本質的に仮想通貨の価値はどこにある?金・通貨と比較

お金はなぜお金なのか

「なぜ、仮想通貨はただのデータに価値が出ているの?仕組みは?」

仮想通貨に投資を行っている方、仮想通貨に興味が出ている方等、何ならかの形で仮想通貨に関わっている場合は「なぜ、そもそも仮想通貨に価値があるのか?」という点を疑問に思った事もあると思います。

実際の所、仮想通貨はブロックチェーン等の技術の上で成り立っている電子上のデータでしかなく実物が存在する訳でもありません。

現金志向が強い日本では「紙幣のように、実体がないのになぜ価値を持っているのか?」という疑問が出てくるケースも少なくないと思います。なので、今回は仮想通貨と価値という点について

  • そもそも、なぜお金はお金なのか
  • なぜ、価値があるのか。その裏付けは?
  • 金・法定通貨・仮想通貨の価値の裏付け

という部分について解説させて頂き、仮想通貨に価値が存在している理由についてご紹介していきたいと思います。まず、はじめに「なぜお金はお金なのか?」という現在の法定通貨について考えていきたいと思います。

元々は物々交換だった

経済活動の定義は様々な解釈が行われており、人によって異なる部分ではありますが、一般的に「お金や物の交換で、生きていく(生活をする)」というのが、経済活動であると言えるでしょう。

そのようなポイントから考えた時に、元々の経済活動というのは「物々交換」でした。お金が発生するまでの過程に、様々な文明で経済活動の形が存在していましたが、本来の経済活動を辿るとほぼ全て物々交換に辿り着きます。

山側に住んでいる人は、野菜や木の実と言った山の幸を中心的に生活しており、海に隣接して生活している人達は貝や魚と言った海の幸で生活しています。

ただ、山側にいる人達は魚が食べたくなりますし、海の近くに住んでいる人は野菜を食べたくなります。そこから、人々が異なったライフスタイルを歩んでいる上で、得意分野を生かした物々交換が始まったのです。

魚と野菜の交換、パンと野菜の交換と言うような「生きるのに最低限必要な物資の交換」を行うために、物々交換という経済活動を行っていました。

価値の置き換え

ただ、上記したような経済活動の規模が大きくなればなるほど、「物々交換」だけでは不便になります。文明が発達すればするほど、経済の規模というのは大きくなりますから、異なったスタイルの経済活動が必要になったのです。

様々な歴史の流れが存在しており、場所・文明によっても異なりますが、一般的に「金を中心とした金属」が物々交換の代わりとしてとして使われる事が多くなりました。(貝・石・布と言ったケースも)

では、なぜ「金属・貝・石・布」と言ったようなものが、価値の交換券となったのでしょうか?理由はシンプルですが、その文明の中で「価値があると信じられている・信用されている」からです。

つまり、みんなが価値のあるものと信用しているなら、交換しても大丈夫という風潮が出来たのです。(価値のあるものと思われているなら、別の物とも交換出来るため)

このような貝・布等を価値のあるものとして、現在の法定通貨(円やドル)として使われるものを「物品紙幣」と言ったり、金や銀を利用した紙幣を「金属紙幣」と言ったりします。

物品紙幣や金属紙幣と言った価値の置き換えが、可能な紙幣の発明が行われた文明では、その後「物の行き来が滑らかに加速する」つまり「経済活動が活発化する」事によって、文明自体も発達していく・成長していく事が多いです。

紙幣の誕生

紙幣は世界中の文明で開発されてきましたが、最も古来の紙幣は中国が発明したと言われてます。では、日本ではいつから紙幣というただの紙切れが経済活動に利用され始めたのでしょうか?日本において紙の紙幣が誕生したのは「明治」の事です。

それまで、紙幣と似たような形のお金は存在していましたが、国がしっかりと制度を整えて、「国が発行する円」を作ったのは明治時代の事でした。

江戸時代までは、金・銀を中心とした金属紙幣が主な決済方法として用いられていましたが、欧米を参考にしながら兌換紙幣を政府主導で行い「円」が発行され始めました。(厳密には新貨条例が制定された)

それまでは両が日本の主な経済活動の紙幣として利用されてましたが、欧米を参考にしながら「兌換紙幣」「10進法」という当時の日本にとっては新しい仕組みを採用したのです。

兌換紙幣とは?

