堅実なマンション経営の仕方!メリット・デメリットも合わせて紹介

不動産5

マンションは非常に高額な買い物。ほとんど全ての人がローンを組んで購入します。ローンの支払いにあてられるのは家賃収入。住宅ローンのように自分の給与から支払うわけではありません。マンションオーナーさんにとっては自分の財布から出ていくお金ではないので、ローンを払っているという感覚がないのです。また、通常投資といえばある程度の資金を必要としますが、マンションのローンは家賃で支払うので、多くの資金がなくても始められる投資なのです。

そして、ローンを払い終えれば家賃はすべてオーナーさんの収入になります。定年退職して、給与所得がなくなる時期に入って、こうした収入があればとても有利です。でも例えば40歳の人が投資用マンションを購入するのに35年のローンを組んだとします。ローンを支払終えるのは75歳。ローンの支払いが済めば家賃がまるまる収入となるわけですが、そうなるまで35年も我慢してマンション経営をする必要があるの?と思われるかもしれません。

ですが、マンション経営はサラリーマンなどが年収を大きく増やすことができるという魅力があります。公的年金だけでは、老後の生活が不安になるかもしれませんが、家賃収入があることは大きな安心につながります。また、アパート経営・マンション経営以外の収入と損益通算ができるので、所得税の節税にも効果があると言えます。サラリーマンなどが、給料所得のある働き盛りのうちからアパート経営・マンション経営を始めるなら、在職中は節税対策になり、定年退職までに確実に借入金の返済が終わっていれば、ゆとりのある老後を送るための布石となることでしょう。今回はそんなマンション投資の仕組みから、どのくらい節税効果があるのか、メリットやデメリットなども任せてご紹介いたします。

マンション経営

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マンション経営の仕組み

同じマンションでも「居住用」と「投資用」では捉え方が180度変わってきます。
居住用とは言わずもがな、自分が住むためのマンションのことです。実需と呼ばれています。

一方、投資用は、人に貸して、家賃収入を得るためのマンションのことを指します。最近は、定年退職後の資産形成などのために、家賃収入を求めて投資用マンションを買うサラリーマンが増えています。

マンションを購入するという意味では「居住用」も「投資用」もどちらも共通しているのですが、使い方はまったく異なるのです。

投資用マンションにて得られる収入は、大きく分けて2つあります。

一つ目は、インカムゲインという手法です。これは資産を保有している間に得られる収入のことを言います。マンション投資でいうと、物件の家賃収入がそれに当たります。例えば、家賃5万円の区分マンションを一室持っていた場合、毎月5万円の家賃収入が入ってきます。1年間で60万円です。

収入といっても、実際には住宅ローンを利用して購入し、毎月のローンの支払いは、家賃収入で賄っていくという手法が一般的です。定年までの時間を有効活用して住宅ローンの残債をこつこつ減らし、ローン返済後は、毎月安定して家賃収入を得る。このような中長期の計画が実現できることから、年金に代わる収入源として注目されているのが、マンション投資のインカムゲインなのです。

また、キャピタルゲインという売却益を得る方法もあります。安く買ったものをなるべく高く売るという至極単純なものですが、投資用マンションは、中長期的に所有することを大前提としておりますので、キャピタルゲインは、初めから狙うものではなく、売却するタイミングの結果として得られる収入と考えるのが一般的です。

投資用マンションの種類

1棟新築マンション投資

1棟マンションとは、その名のとおりマンションを一棟丸ごと購入または建築して管理する投資を指します。マンションの戸数は物件によりますが、一般的には数千万から億単位の購入資金が必要となり、区分マンションと比べると、格段に敷居は高くなります。

1棟中古マンション投資

中古マンションを一棟ごと購入し、運営することを指します。築20年など古くなってきて価格が落ちてきたマンションを購入し、マンション全体の大規模改修を行い、差別化をはかって購買力を高める方法もよくあります。

「1棟マンション投資」は、新築・中古ともに、経験豊富な投資家向けと言えるでしょう。

区分新築マンション投資

「区分マンション」とはマンションの数ある部屋の中の、1室を指します。新築マンションは、新しさゆえに清潔感があり、最新の人気設備なども標準装備されていることが多いためステータスにもなり、居住者に好まれます。ハイグレードな仕様・設備を扱うことが多いため、価格は中古の区分マンションよりもかなり割高な傾向にあります。

区分中古マンション投資

中古の区分マンションは、築年数が経過している分、新築よりも安いものが一般的です。しかし設備などが古くなっているため、室内のエアコンや乾燥機などの故障により、突発的な支出が生じるケースもあります。また、建物全体の管理状況を確認しておくことも重要です。

マンション投資の利回りの計算方法

不動産投資をする上で、利回りの定義については確実に覚えましょう。これが理解できないと不動産投資を始めることは難しくなります。不動産投資では、常識的な用語ですが、正確に理解できていない方が多いので、確実に頭に入れてください。

