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副業障害ランキングベスト3を紹介
エン・ジャパン株式会社が行った最新の副業アンケートによると、副業に興味を持っている人は88%という結果になりました。しかし実際に副業を経験した人は33%に留まっていて、もう一歩踏み出せていない状況が伺えます。
出典:エン・ジャパン株式会社
出典:エン・ジャパン株式会社
さらに詳しくアンケート結果を見ていくと、副業に踏み出せない理由としては第1位が「時間管理」に困難を抱えていると伝えています。第2位は、「確定申告など」の事務処理をどうすれば良いのか分からないというものです。そして第3位は「本業との切り分け」ということでした。
出典:エン・ジャパン株式会社
この3つの障害だけでも乗り越えることができれば、副業に向けて大きな一歩を踏み出せるのは間違いありません。そこで、今回はその克服法について詳しくお伝えします。
第1位「時間管理」の課題を克服する
アンケート結果を見ても分かるとおり、副業をはじめる際に最も不安を感じるのは「時間管理」です。
既に副業解禁を行った「コニカミノルタ」では、必要に応じて「平日の労働時間を短縮する」などの労働契約の見直しが行われています。
しかし、このような労働者側の負担を軽減するための措置がとられる企業はまだまだ少数派。副業解禁をしている企業でも、時間的な配慮がされることは少なく、現状、労働者側がどうにか副業のための時間を捻出して、取り組むしかありません。
まずは副業を行っている人が実際にどれくらいの時間を「副業時間」として捻出できているのかを確認してみます。エン・ジャパン株式会社の調べによると、副業に使えている時間は週に10時間未満という人が全体の84%に該当します。つまり1日あたり1.5時間以下の時間しか使えていません。
出典:エン・ジャパン株式会社
本業の労働時間を短縮できないのなら、この「副業時間」を劇的に増やすことは多くの人にとって現時点では難しいと思います。このように副業時間の「量」を増やすことが出来ないのであれば、あとは「質」を高めるしかありません。つまり、これまで以上に時間を効率的に使う必要があるのです。
そこで、副業時間の質を上げるための時間管理ツールを活用してみてください。ツールを上手く活用すれば、時間の無駄は大幅に削減されるからです。時間管理ツールにはいくつかありますが、副業をはじめる人にオススメなのは「Todoist」です。
出典:Todoist
「Todoist」は、「タスク管理」に特化したツールです。通常の時間管理ツールのように「何時から何時までは、これをする」のようなスケジュール帳型ではありません。単純に「やるべき仕事のタスク管理」をするためだけの機能に絞られています。
では、「Todoist」のタスク管理画面を見てみましょう。
出典:GooglePlay
この画面を観てもらえば分かるように、その日毎に「タスク」が振り分けられていて、自分が何をすれば良いのかが一目瞭然です。
タスクは通勤時間などのスキマ時間に「今日はこれをすべき」「明日はこれをしよう」のように入力してください。そして副業にあてるべき時間になれば、「Todoist」のタスクを確認して仕事を片付けていきます。
まとめると副業の時間を効率的に使うには、下記のように進めていきます。
- 手順その1.スキマ時間にTodoistのタスクを作成する
- 手順その2.副業時間がくれば、Todoistを確認する
- 手順その3.タスクを片付けていく
このように、タスク管理だけであればシンプルで、時間管理も簡単です。
また、どうしてもスケジュール帳のようなものも欲しいと言う場合は「Todoist」と「Googleカレンダー」を同期させることもできるので、ぜひ活用してみてください。同期機能を使えば、Todoistで作成したタスクが自動的にGoogleカレンダーに反映されるようになっています。
第2位「確定申告」の課題を克服する
副業をはじめる上で課題になる2つ目の要素は「確定申告」などの事務手続きです。
会社員だけの収入であれば必要がなかったものの「副業」をはじめたら確定申告を行う必要があります。自営業者やフリーランサーであれば、毎年のことなのでそれほど負担には感じませんが、これまで会社員の経験しかない人にとっては非常に面倒で手間のかかるものだと感じる人も多いようです。
そこで、ここでは副業をはじめる人が行う「確定申告」の具体的な手順をお伝えしていきます。
そもそも確定申告とは?
