かかりつけ医を持った方が医療費は節約できる?かかりつけ医を選ぶポイントをご紹介

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節約をするにあたって、予測できない支出に医療費があります。いつ、どんな時に病気やケガになるかは誰にもわかりません。おそらく、いざという時の医療費を日々の生活費とは別で確保している人は多いでしょう。

病気やケガをした時には、薬を飲んだり、休養したりすることで回復できる場合もありますが、状態によっては病院に行くこともあります。

国内では公的保険制度が充実しているとはいえ、病院に行けばそれなりの支出を覚悟せねばなりません。交通費や薬代などで思いがけず高くつくこともあります。

そんな時にかかりつけ医を持っている方が、医療費の節約につながります。

今回は、かかりつけ医を持った方が医療費が節約できる理由と、かかりつけ医を選ぶポイントをご紹介していきます。大切な健康のことですから、ぜひ参考にしてみて下さい。

紹介状のない初診費の拡大

2019年5月15日の日経新聞によると、厚生労働省は、紹介状のない患者を初診する場合に5,000円以上の追加負担を病院に義務づける方針を発表しました。

初診の際には、初診費が課されているのは皆さまもご存知ですよね?

実は、この初診費は病院によって負担額が定められているのです。これまでは、400ベッド以上ある大病院のみを対象に紹介状のない患者の初診費は5,000円以上追加しなければならないとしていました。

この初診費負担額の義務付けが今後は中規模の病院にも拡大されることになるのです。

大病院の初診料負担

現在、大病院に初診費の負担額が5,000円と定められているのには理由があります。

大学病院や中央病院などの大病院では、手術や入院が必要な患者、高度で専門的な医療が必要な患者に対応する設備が整っています。しかし、実際にはただの風邪や軽い傷害を持つ患者も多く利用しているのが現状です。

厚生労働省の意図としては、大病院でなくとも治療が可能な患者の数を減らし、病院の効率化を図るために、紹介状のない患者の初診費負担をあえて高く設定しているのです。

対象の病院を拡大

この初診費負担の義務づけは、これまでは400ベット以上ある大病院のみが対象でしたが、今後はさらに中規模の病院にも拡大されていくことが厚生労働省によって発表されています。

対象でない病院でも初診費負担はかかる

初診費負担が義務付けられていない中小規模の病院でも、もともと初診費は各病院の判断で負担額を定めることはできるのです。厚生労働省の調査によると、大きな病院ほど、初診費負担額は高くなる傾向にあるとのことです。

病院によって、初診費負担が1,000円~4,000円ぐらい課されています。病院でかかる初診費は、一律ではないのです。

今後、初診費負担5,000円義務付けの対象とはる病院は、200ベット~300ベットの規模で検討されており、2020年から実施される予定であります。

そうなれば、日常的な病気やケガで大きめの病院に行くことは非常に不経済だといえます。

かかりつけ医とは

そこで、この機会にぜひ見つけておきたいのが「かかりつけ医」です。

かかりつけ医とは、病気になった時や健康状態を相談したい時などに必ず利用する、いきつけのお医者さんのことです。基本的にかかりつけ医とは気軽に足を運べる近所の個人病院のことを指しています。

かかりつけ医とは、あなたにとって、

  • 長期間に渡って付き合いのあるお医者さん
  • 健康上で何かあった時に真っ先にかけつけるお医者さん
  • 何でも相談できるお医者さん
  • 信用できるお医者さん

であり、とても心強い存在になってくれるのです。

かかりつけ医を持った方がよい?

病気やケガをした時に、行く病院が決まっていない人も意外と多いようです。

かかりつけ医が決まっていない人は、その都度、たまたま会社の近くにある病院に行ってみたり、ネットや電話帳で調べて、何となく気になった病院に行ったりするでしょう。

中には、大病院の方が安心だからと、わざわざ交通費をかけて大病院に出向く人もいるかもしれませんね。

かかりつけ医を持っていない人は、まずは自分の体質、アレルギー、持病、生活習慣、職業上の懸念などを病院に行く度に1から説明しなければなりません。

単発的にしか医者と関わらないことで、信頼関係や親近感も育むことができなくなります。

かかりつけ医が持った方が安心

その医者と、長く付き合っているからこそ、できる健康上の相談もあるでしょう。また、先生と話しをする時にも、信頼感、安心感、親近感が得られなければ、心から相談することもできません。