まず、利回りとは、投資額に対してリターンがどれくらいあるかを測る尺度のことです。銀行にいけば、金利が0.01%などと表示されていますね。預貯金や債券、株式などの金融資産と同じものです。したがって、不動産投資における利回りは、投資額に対してどれほどのリターンが得られるかを見極める指標となります。

ところが、不動産投資の世界では、利回りの概念が2種類あります。表面利回り(グロス利回り)実質利回り(NET利回り)です。表面と実質と難しい用語に見えるのが、不動産用語の面白いところです。

 

表面利回り

年間の家賃収入の総額を物件価格で割り戻した数字です。表面利回り数%という使われ方をします。表面利回りが10%の場合、1年間の家賃収入で、物件価格の10%を回収できるという計算になります。この場合、ずっと満室が続けば、10年間で物件価格を全額回収できるということになります。

計算式は、年間家賃収入÷物件価格×100。例えば、毎月の家賃収入が10万円、年間で120万円のマンションを2,400万円で購入した場合、その物件の表面利回りは5%となります。

しかし、ここでの年間家賃収入は、満室想定です。つまり、不動産業者が高く売るために空室の部屋の家賃想定を上げている可能性があるのです。不動産業者がつけた利回りであり、本当にその家賃収入が決まっているわけではありません。

したがって、この満室想定が正しいと思って賃貸経営すると後で痛い目に遭うかもしれません

そして、もうひとつ不動産投資では、考慮しないといけないことがあります。それは、経費です。金融商品では、経費を考える必要はないのですが、不動産投資には大きく経費がかかります。それも、どの収益不動産も同じ経費がかかるわけではないことが、重要なポイントです。

実質利回り

表面利回りの計算式にその他の諸経費を盛り込んだ数字です。諸経費とは、空室損失費用、管理料、修繕積立金、固定資産税、都市計画税、修繕費用、水道光熱費、リース料、出張費用等、業務管理を委託した場合の管理委託料などが挙げられます。管理委託料の相場は、家賃の3〜5%と言われています。

計算式は、「(年間家賃収入-諸経費)÷物件価格×100」。諸経費の分が差し引かれるので、表面利回りと比べると数値は下がります。

表面利回りよりも実質利回りは、現実的な数字になり、収益物件同士の比較が容易になります。しかし、空室損失費用や修繕費用をどのように計算に含めるのかという難しい問題があります。立地、間取り、設備、環境、築年数などから予測する必要があります。とはいえ、この空室損失費用や修繕費用を正確に見積もりことは難易度が高く、この計算式にあてはめるためには、相当な労力が掛かってしまいます。

実質利回りの経費は、あくまでも予測しないといけない空室損失費用や修繕費用があり、正確な登記費用等の慣れない計算をすることはハードルが高いからです。ここが難しくて実質利回りはよくわからないということになってしまうのですが、そこまで難しく考える必要はありません。あくまで、実質利回りは、表面利回りよりも現実的な利回りとなっていて、それを全て鵜呑みにしてはいけないことだけ意識しておきましょう

マンション経営の節税効果

マンション経営に興味を持っている方の多くはアパート経営の節税効果に惹かれているのではないでしょうか。まずは何故マンション経営が節税に繋がるのか、その仕組みを解説していきます。

アパート経営による節税の仕組みを簡単に説明すると、確定申告を行って、赤字計上をすることで過払い分を受け取るということになります。

例えば、サラリーマンで給料を貰っている人であれば、所得税と住民税が給料そのものに課税されていますが、アパート経営をしている場合は経費計上ができるようになります。

アパート経営に掛かる管理費用、固定資産税、修繕費、借入金利、減価償却費などの諸経費を家賃収入から差し引いた金額に税金がかかるということです。この控除によって税務上赤字になった場合には、アパート経営による収入に課税されることはありません。さらにこの赤字分は、会社から受けた給料からも差し引くことができるため、その分課される税金は少なくなります。

アパート経営を行うことで、アパート経営による赤字と所得の黒字を相殺する損益通算が可能になり、それによって課される税金を減らすことができるということです。

アパート経営を行うことで具体的にどのような節税効果を得ることができるのでしょうか。ここではアパート経営によって節税できる税金の種類とそれぞれの節税効果を紹介します。

所得税と住民税の節税

マンション経営の経費をしっかりと漏れなく計上することで、所得税の支払額を抑えることができます。所得税の節税効果は所得が多いほど大きくなりますが、そうでない場合でも必要経費による所得の軽減や損益通算することによって、所得税を極力抑えることが可能です。

所得税を算出するには、まず家賃収入から必要経費を引いて不動産所得を計算します。計算式は「不動産所得=不動産収入–経費」です。さらに給与所得など別の所得がある場合にはその金額も不動産所得に合算して所得の総額を算出します。

