仮想通貨の税率は55%!雑所得に区分される訳と他の税率と比較・節税方法まとめ

儲かっても半分は税金!税金と仮想通貨

意外に忘れがちな「仮想通貨の税金」。

ドバイやシンガポールなど、投資に関しての税金が優遇されている国では、税率が0%や一桁台なんて所もあるみたいですが、日本での税率は最高で「55%」に及びます。

ただ、所得の額によっては20%~30%の課税になる事もあり、仮想通貨の税金は一筋縄ではいかないケースが多いです。

この記事では、そんな複雑な仮想通貨の税率に関して「所得税の仕組み」という基礎的な部分から、「他の投資との比較」・「節税方法」などについてもご紹介しているので、仮想通貨に関する疑問はきれいに解決するはずです。

まずは、これから「所得税の仕組み」・「仮想通貨は雑所得」・「雑所得の税率」という基本的な部分についてご紹介していきます。

所得税の仕組み

まず、初めに「所得税の仕組み」についてご紹介していきます。

所得税の仕組みについての全容を掴むには、まずは所得区分について理解する必要あります。

所得区分とは、所得の形によって「所得を分ける」事です。例えば「会社からの給与所得」と「投資で得ている所得」を、ごっちゃにしてしまうと「所得にたいしての労力」が異なり、平等ではないというのが税法的な考え方です。
そのため、所得税では所得の種類によって、異なった控除などを用意して、出来るだけ平等な税率を適用しているのです。
例えば、最も身近な所得の1つである「給与所得」では、65万円までは控除によって、税金を収める必要さえなくなります。
税制上の所得区分は、10つ存在しています。
  • 給与所得
    会社から給与(給料)として、得られる所得を指し、控除があります。
  • 事業所得
    個人事業主(自営業)として、出た利益を指し、所得の計算には「売上 – 経費 = 所得」という式で、計算する事が可能です。
    給与所得と比べると、経費に出来る幅が広がります。
  • 不動産所得
    不動産投資などで、得られる収入を指し「土地」や「建物」によって出てくる利益も該当します。(駐車場など)

「不動産収益 – 経費 = 不動産所得」

  • 配当所得
    投資の配当によって得た利益を指します。(投資信託や株式)
    インカムゲインに対する税制なので、キャピタルゲイン(売却益など)には別の所得区分が適用されます。
    税率は一律15.315%です。(復興特別所得税含む)
  • 退職所得
    退職する際に出る所得(主に退職金)に該当します。
    給与所得では、所得額によって税率が変化しましたが、退職所得は「勤続年数」によっても変化するので、注意が必要です。
  • 利子所得
    利子所得とは、利子によって得られる所得が該当します。(定期預金など)
    税率は、一律15.315%(復興特別所得税含む)
  • 山林所得
    山林所得とは、木材等の売却などによって得られた利益を指します。
    控除があり、最大50万円です。
  • 譲渡所得
    株式・不動産などの譲渡によって、得られる所得が該当します。
    配当所得がインカムゲインに対する税なら、譲渡所得はキャピタルゲインに対する税だと言えます。
  • 一時所得
    継続的に発生せず、利益を目的とした行動によって得られる所得に該当します。
    定義が想像しにくいですが、例えば「保険の一時金や返戻金」が該当します。
    控除が最大50万円まであります。
  • 雑所得
    雑所得とは、上記の全てに該当しない所得を指します。
    身近なものだと、年金がこの所得区分に該当します。
    また、場合によっては「副業の所得」などもこれに該当します。
どんな所得でも、所得区分で分類することが可能で、所得に対して必ず掛かってくるのが「所得税」です。また、場合によっては必要なくなる事がありますが、ほとんどのケースで「所得税」と共に、所得には「住民税」も必要になります。

仮想通貨は雑所得

気になるのは、仮想通貨はどの所得に該当するのか?という点ですよね。結論から言うと「雑所得」に該当します。

では、なぜ仮想通貨は雑所得に該当するのでしょうか?諸説あるのは確かですが、「投機」と見られているからだと言えます。

投機と投資の何が違うのか?という議論はありますが、一般的に投機は「チャンス(機会)」対してリスクを取りリターンを得て、投資は「資本」に対してリスクを取りリターンを得ると言われています。

