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こんな気持ちを持っていませんか?
FXは株と同じく代表的な投資手法として注目を集めている存在です。トルコリラはその中でも高い金利(スワップポイント)で、ここ最近注目を集めている銘柄です。しかし、その実際の中身やなぜそもそも金利が高いのかについては、よく知らない人もいます。そこで今回の記事では、トルコリラについて概要や特徴、トルコリラにはどういったリスクがあるのかを詳しく解説していきたいと思います。
ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
FXのトルコリラとは?概要・現状・特徴を確認しよう!
FXのトルコリラは、トルコで流通している法定通貨です。日本でいうところの、円のような存在ですね。2009年1月に名称が改められたことで、現在のトルコリラが正式に流通したことから、比較的歴史の浅い法定通貨といえます。
トルコリラはインフレで価値が下落
ここ最近のトルコリラの大きな動きとして、インフレで通貨価値が下落している点が挙げられます。トルコリラは最高値がざっくり1トルコリラ100円でしたが、現在では20円程度にまで大幅に下落しています。インフレによる通貨価値の下落には、大きく分けて2つの要因があります。
トルコリラのインフレ要因
1、政府の信用不安
2、原油価格の高騰
この2つの要因は、トルコリラの現状を把握するだけでなく、今後の見通しを考えるうえでも非常に重要なポイントです。詳しい内容を確認していきましょう。
1、政府による信用不安
1つ目のインフレ要因は、エルドアン大統領の現政権への信用不安です。2014年から就任したエルドアン大統領は、アメリカのトランプ大統領と非常に揉めています。これによって、国内外で政治への批判や信用が揺らいでおり、通貨価値の下落へと結びついています。
イスタンブールは世界でも最大規模の年です。ヨーロッパとのちょうど境目にあることから、重要な貿易拠点にもなっています。そのため、この市長選のやり直しはほかの地域の選挙のやり直しよりも大きなインパクトを与えることになりました。こうした影響もあり、トルコリラの価格は現時点でも値下がりし続けています。
2、原油価格の高騰
2つ目の要因として、原油価格の高騰も挙げられます。トルコはもともと輸入への依存度が高い国です。原油価格の高騰は輸入製品すべてに対して大きな影響を与えます。高騰した輸入製品のせいで、相対的にトルコリラの価格が下がってしまったのです。
トルコリラはリスクが高い
こうしたインフレの影響を考えると、現時点でトルコリラのリスクは非常に高いといえます。後ほど見通しのところでも詳しく解説しますが、トルコへの信用不安は根深いものであり、政権が交代しない限りは長らく続くことが考えられるからです。
トルコリラは金利が高い
トルコリラはこの影響で、金利が高くなっています。そもそも、これだけリスクが高い通貨の場合、欲しがる人はほとんどいませんよね。そのため、高い政策金利を設定することで、欲しがる人を増やそうとしています。
金利が24%ということであれば100万円をトルコリラに預けておくだけで、1年間で24万円も金利収入があります。ちなみに、日本の政策金利はここ最近ずっと0%台です。金利面だけでみれば、トルコリラはとても魅力的に感じることでしょう。
スワップポイント狙いで買う人が多い
国内のFX業者を見てみると、トルコリラを取り扱っている業者は高いスワップポイントを掲げています。スワップポイントは日本円と他国の法定通貨の金利差のことを指しており、毎日その分の差がユーザーに還元されます。
スワップポイントは、業者によってその値が異なります。そのため、スワップポイント狙いで投資をするのであれば、できるだけ高い業者を選ぶと良いでしょう。
FXトルコリラの評判
ここまでで、トルコリラに関することはだいたいわかりましたね。ここからはTwitterを中心に集めた、FXトルコリラの気になる評判を見ていきましょう。
FXトルコリラのポジティブな評判
トルコリラのポジティブな評判
・ショートの方が儲かる
・両建て取引を活用する
FXのトルコリラの評判を見ていくと、ショートでポジションを持っている人が儲かっているようでした。確かに、トルコリラは長期的に大暴落しています。今後も続くかはわかりませんが、ショートで利益を出しているというのは本当のようです。
また、両建てでポジションを持っている人も多いようです。両建てとは、買いのポジションと売りのポジションを両方持つことです。買いのポジションでスワップポイントを稼ぎつつ、下落したらショートポジションを売っていくという手法は、現在のトルコリラの現状を生かした合理的なトレード方法かもしれませんね。
トルコリラのネガティブな評判
トルコリラのネガティブな評判
・スワップポイントに釣られて大損した
・反発狙いで失敗した
トルコリラのネガティブな評判でもっとも多かったのが、スワップポイントで釣られて大損したという声でした。実際にトルコリラを取り扱っている業者のほとんどは、高い金利収入を宣伝文句にしており、その業者に入った人のほとんどはトルコリラの長期運用で加入していることでしょう。いっぽう、トルコリラの価格は下落し続けています。そのため、スワップポイントのインカムゲイン(金利収入)があっても、値下がりによるキャピタルゲイン(取引利益)の損失の方が大きいようです。
また、価格が下落したタイミングで上昇の反発を狙ってポジションを持った人も多いようですが、これも失敗につながったようです。実際に、トルコリラの価格は上昇するどころか下落を繰り返しています。
