最近キャッシュレス決済が注目される中、そろそろスマホ決済のPayPayの導入を検討する店舗も多いのではないでしょうか。
PayPayは初期費用0円、決済手数料0円、入金や送金手数料も0円で、経営者の負担なく導入が可能です。
ひとまずは、無料で導入できるのであればPayPayの加盟店になっておいても損することはなさそうです。
ただ、安易に無料だからと導入すると後で後悔する結果となる場合も考えられます。なぜなら、国内ではスマホ決済自体が普及し始めたばかりで、今は非常にお得な条件がそろっていても先でどうなるのか見えない部分があります。
その辺も踏まえて導入を検討していくことが欠かせません。そこで今回は、店舗がPayPayを導入した場合のメリットとデメリットを解説していきます。
お店でキャッシュレスを検討中?
クレジットカード、電子マネー、スマホ決済などのキャッシュレス決済が話題になる中、うちでも導入しようかと悩む経営者も多いのではないでしょうか。
もちろん大型店舗などでは、以前からクレジットカードやデビットカードの決済は利用されていますが、キャッシュレスの導入に関して最も判断に悩むのが中小型の店舗ではないでしょうか。
導入費用や手数料がネックになっている
キャッシュレス決済にも色々な種類がある中、利用率が一番高いのはクレジットカードです。
クレジットカード決済をひとまず導入しておけば、今後のキャッシュレス化にも対応できるのでしょうが、経営者にとってネックとなっているのが導入費用や決済手数料です。
コストがかかることで経費対売上のバランスが逆に悪くなってしまう場合もあり得るわけです。
おそらく、多くの中小型店舗の経営者にとって、コストがかかってしまうことが、キャッシュレス決済の導入をためらう大きな原因になっているでしょう。
PayPayは決済手数料が無料
そこで、最近注目されているのが導入費用がかからないスマホ決済です。
しかもPayPayなら、簡単に無料で導入ができて、決済手数料も無料(2023年9月まで)です。それなら、ということで現在検討する経営者も多いようです。
※キャッシュレス決済とは何なのか、詳しくはこちらからご覧いただけます。
PayPayはどんな決済方法?
スマホ決済もいくつか種類がある中、PayPayは驚異的なキャンペーンにてユーザー数や加盟店を増やし始めている代表的な決済アプリです。
そもそも、PayPayはどのよう決済方法になるのでしょうか。
QRコードを使った決済方法
スマホ決済の基本は、QRコードを使ってスマホ上で決済することです。
QRコードを使った決済方法は2通りあります。
お店がQRコードを提示する
QRコードの決済方法の1つは、まずお店側でQRコードを表示する方法です。
- 会計の時に、お店で用意したQRコードを、お客さんのスマホで読み取ります。
- お客さんが会計金額をスマホに入力します。
- お店のスタッフがお客さんのスマホ画面を確認して承認します。
この流れで、決済が完了します。
お客さんがQRコードを提示する
もう1つのQRコードを使った決済方法は、お客さんがお店にQRコードを提示する方法です。
- お客さんが提示したQRコードをお店のスマホや専用リーダーで読み取ります。
- お店側が金額を画面に入力します。
- お客さんが画面を確認して承認します。
といった流れで決済が行われます。
PayPayアプリのダウンロードは無料
PayPayのアプリ決済は、基本的にスマホがある人は誰でも簡単に無料でダウンロードすることができます。
支払い者側として、PayPayアプリに登録を行い、支払い方法などを設定すれば、無料でアプリを利用することができるのです。
支払う側も、一切費用がかからないことや、今決済会社の競争が激化しており、キャンペーンや特典が充実しているのでひとまず登録する人が急激に増えてきています。
PayPayの導入方法は?
