こんな気持ちを持っていませんか?
FXの2019年前半はHuaweiから始まった米中貿易摩擦や、インフレ懸念がなくなったことでFRBの利下げの方針を示すなど、ポジティブとネガティブが入り混じるとても緊張感のある相場でした。上昇傾向だったドル円も、5月からは中長期的な下落相場に突入しています。そろそろ2019年の後半に、価格がどうなるのか知りたいころですよね。
そこで今回の記事では、これまでの相場を分析し、FXは今年の後半どうなるのかを、ここまでにわかっている情報からまとめて見ていきたいと思います。また、下半期のおすすめ銘柄や各国の動向から2019年を初心者向けにやさしく解説していきます。
FXの2019年下半期の価格予想はどうなる?これまでのチャートや傾向を確認しよう!
2019年前半は、米中貿易摩擦やFRBが利下げ方針を示したことが話題を呼びました。また、アメリカのイラン攻撃などから、地政学的なリスクが今後考えられるため、相場には楽観的な見方もある反面緊張感が引き続き出てきそうです。
2019年初頭のころは、世界的にリスクオフの傾向が強まると予想されていましたが、その流れは現在では不透明になりつつあります。場合によっては、ふたたび新興国の通貨に資金が流れていくことが予想できますし、逆にリスクオフの傾向がふたたび強まるかもしれません。まずは、2019年のここまでの流れを確認していきましょう。
2019年5月からドル円の値下がり
ドル円は2019年12月まで急激な下落が続いていました。いっぽう、年明けからは復調傾向になり、4月ごろまでは上昇しています。しかし、2019年5月からはふたたび急激な下落が起こっています。
これによって、2018年には114円まで伸びていたドル価格は7円以上も下落しています。FRBが利下げの方針を示したことで楽観的な見方が強まった時期もありましたが、対立激化でふたたび緊張感が増しています。
トルコリラは右肩下りで下落
ここ最近、高いスワップポイントで話題を集めているトルコリラも見逃せません。トルコの政策金利は現在24%となっており、過去に例をみない異常なまでの高金利を設定しています。2018年終盤には復調の傾向を見せていましたが、年明けからはふたたび右肩下がりで下落が進行しています。
トルコリラはアメリカの利上げなどによっても影響を受けてきました。ドルなどの安定資産に資金が流れたことで大幅に通貨価値は下落を続けています。追い打ちをかけるような再選挙の報道は、利下げでふたたび新興国通貨に資金が流れると見込まれていた現状をさらに悪いものに変えてしまいました。
先行きは不透明だがリスクオフの傾向がやや優勢
現状先行きは少し不透明ですが、リスクオフの傾向がやや強くなってきている可能性はあります。利下げによって安定資産からフリーマネーが生まれ、新興国通貨などに活発に投資されることが予想されていましたが、世界情勢の悪化や地政学的なリスクの高まりによってこうした楽観的な見方は低くなっている可能性があります。
人民元は米中貿易摩擦の影響でドルに対して値下がりが続いています。ここ最近では、中国政府が値下がりを止める対策を打ち出すなどで、1ドル6.7人民元ほどで落ち着きを取り戻しています。ちなみに、中国の投資家の多くが1ドル7人民元を超えると資産運用で大きな損失が出ると言われています。目安の1つとして覚えておきましょう。
2019年のおすすめ銘柄と投資方法
ここまで、2019年のこれまでの状況や今後の見通しなどを確認してきました。現状ではどちらに触れるか先行きが少し不透明な状態が続いていますが、今のところはリスクオフの方が優勢だと考えることができます。
ここからは、2019年後半のおすすめ銘柄や投資方法を見ていきますが、こうしたリスクオフの流れを考えてショート目線の取引をすることが大前提となります。
①再選挙で与党側が勝利した場合のトルコリラ円のショート
まずは、トルコリラです。トルコでは上述したように、現政権の選挙介入によってイスタンブール市長選を6月23日にやりなおす予定となっています。この選挙戦の行方は今後のトルコリラの価格を考えるうえで、非常に大切だといえます。
逆に野党側が勝利した場合でも、現段階ではトルコリラのロングポジションを保有することはおすすめできません。ここ最近では、トルコ政府の中からは固定相場制への移行を求める声が出ています。固定相場制は経済をリセットするために過去に何度か利用されたことがあります。いっぽう、現在では実際に実現することが難しいので可能性としてはほとんどないですが、それほどまでにトルコの情勢が深刻であることをこの発言は示していることがわかります。
こうした点からも、とにかくトルコリラはショート目線でポジションを持つことをおすすめします。
②ポジティブなニュースが出るまでドル円のショート
続いて紹介するのが、ドル円のショートです。これまでトランプ政権になってから、株価は右肩がありで上昇を続けてきました。一時頭打ちとなったものの、IT関連やハイテク、鉄鋼などの銘柄を中心に上昇を続けています。しかし、米中貿易摩擦の影響などから、こうした資金もリスクオフのため安定資産である円に流れてくることが予想されます。