医者は初めて診療を受けた時からのカルテを保存していますので、詳細を説明しなくとも、それぞれ患者の体質や、生活習慣、職業、適切な治療法を把握しています。

ちょっと体調が悪いかな・・・

あれ、いつもと違うな・・・

病院に行っておいた方がいいかな・・・

などと、かかりつけ医であれば、健康に不安があった時にはいつでも気軽に、安心して病院に行けるようになります。かかりつけ医を持つことによる精神的なメリットは非常に大きいのです。

かかりつけ医のメリット

では、かかりつけ医を持つことで、医療費的にはどのような節約効果が得られるのか、かかりつけ医の経済的なメリットを見ていきましょう。

初診費を最小限に抑える

かかりつけ医は、基本的に近所の個人病院であり、入院施設を有していない病院も多くなります。入院施設を有する場合でも、大きめの病院に比べて初診費は数段安くなっています。

まずは、初診費を最小限に抑えられるのが大きなメリットです。

紹介状を書いてもらえる

また、万が一、症状に問題があって大病院やその他の病院での検査が必要となった場合でも、かかりつけ医から信頼できる病院を紹介してもらえます。その時には、かかりつけ医から紹介状を書いてもらうことができます。

紹介状があれば、先述のように、高い初診費が追加される心配もありません。

薬を便宜してもらえる

病院は、内科、外科、歯科、耳鼻科、皮膚科などと、専門分野がわかれています。病院に行く理由として、ただ単に薬がなくなったから、追加の薬を処方してもらうために行く場合もあります。

かかりつけ医がいれば、その医者の専門以外の薬でも処方してもらうことが可能です。薬名を伝えて、それがその医院で取り扱っている薬であれば、診療のついでに出してもらえます。

わざわざ、薬をもらうためだけに、もう1つの病院に行く必要がなくなり、医療費が削減できます。

医療費を便宜してもらえる

例えば、給料日前で病院に行きたくとも行けなかったとします。

これは、先生の性格や、付き合いの度合いにもよりますが、その場で医療費が払えなくとも、診療が受けれる場合があります。「○○日に給料日なので、支払いにきます。」と伝えることで、治療を受けたり薬を出してもらえることもあります。

また、クレジットカードに対応していない個人病院にて、分割払いを相談することも可能です。これは、長く付き合っているかかりつけ医だからこそできることです。

病院を変えたり探したりせずに済む

また、一旦かかりつけ医が決まれば、病院を変えたり探したりする必要がなくなります。思い立った時に即かかりつけ医に直行すればいいわけで、時間や手間、費用が省けます。

かかりつけ医が決まっていないと、たまたま行った病院に不満があれば、また次の病院にて初診料を払ったり、おなじ検査をしたりと費用がかさみます。交通費だけでも結構な支出になる場合もあります。

通院期間が短縮できる

さらに、かかりつけ医の場合は、その患者を長く診療していることから、患者それぞれに合った薬や治療法を心得ています。

最も効果的な治療を即座に行ってくれるので、通院期間も短縮することができます。症状にもよりますが、日常的な体調不調であれば、たった1回限りで済む場合も多々あります。

通院する期間が短くなればそれだけ医療費も節約できます。

デメリットもある?

このように、かかりつけ医は精神的なメリットだけでなく、具体的な医療費においてもメリットあります。ただ、かかりつけ医のデメリットもあるので、確認しておきましょう。

夜間・緊急対応はできない

かかりつけ医では、個人病院や小規模な病院が多くなるため、夜間や休日などの緊急対応ができません。

ごく稀に、先生によっては個人の携帯電話などを教えてくれる場合もありますが、通常は、対応不可です。ですから、夜間や休日に何かあった時には頼ることが難しくなります。

最新の設備や技術は期待できないこともある

かかりつけ医では、すべての病状やケガなどに対応できるわけではありません。規模が小さい病院であるため、最新の設備や診療技術が期待できない場合も多々あります。

日常的な体調不調やケガには対応できても、対応できる病気やケガの種類には限界があります。

1人の医者で対応できる数に限界がある

もし、とても評判の良い、人気のある病院だったとすれば、タイミングによっては患者さんで込み合うことも予想されます。

かかりつけ医の場合は原則として、先生は1人です。

1人の医者で対応できる患者さんの数には限界があります。長く待たされてしまったり、1人に対する診療時間が短縮されたりする可能性もあり得ます。

Expert
以上ご紹介したようなデメリットもありますが、やはり普段の健康管理には「かかりつけ医」の存在がとても大切です。医療費を節約していくためにも、ぜひ、この機会にかかりつけ医を決めておきましょう!