では、いざお店にスマホ決済PayPayを導入するとすれば、簡単にできるのでしょうか。
PayPay導入方法を確認していきましょう。
加盟店になる必要がある
まずお店側がPayPayを利用するためには、PayPayの加盟店になる必要があります。
加盟店の募集は、PayPayの公式サイトで随時行われており、大手企業系からローカル系まで幅広い業種の店舗が加盟店となっています。
PayPayの公式サイトから加盟店へのお申込みを行うことができます。
※PayPay加盟店申し込み
気になることや、不明点などはチャットで問い合わせることができます。
加盟店になる条件はあるのか
PayPay加盟店のお申し込は簡単にできるのですが、どんな店舗でも申し込めるのでしょうか。何か条件があるのでは、と気になる人もいるでしょう。
基本的に、加盟店になる条件は特に定められていません。
法人・個人事業主が対象
また、加盟店になるためには、法人でないとだめなのではないかと、心配する人もいるかもしれません。法人でなくとも申し込めるのでしょうか。
PayPay加盟店の対象は、法人と個人事業主になっています。法人登録をしていない、自営業の経営者でも加盟店になることは可能です。
必要書類
法人の場合は、法人登録番号が必要です。その他、業種に応じて資格や免許・認可などの書類提出が必要になる場合もあります。
個人事業主の場合は本人確認書類だけでお申しみ頂けます。
0円で導入できる
PayPayでは、お客さんがスマホで読み取って支払う方法であれば、原則として一切手数料がかからず0円で導入可能です。
初期費用、決済手数料、入金手数料は0円になります。
※決済手数料は2023年9月より有料化される予定です。(まだ詳細は不明)
※入金手数料はPayPay銀行であれば永年無料、その他銀行は2019年9月30日より手数料が発生します。
入金までにかかる日数
スマホ決済で会計した場合に気になるのが、実質の入金日です。
PayPayでスマホ決済を行ってから、お店の口座(個人の口座)に会計金額が入金されるのは、
- PayPay銀行の場合は翌日
- その他銀行は最短で翌々営業日
となっています。
累計金額が1万円以上から入金可能
会計から、入金までの流れで注意しておくことが1つあります。
それは決済金額が1万円以上にならないと入金されない、ということです。
※PayPayの加盟店募集の内容は、公式サイトにてご確認いただけます。
PayPayは導入した方がよい?
以上、PayPayの決済方法や導入方法を解説いたしましたが、ここで、
と迷う経営者も多いことでしょう。
それぞれ店舗によって、
- 単価
- 1日の売り上げ高の平均
- 客層
- キャッシュレスのニーズ
が異なります。PayPayを導入することが、必ずしもすべてのお店にとってメリットがあるわけではありません。迷われる経営者の方々は、PayPayを導入することのメリットやデメリットをしっかりと検討していくことが大切です。
PayPayのメリット
それでは、まずはPayPayを導入することで、どのようなメリット、つまりどのように売り上げに影響していくのかを考えてみたいと思います。
ユーザー数を急激に増やしている!
PayPayは、お得なキャンペーンを提供するスマホ決済の中でも、特に驚異的なキャンペーンを繰り返し、ユーザー数を急激に増やしている決済会社です。
今のところ、新規登録のユーザーは期日にかかわりなく登録した時点で500円がゲットできます。さらに、20%還元キャンペーンなども定期的に行っており、宣伝に非常に力を入れています。
ユーザー数が多いということは、PayPay導入のお店を選ぶ消費者の数も多いということになり、集客面で有利になります。
コストがかからない
また、PayPayの導入にコストがかからないことも、多くの中小型店舗にとっては大きな魅力となります。
どんなに集客効果があるといっても、結局のところコストがかかればそれを回収するのに時間がかかってしまいます。でも無料で導入できるのであれば、仮に集客効果が思ったように見られなかった場合でも、損失も0円です。
コスト0円で売り上げが伸ばせる可能性があるのは大きなメリットだといえます。
レジ業務の手間が軽減
PayPayを導入することで、実際に現金をやり取りする機会も少なくなります。
PayPay利用のお客さんが増えれば、スマホ決済にて簡単に会計ができるため、これまでレジ業務にかかっていた手間や人件費が削減できます。
手間や人件費が削減できれば、仕事の効率は上がり売り上げ向上につながります。
国の政策にあやかれる
また、どうしてここまでキャッシュレス決済が話題になっているかというと、その背景には国の政策があります。
国は今後の政策として、キャッシュレス化を推進していく方針でいます。消費税増税時から2%~5%のポイント還元が開始されます。
それを機に多くの現金派がキャッシュレス決済の利用を始めることが予想されているのです。