先程、兌換紙幣とは?という言葉が出てきたので、もう少しだけこの点について解説しておきたいと思います。(仮想通貨の価値を考える際にも参考になります。)

兌換紙幣とは、主に交換出来る事が担保されている紙幣の事で、当時の日本やその他の欧米が導入していたのは「金」でした。つまり、紙幣には金と交換する権利を持っている事になり、その紙幣にも価値があると見立てるのが、兌換紙幣です。

現在の法定通貨の信用は「国」になっていますが、兌換紙幣が導入されていた当時は、紙幣の信用は「国」ではなく、「金」に対するものだったのです。

金との交換の義務は発行主が負う事になり、円の場合は日本国が円と兌換紙幣の交換義務を負う事になります。金等との交換が出来ない紙幣は不換紙幣と呼びます。(現在、主要な法定通貨は全て不換紙幣です。)

現在、有効な決済手段として用いられるのは不換紙幣ですが、日本は昭和まで兌換紙幣を用いており、日本銀行法に基づいて1942年に不換紙幣に路線変更しました。

なぜ、価値があると思うのか

先程、どのような経緯で紙幣が出来たかについてご紹介しました。お金の歴史を見ることによって、お金の成り立ちについてしっかりと理解出来たと思います。

ただ、先程も触れましたが、現在の紙幣は「不換紙幣」となっており、兌換紙幣のように実体のものが価値の裏付けとして裏側で機能しているようなものにはなっていません。

なので、これから現在の主要な紙幣である不換紙幣がなぜ「価値」を持っているかについてご紹介していき、仮想通貨においての裏付けについてもご紹介していきたいと思います。

法定通貨に信用は「国」

先程、物品紙幣でも金属紙幣でも「みんなが価値がある」と判断している事が、経済活動に利用できる紙幣の条件である事をご紹介させて頂きました。そして、今最もベーシックな紙幣は「不換紙幣」となっています。

円が信用できる根拠

不換紙幣についても「円やドルをみんなが価値がある」と思っているからこそ、紙幣として機能します。ただ、「価値の根拠」という点で、金属紙幣や物品紙幣と大きく異なります。

というのも、金属紙幣は「金」という実体のあるものが、価値として認識されており、物品紙幣に関しても文明の中で「実体があり、価値がある」と思われているものが、物品紙幣として利用されているのです。

しかし、日本の法定通貨である「円」の場合、どこに価値の根拠があるのでしょうか?不換紙幣なので金と交換する事は出来ませんし、実態のあるものを信用の根拠として出せるものは何もないのです。

この疑問を解決する答えは、不換紙幣の価値の根拠は「日本国」(円において)という実体の無いものが、信用の対象になっているのです。つまり、信用の対象がバーチャルなものになっているのです。

様々な議論がされている

一般的に、現在は「国」が不換紙幣が価値を持つ根拠になっているとされていますが、実際の所は様々な議論がされています。というのも、どんな理論を信用するのか?によって答えが異なるからです。

また、国が実体のないバーチャルなものになっているのは確かではありますが、日本を含めた殆どの国は「資産」を保有している事が一般的であり、例えば公共事業で作られる施設・道路等が含められています。

そのため、実体のないものではありますが、資産は保有しているという事にはなります。また、未だに金属等を資産として保有している国は少なくなく、日本も金属を多量に保有している国の1つです。

国という大きなテーマで考えた時に、国家権力の1つ「税金を納めてもらう」という収入に繋がる権利を持っており、そのようなものも含めて日本という国は「資産」を持っているという様に解釈する事もあります。

ただ実際の所、なにか経済的・政治的にマイナスな情報が流れた時は「通貨の価値」というのは、変動相場制において変化するものになっています。そのような点を踏まえると「国」というバーチャルなものが信用の対象になっていると見る事も出来るでしょう。

このあたりの話は本当に諸説あります。信じている理論・考え方によって大きく異なる部分ではありますが、不換紙幣の価値はバーチャルなものであるという見方も存在している事を押さえて頂けると幸いです。