評判からわかるトルコリラのトレード方法
これらの評判から現在のトルコリラのトレード方法を考えてみましょう。要点をまとめると、以下のようになります。
トルコリラの評判からわかるトレード方法
・両建てまたはショートでポジションを保有する
・反発狙いのロングやスワップポイント狙いでの取引は避ける
トルコリラは政権への信用不安や、イスタンブール市長選の再選挙で、短期的な見通しが非常に不透明です。そのため、現時点でトレードに参加するのであれば、ショートか両建てでポジションを持つことをおすすめします。
大口投資家の視点で考えよう
また、スワップポイントや反発狙いでのロングポジションの保有は避けた方が良いでしょう。インカムゲインよりもキャピタルゲインの損失の方が大きくなってしまうからです。
特に、FX取引では本来持っていないはずの大きな資金をトレードで運用することができます。そのため、急激な価格下落によって証拠金が足りなくなり、ポジションを強制決済されてしまう可能性は存分にありえます。もしロングポジションを持つにしても、十分な証拠金を保有した状態で余裕を持った金額で投資するようにしましょう。
FXトルコリラの今後の見通し
ここまでで、トルコリラの全体的なイメージや実際の評判もわかりましたね。ここからは、トルコリラの今後の見通しを見ていきましょう。今回は短期・中期・長期の3つに分けて考えていきたいと思います。
トルコリラの短期的な見通し
まずはトルコリラの短期的な見通しです。トルコリラは短期的には下落する可能性が非常に高いといえます。なんといっても、イスタンブール市長選の再選挙が大きなマイナス要因となっているといえるでしょう。
日本ではこうした自体は考えられないですが、実際にトルコでは起きています。仮にイスタンブールの市長選の再選挙で与党の候補が当選した場合には、さらなる信用不安を招くことでしょう。
なぜイスタンブールが重要なのか
イスタンブールはトルコの首都ではありませんが、世界でも最大規模の都市の1つです。先ほども述べたように、ヨーロッパとの貿易の拠点にもなっています。市長選の結果によっては、今後の貿易政策にも影響が出てくることが予想できます。たとえば、輸入製品に高い関税をもうけるといったことです。そうなると、国外からの批判が噴出する可能性もあります。
こうした点を踏まえると、短期的にトルコリラの価格は下落することが予想できます。とにかく不安要素しかありません。どれだけ高い金利があっても、ポジションを持つことは控えた方が良いでしょう。
トルコリラの中期的な見通し
短期的には価格が落ち込みそうなトルコリラですが、中期的には価格の回復も見込めます。これには、主に2つの要因が考えられます。
トルコリラの価格回復が期待できる2つの要因
1、アメリカの金融引き締めの緩和
2、原油価格の下落
これら2つの要因は、中期的なトルコ経済の回復とリラの価格上昇を期待できる重要なポイントです。それぞれの詳しい内容を、確認していきましょう。
1、アメリカの金融引き締めの緩和
まずはアメリカの金融引き締め緩和です。アメリカはこれまで、インフレリスクを抑えるために金融の引き締めを行ってきました。具体的には政策金利を引き上げることで、お金を銀行に集めていたんですね。
しかし、ここにきてFRBは金利を据え置く方針を発表しています。これによって、アメリカのドルに流れていた資金が、ふたたび新興国の通貨に流れていくことが期待でき、結果としてトルコリラの価格も上昇が期待できるのです。
2、原油価格の下落
2つ目の要因として、原油価格の下落があります。原油価格は2016年以降急激に高騰していました。これによって、輸入依存度の高いトルコは経済収支が圧迫され、リラの価格下落の要因になっていたのです。
こうした点を踏まえると、トルコ経済の復調と合わせて、トルコリラの価格も回復が見込めると考えられるでしょう。
世界的なリスクヘッジの風潮には注意
中期的には価格の回復が見込めそうなトルコリラですが、世界的にリスクヘッジの風潮がきた場合には注意が必要です。具体的には、新興国通貨の投資を控えて国債などの利回りが良い安定した商品に資金が逃げるような風潮です。
トルコリラは他国の影響を受けやすい通貨の1つでもあります。こうした点を踏まえて、世界情勢にも常に気を配っておくことをおすすめします。
トルコリラの長期的な見通し
トルコリラの長期的な見通しに関しては、現政権がどこのタイミングで切り替わるかが大きなポイントになりそうです。冒頭でも述べたように、エルドアン大統領はアメリカのトランプ大統領と揉めています。そのため、ほかの政権に切り替わったタイミングでこの仲違いを解決することができれば、長期的にも価格が安定することが期待できるでしょう。
長期的に保有を考える人は、政権の今後が明らかになるまでは余裕を持った資金でポジションを持つことを強くおすすめします。
まとめ
以上、FXのトルコリラについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。トルコリラは現状非常に先行き不透明な状態が続いています。スワップポイントは高いですが、キャピタルゲインの損失が大きくなることが予想できるため、あまり保有をおすすめしません。いっぽう、中期的には価格の回復も見込めるため、ある程度資金に余裕がある人であれば、ロスカットが入らない範囲でポジションを持ってみても良いでしょう。
今後のトルコリラは政権が交代するかどうか、アメリカとの関係性が鍵になりそうです。トランプ政権になってからは世界的に情勢が不安定であり、今は積極的にポジティブな投資を行うべきではないかもしれません。トレードをする際には現状をしっかりと見極めて参加することをおすすめします。