誰でも簡単に利用できる
店舗側だけではなく、一般消費者にとってもPayPayは導入しやすい決済方法です。同じです。誰でも簡単にスマホにダウンロードしてスマホ決済が利用できて、消費者側の手数料も一切かかりません。
クレジットカードの発行には審査があり、しかも手数料がかかる場合もあることを考えると、非常に利用しやすい決済方法だといえます。そのことからも、カード決済よりもスマホ決済を選ぶ人も増えることが期待できます。
中国大手のAlipayが利用できる
また、PayPayの大きなメリットは、中国大手決済のAlipayが利用できる点にあります。
Alipayは世界最大の決サービスで、海外40か国にて利用が可能です。そのAlipayとPayPayは提携しおり、Alipayの利用者はPayPayを利用できるようになっています。
中国だけでもAlipayのユーザーは7憶人を超えています。PayPayの導入によって外国人観光客のニーズにこたえることが可能になります。
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PayPayのデメリット
メリットだけを考えると、PayPayを導入するのは全く問題ないようにも思えてしまいます。しかし実際には、お店にとってデメリットとなる場合もあるので、PayPayのデメリットを確認しておきましょう。
すぐに現金が入手できない
PayPayで決済した分の会計金額はその場ですぐに入手できるわけではありません。
早くても翌日、遅い場合には3日以上と入金までに日数がかかってしまいます。小規模な店舗であれば、その時々の売り上げ金にて仕入れや支払いを行う場合もあるでしょう。
緊急時などで即現金が必要な時に、スマホ決済にて困ることもあるかもしれません。
いずれは決済手数料がかかる
確かにPayPayをはじめとするスマホ決済の多くは、決済手数料がかからずに利用することができます。でも、いずれは手数料が有料になる予定です。
PayPayの場合、2019年9月からは有料になる予定でその詳細はまだ未定です。クレジットカード決済より高くなることはないだろうと言われていますが、誰にも先のことはわかりません。
いざ、割の合わない手数料が設定されたとしても、PayPay決済がお店で定着した後に、簡単には変更できないというリスクがあります。
QRコードのやり取りが面倒
お店にとってはスマホ決済は確かに手間が省けるのですが、お客さん側で金額の入力などQRコードのやり取りが面倒だとの声も聞かれており、まだスマホ決済はあくまでも少数派です。
また、お店の方でもスマホの操作自体がよくわからずに負担となる場合も考えられます。同じキャッシュレス決済でもクレジットカード決済であれば、カードをかざすだけで即決済が完了します。
クレジットカードの方が簡単で決済しやすいと思うお客さんも多いかもかしれません。
売り上げ金の管理が複雑になる
これまで現金のみを扱っていたお店の場合は、今後の売上金の管理が多少複雑になってしまいます。
現金で得た売り上げと、PayPayで得た売り上げを両方管理していかなければなりません。PayPayでの売り上げは、PayPayの店舗専用の管理サイトをWeb上で確認する必要があり、アプリで簡単に活用できないことがデメリットとなります。
口コミ情報
というように、スマホ決済PayPayを導入することで、どの程度の効果が期待できるのか、客層やお店のタイプなどから判断していくことが大切です。
キャッシュレス決済によって大きな恩恵を受けるお店もあるでしょうが、お店によっては現金の方がかえって効率がいい場合もあるのです。
※キャッシュレス決済は必要かどうか、お悩みの方はこちらの記事も参考にしてみて下さい。
※また、PayPayを店舗で導入する前に自分で実際に使ってみるのも1つの方法ですよね。
まとめ
キャッシュレス決済の導入でお悩みの皆様にとって、PayPayは実り多き決済方法になりそうでしょうか。将来的には決済手数料がかかることも踏まえて、お店で普及させていくべきかを検討していくことが大切です。
スマホ世代(20代、30代)が多いお店や、中国AliPayの需要がありそうなお店では、導入を検討しておきたい決済サービスの1つでだといえます。
ただ、お店の単価や客層によっては、キャッシュレス決済がメリットにならない場合があるのも事実です。決済手数料がかかることが逆に損失につながる場合もあり得ます。
また日本はもともと現金志向が強く、どんなにポイントがつこうとも、根強い現金派もいるはずです。中高年の方は特に現金払いを好む傾向にあります。
例えば、ひとまず店舗においてスマホ決済の様子を見てみたい場合、PayPayのメリット・デメリットを把握した上で無料で試してみても損はないでしょう。
PayPayで様子を見ながら、今後のキャッシュレス対策をじっくり検討してみてはいかがでしょうか?