医療保険に加入しないのはなぜ?医療保険に加入しない人の本当の理由とは

皆さん、何か保険に加入していますか?

日本には、色んな保険があります。生命保険や医療保険、損害保険など目的に応じて、1つの保険に加入している方もいれば、何個も保険に加入している方もいらっしゃいます。

保険の加入目的としては、将来、自分の身に万が一の事が起こった際のリスクを軽減させたい、定年後の第2の人生のための資金作りをしたいなどがあります。

保険は、何か起こった際には、加入している効果を十分に発揮してくれる優秀な商品ですが、中には、保険には加入しないという方がいらっしゃいます。加入している方からすると、万が一、何か起こった時に保険に加入していないと、医療費が莫大になり、支払うことが困難になるのではないかと思う方もいるでしょう。

しかし、保険に加入しない方は、やはり理由があって加入していないのです。今回は、保険の中でも、医療保険にスポットライトをあてて、なぜ、医療保険に加入しない方がいるのか、その理由ついて、解析していきたいと思います。

1.医療保険の保険料ってどれぐらいかかるの?

医療保険に加入すると、契約者に発生する義務として、保険料の支払いがあります。日本の保険のしくみは、契約者から集めた保険料をプールさせて、万が一、1契約者の身に何か起こった際に、プールさせている保険料から、保険金が支払われるしくみになっています。すなわち、もらえる保険金は、保険に加入している方が、支払っている保険料から賄われているということになります。

これを踏まえて、さらに詳しく、保険料についてお話していきます。

支払う保険料は、基本的には、年齢が若ければ若いほど安くなる

では、皆さんが支払っている保険料が、どのように決定しているかご存知でしょうか?

保険への加入を検討する際、街中の保険会社や販売会社、個人のファイナンシャルプランナーなどに相談して、保険の内容や大体保険料がどれぐらいになるのかの見積もりを出してもらうかと思います。

見積もりは、パソコンのシステムに生年月日や年齢などを入力して算出されていますが、保険料に関しては、年齢が大きく関わってきます。

保険に加入してから、皆さんが支払っていく保険料は、年齢が若ければ若いほど安くなるしくみになっています。なぜ、このしくみが成り立っているかお分かりでしょうか?

人間は、歳を取れば取るほど、病気になる確率、死亡する確率が上がります。

分かりやすく、0歳と80歳の方を比べてみましょう!まずは、0歳と80歳、残された余命は、どちらの方が長いでしょうか?一般的にみると、圧倒的に0歳ですよね?

さらに、病気になる確率はどうでしょうか?生まれたての赤ちゃんも80歳の老人も、どちらも免疫力は低い状態です。しかし、生まれたての赤ちゃんというのは、これからどんどん免疫力がつき、体は丈夫になっていきます、一方、80歳の方は、逆に免疫力は下がり、ちょっとしたことで風邪を引いたり病気になったりと、体は弱っていきます。

このように、0歳と80歳の方では、死亡する確率・病気にかかる確率は、若ければ若いほど低くなり、歳をとればとるほど、高くなる傾向にあります。

このことを踏まえて、保険の世界はに「公平の原則」という法則があります。

0歳と80歳の方が両者とも、全く同じ金額の保険料を支払うとしましょう。しかし、両者間の死亡する確率・病気にかかる確率というのは、かなりの差があるかと思います。

死亡したり、病気になった時に保険会社から支払われる保険金は、基本契約とは別に、特約を付加していない限り、基本的には、年齢問わず同じ金額です。

しかし、もらえる保険金は一緒で、支払う保険料が同じにしてしまうと、歳をとっている方の方が保険金をもらう確率が高いので、歳をとっている方ばっかりが保険金を受け取る形となり、若い方が損になってしまします。

こういった事態を防ぐために、公平の原則は、保険会社が保険金を支払う確率、すなわち死亡する確率・病気にかかる確率が高い方には保険料を高く、死亡する確率・病気にかかる確率が低い方には保険料を安くするというように、保険に加入する人が、平等に公平になるようにしています。

2.医療保険の恩恵を受ける時ってどんな時?

