騰落率で選ぶJリート5選!値上がりした理由、保有物件もご紹介

SHARE

Jリートに投資をしようと思った時に、何を基準に銘柄を選べばいいのか迷ってしまうものです。Jリートの銘柄を選ぶ際には、騰落率を基準にする方法もあります。安く買って高く売ることは投資の基本ですから、値上がり率は高い方が大きな利益につながります。

騰落率とは、設立当初の価格と現在の価格がどれくらい変動しているのかを表した数値です。この騰落率は数値が大きければ大きい程、当初に比べて成長していると判断することができます。あるいは、今後さらに成長すると期待が集まっていることの現れでもあります。

そこで、今回は騰落率で選ぶJリート5選をご紹介致します。Jリートの銘柄選びにおいて、ぜひ参考にしてみて下さい。

最近の金融市場の動き

2019年度に入ってからも米中貿易摩擦に対する警戒心から、引き続き世界の金融市場は不安定な動きを見せています。トランプ大統領が急伸する中国経済へ不安を抱き始め、出る杭は打たれる的な処置を開始したのが2018年の1月あたり。

それ以降、米中は互いに相手の打撃となる切り札を貿易というテーブルに叩きつけながら、関税合戦を加速させてきています。米国も中国も世界諸国にとって欠かせない経済大国です。その2国の争いは当然、世界諸国の金融市場へも大きな打撃と不安を与えています。

そろそろ終止符が打たれるべきでは?

と誰もが心の中で願いながらも、未だ先の見通しは見えないのが現状です。おそらく、自らの影響力を知る米中それぞれが、関税合戦を続ける危険性を知りつつも、後には引けないといった状況でしょうか。

2018年以降は、米国を始め世界の株式市場は貿易の交渉の経過に応じて乱高下を繰り返しています。

国内の金融市場の動き

国内の金融市場に関しては、日経平均株価の騰落率はここ1年でマイナスを記録しています。とくに本年度に入ってからは、TOPIX、日経平均株価などの主要指標は乏しい動きを見せています。

ここ1カ月ほど、価格を持ち直す場面もありましたが、やはり上値を重く、国内の金融市場には大きな不安が渦巻いているといえます。

そんな中、手堅い上昇率を見せているのが東証REITです。

Jリート年初から10%上昇

 

東証REITは、日本の不動産投資信託「 Jリート 」と呼ばれる上場投資信託(ETF)のことです。

Jリートは2018年4月~2019年4月までの約1年間で13.82%の上昇率を記録しています。年初からの上昇率は約6か月間で10%ときわめて高い数値を出しているのです。これは、世界的な規模で見てもかなり高い数値です。

Jリートとは

本年度に入ってからJリートの人気は高まっており、市場の価格変動が激しく不安が大きい中、安全資産として国内外から注目されています。

Jリートは少額から不動産投資ができるということも魅力の1つで、誰でも、ETFの口座さえ開設すれば数万円~数十万円で取引することができます。

【不動産投資信託】

Jリートとは、東京証券市場に上場している不動産投資信託のことで、不動産投資法人が運営するファンドのことをいいます。投資した資金は不動産投資法人がそれぞれ複数の物件の運用に活用されています。

【ETFとは】

ETFとは上場投資信託のことで、株式のように一株単位で銘柄を売買することができます。それぞれJリートの銘柄には株式のように銘柄番号がついており、一株=最低購入価格となっています。

【最低購入単価】

Jリートの取引は最低購入価格(一株)×個数で取引をします。最低購入価格は、Jリートによって10口が一株になるもの、一口が一株になるものなど様々です。口数でみると若干わかりづらいので、最低購入単価×株数で考えていく方がシンプルです。

Jリートの種類

Jリートの銘柄数は2019年6月時点では63銘柄あります。数は少ないながらも、市場全体の時価総額は10兆円を超えており、世界2位の市場規模となるのです。

Jリートの種類は大まかに、

オフィス、住宅、商業、ホテル、物流、ヘルスケアの6種類があります。それぞれJリートによって、オフィスや商業・住宅などを組み合わせた複合型や、全部を組み合わせた総合型など、投資家の意向に合わせたものを選ぶことができます。

Jリートの選び方

いざ、Jリートに投資がしたいと思っても、どのリートがいいのか迷ってしまいます。Jリートを選ぶ上で重視するポイントは投資家によって様々です。

例えば・・・

  • そのJリートの時価総額(投資規模)を重視したい
  • 出資元がどこなのかを重視したい
  • 収益物件の種類を考慮したい
  • 分配金利回りを考慮したい
  • これからの成長率を考慮したい
  • 不動産運用方針を考慮したい
  • 最低購入金額が安いものを選びたい

など、重視したいポイントによって選ぶJリートも異なってきます。

※こちらの記事では、投資信託Jリートがおすすめな理由について解説しています。参考にご覧ください。

値上がり率を重視するなら

Jリートを選ぶ目安として、その銘柄の値上がり率を重視する方法があります。価格が上がったり下がったりと変動する率を数値で表したものが騰落率です。

基本的に投資は「買い」と「売り」で成り立っています。その銘柄の価格が購入時から大きく値上がりすればする程、売却益も大きくなります。

また、その銘柄の価格が上がっているということは、それだけ多くの投資家の注目が集まっていると判断することもできます。将来的な値上がり率を期待して選ぶなら騰落率が高いJリートがおすすめです。

騰落率で選ぶJリート5選!

