FXの証拠金とは?メリット・デメリットから取引で気をつけておきたいポイントまで徹底解説!

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FXの証拠金って具体的にどういうもの?いくらくらいあれば良いのかなあ・・・?

こんな気持ちを持っていませんか?

FX取引において、証拠金は非常に重要です。なぜなら、証拠金はFXの取引は勝ち負けに大きく左右するからです。しかし、FXを始めたばかりの人だと、そもそも証拠金とはどういうものなのか、いくらあれば良いのかなど、細かな点で疑問を感じる人も多いでしょう。

そこで今回の記事では、FXの証拠金はどのようなものか、概要やメリット・デメリットを解説していきます。また、FX取引時に気をつけておきたい証拠金のポイントも合わせて解説していきます。

FXの証拠金とは?

FXの証拠金をひとことでいうと、FX会社に提出する担保になるお金のことを指しています。証拠金はFXの取引の仕組みと深く結びついているため、まずはその概要を確認していきましょう。

FX取引の仕組み

FX取引の仕組みについて見ていきましょう。FXとはそもそも、外国為替証拠金取引のことを指しています。具体的には、日本円を使って海外の法定通貨の売買を行い、その取引の差額によって利益を出すトレード方法です。

たとえば、1ドルを100円の時に購入して、1ドル110円になったタイミングで売却したとします。この場合の計算式は、「110円( 1ドルの購入価格)- 100円(1ドルの売却価格)= 10円(取引利益)」となり、10円がこの取引の結果売買の差額の利益として生まれたことがわかります。

ここまでは一般的な他の投資とも同じで、利益を出すための基本的な仕組みは安い時に買って高い時に売るというものです。逆に高い時に買って安い時に売った時も、他の投資と同様にFXでも損失が発生します。

FXではこの仕組みに加えて、本来持っている資金よりも大きな金額を取引で利用することができます。証拠金は、この時に非常に重要な役割を担うものになるのです。

証拠金はFX会社からお金を借りるために必要になるもの

FXにおける証拠金は、FX会社に担保として提出するお金のことを指しています。担保になると書いていますがFXではこの証拠金の金額に応じて、取引で利用できる最大の金額も変わってきます。イメージ的にいうと、証拠金を使ってFX会社からお金を借りて、そのお金で取引をするような感じです。

たとえば、証拠金が10万円だった場合を考えてみましょう。FX会社の視点で考えると、あなたは取引における損失も10万円までは耐えられるということがわかります。そのため、FX会社が10万円よりも大きな金額を貸しても、それを超える損失が発生しない限りは回収することができるということができます。

加えて、FXではこの証拠金を元手に、どれくらいのお金をFX会社から借りて取引で利用できるかを決めた倍率があります。この倍率のことをレバレッジと呼びます。

証拠金を大きくするレバレッジの仕組み

レバレッジはFX会社ごとに数値が変わってきます。具体的に数値をあげると、10倍、15倍、20倍といった感じです。この倍率を証拠金に対して適用することで、適用後の金額すべてをFX取引で利用することができます。

たとえば、証拠金10万円でレバレッジが10倍だった場合を考えてみましょう。この場合の計算式は、「10万円(元手) × 10倍(レバレッジ)= 100万円(取引で使える金額)」となり、最大で100万円の金額を使って取引をすることができます。

上述したように、証拠金はどれくらいの損失まで耐えられるかを示したものでもあります。上記の例でいえば、FX会社の判断としては「10万円の証拠金があるから、仮に100万円まで貸しても大丈夫だろう」という視点に基づいています。

いっぽう、そんなにみんなが大きな金額で取引をしたら、FX会社のお金も足りなくなりそうと考えるかもしれませんね。しかし、FXでは実際に法定通貨がやり取りされるわけではありません。先ほどの例でいえば、100万円の資金をFX会社が用意する必要もないのです。これは、FXの差金決済の仕組みが関係しています。

FXにおける差金決済の仕組み

差金決済とは、取引で生じた差額のみを決済する方式のことです。わかりやすいように、例で考えてみましょう。

たとえば、1ドル110円の時に1ドル購入して、その後112円になったタイミングで全額売却したとします。この場合の計算式は、「112円(1ドルの売却価格)- 110円(1ドルの購入価格)= 2円(利益)」となるため、日本円とドルの売買の差額である2円がこの取引の利益として発生したことがわかります。

上記の例では、途中で日本円とドルの売買が行われていますよね。しかし、FXでは実際にはこの法定通貨のやり取りは行われません。差金決済の仕組みが採用されているので、取引の結果として生じた2円のみがやり取りされる仕組みとなっているのです。これによって、FXでは担保になる証拠金をもとにして、ユーザーにレバレッジを適用した大きな金額を使った取引を提供することができるのです。

