FXの税率は国内・海外どちらが有利?海外投資の税金の仕組みと節税方法

FXは「国内FX」、もしくは「海外FX」で納める税金が変わります。FXトレード経験者でも、意外と知らない方も多いので、納税ルールについてしっかりと学んでいきましょう。

ただ、納税や税金と聞くと、少し難しそうにお感じになられる方も多いのではないでしょうか。

しかし、ご安心ください。国内FXと海外FXの特徴を理解すれば、きちんと納税することが可能です。それだけでなく、それぞれの特徴を理解することで、これからの運用に役に立てることができます。

また、確定申告の方法は、知識として習得すると今後それが永遠に利用できるため、この機会にぜひ覚えてください。それでは、両者の違いから見ていきましょう。

国内FXの税率・税制度の基本

国内FXでのトレードの税制度は、申告分離課税です。

申告分離課税とは、給与などの他の所得とは分けて税額を計算し、納税する課税方式を指します。

会社からの給与は、確定申告の前に年末調整などで、源泉徴収されますよね。申告分離課税の場合は、会社の給与と国内FXの収益は別な税金がかかることになります。

その税率は、利益に対して一律20%です。

厳密には、申告分離課税の税率20%に、復興特別所得税0.315%が加算され、20.315%となります。ですので、国内のFX口座のトレードでは、収益の金額にかかわらず、およそ20%の税金を納めるということになります。

10万円の収益でも、500万円の収益でも、20%の税率ということです。

言いかえると、どれだけトレードで大きな収益が出たとしても、20%以上の税金を納める必要はありません。少ない利益でも、20%の税金がかかりますが、大きく利益が出た時も20%の税金で済むのが、国内FXの税率のポイントです。

雑所得とは?

FXの収益の所得区分は、雑所得に分類されます。

雑所得とは給与以外で得た収入の中でも、不動産や事業所得、配当などにあたらないものです。

  • ブログなどのアフィリエイト収入
  • インターネットオークションでの売り上げ
  • 講演料
  • 印税
  • 公的年金
  • ネットショップの売り上げ

副業されている方はFXの収入だけでなく、他の収入も合わせて雑所得として申告することになります。確定申告が初めての方は戸惑うかもしれませんが、税務署に行けば所得の種類と記入の仕方を教えてくれるので、心配する必要はありません。

損失繰越

さらに国内FX口座では損失繰越ができます。これは、その年に出た損失を来年以降に利益が出た場合、その収益と決済できるというものです。

損失が繰越できる期間は、3年間となります。

例えば、2018年に100万円損したことを確定申告で申告したとします。そうすると、その後3年間は100万円までの収益に対して、税金がかからないのです。

これを損失繰越といいます。

その年の損失を申告するのは、心理的には辛い人もいるかもしれません。ですが、翌年以降の利益を考えると、大きな節税効果が期待できます。

知らなかった方は、ぜひ利用してみてください。

経費が認められる

また、国内FXの収益には、経費が認められます。

例えば、賃貸で専用のトレードルームがある、パソコンでトレードしている方などは、その費用の一部などを経費として申告することができるのです。

確定申告の際は、トレードルームならば地代家賃、パソコンならば消耗品などの項目になります。

他にもインターネット回線や、スマホでトレードしてる人は月々の通信費など、FXのために利用したものであれば、幅広く経費として扱うことができます。もちろん、100%経費で認められる訳ではなく、実際に申告の際にどれくらいの割合でFXに使っているかを算出し、経費として申告することになります。

例えば、収益が100万あった場合に、トレードルームは家賃10万円の家に対して30%の面積とし、100%FX専用と仮定するならば、月々の家賃の30%を、地代家賃。

この例では年間36万円ということになります。

そうすると、純利益は収益の100万円から経費の年間のトレードルームの家賃36万を引いた64万円。その64万円に税金がかかることになります。これはあくまでも収益を出すために、「こういった経費がかかっています」という申告ですので、なんでもかんでも経費として申告してはいけません。

必ずFXのための用途に使ったと説明できるもののみ、経費として計上しましょう。

また、領収書をとっておくのも忘れずに——。

海外FXの税率・税制度の基本

海外FXは海外の口座だから、日本の確定申告はしなくてもいいと思っている方も、ひょっとしたらいるかもしれません。

しかし、海外FXでも利益が出た場合は、日本に税金として納める義務があります。

国内FXでは一律20%の税金が収益に対してかかりますが、海外FXは収益によって徴収される税率が変わります。海外FXの税制度は総合課税で、利益額によって税率が変わる累進課税という税率。

つまり、収益の額が増えるにしたがって、税率も高くなるというものです。

年間収益税率(※)控除額
195万円以下15%0円
195万~330万円20%97,500円
330万~695万円30%427,500円
695万~900万円33%636,000円
900万~1,800万円43%1,536,000円
1,800万~4,000万円50%2,796,000円
4,000万以上55%4,796,000円

(※所得税5~45%+住民税10%)

1800万円以上稼ぐと、なんと利益の半分を税金で納めることになります。4000万円利益がでた場合の税金は55%なので、なんと2000万円以上です。海外では、利益が出るほど納税で国内より不利になることを、しっかりと理解しておきましょう。

総合課税とは

総合課税とは、2箇所以上からの所得を合算して計算する制度です。会社から給与をもらっている方ならば、給与とFXの所得を合算して税率を計算します。

では、会社からの給与がすでに源泉徴収されている場合は、どのようにすれば良いのでしょうか。この場合は、源泉徴収された会社の給与の手取り額に、海外FXの収益を合算します。

例えば、会社の手取りの給与が350万円で、FXの利益が300万円だったとしましょう。これを合算した金額は650万円になります。この650万円を、課税所得額として確定申告をすれば問題ありません。