日本の税制では、投機は「雑所得」に該当するのです。その根拠と言えるのは、投機の代表的な例だと言える「FX」が雑所得に区分されている事からも推測する事が可能です。

しかし、FXには特別な税率が適用されています。なので、よく言われているような「仮想通貨の税金がやばい!」と言われている訳は、「雑所得に区分されている」からではないのです。

雑所得の税率

先程、投機対象として「雑所得」に区分される事は、珍しいことではないことをご紹介させて頂きました。

仮想通貨の税金が不利と言われている理由は、何からくるものなのでしょうか?それは、仮想通貨の「税率」を知ることで、理解できます。

というのも、FXの税金について後に、仮想通貨と比較して詳しくご紹介させて頂きますが、一般的に「先物取引に係る雑所得等」に該当され、15%の所得税が税率になります。(厳密には、住民税が合算され20%)

しかし、仮想通貨は法整備や税金の制度の見直しが進んでいないせいか「先物取引に係る雑所得等」に該当しません。つまり、そのまま「雑所得」の所得区分として、ダイレクトに所得税が課税されます。

所得税は「課税対象額(控除等を引いた額)」によって、税率が決まります。

出典:国税庁 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2260.htm

よく仮想通貨では、儲けても半分が持って行かれると言われます。その真意はこの表を参考にすると、理解する事が出来ます。

例えば「仮想通貨で5,000万円を儲けた」という場合に「先物取引に係る雑所得等」に該当せず、雑所得は特に控除などが存在しないので、

( 5,000万円 × 45% ) ー 累進課税の控除額 = 約1,770万円が、所得税の納税額になります。
(所得税のみの算出ですが、ここに住民税10%課税されます。)

つまり、ここに住民税を足したものだと、55%は税金で持って行かれる事になるのです。そのため、株式投資や先物取引、FXなどと比べるとかなり高い税率になっています。

このように所得の額に応じて、税率が高くなる税制を累進課税と呼びます。

一時期、仮想通貨のバブルによって利益が、1億円を超えた人は「億り人」なんて呼ばれていました。しかし、実質的には「2億円近く」稼がないと、手元に1億円以上が残る「本当の億り人」にはなれないのです。

仮想通貨だけが高いの?他の投資と比較

先程、仮想通貨の税率が高い事をご紹介させて頂きました。

しかし、本当にそうなのでしょうか?確かに、税率が55%というのは通常の所得に対する「税金」として、高いと言えるでしょう。ですが、投資による所得に対する所得税としては、妥当なのかも知れません。

仮想通貨は、他の投資と比べた時に本当に「税金が高い」と言えるのかを、「FX」「株式」「不動産」などの投資・投機と比較しながら、はっきりさせていこうと思います。

FXの税率 海外と国内FX

まず、初めに「FX」、「仮想通貨」の税金を比較していきましょう。

FXを経験している方は、ご存知かもしれませんが、FXには「海外FX」と「国内FX」によって税率の違いがあります。

まず、初めに国内FXの税率からご紹介していきます。

国内FXは「雑所得」の所得区分に該当し、その中でも「先物取引に係る雑所得等」に該当します。「先物取引に係る雑所得等」に該当すると、所得区分としては同じ雑所得に該当するのですが、税率が大きく異なります。「先物取引に係る雑所得等」に該当する所得は、一律20%のみの税率です。(所得税 15% 住民税 5%)

つまり、100万円稼いでも、1億円稼いでも20%のみの税率なのです。

例 一年間で4,000万円の利益が出た

課税額は4,000万円で、4,000万円 × 20% = 約800万円の納税額です。
(手元に3200万円残る)

一方で、海外FXの場合は「先物取引に係る雑所得等」に該当しません。同じFXなのに、おかしいような気もしますが、一部では「国内FXを優遇する事」で、国内FXを使ってもらって「日本国内で利益が落ちるようにするため」とも言われています。(諸説あります)

