保険の見直しを考えているならば、押さえておきたい5つのポイントとは?

1.初めに

家計の見直しを始めるにあたって、必ずと言っていいほど見直しが行われるのが「生命保険の契約内容の見直し」です。

生命保険の見直しは、保険に加入している人であればだれもが考えたことがあるのではないかと思います。しかし、実際に保険の見直しを使用と保険の見直しを専門に行っている会社に相談をしに行ったときに、窓口の担当者から聞いた話の内容が、ほとんど理解できないまま、保険契約の見直しとして別の保険に加入してしまうといった経験をした人は多いと思います。

今回は、「保険の見直し」を行う際に気を付けてほしい5つのことを解説していきます。これは生命保険だけに限らず、損害保険やその他の保険においても同様のことが言えますので、しっかりと確認してください。

2.見直しを行う前に確認すべきこと

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そもそも、保険の見直しをするにあたっては、現在、自身が加入している保険の保障内容がどうなっているかについて把握している必要があります。自分が加入している保険契約では、死亡した特にいくらくらいお金が入るのか、毎月の保険料はいくらくらい支払っているのか、どういった場合に保険金の支払いがされるのか等、見直しを検討する前の現状を把握することは非常に重要なことです。

【見直しを行う前に確認しておくべきポイント】

・保障金額

現在加入している生命保険の保険金額がいくらであるかということです。現状必要と考えられる金額と保障金額との間に乖離が生じている場合は見直しをすることをお勧めします。特に、必要と考えている金額よりも保険金額の方が高い場合は、必要以上に保険料を支払い続けていることが考えられるため。契約内容を変更するか、保険契約の変更を考えることが望ましいです。

・保障内容

保障内容がどうなっているかということですが、具体的には「どういったことが発生したときに保険金の支払いがされるのか?」という部分が重要になってきます。本当に支払ってほしいような状況になっても保険金の支払いが行われないのでは、本末転倒なことになってしまうため要確認です。また、必要以上に特約を付けていないかなど、特約の部分についても確認をしておくことが必要です。

現時点で必要かどうかという判断基準のもと、特約をこのまま続けていくことが必要であるかどうかについても確認しておくことが必要といえます。

・保険の種類

保険の種類とは「定期保険」「養老保険」「終身保険」といったように、主契約の種類がどのタイプの保険であるかということです。ここで注意してほしいことは、定期保険タイプであれば、「保険期間がいつまでなのか?」「自動更新が行われるのか?」、終身保険タイプであれば、「保険料の払い込みは何歳まで続くのか?」といったことが考えられます。

・毎月の保険料

保険の見直しをするうえで、もっとも重要視する要素の一つが「毎月支払っている保険料がいくらになるか?」ということです。必要な保証額に対して支払う分であれば見直しを行う必要性は低いのですが、保障金額と保険金額がミスマッチしている場合は要注意です。保険金額が高くなればなるほど、毎月の保険料は高額になってきます。

毎月支払っている保険料の金額は、家計の見直しにおいても重要な要素であり、保険の見直しの相談をする場合に、必ず聞かれる要素となりますので、把握しておくことは必須とも言えます。

・予定利率はどれくらいか?

予定利率とは、保険契約者に約束した運用利率のことです。この予定利率は、昔に契約した保険契約であればあるほど、運用利率は高めに設定されていることが多いため、契約の見直しをする際は、この予定利率がどれくらいになるかによって保険料の額も変化します。

さらに気を付けてほしいこととしては、予定利率が高いほうが保険料が安く、予定利率が低くなると保険料が高くなるという特徴があるということです。沽券の見直しを行う上で、新たな保険契約を結ぶとなると、この予定利率が下がる可能性が高くなり、契約する年齢も高くなるため、保険料も必然的に値上がりすることが考えられるということです。

このことからもわかりますが、終身保険に加入している人は、保険料だけでなく、この予定利率についてもしっかりと確認をしたうえで、見直しを行うべきかについて検討する必要があるということです。

3.保険の営業マンの言うことを全部鵜呑みにしてはいけない理由

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これは、私自身が生命保険会社の営業安であったころの経験を踏まえてお話しできればと思います。どういうことかというと、「保険の営業マン≠保険のプロ」ということです。正しくは「保険の営業マン=自分の所属している生命保険会社の保険のプロ」ということになります。

確かに、保険のプロと聞くと、様々な生命保険会社の商品に精通しており、その中からお客さんのニードに合致した商品の提案をするというイメージが強いとは思われます。しかし、実際のところは「大半の保険の営業マンは自社の生命保険商品の種類や内容をすべて把握しているわけではない」ということです。

