをやっている場合、その仕入れ先の株を持っておくと株主優待が使えて仕入れが有利になる場合もあります。

ただし、株や投資信託は銀行の普通預金と比べると現金化が難しかったり、現金化するまでに時間がかかったりすることが多いです。キャッシュフロー管理をしっかり行い、「このお金はしばらく手元になくても大丈夫」と判断できた範囲でやるようにしましょう。

コメントを残す