なぜ学資保険の元本割れする?元本割れしやすい3つのケース

学資保険の元本割れとは?

「学資保険が気になるけど、元本割れしてまで加入する意味は?」

主に教育資金の貯蓄を目的とした「学資保険」ですが、学資保険と言っても一括りには出来ず、学資保険の中にも様々なタイプ・保障を提供しているものが存在しています。

また、加入時期・払込期間等が人によって異なってくるため、ケースによって保険料と保険金の関係性は変化しがちではありますが「元本割れ」してしまう学資保険が少なからず存在しているのも、事実です。

なので、今回この記事では「学資保険と元本割れ」という部分に焦点を絞って、以下のようなポイント

  • 学資保険の元本割れとは?基本的な部分について
  • 注意したい元本割れになりやすいケース
  • 元本割れするのに、なぜ学資保険に加入するメリットがあるのか?

等を中心的に、詳しく学資保険と元本割れというポイントについてご紹介していきたいと思います。

まず、はじめに学資保険と元本割れの基本的な部分についてチェックしていきましょう。

学資保険とは?

まず、はじめに簡単に学資保険の基本的な部分について軽くおさらいしておきたいと思います。

学資保険について簡単にまとめると「教育資金の貯蓄を目的とした保険」になっています。ただ、大きく分けて学資保険の中にも2つのタイプが存在しています。

まず、はじめのタイプは「貯蓄型」と言われるようなタイプです。貯蓄型の学資保険は、その名の通り「貯蓄のみ」に焦点を絞った保険になっており、保険の性格上保障内容もシンプルになっています。

そして、もう一つのタイプは「保障型」と言われるようなものです。学資保険の教育資金を貯蓄していくという本来の目的にプラスして、お子さんがいる家庭で必要になりそうな保障が充実している保険になっています。

現状では保障型よりも貯蓄型の方が一般的な学資保険になっており、返戻率も高いものになっています。そのため、一概には言えませんが、保障型の方が元本割れしやすい保険だと言えるでしょう。(単純に保険料と保険金を比較した場合は、ほぼ元本割れする)

学資保険の詳細については以下の記事で詳しくご紹介しています。

なぜ、学資保険は元本割れするのか

なぜ、学資保険の元本割れについて理解を深めるためには、学資保険がどのような保険なのか?をもう少しだけ押さえておいた方が理解しやすいです。

学資保険は「貯蓄を目的とした保険」であり、他の保険と同じように月々・年々・一括と言ったように、ニーズに合わせて予め設定されている保険料を支払っていく必要があります。(つまり、満期の保険金を受取るための保険料)

この保険料を支払いっていく期間を「払込期間」と呼ぶ事もあります。そして、学資保険の元本割れとは「払込期間で支払った保険料よりも、少ない保険金」を受取る事になってしまう事です。

つまり、簡単にまとめてしまうと学資保険は貯蓄を目的とした保険でありながら、元本割れとは「支払った保険料よりも低い保険金が返ってきてしまう」という事なのです。

返戻率を理解する

では、なぜそのような事が起こってしまうのか?どうやったら元本割れを見抜くことが出来るのか?というポイントについて解説していきましょう。

そこで、参考にしたい数字は「返戻率」という数字です。学資保険に加入しようか迷っており、様々な情報を調べている方は一回は目にした事・聞いた事があると思います。

返戻率とは「支払った保険料に対して何%返ってくるのか?」を表した数字になります。

例えば、支払った保険料が「100万円」で、返ってきた保険金が「108万円」の場合は、返戻率は108%という事になります。

(108 ÷ 100 × 100%)

逆に、上記のケースで返ってきた保険金が「90万円」だったと仮定した場合は、返戻率は90%という事になります。

(90 ÷ 100 × 100%)

返戻率が90%のケースでは「100万円支払って90万円返ってきた」という事なので「100万円 – 90万円 = 10万円」という事で、10万円分元本割れしたした事になります。(支払った分よりも少なくなった)