・生命保険会社の営業マンと保険代理店の営業マンの違い

生命保険会社の営業マンも保険代理店の営業マンもいずれも生命保険商品を販売するプロです。しかし、実際のところ、生命保険会社の営業マンは自社の生命保険について、同じような商品との細かい違いについて説明することが出来るのですが、他社の生命保険商品については、そこまで詳しく知っている人はあまりいないと思います。(理由としては、自社の生命保険の保険商品の種類がおよそ20種類以上になるとも言われており、それぞれの商品が年度によって微妙に保障内容が違っていることがある。)

これに対して、来店型の保険代理店の営業マンは、複数の生命保険会社と代理店契約を結んだうえで、生命保険の保険商品の販売を行っていますので、様々な保険会社の保険商品を比較しながら、お客さんに最適な保険商品の提案をすることが出来ますが、一つ一つの保険商品に対する商品知識が薄くなりがちであることも言えます。

・それぞれの立場から見た思惑

生命保険会社の営業マンも、保険代理店の営業マンも、それぞれが提案する商品には、営業マンの思惑が見え隠れしていることがあります。

営業マンなわけですから、ノルマ(日系生保は主に「契約件数」、外資系生保は主に「契約金額」や「保険料」について、毎月一定の目標を決めており、それを超えるかどうかで、賞与等の給与体系に反映させているといわれています。代理店の場合は、契約件数や契約金額に応じて販売手数料の率や達成ボーナスなどが変化するため。)がありますので、営業マン自身の業績のためにお客さんが望んでいないような保険商品の提案をすることも考えられます。

大切なのは、「その保険契約は本当に自分にとって必要なものであるか?」ということです。契約をするかどうかを決めるのは、営業マンではなく「契約者自身」なのです。

4.保険料

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保険料は、見直しを考えていくうえで外すことが出来ないポイントです。単純に保障内容を見直すうえで、保険料の負担額を減らすことを第一に考えては、本当に必要な保証が受けられなくなってしまう恐れがあるため、安易に保険料の引き下げだけを考えないようにしてください。

・保険金額は適切であるか?

保険料を見直すうえで押さえなければならないポイントは「現在の必要保障額と保険金額とがほぼ一致しているか?」ということです。最初にも述べましたが、必要以上に保険金額を高く設定してしまうとその分だけ保険料の負担は大きくなってしまいますので、必要保障額を把握したうえで、保険金額を決めていく必要があるということです。

・不要な特約を付けていないか?

生命保険は主契約と特約の2つから構成されています。当然ですが、主契約の方が保険料は高くなりますが、特約は一つ一つの契約内容にかけられている保険料は少額なものですが、これらの特約を必要以上に付与すると、主契約と同じくらいの保険料の負担になることもあります。

現時点での生活において本当に必要であるかを考えたうえで、特約を付けていく必要があるといえます。

・保険料の払込期間はいつまで?

保険料の負担を少しでも減らしたいと考えている場合、保険料の支払機関にも注意を払う必要があります。保険料を払い込む期間が有期なのか無期なのかで、保険料の支払総額は全く異なってきます。

(有期の場合)

保険料の支払期間を65歳までといったように、保険料の払込期間を一定の年齢に設定することで、その年齢を超えたら保険料の払い込みは無くても保障は一生涯続くというタイプです。定期保険や終身保険などは、保険料の支払期間が有期期限となっています。

(無期の場合)

保険料の支払期間が一生涯続くものです。無期限の場合は、ひと月あたりの保険料の負担額は少ないが、支払いは一生涯(解約をするまでの期間)続きます。医療保険などが無期となっているものが多いです。

5.保障内容と保障期間

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保障内容と保障期間はいずれも保険を見直すうえで保険料と同じくらいに重要な要素といえます。万一の事態が発生した場合において「保険金の支払いがあるのか?」「被保険者が保障されるのはいつまでなのか?」といった要素は重要な要素となるためです。

・保障内容を見直すうえでのポイント

保障内容を見直すうえでのポイントとしては「現時点の年齢での保険料がいくらになるか?」「同じ保障内容を受けることが出来るのか?」といったところです。

保障の見直しを行うということは、新たに別の保障の特約等を付与したり、新しい保険契約に変更するかもしれないということです。そうなると、「同じ保障を受けるために必要な保険料がかなり高額になってしまう可能性がある」ということです。

当然ですが、契約時点の年齢が高い人であればあるほど、同じ保障内容であっても保険料は割高になります。本当に保障内容を変更する必要があるかについては、自分の今後のライフプランと向き合ったうえで、必要に応じて保障内容を変更(例えば、「医療関係の保障を手厚くする」など)していくようにすることが望ましいです。

・保障期間を見直す際の注意点

保障期間を見直す際に注意してほしいことは、「更新することによる保険料の値上がり」などに気を付けることです。

定期保険のように一定期間までは保障するがそれ以降の保障は一切行われないものについては、自動更新特約が付与されていることが多いため、気づいた時には保障期間が自動的に延長されており、それに伴って毎月の保険料が急に値上がりしているといったことも考えられます。