確定申告というのは、簡単に言えば下記の3つの要素を税務署に申告する一連の流れです。
- その1.年間の収入金額がいくらだったのか
- その2.経費はいくらかかったのか
- その3.所得金額はいくらになったのか
その3にある「所得金額」というのは1の年間の「収入金額」から、2の「経費」を差し引いた利益のことです。これを計算して毎年、税務署に申告します。
もし、税務署への申告をせず放置していたら「無申告加算税」というものが課せられることになります。その他「利子税」「不納付加算税」といった付帯税も納めなければならない可能性もあるため、確定申告は確実に行うようにしてください。
確定申告が必要な人は?
副業をはじめたら全員が必ず確定申告をする訳ではありません。
副業収入の「所得金額」が20万円以下なら例外的に不要となります。所得金額という言葉は先ほども少し出てきましたが、年間の収入額から経費を差し引いた利益のことです。利益が20万円以下ならば、確定申告は必要ないということです。ただし、副業が「アルバイト・パート」などの給与収入であれば、金額にかかわらず確定申告は必要です。
確定申告に該当しなくても住民税の申告は必要
確定申告をした場合は、税務署から市区町村へその内容が通知されます。しかし、確定申告をしていない場合は、当然、税務署から市区町村への通知はいきません。そのため、確定申告が必要なかった人でも、住民税の申告は自分でする必要があります。
住民税の申告は確定申告と同じく2月16日から3月15日までが提出期限となっており、申告書は住民税を納める市町村区役所のホームページからダウンロード出来ます。あるいは市民税課などの担当窓口で直接受けとってください。
住民税の申告方法についての具体的手順は次の通りです。
- 手順その1. 居住地の市区町村の申告に関するページを確認
- 手順その2. ホームページからダウンロードするなどによって必要な書類を入手
- 手順その3. 「市民税課」などの窓口に持参または郵送する
市区町村のホームページによっては、住民税の納付について相談出来る窓口が案内されていたり、税額を事前にシュミレーションして知ることができたりもするので、不安がある人は早めにそういったサービスを利用してみてください。
確定申告でやるべき2つのこと
副業からの所得金額が30万円を超えた場合、確定申告をする必要があります。確定申告は「白色申告」と「青色申告」の2つの方法があります。
「なるべく簡単な書類で済ませたい」「書類作成の時間をできる限り減らしたい」という人は、白色申告を選択してください。一方、記帳はやや大変ですが、税制上優遇される「青色申告」を選択することも出来ます。「青色申告」は副業の時間に余裕がある人や副業の収入額が大きくなれば検討してみてください。
今回は、書類作業が簡単な白色申告での確定申告の方法についてお伝えします。白色申告を行う場合、日々やることは次の2つだけです。
- 1.簡易的な帳簿をつける
- 2.領収書・請求書などを保管する
以下にその詳細をお伝えします。
簡易的な帳簿をつける
白色申告をする場合、家計簿やお小遣い帳のようなイメージの「単式簿記」で帳簿します。
具体的には「収入・経費・勘定項目」などを記載していくのですが、「お金が増えた・減った」という事実だけを記載するので非常に簡単です。例えば次のような取引があったと仮定します。
- 6月25日:商品を6,000円で販売
- 6月26日:商品を3,000円で仕入れ
- 6月27日:商品を5,000円で販売
- 6月28日:水道代を5,000円支払
- 6月29日:給料を15,000円支払
このような取引があった場合、「お金が増えた」項目と「お金が減った」項目に分けて記帳します。
「お金が増えた」項目は次の2つの取引です。
- 6月25日:商品を6,000円で販売
- 6月27日:商品を5,000円で販売
「お金が減った」のは次の3つの項目です。
- 6月26日:商品を3,000円で仕入れ
- 6月28日:水道代を5,000円支払
- 6月29日:給料を15,000円支払
このように「お金が増えた」項目と「お金が減った」項目に分類して記帳し、後はそれぞれの合計額を出せば単式簿記は完了です。このように詳しい専門知識がなくても、簡単に記帳できるのが特徴です。
また、実際の記帳は手書きでノートにしても良いのですが、今は会計ソフトが複数売られています。会計ソフトならば入力作業を支援する仕組みが整っているので、より簡単に記帳することができるのでオススメです。
以下は白色申告ができる主な会計ソフトです。
会計ソフト『フリー』
出典:freee株式会社
会計ソフト『弥生の白色申告』
出典:弥生株式会社
会計ソフト『MFクラウド確定申告』
出典:株式会社マネーフォワード