では、医療保険に加入して、実際に、「医療保険に加入していて良かった!」と思うのはどういったタイミングなのでしょうか?ここからは、医療保険の恩恵を受ける時はどんな時なのかについて解説します!

病気やケガで入院したり、手術を受けた時

やはり、医療保険の恩恵を受けるのは、病気やケガで入院したり、手術を受けた時です。

皆さん、入院費や手術費がどれぐらいかかるかご存知ですか?まず、入院費から見ていきます。

入院費

入院費は、病室のベッド代、点滴代、診療代、食事代、薬代など、様々な費用が発生します。

病室は個室と大部屋、診療代や薬代などは、症状によって金額が異なります。1日あたりおよそ、1万円~2万円が平均金額となっているようです。1日で1万円~2万円の入院費となると、たった1週間で10万円前後の入院費が発生し、なかなか痛い出費となります。

では、病気やケガで手術を受けた場合に発生する手術費は、いくらぐらいが相場なのでしょうか?

手術費

手術費は、病気の種類・進行具合、ケガの状態によって大きく異なります。痔は数万円、がんなど大きな病気に関わる手術費は、数十万円もの費用がかかってしまいます。

手術内容によっては、入院することなく、手術当日に帰宅できるものもありますが、やはり手術をすれば、大体が入院をすることになります。ということは、手術費と入院費ダブルで支払う形となります。もし、手術費と入院費ダブルとなると、50万円以上~100万円を超える医療費が発生してしまいます。

もし、このタイミングで医療保険に加入していたら、医療保険から様々な恩恵を受けることができます。では、どんな恩恵を受けることができるでしょうか?

入院給付金

まずは、入院費に関する恩恵です。入院費で1番の恩恵は、入院給付金です。

入院給付金は、病気やケガが原因で、入院をした際に、保険会社から給付される日額制の給付金です。病気による入院を疾病入院給付金、ケガによる入院を災害入院給付金とも呼びます。

入院給付金は、1日5,000円・11,000円と、支払う保険料によって金額は異なりますが、大抵の保険会社は、1日5,000円・11,000円のどちらかで設定されています。もし、1週間の入院で、入院給付金が1日5,000円であれば、5,000円×7日で35,000円の入院給付金が、保険会社より給付されます。

入院給付金で1つ注意したいのが、支払限度日数です。入院日数は、その時の病気やケガの状態によって、日帰り入院の人もいれば、1年以上入院する人もいて、人それぞれ異なります。

そこまで入院が長引かず、1ヶ月ぐらいで退院できるのであれば大きな支障はありませんが、半年・1年と入院が長期となる場合は、注意してください!

保険会社・保険商品・支払保険料によって支払限度日数が異なります。支払限度日数は、60日・90日・180日で設定されているものが多いです。

もし、支払限度日数が60日で設定されている医療保険で、入院が1年と長期化してしまった場合、保険会社から給付される入院給付金は、実際入院したのは1年365日ですが、支払限度日数の60日分のみとなります。残りの305日(365日ー60日)は、自己負担となります。

最近の医療保険は、日帰り入院に対応していたり、入院給付金の支払限度日数が設定されていない支払日数無制限の商品もあります。

万が一、病気やケガで入院した際には、今一度契約している医療保険の保障内容を見直して一体いくらの入院給付金が給付されるのか確認しておく必要性があります。

手術給付金

次は、手術費に関する恩恵です。手術費で1番の恩恵は、手術給付金です。

手術費は、手術内容によれば非常に高額になる恐れがあります。この手術費を、全額自己負担となるとかなり厳しい状況になるでしょう。しかし、医療保険に加入していると、保険会社から手術給付金が給付されるので、非常に有難い存在となります。