そのため、ドル円のポジションを持つのであれば、後半期でもショートがおすすめです。ただし、今後のアメリカの政治や経済の状況にもよりますし、イランへの攻撃など地政学的なリスクによってはどうなるかわかりません。ニュースも常に確認し、さまざまなリスクを考慮しながらポジションを持つようにしましょう。
③イギリスが好景気になればユーロ円のショート
2016年にイギリスはEU(欧州連合)からの脱退を表明しています。今後もしイギリスの景気がよくなってくれば、こうした流れに続いて他国でも離脱の世論が高まるかもしれません。そうなると、ユーロの価格にも悪い影響が出る可能性が考えられます。
日本円は2019年であればどのような状況下でも、基本的に安定資産と考えられるため、ユーロ売りの円買いが加速することが予想できるでしょう。そのため、イギリスの景気動向をチェックしながら、良いファンダメンタルが出ればユーロをショートすることをおすすめします。
FXの2019年で注意しておくべきこと
ここまでで、2019年の前半期の状況と後半期の予想を確認してきました。ここからは、2019年の後半の取引において、気をつけておきたいポイントをまとめていきましょう。
①ファンダメンタルは常に注視する
現状の情報を基に考えると、2019年の後半は楽観的な相場になる可能性とリスクオフのどちらにも触れる可能性があります。現状はリスクオフがやや優勢ですが、何かしらのきっかけで一気に反転する可能性も秘めています。そのため、各国のファンダメンタルは常に注視する必要があるといえるでしょう。
そのため、こうした状況を避けるためにも、できる限りで良いのファンダメンタルは常に注視しておきましょう。情報に応じていつでもトレードしておけるように準備しておくことも、2019年のトレードにおいては非常に重要となります。
②低レバレッジでの取引を心がける
低めのレバレッジで取引することも忘れずに心がけましょう。あまりにもレバレッジをかけすぎると、急激な価格変動などによって一気に損失を出してしまう可能性があります。特に、2019年は方向感がはっきりと出ていないため、より警戒する必要があります。
また、海外のFX事業者でのハイレバレッジもおすすめしません。こうしたFX業者では、日本での25倍のレバレッジよりも大きな100倍や500倍というとてつもないレバレッジを使うことができます。通常の状態でも危険なのに、先行きが見えない状態でこうした海外事業者のハイレバレッジ取引をすることは避けた方が良いでしょう。
③浅めの損切りを徹底する
浅めの損切りを徹底することは、FXにおいては非常に重要です。FXでは一定の証拠金水準まで損失が出ると、ロスカットによって強制的にポジションが決済されます。いっぽう、FX業者が定めているロスカット水準だと損失が非常に大きくなる可能性があります。
「あたまとしっぽはくれてやれ」という言葉があるように、最高値や最安値を意識してトレードすることは避けましょう。損は小さく、勝ちは大きくの精神で取引することで勝率を上げていくことをおすすめします。
④スワップポイントに釣られない
2019年はスワップポイント狙いでトレードをするのは非常に危険です。現在アルゼンチンやベネズエラ、トルコなど世界中の新興国で通貨危機が起こっています。こうした国では高い金利を設定することで外貨を集め、自国通貨の価格上昇のためお金が流れてくるようにします。
FXではスワップポイント狙いで金利生活をしたいという人の多くが失敗談を出しています。その国の情勢をしっかりと調べていないため、通貨自体の値下がりに目がいかないのです。いっぽうで、よほどの資金力がない限り金利収入を得てプラスで運用するところまでいくのは難しく、おすすめできません。
⑤トランプ大統領のツイッターは必ずフォローしておこう
トランプ大統領のツイッターは必ずフォローしておいた方が良いでしょう。先日の中国への追加関税に関しても、トランプ大統領はツイッターで発表しています。発表後はもちろん、その後のチャートにも大きく影響を出すため、フォローとチェックは2019年には特に欠かさず行った方が良いでしょう。
トランプ大統領のツイッターをフォローしておけば、こうしたニュースもいち早くチェックできます。もちろん、政府の公式発表も欠かさずチェックすることも重要です。
まとめ
以上、FXの予想について解説してきました。今回紹介したように、FXでは後半も緊張感のある相場が続きそうです。リスクオフが強まれば、安直にポジションを持ってしまうと痛い目を見ることはまちがいないといえるでしょう。スワップポイントにつられてトルコリラに投資をすることは、特におすすめできません。もしトルコリラへ投資をするのであれば、低レバレッジでショートでポジションを持つことをおすすめします。
また、各国の情勢は常に注視しておきましょう。イランなど地政学的なリスクも高まってきており、ますます先行きが不透明な状態が続いています。ポジティブに転換する可能性とネガティブに触れる可能性が均衡している状態では、安易な予想でポジションを持つことはおすすめできません。いっぽうで、短期的にはリスクオフの傾向がやや優勢で、今後も継続する可能性は少し高めだと予想できます。どんなきっかけでトレンドが転換するかわからないので、各国の情勢や発表などは常に調べておくよう心がけましょう。