仮想通貨の裏付けは「数字に基づく理論」

では、仮想通貨の場合は何が信用の証拠・根拠として用いられているかと言うと、「数字に基づく理論」であると言えます。ビットコインを含めた仮想通貨は基本的にアプリケーションです。

では、アプリケーションは何によって作られるのでしょうか?答えは「プログラミング」であり、もっと深掘りしていくとプログラミングは「数字」によって出来ています。(コンピューターは全て0と1で動いている)

その点を考慮した場合に、仮想通貨の信用の裏付けは「数字に基づく理論」担っていると言え、仮想通貨に関してもバーチャルなものが価値を持っている根拠になっていると言えるでしょう。

仮想通貨と法定通貨

法定通貨と仮想通貨はライバル関係として描かれる事が多いですが、法定通貨が価値を持っている根拠をバーチャルなものと定義した場合に、物品紙幣・金属紙幣と比較した時に、以下のようなグループを作る事が可能です。

実体のあるグループ(物品紙幣・金属紙幣)

  • 金・銀・銅

実体の無いグループ(仮想通貨や法定通貨)

  • ドル
  • ビットコイン
  • イーサリアム

つまり、ライバル関係として描かれる事の多い仮想通貨・法定通貨というのは、信用の裏付けとして「バーチャルなものを用いられている」という点では似通っているのです。

仮想通貨と金・通貨の裏付け

これまで、仮想通貨や金・通貨になぜ価値が存在しているのか?法定通貨や仮想通貨に価値がある理由についてご紹介して来ました。これから、仮想通貨や法定通貨・金を比較しながら「仮想通貨に価値を存在する」についてご紹介していこうと思います。

結論 仮想通貨に価値が存在する理由

結論として、まずはじめに通貨に価値が存在する理由は「みんなが価値があると思っているから」という点に付きます。極端な話ですが、日本円を知らない人にとって、1万円札は人物と数字が書かれている紙でしか無いのです。

共通認識と仮想通貨の価値

というのも、そもそもその存在を知らないと「価値がある」と信用する事は出来ません。なぜ、価値があると思うかと言うと「みんなが価値があると認識」しているからであり、日本国民の大多数が「1万円札は1万円の価値がある」という共通認識を持っているからです。

そのため、価値というのは「共通認識」によって発生し、仮想通貨においても仮想通貨に価値が存在する理由は、仮想通貨を保有している人が「1BTCは1BTCの価値がある」と認めているからです。

0円のビットコイン

仮想通貨には様々なアルトコインが存在していますが、その中の1つにビットコインとほぼ同じ仕組みを持っている「テストネット」と言われる仮想通貨が存在しています。

この仮想通貨は主に環境テスト等で利用され、ビットコインを利用したサービス等を開発する際に、利用される仮想通貨になっています。テストネットは開発者が「テストネットには価値がない」と宣言しています。

そのため、テストネットは法定通貨や他の価値を持つ仮想通貨との交換が禁止されており、テストネットを上場させている取引所は存在していません。つまり、ビットコインとほぼ同じ仕組みを導入していますが「価値は持っていない」のです。

このテストネットが価値を持っていない本質的な理由は、開発者が価値はないと宣言している事で「みんなが価値がない」と思っているからこそ、テストネットには価値が生まれていないのです。

仮想通貨と法定通貨の違い

仮想通貨も法定通貨も、同じ様にバーチャルなものが信用の根拠になっており、場合によっては何だか似通ったものになっていると感じるかも知れません。実際の所、仮想通貨と法定通貨は価値が発生する原理的に似ている部分も多いです。

ただ、仮想通貨と法定通貨には「価値が発生する過程」が大きく異なります。というのも、仮想通貨は「数学的な理論」が根拠になり、法定通貨は「国」という対象が信用の根拠になっています。

しかし、ビットコインを含めた非中央集権的な仮想通貨の「数学的な理論」というのは、ビットコインであればビットコイン保有者全員にシェアされているものになります。

法定通貨の場合はどうでしょうか?民主主義国家というのは、政治家を決める際には投票権が国民に発生しているので、間接的に「国」という信用の根拠は共有されていると捉える事も出来るかもしれません。