こうしたことを招かないようにするためにも、「保障期間がいつまでなのか?」を把握したうえで、このままの保障内容で更新する方がよいのか、それとも、別の保険の保障に切り替える方が保険料の負担が軽くなるといったメリットを享受することが出来るようになるのか?といったことも併せて考えておくことが大切です。

6.税金対策を考えている場合

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税金対策を考えている場合は、生命保険料控除として最大12万円まで控除することができます。しかし、生命保険料控除は、保険料の種類によって「一般の生命保険料」「個人年金保険料」「介護保険料」の3種類に分かれており、それぞれにおいて最大4万円までの生命保険料控除をうけることが出来ます。

・一般の生命保険料

定期保険、一部の養老保険、終身保険などのように、生存・死亡にかかわる保険金や給付金が支払われる生命保険の保険料を支払った場合に控除されます。

・個人年金保険料

個人年金保険料税制適格特約が付加された個人年金保険契約の支払保険料について受けられる控除で、適格特約がついていない場合は、一般生命保険料区分となります。

・介護医療保険料

医療保険やがん保険などのように入院や通院などに関わる保険の保険料を支払った場合に控除が行われます。

新制度と旧制度の生命保険料控除の適用がある場合の注意点

平成24年分の生命保険契約分の保険料から新制度の生命保険料控除の計算式が適用されますが、それ以前(平成23年12月31日以前)に契約をしている生命保険契約の生命保険料控除については、旧制度の生命保険料控除の計算式が適用されます。

・旧制度の生命保険料控除(所得税)

支払った保険料の金額生命保険料控除額
25,000円以下支払った保険料全額
25,001円以上50,000円以下支払保険料×1/2+12,500円
50,001円以上100,000円以下支払保険料×1/4+25,000円
100,000円超50,000円

・旧制度の生命保険料控除(住民税)

支払った保険料の金額生命保険料控除額
15,000円以下支払った保険料全額
15,001円以上40,000円以下支払保険料×1/2+7,500円
40,001円以上70,000円以下支払保険料×1/4+17,500円
70,000円超35,000円

・新制度の生命保険料控除(所得税)

支払った保険料の金額生命保険料控除額
20,000円以下支払った保険料全額
20,001円以上40,000円以下支払保険料×1/2+10,000円
40,001円以上80,000円以下支払保険料×1/4+20,000円
80,000円超40,000円

・新制度の生命保険料控除(住民税)

支払った保険料の金額生命保険料控除額
12,000円以下支払った保険料全額
12,001円以上32,000円以下支払保険料×1/2+6,000円
32,001円以上56,000円以下支払保険料×1/4+14,000円
56,000円超28,000円

【旧制度と新制度の生命保険契約がある場合】

旧制度の適用対象の生命保険契約と新制度の適用対象となる生命保険契約がある場合は次のように処理をする必要があります。(一般生命保険料控除と個人年金保険の場合のみ)

  • 旧制度での区分控除額が4万円以上の場合:5万円を上限に旧制度の控除額のみ控除
  • 旧制度での区分控除額が4万円未満の場合:旧契約の控除額と新契約の控除額の合計を最大4万円まで控除

新制度における介護医療保険料控除については、4万円まで控除可能です。控除の最大額は、一般、年金と合わせて所得税では120,000円、住民税では70,000円となります。

つまり、旧制度(平成23年12月31日以前に契約締結した生命保険契約)の保険料の支払総額が4万円を超えるか否かで処理の方法が変わるということですが、おおよその場合、年間の支払保険料の総額で4万円を超えることが多いので、旧制度の保険料控除を適用することが多いと考えられます。

7.まとめ

保険の見直しを行う上で気を付けたほうが良いポイントについて解説してきましたが、実際にはまだまだたくさんの注意点があります。保障内容の見直しをするということは、契約した年齢よりも数年経過した時点での状態で保険料が再計算されるという点を頭に入れたうえで、できる限り負担を少なくしようと考えていくことが大切になります。

また、保険の内容は複雑なものも多いためプロの人に任せてしまいがちになるところがありますが、最終的には自分たちが契約をするのですから、最初から最後まで言われるままに契約をするということだけは避けていただきたいものです。

岡崎 隆宏
SRFP隆宏
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社会保険労務士・CFP認定者・1級FP技能士

外資系生保会社で6年くらい営業として実績を積み、その中でFP資格を取得し、その時の経験を活かし、お金に関する執筆を始める。

日本FP協会愛知支部の役員幹事として6年、FPとして一般消費者向けのセミナーの講師や個別相談会の相談員などを担当。得意分野は「公的年金・個人年金」「社会保険制度」「出産・育児関係」等。

現在は、社労士・FPとして、労働や年金等のお金についての記事の執筆や資格試験の講師、セミナー講師等を行っている。

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