そのため、海外FXは仮想通貨と同じように「雑所得」に該当し、そのまま所得額に応じて税率が決められる事になります。

例 国内FXと同じように4,000万円の利益が出た
課税額は4,000万円で、4,000万円 × 55% (所得税45% 住民税 10%)  ー 累進課税の控除額 = 約1,720万円が納税額になります。
つまり、手元には2,280万円しか残りません。

海外FXと国内FXを比較した場合に、同じ「4,000万円」という利益が出たとしても、手元に残るお金には「920万円」の差があります。

海外FXと仮想通貨は、税制上では大きな違いはなく、国内FXと仮想通貨を比較した時に、同じ利益でも「920万円」の差が出てくる事になるので、FXと比較した時に「仮想通貨の方が不利」だと言えるでしょう。(税制上では仮想通貨と海外FXは同じため)

株式投資の税率

次に株式投資と仮想通貨の税率を比較していきましょう。

株式投資によって発生する利益には、2種類あります。1つは売却益などによって得られるキャピタルゲインで、通常キャピタルゲインは譲渡所得に区分になります。そしてもう1つは配当金などのインカムゲインで、こちらは配当所得に区分されます。

しかし、株式投資で発生した利益は、配当・売却益など所得の形を問わず、配当所得の一律「15.315%」が適用されます。ここに、住民税が加わり「20.315%」が、所得に対する税率になります。

株式投資と仮想通貨と比べた時に「一律」という点が最も大きいでしょう。仮想通貨は通常の所得税と同じ税率なので「年間695万円」までは「20%」で、「195万円」になるとわずか「5%」の税率になります。

一方、株式投資では一律「20.315%」が税率なので、所得が高いと株式投資所得が低いと仮想通貨の方が税率が低くなるでしょう。

しかし、1つ言えることは「億り人」のような状態まで、利益を出してしまうと「仮想通貨」の方が圧倒的不利な税率が適用されます。

不動産投資の税率

最後に、不動産と仮想通貨投資の税率を比較していきましょう。

不動産投資の税率は、仮想通貨と同じように累進課税であり、所得の額に応じて税率が異なります。

しかし、不動産投資の税金と仮想通貨の税金の大きな違いは、経費に出来るものの幅が大きくなる事です。仮想通貨の所得も、不動産投資の所得も「総合課税」に分類されます。

総合課税とは、総合課税に分類される所得と合算する課税方法のこと
例 給与所得(総合課税) 不動産投資の収益 (総合課税)
給与所得 500万円 + 不動産収益 400万円 = 900万円の課税額

総合課税では、利益(所得)が合算されますが、同じように「経費」も合算されます。

不動産投資は、経費が多い(減価償却・改装・物件購入など)ので、不動産投資を行うことで所得の圧縮を行う事が可能です。

このような事から、不動産投資は累進課税であり目立った控除もないことから一見税金に「不利」な投資対象のように見えますが、実は経費に出来る幅広く税金に「強い」投資対象なのです。

仮想通貨と比較した時に、仮想通貨は同じ累進課税・目立った控除がないという点は、同じですが「経費」に出来るものが少ないので、仮想通貨は不動産投資と比べた場合でも「税金に不利」な投資であると言えるでしょう。

注意!仮想通貨は損益通算も出来ない

もう1つ注意したいのは、仮想通貨は「損益通算」も出来ないという事です。

通常、FXや株式投資などの投資では、損益通算を行う事が可能です。損益通算について、簡単にまとめてしまうと「損益を次の年に持ち越せる」仕組みの事です。

この仕組があることによって、例えば「去年100万円の損したけど、今年は300万円の利益が出た」のようなケースで、去年の損失分(100万円)の損失を経費として、今年分の利益を「200万円」に圧縮することが可能なのです。