こうして得られた所得の総額に対応する所得税率を不動産所得に掛けることで、不動産所得の所得税を出すことができます。

また住民税はこの所得税の金額と連動して決まります。住民税は一律で市区町村税6%・都道府県税4%の10%課税されると決まっており、損益通算することで軽減されて還付されます。

固定資産税と都市計画税

マンション経営によって固定資産税と都市計画税も節税することができます。

固定資産税は、土地や家屋を所有している人が支払わなければならない市町村の地方税です。一方、都市計画税は、都市計画法による市街化区域内の土地や家屋に掛かる税金です。税額は土地部分と建物部分を別々に評価して決められます。

納税額は、課税標準額に対して固定資産税が1.4%、都市計画税が0.3%となっており、土地の評価額が2,000万円の場合、固定資産税は年間28万円ほど掛かるという計算になります。

しかし、これらの税金はさらに減らすことができ、更地にマンションを建てることで、住宅用地の特例という優遇措置を受けることができ、土地に課される固定資産税は6分の1に、都市計画税は3分の1に軽減されます。

相続税と贈与税の節税

相続税と贈与税については不動産投資による節税のメリットが大きく、この相続税対策という目的がマンション経営の理由の一つになっていると考えられます。

相続税においては、土地の評価額が約70~80%程度であるのに対し、建物は約30~70%程度であるため、更地を相続するよりも建物を相続した方が相続税が安くなり、節税になります。そのため、相続税対策としてマンションをはじめとする不動産を経営する人が増えているのです。

さらに節税効果を高めたい場合は相続するよりも生前贈与することをお勧めします。相続税による節税よりも贈与税優遇を受けた方がよりお得になります。

近年の税制改正で、相続税の基礎控除額は引き下げられ、税率の上限が引き上げられました。さらに、贈与税も税率上限の引き上げは行われましたが、相続時精算課税を選択する際の要件が拡大されるなどの緩和が実施されたことにより、相続するよりも生前贈与する方が支払う税金を減額できるようになったのです。

マンション経営のメリット

マンション経営のメリットは節税効果だけではありません。また、メリットだけでなくデメリットやリスク、注意点などもあります。本格的にマンション経営を検討する前に、マンション経営のメリットとデメリットを確認しておきましょう。

安定した家賃収入

マンション経営における最大のメリットは、経営に成功すれば長期的に安定した家賃収入を得られるということです。

またマンション経営では、突然の病気や怪我で働けなくなり、収入がなくなるという心配がありません。マンション経営によって不労所得を得ることができれば、仕事以外に使う自由な時間を増やすことができます。

万が一の時に家族に資産を残せる

マンションの住宅ローン契約時に、団体信用生命保険に加入しておけば、契約者が死亡するなど、もしものことがあっても住宅ローンの残高は保険から支払われる仕組みになっています。したがって、ローンは残らず、さらに遺族は賃貸を継続すれば賃貸収入を得ることができ、売却すればその資金を得ることも可能です。

このようにアパートは万が一の時に家族に残せる大切な財産としての役割も果たしているのです。

マンション経営のデメリット

空室リスク

マンション経営における最大の不安要素が空室です。

入居者を集められず空室があれば、その分収入が減ってしまい、最悪の場合には収入がゼロ、またはマイナスになってしまう可能性もあります。例えば周辺の学校や企業が移転や建物の老朽化などが不動産の需要に大きな影響を与えます。

空室を出さないためには、入居者を常に確保できるような魅力的なアパートの状態を維持し続ける努力が必要です。

金利の上昇

ローンの借入期間が長くなるマンション経営では、金利変動による返済額増加と、建物の劣化による減収が同時に訪れる可能性が高くなります。

こうした可能性に備えて、マンション経営を始める前には、金利の動向に注目しつつ余裕のある資金計画を立てる必要があります。

地価変動のリスク

マンション経営による利益には、家賃収入による利益と地価の上昇による利益の2種類があるという話はしましたね。

投資開始時よりも地価が下がっている状態でマンションを売却してしまうと売却損が生じてしまうため注意が必要です。

現状としては都市部の地価は上昇傾向、地方の地価は人口の減少などに伴い下落傾向にあります。マンション経営を行い、いずれは売却を考える場合には、こうした将来的な地価の変動も考慮しなければなりません。

まとめ

不動産投資は、現金を不動産化することで、経費を増やし、給与所得と損益通算をすることで節税の効果を期待することができるものです。

このような性質から考えて、アパート経営・マンション経営に向いているのは、給与所得があるかた方であると言う事ができるでしょう。給与のままでは税金で天引きされる額もそのままですので、不動産投資が節税に大きく役立つのです。

しかし、投資である以上、損失もでる可能性があることを忘れないようにしましょう。元本保証の定期預金などではありませんので、資金の余剰具合を見ながら、投資について慎重に行う必要があります。

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