手術給付金は、入院給付金の日額に手術内容に応じた倍率をかけた金額が、給付金として保険会社から給付されます。基本的に、手術内容が難しいものの倍率の方が高くなっており、5倍~40倍の範囲内で倍率が設定されているものが多くなります。

手術給付金の注意点は、全ての手術が手術給付金の給付対象にはならいないということです。手術給付金の給付対象となる手術は、保険商品によって異なります。

痔の治療のための小さな手術から手術給付金が給付されるものもあれば、がんや脳梗塞などの治療のための大きな手術から手術給付金が給付されるものもあります。

契約時に、どういった手術が手術給付金の給付対象になるのかをしっかり押さえておきましょう!

付加した特約に関して、保険金を受け取った時

医療保険問わず、保険には、主契約というものがあり、主契約の保障は、保険契約者全ての人が、基本受けることができます。

この主契約に特約というものを付加することにより、自分が欲しい保障をカスタマイズすることができます。保険の商品によって、様々な特約があり、この保障が絶対欲しいというのがあるのであれば、その特約を取り扱っている医療保険をピンポイントで探すこともできますね。

ただ、特約を付加すればするほど、主契約の基本保険料にプラスアルファ特約部分の保険料が上乗せされるので、支払う保険料は高くなります。

では、医療保険で主に取り扱っている特約は、どういったものがあるのでしょうか?ここで、いくつかご紹介します!

先進医療特約

先進医療という言葉を耳にしたことがある方は、多いのではないでしょうか?

先進医療は、厚生労働省が定めた高度な治療を要するものを指します。先進医療を行うとなると、全額自己負担となってしまい、先進医療の医療費は、数十万~数百万円と幅が大きく、数百万円となると支払うことはなかなか難しいですよね。

もし万が一、先進医療を必要とする病気を患ってしまった場合に、先進医療特約を付加していると、先進医療で支払った医療費を全額保険会社が給付してくれます。しかし、商品によって、支払限度金額が設けられていて、通算で2,000万円までとなっています。

先進医療を受けたら、いくらでも医療費が返ってくると思っていると、痛い目にあうので注意してください。

通院治療特約

次にご紹介する特約は、通院治療特約です。通院治療特約は、退院後に通院して治療を続ける場合に、通院給付金として給付金がもらえる特約になります。

最近は、入院による治療ではなく、通院による治療が主流になってきています。この背景としては、高齢化社会が進む日本では、高齢者の割合が圧倒的に多くなっています。

高齢者ほど、病気やケガを起こしやすく、病院にお世話になる確率が高くなり、病院のベッドに空きがなくなってしまいます。

しかし、これでは本当に入院が必要な患者が、入院できなく治療できないという事態に陥ってしまいます。こういった事態を少しでも回避しようと、病院側も比較的症状が軽い患者の入院日数を減らし、通院治療へメインに切り替えています。

がんの治療でさえも、今は入院治療ではなく、抗がん剤治療を通院しながら受ける時代になってきています。保険会社も今の時代に合った保障内容を医療保険の特約として取り入れることにより、保険契約者の選択肢が広がります。

今回ご紹介した2つの特約以外にも、3大疾病特約や保険料払込免除特約など、様々な特約があります。もし、付加した特約に関することで、医療費を支払った場合には、主契約部分の保険金だけではなく、特約部分の保険金も受け取ることができます。

3.なぜ医療保険が不要なの?

ここから今回の記事のメインテーマ、医療保険に加入しない人の理由について、解説していきます。日本には、色んな保険があり、何かしらの保険に加入している人も大勢いますが、中には、保険は不要!という考えの人もいます。では、一体なぜ保険に加入しない人がいるのでしょうか?