他の投資では「損益通算」をすることが可能なケースが多いのですが、仮想通貨は使うことが出来ません

つまり、他の投資法と比較した時、損益通算が出来ない点などを考慮すると、仮想通貨は税金にかなり不利な投資だと言えるでしょう。

少しでも仮想通貨の税金を安く節税する方法

仮想通貨が「税金」という側面においては、かなり「不利」な投資であることは、ご紹介させて頂きました。

しかし、既に仮想通貨の取引をしており、もしくは検討しており「税金が不利でも魅力な投資対象」として仮想通貨への投資を行っている方も少なくないはずです。

なので、これから仮想通貨の税金を「出来るだけ節約」するために、出来ることをいくつかご紹介したいと思います。

経費に出来るもの

まず、はじめにご紹介したいのは、節税の基本である「経費」についてです。

経費を計上するなんて、法人や個人事業主にしか出来ないイメージがありますが、一般的なサラリーマンでも確定申告などを行い、その際に計上することが可能です。

一般的に仮想通貨の経費として認められるのは、以下のようなものです。

  • 光熱費(電気代が最も認められやすい)
  • 通信費(WI-FIやスマホの通信費など)
  • 家賃など(家で主に取引を行っている場合は、家賃の一部を経費にできます)
  • 会費(仮想通貨の情報交換のための食事代などを経費として計上できます)
  • 勉強代(セミナーや本の代金)
  • スマホ本体やタブレット・PCなど(取引に使用している場合のみ)

経費に出来る・出来ないのポイントは「仮想通貨で利益を出すために関係している事か?」という点が最も大きな要素になります。

例えば、同じ本の代金でも「仮想通貨の仕組み」という本ならOKですが、「週刊誌・漫画」などは認められません。

仮想通貨と関連しているものは、しっかりと経費として計上するべきですが、あまりにも根拠が弱いものは、却下される可能性があるでしょう。(例えば、同じ光熱費でも、水道代・ガス代など)

法人化が最も賢い選択

もしもあなた、仮想通貨の取引と他の所得で2,000万円や3,000万円などの収益を得ている場合は、法人化を検討するべきです。

というのも、仮想通貨に限らず「所得が大きくなればなるほど」累進課税で、税率がアップしていきます。もちろん、サラリーマンとして勤めており難しいケースがあるかもしれませんが、個人事業主や特に制限のないケースは、法人化してしまいましょう

法人化を設立するには「20~30万円」ほど掛かり、ランニングコストとして毎年「40万円~」程度が必要になってくると考えた方が良いです。(税理士の費用など)

しかし、このような金額は税金で、損をする額を考えると安いものです。なぜなら、年々実効法人税が減少しており、最近の傾向として「30%を切る」事が増えています。

また、法人化すると家を社宅にしたり、車、旅行、食べ物など事業に関係するという大義名分さえあれば、経費に出来るので経費に出来る幅広がり「利益を圧縮」する事が可能です。

所得が高ければ、高いほど「法人化」は検討するべき選択肢だと言えます。

まとめ

仮想通貨と税金のまとめは、

  • 所得区分には10種類ある
  • 仮想通貨の税率は最大「55%」(所得税45% 住民税 10%)

仮想通貨と他の投資対象との比較は

  • 国内FXの税率は一律20%であり、仮想通貨の方が不利
  • 株式投資の税率は一律20.315%であり、仮想通貨の方が不利
  • 不動産投資と仮想通貨は特に大きな違いはないが、経費に出来る幅が仮想通貨の方が不利
  • 仮想通貨は損益通算も出来ない

仮想通貨の税金を節約する方法は

  • 経費出来るものは申告
  • 所得が大きい場合は法人かも検討する必要がある

仮想通貨に限らず、投資で利益を出すと必ず考慮しないといけないのは「税金」です。

税金を納めるには、ほとんどのケースで「確定申告」が必要になり、申告作業に入るのは「1月~3月」というのが主な期間です。

そのため、税金の事を忘れて利益を浪費してしまい「税金が支払えない」という事になってしまうと、「追徴や利息」がついてしまい無駄な税金を支払う事になってしまうので、「利益が出たら税金はセット」というのを、強く意識しておきましょう。

senna
senna
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金融業界経験 4年 個人投資家 3年

個人投資家として「株式」「債権」「FX」「仮想通貨」などへの投資・投機を中心的に行っている。

資産運用はもちろん、ファイナンシャルプランナーの知識を活かしながら、税金やライフプランに関する情報発信を行っている。

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