つまり、返戻率が100%以下の学資保険の場合は、元本割れしてしまうという事なのです。そのため、この返戻率を重視する事で、その保険がどのくらいお得なのか?という点もしっかりと数字で認識する事が可能です。

また、この返戻率というのは学資保険のみに限った話ではなく、現在販売されている「返戻金・保険金が必ず返ってくる」と言ったような貯蓄性をもった保険で、基本的に用いられる数字です。

貯蓄性を持った保険が加入する場合、返戻率はしっかりと確認しておきたい数字の一つだと言えるでしょう。

注意したい3つのケース

先程、学資保険の基本的な部分や、元本割れを見抜くために最も重要視するべき「返戻率」について解説させて頂きました。実際の所、学資保険で元本割れを避けたいなら「100%以上」の学資保険を選択すれば良いです。

ただ、これだけだと「大体の目安が知りたい」と言った質問もあると思うので、こういう学資保険・ケースでは元本割れしやすいという目安をご紹介していきたいと思います。

元本割れしやすいケースでは、以下のような特徴がある事が多いです。

  • 払込期間が長い
  • 支払いサイクルと保険金の受け取り
  • 子供と契約者の年齢・性別

また、今回は「貯蓄型」に限ったケースをご紹介します。というのも、保障型は基本的に元本割れします。そのため、保障型は基本的に「元本割れ前提」で加入するものなのです。

そのため、保障型の場合は「保障型である時点で元本割れする特徴」と言えるような保険なので、元本割れを避けたい方は注意しましょう。

払込期間が長い

学資保険では予め受け取りたい保険金を設定し、その上で払込期間等を決定し、具体的にどのくらいの期間で・どのくらいの負担で保険料を支払っていくのか?決定していきます。

払込期間を短くすると何が起こるのか

一時的な経済負担を考慮した場合は、払込期間が出来るだけ長い方が望ましいです。予め支払うべき保険料を決まっており、それを短い期間で分割するよりも、出来るだけ長い期間で分割した方が月々・年々の負担が少ないからです。

身近な例に携帯の機種代金が挙げられると思います。元々は24カ月の分割というプランが多かったですが、現在はスマホのスペックが上がった事により、機種代金は上昇の一途を辿っており、10万円超えのスマートフォンも少なくありません。

これまでと同じような24カ月では、月々の負担が大きくなるため、最新機種の契約では36カ月等のプランを選択している方が多いでしょう。このようにして、払込期間を長くした方が負担が軽減されるケースが多いです。

ましてや、学資保険では数百万円という金額を積立ていくのですから、その負担はかなり大きなものになっています。

払込期間が長いと返戻率が下がる

しかし、学資保険においてはこの払込期間が「長ければ長いほど、返戻率は低くなる」という傾向があります。

これは学資保険に限った話ではなく、保険というのは払込期間が長ければ長いほど、支払う保険料が高くなるという性質を持っている事が多いです。

あまりにも短すぎる払込期間は負担が大きいので、おすすめできませんが、あまりにも長いと元本割れするリスクがあります。

支払いサイクル・保険金の受け取り

また、学資保険は支払いサイクルを短くすればするほど、返戻率が高くなってくるケースが多いです。また、保険金についてもまとめて受けると、返戻率が高くなりやすいです。

なぜ、そのような事が起こるのでしょうか?詳しく解説していきます。

支払いサイクル

学資保険には保険によって様々な支払いサイクルがありますが、どんな保険でも「月々・年々・一括」という選択肢は用意されていると思います。

もちろん、一括で保険料を支払うというのは難しいですが、余裕があれば年々払いくらいが良いと思います。そちらのケースの方が返戻率が上がりやすく、お得に学資保険に加入する事が可能です。

この話は逆に取る事も可能で、支払いサイクルをあまり短いものにすると、様々な要素(払込期間・年齢)と重なって、元本割れしやすい学資保険にしてしまう可能性があります。