そこで、今回はJリートの銘柄選びの参考として、騰落率で選ぶJリート5選をご紹介致します。なぜ、その銘柄が大きく値上がりしたのか、どんな物件を保有しているのかを調べることも重要です。その辺も合わせて独自の見解を述べていきたいと思います。

※今回参考にした騰落率とは、そのJリートが上場してからの価格変動率になります。

プレミア投資法人【8956】

騰落率でナンバーワンはプレミア投資法人です。

【価額】138,500円(2019年5月31日時点)

出典:japan-reit.com 参考リンク

【騰落率】28.60%

2002年の設立当初の価格は91,800円、2019年6月3日の時点では138,500円に値上がりしています。約1年間で見ると105,500円から3万円以上値上がりしていることになります。

2014年6月には一旦8400円まで価格は下がりました。それから1年後にはまた4万円上昇するなど、部分的に見ていくと時期によっては短期間で大きく値上がりする場面も見られています。

特徴

2010年からNTT都市開発がメインスポンサーとなり、NTTグループのテナント比率が全体の約30%を占めています。なお、NTT都市開発は2019年1月に上場廃止となり、NTTグループの完全小会社となりました。NTTグループとしての強みから、都心部でのオフィステナントの展開に期待が高まっているといえるでしょう。

参考物件

※スフィアタワー天王洲

出典:プレミア投資法人

こちらの物件は2017年に150億円で取得した、東京都品川区東品川のオフィスビルです。地上27階、地下2階建て、事務所、店舗、駐車場の構造になっています。

※プレミア投資法人のHPはこちら。

日本リート投資法人【3296】

次に騰落率が高いのは日本リート投資法人です。

【価額】424,500円(2019年5月31日時点)


【騰落率】28.25%

2014年の上場時の価額は281,190円で、現在の価額を見ると約5年間で14万程度値上がりしています。約1年間で見ると、2018年6月に318,500円だった価額から約10万円上昇しています。購入単価が高いだけあって約半年でも8万円の値上がりが期待できる銘柄です。

特徴

住宅用建材なども取り扱う総合商社双日をメインスポンサーとする総合型のJリートです。都心部の中規模型オフィスビルが約77%、住居や約19%、その他商業施設への投資を行います。関東、近畿、中京地区の3大都市圏の収益物件が主流であること、物件数が90件以上、総額2490億円であることなどが日本リートの強みとなっています。

参考物件

※大宮センタービル

出典:日本リート投資法人

こちらのビルは埼玉県さいたま市大宮区、大宮駅の駅ビルで2015年に取得された不動産です。立体駐車場を備えた14階建てのビルで、埼京線、JR京浜東北線、東北新幹線など主要な交通網が利用できることから高い需要が見込まれています。

※日本リート投資法人のHPはこちら。

MCUBS MidCity投資法人【3227】

続いて騰落率の高さでご紹介するのはMCUBZ MidCity(エムシーユービーエス ミッドシティ)投資法人です。

【価額】104,300円(2019年5月31日時点)

出典:japan‐reit.com

【騰落率】23.87%

2006年に上場した時点では83,044円の価額でした。現在の価額と比較すると約1万7千円程度値上がりしています。金額で見るとそんなに大きな値上がりではありませんが、途中経過として、2014年には一旦40,000円代に下がった時期もあります。その頃と比較すれば現在の価格は約2倍に上昇していることになります。

特徴

最大手三菱商事・ユービーエスリアルティが2015年からメインスポンサーとなったことが騰落率上昇のきっかけとなりました。首都圏を中心とする資産規模の拡大と収益物件の分散、そして海外への進出も図り着実な成長を追求していることが魅力になっています。

参考物件

※ツイン21

かつてNYにあったツインタワーをイメージさせる2棟のビルです。この2つの高層ビルは大阪ビジネスパークのシンボルとして建設されたものです。左側はパナソニックが入居するOBPパナソニックタワー、もう1方は領事館や有力企業がテナントとなるMIDタワーとなります。

