学資保険は平均どのくらいお金をかける?教育資金と平均の保険金

学資保険のおさらい

「学資保険ってどのくらいお金を掛けるべき?保険金の相場は?」

学資保険に実際に加入する際に、どのような保険に加入するべきか?どのような保障内容を付けておくべきか?と同じように、大きな疑問の1つは「学資保険の保険料・保険金の相場」というポイントでは無いでしょうか。

通常の保険であれば、通常「保障内容」というのが加入する保険を分ける大きな要素になってきますが、貯蓄を目的としている学資保険の場合は「保険金」というのが、大きな選択する上での要素になります。

なので、この記事では「学資保険と平均」というテーマで、学資保険の保険料や保険金について以下の

  • 学資保険とは?そもそもの用途を考える
  • 教育資金は実際の所どれくらい必要?
  • 学資保険の保険料・保険金はいくら必要なのか?平均は?

という3つのポイントに焦点を絞ってご紹介していきたいと思います。最後までしっかりと読み進めて頂けると、学資保険に実際に加入するの保険料や保険金の目安になると思います。

学資保険の用途について

生命保険なら死亡や障害のリスク、がん保険ならがんのリスク、医療保険なら医療費全般のリスク、火災保険なら家に関するリスク等をカバーしています。

では、学資保険の本質的な用途とは一体なんだと言えるでしょうか?それは「教育資金を必ず確保したい」という保護者の要望に言えると思います。

本当に学資保険である必要はあるのか

というのも、学資保険は保険料を月々・年々・一括等と言った支払いサイクルを選択肢、一般的には分割で予め決められた保険料を支払います。そして、大学進学時等に応じて、保険金が支払われるというケースが多いでしょう。

ただ、このような貯蓄型の保険や貯蓄するための金融商品は沢山存在しており、純粋に「資産の運用」「効率的な貯蓄」と言ったような点を考慮した場合に、一概に学資保険が優秀であるとは言えません。

何故なら、実際の所学資保険の返戻率は、一般的な金融商品と比較した場合にそれほど高いものになっていません。

つまり、純粋な貯蓄を行う・資産の運用を行うと言ったようなポイントを考えた時に、学資保険は効率が良いとは言えないのです。

学資保険の本当の価値とは

単純な貯蓄型の保険、金融商品と比較した時に学資保険が特別魅力を持っている保険であるとは言えません。貯蓄の効率を考えた時に、劣っているという評価も場合によっては可能です。

では、学資保険に加入する本当の価値とは何だと言えるのでしょうか?ヒントは「死亡した場合の保障」「他の保険金とは異なる用途」というポイントに隠されていると言えます。

というのも、学資保険は殆どの保険で「死亡・重度障害を負った」場合に「保険料の払込が免除になる」という保障がある事が一般的です。つまり、もしも何かあった時は、保険料を支払わずに学資保険の保障を受ける事が可能になるのです。

ただ、これだけだと一般的な生命保険等とあまり違いはありません。死亡保険と言われるような死亡保障が付いてくる保険の場合は、似たような保障が付けられていますし、学資保険よりも保険金が支払われるまでの期間は短いです。

ただ、通常の死亡保険と比較した時に「保険金の受け取りまでが長い」というのは、場合によってはメリットに捉える事も可能です。というのも、どうしてもこのような保険は当面の生活費や目の前の消費と言ったような用途で使用される事が少なくありません。

しかし、学資保険の場合は進学時というタイミングで、保険金を受取る事が可能になっているので「教育資金として使われる可能性が高い保険金」になっていると言えます。

つまり、このような事から他の保険や金融商品には無い「教育資金をしっかりと確保できる」という特徴がしっかりと確立しているのです。

学資保険の用途をしっかりと踏まえて加入

先程、ご紹介させて頂きましたが、上記のような事を踏まえると学資保険という保険は、貯蓄していけるという特徴を持っている事は事実です。ただ、それと同じくらい「もしもの時のため」という生命保険に似たような性質を同時に持っているのです。

他の貯蓄方法と比較した時に、それほど良いリターンが返ってくると言えず、学資保険の保険料・保険金というのは「教育資金のみ」を意識して設定するべきです。(間違っても老後の蓄えとして加入してはいけない)

学資保険と言っても一括りには出来ず、払込期間や保険料の支払いのサイクル、保険金等を任意で設定出来る事になっている事が多いです。500万円という高額な金額を設定するケースも存在しているでしょう。

もちろん、明確な理由があってこのような高額な保険金を設定するのは良いと思いますが、あくまで「もしもの時」という側面も強い保険、つまりリスクに備えるための保険であると言えます。

そのため、保険金は基本的に最低限の金額というものを意識した方が良いと言えるでしょう。高額な保険金を設定し、負担の大きな保険料を支払う余裕があるなら、学資保険を最低限に押さえてキャッシュを他の運用に回した方が効率が良いです。

学資保険はリスクに備える保険でもあり、貯蓄性も大きな保険に加入する要素になってくる保険でもあります。保険金・保険料の適正金額を一概にご紹介する事は難しいですが、少なくとも大学進学時で想定される以上の金額は必要ないと言えます。