Expert
領収書・請求書などを保管する
領収書・請求書は、金銭の受け渡しの証明となります。必ず保存しておいてください。
ちなみに、白色申告の場合における領収書の保存期間は5年です。また、領収書の保存方法については、原則、紙で保存することが求められています。そのため、副業で多い「電子取引」であっても小まめに印刷をしてファイルに保存しておきます。保存期間内は紛失しないように保管してください。
Expert
第3位「本業との切り分け」の課題を克服する
副業をはじめる上で障害となる3つ目の項目は「本業との切り分け」です。
1つの仕事だけを考えるだけならシンプルですが、複数の仕事を掛け持ちすることになれば、それぞれの業務内容が異なるため複雑さが増してくることになります。
副業をする以上、その複雑さを完全に避けることは不可能ですが「時間管理を克服する」のところで伝えた通り「Todoist」を上手く活用することで混乱を避けることができます。
例えば、「Todoist」のタスク設定を副業の項目毎に振り分けるようにします。仮に「本業」「Coconala」「メルカリ」の3つの仕事を掛け持ちするのであれば、その職種ごとに「Todoist」のタスクを分類します。
- 【本業】山田さんにメールをする
- 【Coconala】受注してくれた人に連絡をとる
- 【メルカリ】「キャットフード」を出品する
このように、タスクを設定する際「【副業名】+タスク」と分類項目を設定して入力すれば、本業の時間は本業のタスクだけに専念し、Coconalaの副業時間はCoconalaのタスクだけに専念するというように、少しでも頭の切り替えをしやすくすることができます。
副業の種類が増えすぎた場合はToggleで断捨離
本業1つに加え、副業2つくらいであれば、Todoistを活用すれば忙しくとも何とか混乱せず仕事を進めていくことが出来ます。しかし、4つ5つと副業の種類が増えていくと、次第に切り替えが難しくなるのも事実です。
1つの解決方法としては「副業の断捨離」をするようにしてください。例えば、副業からの収入が下記のようになっているとします。
- 副業A.月に5時間/収入5万円
- 副業B.月に8時間/収入3万円
- 副業C.月に12時間/収入1万円
- 副業D.月に7時間/収入5万円
- 副業E.月に6時間/収入1万円
このように、費やした時間と収入額を比較して、効率の悪い副業は辞めて、極力、時間に対して収入額の高い副業に多くの時間を費やすようにします。つまり、増えすぎた副業の「断捨離」をするようにしてください。
どの副業にどれだけ時間を費やしているのかを計測するのは「Toggle」というツールを使います。これは、自分がどの作業にどれだけの時間を費やしているのかを測定してグラフに置き換えてくれるものです。
出典:GooglePlay
こうすることによって副業ごとに毎月どれくらいの時間を費やしているのかを調べることができます。こうして、副業から得られる収入額と照らし合わせ、副業の種類を絞るようにしてください。
まとめ
今回は、副業をはじめる人が陥りやすい3つの障害を克服するための方法についてお伝えしてきました。
1つ目は「時間管理」です。84%の人が副業に使える時間は1日に1.5時間以下です。この限りある時間を有効的に使うには「Todoist」というタスク管理ツールを活用してください。スキマ時間に「タスク」を登録し、副業時間になれば、そのタスクをこなすことに専念していきます。こうすることで仕事のモレをなくし、時間も効率的に活用できるようになります。
2つ目の障害は「確定申告」です。副業からの収入が増えてきたら、確定申告を行う必要があります。方法としては「青色申告」を選択するのではなく、より簡単な「白色申告」を選択し確定申告を行ってください。そうする事で、作業の手間とかかる時間を大幅に削減できます。最初は不安な点もあると思いますが、1度やれば後は毎年同じですので次第に間違うことなく、効率的にこなせるようになります。節税効果の高い「青色申告」を希望する人は、副業からの収入が増えてきてから検討してください。
3つ目の障害は「本業との切り分け」です。ポイントとしては「Todoist」のタスク管理を業務内容毎に分類しておくことです。そうすることで、職種ごとに自分のするべき事を分類することができます。またそれでも、副業の種類が増えてきた場合は、混乱を避けることは難しくなります。そこで、Toggleを活用して収入を増やすことにあまり効果的でない仕事は打ち切りを考えてみてください。
以上、今回はランキング上位3つの障害を克服する方法についてお伝えしてきました。どうしても不安な人は、小規模な副業から始めていき、慣れてきてから徐々に規模を大きくするように段階を踏んで進めてみてください。