※MCUBS MidCity投資法人のHPはこちら。

日本ビルファンド投資法人【8951】

日本ビルファンド投資法人は購入単価が高いのでハードルは高くなりますが、値上がり率も期待できるJリートです。

【価額】742,000円(2019年5月31日時点)

出典:japan‐reit.com

【騰落率】21.64%

日本ビルファンド投資法人は、2001年に上場した国内最古参の手堅い銘柄の1つで、当時の価格は367,652円でした。当時から比べると約2倍に価格は上昇しています。1年間で見ても、2018年6月の607,000円から約15万円程度の値上がりが見られます。

特徴

日本ビルファンドは不動産最大手の三井不動産がメインスポンサーとなります。国内では資産規模1兆円を始めて超過したJリートの1でもあります。日本銀行も投資口数7%を保有していることもあり、その安定性の高さも人気になっています。

参考物件

※六本木ティーキューブ

出典:日本ビルファンド

日本ビルファンドが保有する物件で不動産評価額が最も高額なものが六本木ティーキューブです。オランダ大使館、ロシア大使館など他国の大使館が立ち並ぶ国際的なエリアにたたずむオフィス(商業)ビルです。近辺にはホテルオークラ、ANAコンチネンタルなどの大型宿泊施設もあり、国際化にともなう多彩な需要が見込める収益物件になります。

※日本ビルファンドのHPはこちら。

いちごオフィスリートファンド【8975】

 

【価額】101,400円(2019年5月31日時点)

出典:japan‐reit.com

【騰落率】20.43%

いちごオフィスリートファンドは2005年に57,580円でスタートしたJリートです。現在の価格は約2倍に値上がりしています。1年間で見ると、2018年6月の80,000円から約2万円上昇しています。定期的に6万円~10万円の間で価格は動いており、短期的な売益収益を狙えるJリートでもあります。

特徴

いちご株式会社をメインスポンサーとする中堅オフィス特化型のJリートです。2011年にFCレジデンシャル投資法人と旧いちご不動産投資法人が合併して誕生しました。以前総合型だった運用方針を2015年からオフィス特化型に変更しています。大規模補修などを基盤とした不動産運用が強みになります。

参考物件

※いちご丸の内ビル

出典:いちごオフィスリート投資法人

こちらの物件は愛知県名古屋市の主要地下鉄、「久屋大通」駅からわずか徒歩1分の好立地にあるオフィスビルです。昔ながらのビジネス街と商業施設が集積した繁華街と両方に近いという条件を満たしています。利便性が高く業務上の需要にも応えられる物件です。

※いちごオフィスリート投資法人のHPはこちら。

その他 Jリート

騰落率が高いJリートの中でも、最低購入価格が低めのJリートも補足で5選ご紹介しておきます。

インベスコ・オフィス・ジェイリート投資法人[3298]
【価額】17,550円(2019年5月31日時点)
【騰落率】18.74%

グローバルワン不動産投資法人[8958]
【価額】130,800円(2019年5月31日時点)
【騰落率】18.69%

平和不動産リート投資法人[8966]
【価額】123,500円(2019年5月31日時点)
【騰落率】16.51%

インヴィンシブル投資法人[8963]
【価額】57,800円(2019年5月31日時点)
【騰落率】15.60%

サムティ・レジデンシャル投資法人[3459]
【価額】107,300円(2019年5月31日時点)
【騰落率】12.83%

※分配金利回り率でJリートを選びたい方はこちらもご覧下さい。

※オリンピックを契機に注目されているJリートの情報も参考にしてみて下さい。

まとめ

 

何千種類も銘柄がある株式に比べれば、Jリートの銘柄選びはさほど苦労しないように思えるでしょう。気になる銘柄候補を挙げておけば、後は詳細を徹底的にリサーチすることで、それぞれの投資目的に応じたJリートと見つけることができます。

しかし、実際に銘柄を決めるのはベテランの投資家でも容易にはいきません。とくに、投資の初心者にとっては、いくらJリートが注目されているとはいっても、何を基準にすればいいのか戸惑ってしまいます。

せっかく投資をするなら、高い売却益を狙っていきたい、

効率よく短期間で大きな売却益を狙いたい、

そう願う投資家にとって参考になるのが、そのJリートの騰落率です。騰落率が優れたJリートであれば、購入するタイミングによっては高い収益を期待することができます。必ずしも、100%確実にその銘柄が今後も値上がりするとの保証はありませんが、騰落率の高さを目安にして検討することはできます。

「騰落率」に加えて、運用方針、経営理念なども確認するといいでしょう。さらに、時価総額、分配金利回り率、メインスポンサーなども合わせて考慮すれば、それぞれにとって最強のJリートを見つけることができると思います。

ぜひ、今回ご紹介した高い騰落率のJリート情報を参考に、Jリート投資を成功させていきましょう!

コメントを残す