そのため、余裕がある場合は出来るだけまとまった支払いが可能な支払いサイクルを選択しましょう。

保険金

保険金に関しても後にまとめて受け取った方が、返戻率は低くなりにくい傾向にあります。つまり、保険金を分けて短く受け取ってしまうと、返戻率が低くなりやすいという事です。

学資保険の保険金の受け取りには、保険によって様々なプランが存在していますが、一般的には2つのパターン分けられると思います。

1つ目のプランは、保険金の受け取りを数回に分割するものです。例えば「小中高大入学ごと」のように、数十万円ずつ受け取っていくような保険金の受け取り方です。

特徴としては分割で保険金の受け取りが可能で、それぞれの入学時の出費に備えられるポイントです。やはり、教育資金が最も高額になりやすいのは大学入学時になっています。

ただ「中学校・高校の制服代」等のように、以外に大学に入学する以前でも出費が重なるケースは存在しており、このような負担を軽減していく事が可能になります。

基本的に「まとめて支払う・まとめて受け取る」というのが、返戻率を下げないコツです。

「バラバラに支払う・まとめて受け取る」という2つの要素が加わってしまい加入するタイミングも悪いと、貯蓄型のものでもほぼ返戻率が期待出来ない・元本割れのリスクがあるので注意しましょう。

子供・契約者の年齢・性別

最後に「子供の年齢・性別で返戻率元本割れしにくい工夫」についてご紹介していきたいと思います。これまでご紹介していきた元本割れの特徴は、工夫すればどうにか出来る部分ではありますが、今回のものに関しては難しい事が多いでしょう。

まず、はじめに子供・契約者とも「年齢が若い方が返戻率が下がりにくい」という特徴があります。また、契約者に限った話をすると女性の方が返戻率が下がりにくい特徴があります。

なぜ「年齢・性別によって返戻率が変わるのか?」というポイントに疑問を持つ方もいるかも知れません。一概には言えませんが、契約者に限った話をすると「年齢・性別によってリスクが変わるから」です。

男性よりも女性の方が死亡等のリスクが低く、年齢が低い方が同じようにそのようなリスクが低いと言えるでしょう。そのため、統計的に計算された結果このような結果に繋がっているのです。

今回、ご紹介していきた元本割れしやすい特徴というのは、逆に考えると「返戻率を上げるコツ」という部分にも繋がります。

返戻率が上がる=保険のお得度が上がるという事にダイレクトに直結してくれるので、出来るだけ工夫して保険に加入したいものです。

なぜ、元本割れするのに加入するのか

先程、元本割れしやすい学資保険の特徴についてご紹介させて頂きました。ただ、上記したようなポイントを見てしまうと「貯蓄するための保険なのに、なぜ元本割れするようなリスクを負うのか?」という疑問が出てくると思います。

確かに、ただ貯蓄していくだけなら元本割れするようなリスクはありませんし、ネット銀行等の定期預金等を利用すれば、学資保険よりも高いリターンを期待出来るのです。

学資保険は様々な事を考慮しないと損をする可能性もあるし、それほどリターンも見込めないとなると、正直の所「そこまで加入する意味があるのか?」という疑問も出てくるのは当然の事だと思います。

なので、これから「元本割れするリスクがあっても、学資保険に加入する人がいる理由」について詳しくご紹介していきます。この点を踏まえて、学資保険に加入するとより学資保険に加入している意味を感じられると思います。

どんな事があっても教育資金は確保

学資保険の最も大きな特徴の一つに「重度の障害を負った・死亡したとしても保険金を確保出来る」という点があります。

これは、ほぼ全ての学資保険に備わっている特徴であり、学資保険最大のメリットとも言えるでしょう。というのも、学資保険には一般的に「契約者が死亡・重度の障害を負った場合は保険料免除」という保障が存在しています。

つまり、もしもの事があった時は保険料の支払いが免除され、保険金がしっかりと支払われるという事なのです。これによって、何かあった時でも教育資金を確保できるという側面が存在しています。