かかりつけ医を選ぶポイント

Woman
でもどうやって、かかりつけ医を選べばいいのかわからない・・・
Expert
長く付き合っていくためのかかりつけ医ですから、それぞれの要望に合うお医者さんを探す必要があります。かかりつけ医を選ぶポイントをご紹介していきましょう。

近所であること

まず、かかりつけ医の条件として、近所であることです。距離がある病院の場合は、気軽にいつでも、というわけにはいきません。長く付き合っていくためには、近いことが重要になります。

徒歩あるいは自転車で通える範囲内にかかりつけ医を探しましょう。

体質に応じた専門分野

病院にはひとことで内科といっても、いろいろな専門分野に分かれています。内科の医者であれば、全般的に対応することは可能ですが、できれば、体質に応じて、利用頻度が高くなるなると思われる専門分野の病院を探すようにしましょう。

Expert
胃腸が弱い人は胃腸科専門の内科、コレステロールが気になる人は循環器科、心療カウンセリングも兼ねたい人は心療内科などを選ぶといいでしょう。

リラックスできる環境か

また、病院の立地条件などからも通いやすい病院かどうかを判断するようにしましょう。それぞれの意向に合わせて、リラックスできる環境かどうかを見極めておきましょう。

にぎやかな場所が苦手なのに商業施設にある病院では、とくに体調が悪ければ行きたくなくなる可能性があります。また、待合室の雰囲気や病院の雰囲気がリラックスできる環境なのかどうか確認しておきましょう。

Expert
Googleマップで立地環境を調べたり、外から病院の雰囲気を調べたりすることができます。慎重な人であれば、ひとまず何か質問するふりをして、病院に入ってみるといいでしょう。

 

相性がいい病院を探す

そして、かかりつけ医を決めるにあたって最も重要な要素は、先生との相性です。どんなに腕のいい医者であっても、どうしても好きになれない、どうしても遠慮してしまうなど、人によって合う合わないがあります。

もちろん、先生に何でも相談できるようになるためには、多少時間は要しますが、根本的に相性が合う医者を選ぶように注意しましょう。先生との相性がいいことから、信頼関係も生まれてきます。

何となく気が合わないというのは、最初の段階でわかるものです。

Expert
先生との相性がいい場合は、なぜか不思議と看護婦さんたちとの相性もいい傾向にあります。

いくつか候補の病院を選んでおく

実際には、直接医者の診療を受けてみないことには、その先生が信頼できるのか、相性がいいのか判断するのは難しいですよね。

いざ病院に行く必要が生じた時のために、まずは試しに行ってみる病院の候補をいくつか挙げておきましょう。あらかじめリサーチして、候補の病院を挙げておくことで、時間や手間をかけずに、自分に合ったかかりつけ医を探すことができます。

Expert
候補の1つめの病院が「かかりつけ医」として相応しい病院になるかもしれません。事前に行っておくリサーチがとても大切です。

近所の病院を探そう!

Woman
候補の病院を決めておきたいけれど、近所にある病院をどうやって探せばいいの?

 

 

 

Expert
近所の病院はネットか電話帳で探すことができます。近所にある病院の探し方をご紹介いたします。

職業別電話帳

NTTは地域の職業別電話帳を無料で配布しています。職業別電話帳にて、近所にある病院のリストを作ることができます。電話帳を使う場合は以下の流れで候補を探してみましょう。

  1. 病院・医院のページへ行く
  2. 内科・○○科のページへ行く
  3. ○○区、○○町の一覧を見てみる
  4. 広告や近所の病院をピックアップしていく
  5. Googleマップで検索してみる
  6. 病院のHPを検索してみる

 i タウンページで検索する

職業別電話帳のネット版を利用することもできます。

※ i タウンページの公式サイト

  1. 「○○市○○区」で住所を検索
  2. 「病院・医院」ジャンルを検索
  3. 「○○科」など分野を選択
  4. 「女性医師」など検索条件を選択
  5. 検索結果から気になる病院をクリック