ただ、日本銀行が通貨発行の行く末を握っていますし、本当に日本円というものの様々な権利を、国民が保有していると言えるでしょうか?実際の所、日本政府・日本銀行が日本円の様々な権限の全てを持っています。

もちろん、ビットコインをはじめ様々な仮想通貨にも、様々な問題点が存在しています。例えば、仮想通貨には51%アタック・攻撃というものが存在しており、悪意のある人に51%以上のハッシュレートを取られてしまうと、不正が出来てしまいます。

日本の場合はまだ民主主義国家なので、間接的に日本円に対する権限を持っている事になりますが、これが独裁国家等になってくると、本当に通貨の権限というものが共有されないようになってしまいます。

本質的な信用の根拠と利便性

最後に、仮想通貨と法定通貨・金の価値の根拠となる裏付けの対象をまとめていこうと思います。価値の裏付けから見る「仮想通貨とは?法定通貨とは?金とは?」という部分について押さえていきましょう。

金の本質的な価値は「実体が存在しており、希少性が高い」という点にあります。世界中で、最も信頼されている価値の置き換え方法であり、どの国でも「ゴールド(金)=富の象徴」になっています。

歴史の長さという観点から見た時に、最も信頼性の高い価値の置き換え方法ですが、一方で「持ち運びにくい」「重い」「高価過ぎる」等、実際に決済手段として使用するには様々なデメリットが存在しています。

法定通貨

法定通貨の価値の根拠は「国家」です。日本国の信用が下がると円が下がり、米国の信用が下がるとドルが下がるように、法定通貨というのは国家と深く結びついている価値の置き換え方法です。

利便性が高く、最も利用されている決済手段です。ただ、信頼度の高い先進国の通貨であれば価値は安定していますが、信頼性が低い発展途上国の通貨では「インフレ」等の問題が発生しています。

ただ、現状では最も便利な価値の置き換え方法である事に間違いないでしょう。

仮想通貨

仮想通貨の本質的な価値の裏付けは「数学的な理論に基づくテクノロジー」という部分にあると言えます。発展途上の価値の置き換え方法ではありますが、これからもっと広がっていく可能性を持っています。

ただ、現状では価格の乱高下が激しく理解も広がっていないので、一般的な信頼性という観点では、金・法定通貨よりも劣っています。ただ、決済手段としての利便性は最も高くなるポテンシャルを持っていると言えるでしょう。

まとめ

お金はなぜお金として使われるのか

  • 元々は物々交換だった
  • 金属紙幣や物品紙幣に変わっていった
  • 兌換紙幣が主流な紙幣だった

なぜ、お金に価値があると思うのか

  • 法定通貨の価値の裏付けは国
  • 仮想通貨の場合は、数学的な理論が価値の裏付けになっている
  • 法定通貨も仮想通貨もバーチャルなものが裏付けになっている

仮想通貨と金・法定通貨の裏付け

  • 共通認識が価値を生む
  • 金は実体を持っており、歴史が長いが利便性が低い
  • 法定通貨は国が価値の裏付けであり、最も利用されている
  • 仮想通貨は数学的な理論が価値の裏付けで、利便性が高い

今回は、仮想通貨がなぜ価値を持っているのか?というテーマで、なぜお金が使われるのか、お金に価値が存在していると仮想通貨に価値がある理由、金や法定通貨・仮想通貨を比較して行きました。

実際の所、法定通貨はバーチャルなものを信用しており、お札自体に価値があると思いこんでしまいがちですが、既に人類は仮想通貨と似たような形で、価値の置き換えを行ってきた事になります。

仮想通貨がこれからどうなるか?はまだまだ分かりませんが、仮想通貨所有者が共通認識として仮想通貨には価値があると思っている限り、仮想通貨の躍進は続くでしょう。

senna
senna
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金融業界経験 4年 個人投資家 3年

個人投資家として「株式」「債権」「FX」「仮想通貨」などへの投資・投機を中心的に行っている。

資産運用はもちろん、ファイナンシャルプランナーの知識を活かしながら、税金やライフプランに関する情報発信を行っている。

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