差金決済により得られるショートのメリット

FXでは差金決済の仕組みによって、ショートという取引手法も使うことができます。ショートは日本語訳にすると、「売却」または「空売り」なんて呼び方もします。ショートは、本来であれば持っていない通貨をショート(売却)したと仮定して、後から買い戻すことで利益を出すトレード方法です。この手法を使うと、本来であれば損失が発生する価格が下落した時にでも利益を出すことができます。

たとえば、1ドル110円のタイミングでショート(売却)をしたとします。ショートをした場合、対象になる通貨は必ず買い戻しを行う必要があります。なので、1ドル109円になったタイミングでショートした1ドルの買い戻しを行いました。この場合の計算式は、「110円(1ドルのショート価格)- 109円(1ドルの買い戻し価格)= 1円(利益)」となり、1円がこのショートによって利益として発生したことがわかります。

要点をまとめると、ショートで売却した時よりも安い金額で買い戻すことができれば、利益を出せるという発想です。本来であれば保有していない通貨を、どうして売却できるのか疑問に思うかもしれませんね。しかし、FXでは先ほども解説したように、取引の結果のみをやり取りする差金決済の方式が採用されています。これによって、自分が持っていない通貨でも売却したという仮定のもと、ショートを行うことができるのです。

証拠金は10万円からスタートする人がほとんど

証拠金はいくらあれば良いのかも、初心者の方には気になるポイントでしょう。証拠金はFX会社の口座に入金するお金のことを指しており、具体的にはFXを始めるための初期費用ともいえます。

ツイッターなどで確認すると、大体の人が証拠金は10万円からFX取引をスタートしています。そのため、まずは10万円を準備して取引を始めてみると良いでしょう。

FXの証拠金のメリット

ここまでで、証拠金の全体的なイメージやはっきりとした概要はわかったことでしょう。ここからは、FXの証拠金が持っているメリットを確認していきましょう。

FXの証拠金のメリット

①少ない証拠金でも大きな利益を狙える

②少ない証拠金でも大きな利益を狙える

③少額の証拠金でもFX取引を行える

①少ない証拠金でも大きな金額を運用できる

少ない証拠金でも大きな利益を狙うことができる点は、証拠金の持っているメリットの1つです。上述したように、FXでは証拠金とレバレッジの仕組みを活用することで、本来であれば運用できない大きな金額を取引で利用することができます。

たとえば、証拠金が10万円でもレバレッジを10倍にすれば、100万円の資金を使ってFX取引ができます。もしレバレッジが25倍であれば、250万円を使ってFX取引をすることが可能です。国内では最大レバレッジ25倍と法律で決まっていますが、海外では100倍のレバレッジも存在します。こうしたFX業者を使えば、10万円の資金でも1,000万円を使ってFX取引をすることができます。

このように、証拠金は少額でも数倍、数十倍と取引で利用できる金額を大きくできる点は重要なメリットといえるでしょう。

②少ない証拠金でも大きな利益を狙える

1つ目のメリットと共通するところもありますが、証拠金の仕組みがあることで少額でも利益も大きな利益を狙うことができます。

たとえば、証拠金が10万円だった場合を想定してみましょう。もし何のレバレッジも適用せずに取引を行い、1万円の利益がでたとします。仮にレバレッジを10倍にして取引していれば、利益も「1万円(レバレッジなしの利益) ×  10倍(レバレッジ)= 10万円(レバレッジ10倍の利益)」となります。

つまり、レバレッジは適用したらした分だけ、本来の証拠金で出せる利益も倍増します。上記の例ではレバレッジ10倍で取引していますが、25倍であれば25万円、100倍のレバレッジであればなんと100万円の利益を出すことができるのです。このように、少ない証拠金でも大きな利益を狙える点は、証拠金が持っている大きなメリットの1ついえるでしょう。

③少額の証拠金でもFX取引を行える

少額の資金でもFX取引を行える点も、大きなメリットです。FXにおいて証拠金や取引で利用できる最小の単位は、FX業者によって異なります。

たとえば、国内でも最小の取引単位を提供しているのは、SBIホールディングスが運営するSBI FXトレードです。同社では、なんと最小で4円(ドル円)の証拠金でFXをすることができます。

投資をこれから始めようと考えている人にとって、初期の資金というのは頭を悩ませるポイントの1つです。上述したように、FXでは多くの人が証拠金10万円で取引をスタートしています。いっぽうで、10万円を準備できない人もいるかもしれません。こうした人でも、SBI FXトレードのような業者を使うことで最小4円という超少額からでも取引をスタートすることができます。