なんだか生命保険の死亡保障に似ていると感じる方もいるかも知れませんが、生命保険の死亡保険金が実際に教育資金に使われるのか?という点には大きな疑問が残ると言えるでしょう。

ただ、学資保険は教育資金のために加入した保険ですし、支払われるタイミングについても「大学入学時」と言ったようなケースが多く、教育資金が必要な時期に保険金が支払われ、本来の用途して使われる可能性が高くなります。

もちろん、実際の用途については子供・その後の保護者等に大きく左右される部分である事は事実ですが、教育をしっかりと受けさせたいという方にとっては大きな安心感に繋がると思います。

貯蓄を強制的に行える

学資保険以外でも、教育資金を貯蓄していく事は理論的には可能ですし、理性の面から見た時に、学資保険よりもリターンが大きな金融商品等はたくさん存在しています。

正直な所、学資保険のリターンというのは資産運用と比較した時にそれほど大きくないというのも、事実の一つだと言えるでしょう。ただ、学資保険のメリットは「本当に貯蓄していけるのか?」という側面にあります。

というのも、自ら貯蓄を行っていくと言っても、しっかりと貯蓄を行えずに「貯金に失敗した」という方も少なくないでしょう。

実際の所、日々たくさんの出費を行う中で、なかなか貯蓄にお金を回すというのはハードルが存在している事も事実です。

ただ、学資保険の場合は「保険料」という形で、ほぼ強制的に保険料を支払う事になります。加入後に、支払わない事も可能ではありますが、学資保険を中途解約してしまうと大きく損をしてしまう可能性が高く、心理的なハードルが存在しています。

そのため、学資保険は「お金の管理に自信がない」「貯蓄しているか不安」という方にとっては大きな味方になると思います。

税金で考えた時の恩恵

子供のために貯蓄・資産を残しておくという事を目的に考えた時に、様々な選択肢が存在しています。実際の所、学資保険は教育資金に特化しているというだけで、選択肢の一つにしか過ぎません。

ただ、税金で考えた時にお得な恩恵を受ける事が可能です。リターンが返ってくるような金融商品には移動させる場合にお金が掛かり、贈与の場合は「贈与税」、契約者が受け取る場合は所得税の「一時所得」として扱われます。

しかし、保険料と保険金を比較した時に「50万円」以内なら、学資保険の保険料は「非課税」になるのです。(プラスして返ってきた分が50万円以内)

様々な金融商品が存在していますが、このような恩恵を受けられるのは学資保険を含めた保険のみです。

まとめ

学資保険の元本割れについて

  • 支払った保険料よりも低い保険金が返ってくる事
  • 返戻率を押さえると、元本割れをチェックできる

元本割れしやすいケース

  • 払込期間が長い事による返戻率の低下
  • 支払いサイクルと保険金の受け取りというタイミングによるもの
  • 加入時の年齢や性別によって返戻率が低下した場合

元本割れするリスクがある学資保険に加入する意味

  • 何があっても教育資金を確保できる
  • 貯蓄を保険料という形で行える
  • 税金の面で、有利になる

今回は、学資保険と元本割れというテーマについて、返戻率と元本割れ、元本割れしやすいケース、学資保険に加入する意味等についてご紹介させて頂きました。

学資保険は加入する時期や年齢・性別等によって、総合的に返戻率が低下し、元本割れしてしまうケースが存在しています。

そのようなケースは無理に学資保険に加入しなくて良いです。そのようなケースでは、他の選択肢を検討するのが良いと思います。やはり、貯蓄性が重要な保険なので損をするとはじめから分かっているなら、わざわざ加入する必要性はありません。

senna
senna
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金融業界経験 4年 個人投資家 3年

個人投資家として「株式」「債権」「FX」「仮想通貨」などへの投資・投機を中心的に行っている。

資産運用はもちろん、ファイナンシャルプランナーの知識を活かしながら、税金やライフプランに関する情報発信を行っている。

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