貯蓄がたくさんある

まず、保険に加入しない理由の1つとして挙げられるのが、十分な貯蓄がある人です。

保険に加入している人の多くは、将来万が一、何か起こった時に多額の医療費を支払うのが困難であるため、毎月保険料を支払って、リスクを軽減させたいという理由があります。

しかし、医療保険は、貯蓄型の商品はほとんどなく、掛捨て型の商品が大半を占めています。掛捨て型の保険は、死ぬまで何事もなければ、保険金を受け取ることなく、支払ってきた数百万円の保険料を捨てることになります。

もし、死ぬまで数千万~数億円の貯蓄がある人、すなわち高所得者の人ですね。こういった人達は、万が一病気やケガで多額の医療費がかかったとしても、一括で支払うことが可能です。

もちろん、たくさん貯蓄があり、高所得者の人の中には、医療保険に加入している人はいます。しかし、掛け捨てで保険料を支払うのであれば、その資金を他のことが使用した方が効率がいいのではないかという考えの人が多いかと思います。

医療費を支払っても、まだ全然資産に余裕があるという人は、医療保険に加入しない傾向にあるといえるでしょう。

高額療養費制度の存在

現在の日本には、高額療養費制度というものがあります。

高額療養費制度とは、公的医療保険制度の1つで、簡単にいうと、自己負担額を超えた医療費が、戻ってくるというしくみです。ここから、詳しく説明していきますね。

1番分かりやすい例でいくと、皆さん、風邪を引いたら病院に行きますよね?病院で会計をした後に、領収証をもらいます。その領収証の内容を見ると、受けた処置の内容や金額の記載があります。そして、医療機関によって、領収証のフォーマットは異なりますが、合計金額付近に、「自己負担金額」「自己負担割合」の文字が記載されているかと思います。

自己負担とは、健康保険の制度で、所得に応じて自己負担割合が異なります。

  • 6歳未満⇒2割負担
  • 6歳以上70歳未満⇒3割負担
  • 70歳以上75歳未満⇒2割負担 ※70歳以上で、現役並みの所得がある人は、3割負担
  • 75歳以上⇒1割負担

もし、病院で合計1万円の治療を受けた場合、30歳の人は3割負担となるので、1万円の3割分の負担となるので、実質、病院の窓口で支払う医療費は、3千円ということになります。

しかし、入院や手術を伴う医療費は、数十万円~数百万円と多額の医療費が発生し、さらに保険適用外の治療を受けた場合は、全額自己負担となり、医療費の支払いが困難になってしまいます。

そこで、登場するのが、高額療養費制度です。

高額療養費制度には、自己負担限度額というものが設定されています。自己負担限度額は、所得に応じて1人1人異なります。一般的なサラリーマンの給料(年収300万円~500万円)でいくと、自己負担限度額は約9万円となります。

健康保険で自己負担額3割でも医療費が9万円以上となった場合には、高額療養費制度を利用して申請すれば、自己負担限度額9万円を超える部分は払い戻しされるようになっています。なので、実質手出しは、9万円ということになります。

9万円の医療費であれば、貯蓄で何とか支払える金額ではありますよね!毎月、医療保険の保険料を支払うのはもったいないとう思うのであれば、公的医療保険制度をフル活用して、医療費を抑えるという方法もあります。しかし、注意したいのが、医療内容によれば、保険適用外のものも出てくるので、思っていたよりも、医療費がかかってしまう恐れがあります。

受けた治療が、保険適用なのか適用外なのかを、医療機関で確認することをおススメします!

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4.まとめ

医療保険は、何か起こった際には、とても便利な商品です。一方、掛捨て型であれば、支払った保険料は戻ってこないというデメリットもあります。

もし、このデメリットは納得いかない!という人は、医療保険に加入しなくても、医療保険で支払う保険料分を貯蓄に回したり、高額療養費制度などの公的医療保険制度を利用して、医療費を抑えるなど、リスクを減らすことは可能です。

医療保険に加入する・医療保険に加入しないという選択肢は、全ての国民が持っています。もし、公的医療保険制度を利用して、医療費を支払っても生活に支障が出ないようであれば、医療保険に加入しないという選択も考えられてはいかがでしょうか?

上手に、今ある制度を活用して、楽しい人生を送りましょう!

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