FXの証拠金のデメリット

FXの証拠金のメリットはだいたいわかりましたね。FXでは証拠金という独自の仕組みがあることで、通常の投資ではできないことも実現することができます。いっぽう、証拠金には良い点ばかりではありません。ここからは、証拠金が持っているデメリットを考えてみましょう。

FXの証拠金のデメリット

①証拠金維持率が下がるとロスカットの対象になる

②拠金を全額失う恐れもある

①証拠金維持率が下がるとロスカットの対象になる

FXの証拠金には、必要証拠金というものがあります。これは、取引で運用する金額に対して必ず必要になる証拠金の金額を指しています。

たとえば、証拠金がすべて合計して10万円だった場合を想定してみましょう。この証拠金10万円のうち5万円を使って、レバレッジ10倍で取引すれば50万円の資金を運用することができます。この場合、取引で利用している必要証拠金は5万円となります。また、残りの証拠金も10万円から必要証拠金を差し引いた5万円となります。

必要証拠金は為替レートによって常に変動していきます。もし保有したポジションに損失が発生する方向にレートが変動すれば、必要証拠金の金額は下がりますが、損失が出ているため証拠金全体の金額も低くなっていきます。そして、ある一定の水準まで損失が膨らむと、ロスカットという強制的なポジション決済の対象となってしまいます。この場合、その後ポジションを保有したままトレードを続けたくても、できなくなってしまうというデメリットがあります。

また、証拠金に対する必要証拠金の割合を、証拠金維持率という数値で表現します。目安にはなりますが、ざっくり75%〜125%でどこのFX会社でもロスカットが入る仕組みとなっています。

②証拠金を全額失う恐れもある

FXでは証拠金を全額失う恐れもあります。具体的には、自己資金よりも大きな金額を運用することが、その直接的な要因となっています。

上述したように、FXでは損失が一定水準以上にまで達するとロスカットが発動します。この仕組みによって、証拠金を全額失う前のタイミングで本来であればロスカットが入ります。しかし、為替レートは急激に価格変動を起こすこともあります。たとえば、スイスの中央銀行が為替介入を突如として取りやめたスイスショックと呼ばれる事件では、一瞬のうちにスイスフランの価格が20%以上も急騰する事態になりました。

このようなタイミングで逆側にポジションを持っていれば、ほとんどの場合ロスカットが発生します。しかし、この時には変動のスピードが速すぎてロスカットが追いつかず、多くの人が借金を背負う事態になりました。また、個人だけでなくFX会社にもこれによって破綻するところまで出てきています。こうした点を踏まえても、証拠金は全額失う恐れがあるということは大きなデメリットといえるでしょう。

FX取引において証拠金で気をつけておきたいポイント

ここまで、FXの証拠金についての概要やメリット・デメリットについて見てきました。最後に、FX取引において証拠金で気をつけておきたいポイントを確認しておきましょう。

証拠金には常に余裕を持って取引しよう

証拠金には余裕を持って取引をすることが大切です。上述したように、証拠金維持率が下がるとロスカットの対象になってしまいます。また、急激な価格変動に巻き込まれてしまうと、さらに大きな損失、場合によっては借金を出してしまう可能性もあります。

取引内容や経験によっても異なりますが、ロスカットはどこのFX業者でも75%〜120%くらいで発動する仕組みとなっています。ざっくり目安をいうと、維持率が200%以上の証拠金を常に心がけることをおすすめします。

あくまでも余剰資金で投資をするよう心がけよう

FXの証拠金には、あくまでも余剰資金を利用するようにしましょう。間違っても借金をして投資をするということは避けるべきです。

上述したように、FXでは自己資金以上の金額で取引を行います。つまり、場合によっては自分が持っているよりも大きな金額を損失として失う可能性があるのです。この時に借金をして投資をしていれば、さらに自分の首を絞めることになります。

こうした点からも、証拠金で利用する金額は余剰資金ということを忘れずに取引を行いましょう。

まとめ

以上、FXの証拠金について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。証拠金はFX取引において非常に重要な存在になります。なぜなら、その資金を元手にしてより大きな金額をFXでは運用するからです。こうした点を踏まえると、証拠金を準備しておくことでFX取引が円滑に行えることもわかるでしょう。

また、証拠金は全額を必ずしも1度の取引で利用する必要はありません。むしろ、証拠金には余裕を持って取引をしないと、ロスカットの対象になってしまいます。過去の暴落や暴騰の事例を考えると、ロスカットすら入らずに急激な価格変動に巻き込まれて借金を背負ってしまう可能性もあります。それを考慮すると、ある程度余裕を持って取引をした方が借金のリスクもロスカットのリスクも減るため、より効率的にFX取引を行えることがわかるでしょう。

ぜひみなさんもこの記事を参考に、証拠金を効果的に活用してFX取引に役立ててみてくださいね。

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