検索結果に出てきた病院をクリックすると病院の詳細を確認することができます。

病院の詳細を確認する

【院長情報】

院長(医者)の略歴、専門分野、これまでの業績などが記載されてあります。院長の写真が掲載されてある場合もありますので、この先生なら・・・と思える情報を得ることができます。

【院内や医療設備の写真】

どのような待合室、受付、診療室、医療設備なのかを写真で確認できる病院も多くあります。中には、詳細の記載があるだけの場合もあります。それぞれの要望に合った病院を探してみましょう。

【診療時間/休日】

診療時間は、一般的に個人医院の場合は午前と午後に分かれています。ごく稀に、日曜・祝日、夕方以降の診療を受け付けている病院もあります。 平日に休日となる病院もあるので確認しておきましょう。

【検診・往診】

健康診断の種類や往診の有無が確認できます。

各種健康診断、がん検診、婦人科検診、小児科検診、血液検査、往診、訪問診療、在宅診療など、その病院でできる検診の種類なども調べることができます。

個人病院でも規模が非常に小さい場合や、院長先生の意向によっては、掲載されている情報が非常に少ない場合もあります。

ただ、これらの病院からも、非常に信頼性の高い相性いい病院を見つける場合もありますので、一概に、情報の多さだけで判断することはできません。

病院のHPを見てみよう

気になる病院が見つかったら、その病院のHPを見ておきましょう。さらに詳しい情報を得ることができます。

タウンページでは、情報が少なかった病院でも、HPの内容が充実している病院は結構多いです。また、情報が少なくても、HPの様式を見ることで何となく病院や院長先生のイメージがつかめる場合もあります

口コミ情報を調べてみよう

また、病院の口コミ情報も、かかりつけ医を選ぶ際に参考になります。

口コミ情報の調べ方は、

「○○市○○区 病院・内科(胃腸科) 口コミ情報」で検索してみます。

同じ病院でも、それぞれ患者さんによって相性や意見も異なりますので、あくまでも参考までに見ておくことをおすすめします。

病院を覗いてみよう

病院で診療を受けることに対して、非常に神経質になる人もいるかもしれません。どんな病院なのか、心配な人は何かついでの時に病院を覗いておきましょう。

「ちょっと先々のために、お尋ねしておきたかったのですが、ここでは、クレジットカードは使えますか?」

「比較的に空いている時間帯は何時ごろですか?」

など、何でもいいから質問してみると、院内の様子が若干でも確認できます。

電話で問い合わせてみよう

後は、電話で何か問い合わせみると、病院の雰囲気がわかる場合もあります。

電話を受け付ける人も、病院の1部です。院長先生の人柄が電話の窓口にて反映される場合も少なくありません。対応が悪ければ、その病院はやめておいた方が無難でしょう。

電話してみて、話しやすい、丁寧だった、親切だったなど、好感の持てる応対をしてくれた病院を選ぶようにしましょう。

まとめ

今回は、かかりつけ医を持った方が安心であることを解説し、具体的に医療費が節約できることをご紹介していきました。

いざ、かかりつけを決めようと思ったら、何だか事前のリサーチが面倒くさいな、と思われた方もいるかもしれません。決めるまでは確かに大変です。(たまたま一回行った病院が気に入る場合もありますが)

しかし、かかりつけ医は一度決まれば、引っ越しなどで遠方にいかない限り、長年に渡って付き合っていける大切な専門家です。その専門家の存在だけで、どれだけの安心感を得られるかは測り知れないものがあります。

病気やケガによって、仕事ができなくなれば、収入も途絶えてしまします。さらに、病気が悪化すれば手術や入院に多額の医療費がかかってしまいます。

そうならないためにも、普段から健康管理を行っておくことです。いつでも気軽に相談できるかかりつけ医を持っておくことは非常に意義が深いことだと言えるのです。健康でいること、これこそが最大の節約術です。

ぜひ、この機会にまずは近所の病院をリサーチしてみましょう。

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