教育資金はどのくらい必要なのか

先程、学資保険の用途についてご紹介させて頂きました。学資保険の考え方や保険料・保険金を考える上で、基礎となるような部分について参考になったと思います。

ただ、やはりもう一つ保険料・保険金を考える上で、避けられない話題として「教育資金にどれぐらい必要になるのか?」というポイントだと言えるでしょう。

なので、これから子供が出来ると必要になる教育資金について詳しくご紹介していきたいと思います。

教育資金は人によって異なる

まず、初めに押さえておきたいのは、これから「平均的な教育資金」についてご紹介していきますが、実際の所教育資金というのは、人によって大きく異なるという事です。

教育資金を出来るだけ安く済ませたいと言う方は、小中高までは公立・国立を選択する事が多いと思います。ただ、大学に関しては「私立」という選択肢も十分に入ってくる事もあるでしょう。

また、子供が医学部・歯学部等を志した場合に、通常の教育に掛かってくる費用よりもかなり高額な教育資金が必要になってくるという点を押さえておかないといけません。

つまり、何が言いたいかと言うと「子供の進路が多様なように、必要になる教育資金も多様」というポイントです。極論を言うと小中高から大学まで全て私立を卒業したケースと、全て公立で卒業したケースでは大きく費用が異なる事が分かると思います。

そのため、一概に「子供の教育資金はこれ!」とご紹介する事は出来ません。

教育資金をいくつかシミュレーション

まず、初めに簡単な原則についてご紹介したいと思います。それは「公立・私立」を比較した時に、公立の方がかなり安くなるというポイントです。当たり前過ぎる事かもしれませんが、大事な要素なので再認識したいと思います。

文部科学省の「子供の学習費調査」を参考にご紹介していきたいと思います。仮に高校を卒業するまでを「全て公立」「全て私立」とした場合に、平均は以下のような学資になります。

全て公立「約540万円」、全て私立「1,770万円」となります(高校卒業までの学費)。これだけでも、かなり公立と私立で差が出ている事が分かると思います。ただ、これは高校生までのデータであり、大学も含めれるともっと大きな差が出てくると言えるでしょう。

高校生まで公立・大学私立と言ったような場合は、一般的な私立大学の学費が4年間「500万円」程度なので、合計で「1,540万円」程度掛かってくる事になります。

ただ、実際はどこを公立で?どのような進路で?等によって、大きく学費が異なってくるのが事実です。全て高校まで私立で通い、国立の大学を卒業した場合「2,000万円」程度になります。

このように実際の所は、進路によって開きが大きいのが実情になり、このあたりはお子さんが成長し、どのような進路を歩んでいくのか?によって大きく変動する事柄だと言えるでしょう。

ただ「私立に一回でも通うと、かなり学費は大きくなりやすい」というポイントをしっかりと押さえておくだけで、かなり教育資金に対する理解は深まると思います。

大学の学費と学資保険

先程、高校卒業までの教育費を中心的に、大学入学時の学費についても少しだけ触れさせて頂きました。ただ、大学の学費は学資保険にとって、特別な教育費になりやすいので、もう少し詳しくご紹介したいと思います。

大学の学費

というのも、大学の学費は小中高と比較した時に、かなり大きな教育費が必要になる事が多いので、多くの学資保険で「大学入学時」を保険金の支払い時期に設定している事が多いのです。

では、実際の所大学の学費はどのくらい掛かってくるのでしょうか?国立・公立の試算をご紹介したいと思います。大学・学部等によっても異なる部分ではありますが、一般的に国立・公立は4年間で「約250万円」程度の学費が必要になります。

ただ、これの内訳を見ると初年度は「入学金30万円~40万円」「授業料1年間分約50万円」と入学金が必要になる分、大学に入学する初年度に大きく負担強いられる事になるのが分かります。

また、これが私立大学になった場合は少なくとも2倍程度の学費は必要になってくると考えた方が良いでしょう。

学資保険と初年度の学費

上記したような点を踏まえると、学資保険は「大学初年度」をしっかりと支払えるような金額にしておいた方が安心感に繋がると思います。

というのも、奨学金制度は様々なものが存在しており、一概には言えませんが「分割で奨学金を支給」というケースが多いです。つまり、奨学金を利用しても一括で貰う事はできず、初年度の大きな学費の納入に間に合わない事が圧倒的多数派なのです。

もちろん、一部では初年度の大きな入学金に備えたような奨学金が存在している事も事実です。ただ、保護者のクレジットの信用(親の信用情報)が必要なケースが多く、このような経済的な信用が足りないために、借りれないというケースもあります。

初年度の学費が納入出来ず、学校に入学できないというのは勿体無いので、学資保険に加入するなら少なくとも「初年度」の入学金・授業料を支払えるようにしておきましょう。

平均の保険料と保険金

これまで、学資保険の基本的な用途から必要な教育資金まで、様々な観点から学資保険と教育資金というポイントをご紹介してきました。最後に「学資保険の平均の保険料と保険金」という観点をご紹介させて頂きます。

このポイントを理解する事で、学資保険に加入する際の保険料・保険金の設定で迷う事は無くなると思います。

平均の保険料と保険金

結論からご紹介すると、一般的に学資保険の保険金・保険料として設定される事の多い金額は、保険金が「200~300万円」保険料が「1万円~3万円」程度の物が多いです。

保険金・保険料がなぜそのような額に設定される事が多いのか?というポイントについて押さえていきましょう。

なぜ200万円から300万円が平均なのか

まず、はじめに保険料は保険金の設定額によって大きく変化するので、保険金がなぜ「200万円~300万円」に設定されるのか?という点についてご紹介していきたいと思います。

まず1つ目に、保険料の面から見て掛けやすい金額が「200万円~300万円」であるという点があります。というのも、これ以上の額を設定しまうと月々4万円~5万円程度の保険料が必要になり、一般的な家庭だと保険料が年収の10%~20%を締めてしまう事になります。

そのため、ギリギリ設定出来る保険金が「200万円~300万円」なのです。

次に、この保険金が設定される事の多い理由は「国立大学ならギリギリ無料で通える金額」だからです。というのも教育資金の解説でもご紹介しましたが、国立大学は四年間の学費が250万円、私立だと400万円~500万円程度必要です。

そのため、200万円から300万円程度の保険金が存在していても、ほぼ全ての学資を学資保険でカバーする事が可能になります。また、私立であっても学費の40%~50%程度はカバーする事が可能であり、かなり負担が楽になるでしょう。

大学の学費が一生の教育資金の中で、最も費用の掛かる部分である事は確かで、そこに合わせて保険金を設定する事が多いのです。(また、学資保険の殆どが大学入学時を保険金の支払いタイミングに設定している)

保険料が1万円~3万円程度である理由

学資保険の保険料は一般的に差が出る事が多く、通常の平均だと参考になりません。(平均は約1万前後ですが)なので、今回は一般的な保険料は1万円~3万円であると仮定してご紹介していきます。

というのも、1万円~3万円というのは、保険料を支払った結果である保険金の200万円~300万円の開きとは訳が違います。

試算してみると、月1万円だと年12万円、10年間で120万円の保険料を支払い事が可能です。これが月々2万円だと10年間で240万円、月々3万円だと10年間で360万円にまで膨らみます。

では、なぜこれほどまでに一般的な保険料に開きがあるかと言うと、学資保険は「加入時期」「払込期間」によって大きく月々の保険料が異なるからです。また、加入時期・払込期間は人によって異なってくる事が多いです。

そのため、保険金のように教育資金を参考にしながら「保険金はこれだけ必要!」と解説する事は可能ですが、保険料の場合各自の事情によって大きく異なる部分なので、なんとも言えない部分が大きいのです。

平均は参考程度にするべき

先程、平均の保険金・一般的な保険料についてご紹介させて頂きましたが、あくまで平均であり、各自の事情に合わせて保険を組み立てるべきです。

というのも、学資保険は保険料という形で月々教育資金を貯蓄していきます。一般的に、出来るだけまとめて・出来るだけ早く保険料を支払う事が、返戻率を上昇させ、学資保険においては良いとされています。

返戻率は学資保険のお得度を分けるもので、重要な数字だと言うのは確かですが、学資保険は「中途解約」が最も損をする要素であり、基本的に短期で中途解約を行ってしまうと、損をしてしまう事が一般的です。

つまり、最もベストな学資保険の保険金・保険料というのは「余裕のある保険料で支払っていけるプラン」という事になると言えるでしょう。ただ、難しいのはこの部分は各家庭の経済状況によって大きく変化します。

仮に、学資保険に保険料を支払う余裕が無いなら、無理して加入する必要はありません。どうしても学費的に難しくても、行きたい進路がある場合は奨学金等の制度は存在していますし、学資保険以外にも選択肢は存在しています。

そのため、平均を参考にすると言うよりも「家計を参考」にしながら、学資保険のプランを組み立てて行った方が良いでしょう。

まとめ

学資保険のおさらい

  • 学資保険は教育資金を貯蓄するためにある
  • 他の貯蓄法でも可能だが、学資保険にしか無いメリットがある

必要な教育資金

  • 私立・公立によって大きく異なる
  • 子供の進路は未知数な部分が多い
  • 最低限、大学の学費は備えたい

平均の保険料と保険金

  • 平均の保険金は200万円~300万円
  • 平均の保険料は1万円~3万円
  • 保険料や保険金の平均は「参考」に留めておく

今回は、学資保険の保険料・保険金はどのくらい?というテーマについて、学資保険の目的や必要な教育資金、平均の保険料・保険金等の観点から解説しました。

学資保険の保険金はまだ「大学の学費」という目安があるので、金額を設定しやすいですが、保険料は払込期間等によって左右されるものなので、設定するのが難しいものになっています。

保険金の設定にも通じる事ですが、学資保険は「中途解約」は基本的に損失に繋がってしまうので、迷った時は「無理のない保険料」という点を意識して、学資保険の保険金・保険料を選ぶと、出来るだけ余裕を持った学資保険になると思います。

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