仮に、もし間違って申告してしまった場合でも、安心してください。二重に税金を支払ってしまった場合でも、あとから返還してもらうことができます。

海外FXの損益通算

海外FXでも損益通算は可能です。気をつけなければならないポイントは、総合課税の雑所得のみ、損益通算ができます。

例えば、海外FXで100万円の損失を出してしまった場合に、給与所得合わせて損益通算するということはできません。ですが、アフェリエイトの収益など、他の総合課税の雑所得であれば損益通算することができます。

海外FXの損失が100万円、アフィリエイトの収益が150万円あった場合……

  • (アフィリエイト収益150万円) ー (海外FXの損失100万円) = 50万円の利益として確定申告が可能

海外FXで利益が出て、他の雑所得で損失が出た場合も、もちろん損益通算が可能です。

また、こちらはその年の損失を翌年以降に繰り越せる「損失繰越」はできません。

海外FXと国内FXの税金の違い

海外FXと国内FXの大きな違いは、やはり税率でしょう。

国内FXは税率が一律20%に対し、海外FXは累進課税。

累進課税は、収益額が大きくなればなるほど課税額が増える税制ですので、収益額が330万円を超えると、税率は30%。控除額も考慮すると、420万円以上収益がある場合は、国内FXの方が税金は安くなります。

年間収益海外FX税率国内FX税率
195万円以下15%20%
195万~330万円20%20%
330万~695万円30%20%
695万~900万円33%20%

海外FXは総合課税ですので、もしも課税所得の合計が420万円を上回ってきた場合は、今後国内FXへの移行を考えてもいいかもしれません。

税金だけで見ると、大きく稼ぐ人は国内FXを利用した方が圧倒的に有利なように思えますが、実はそうとも言い切れないのです。

圧倒的収益の可能性 レバレッジ

収益額が420万円を超えると、海外FXよりも国内FXの方が税率が低くなります。

ですが、収益を増やすという意味では、海外FXには大きなレバレッジという最大の武器があります。レバレッジとは「てこ」を意味する単語で、これを利用することにより資金の何倍ものお金を動かすことができるのです。

国内FXは金融庁の規制により25倍までとされていますが、海外FXでは1000倍というFX会社もあります。ですので、海外FXは課税額が大きくなる可能性はありますが、大きな利益をあげる可能性もあるのです。

ただ、レバレッジというのは諸刃の剣です。レバレッジを大きくすれば収益も倍々で増えますが、損失も同じように膨らむことになります。納税どころか、資金がショートしないように上手く利用しましょう。

FXトレードで確定申告が必要な人は?

これまで国内FXと海外FXにかかる税金を解説してきました。しかし、全てのFXで資産運用している人が確定申告をする必要がある訳ではありません。

確定申告をする必要がある人は以下の2つに当てはまる方になります。

  • 年間20万円以上の収益がある給与所得者
  • 年間38万円以上の収益がある給与所得者

20万円以上の収益がない場合は、申告する必要はありません。

ただし、FXの収益は雑所得になりますので、複数のFX口座で利益が出ている場合や、他の雑所得との合計が、それぞれ20万円、38万円を超える場合は申告が必要になります。

また、少しややこしくなりますが、国内FXと海外FX両方運用している方はそれぞれ税制が違いますので、合算したりすることはできないので注意してください。

海外FX納税額の具体的な計算方法

ここからは具体的に海外FXでの収益があった場合の納税額を見ていきましょう。

納税額シミュレーション

勤め先の年収(源泉徴収済み)海外FXの年間収益必要経費
400万円500万円60万円(家賃、消耗品など)

個人所得の計算

400万円(勤め先の年収)+500万円(海外FXの収益)=900万円(個人所得)

課税所得額の計算

900万円(個人所得)-60万円=840万円(課税所得額)

納税額の計算

(840万円×税率33%)-(控除額636,000円)+(復興特別所得税1.021%)=2,180,856円(納税額)

最終的な納税額は2,180,856円となります。

税金の抜け道⁉海外FXの3つの節税方法

海外FXで収益がたくさん出てしまった場合、高い税率がかかってしまいます。しかし、せっかく頑張って稼いだ利益はできるだけ手元に残したいですよね。

そんな時のために、全くの合法で税金を軽くするテクニックをいくつかご紹介します。

節税の鉄板 必要経費計上

FXで一番手間がかからず、大きな節税が期待できるのは、必要経費の計上です。

節税対策としては、普段会社に勤めながらFXをやっている方でも始めやすいものです。

経費については前項でも触れましたが、申告できる経費というのはかなり幅広く、例えば、以下のようなものもFXの経費として申告することができます。

  • 出先でトレードするための飲食代
  • FX仲間との情報交換、勉強のための食事代
  • FXセミナーの参加費
  • トレードのためのデスクやチェア
  • トレードのしすぎが原因で、腰痛などが出た場合のマッサージ費用

などです。

また、セミナーなどで講師としての仕事があった場合は、その時の衣装や、髪をセットしてもらった費用なども計上することができます。これだけでも1年間全て領収書を保管していれば相当な額になりますが、一番大きな節税に繋がるのは住居です。

例えば、トレードに集中するための防音対策として、二重窓の設置であったり防音室の設置というのも経費にすることが可能です。あとは思い切って、家賃の高い物件に引っ越して、その費用の一部を経費として計上するなど、住居に関するものは高い節税効果が期待できます。

ただし、気をつけなければいけないポイントは、その年の12月までにかかったものしか経費として認められないことです。

2018年分の確定申告は2019年の2~3月に行いますので、年が変わってから引っ越しなどの節税効果を狙っても、2018年の経費とはできないので気をつけてください。

FXを事業所得にする

これは確定申告の際に、海外FXの収益を雑所得ではなく、事業所得とする方法です。つまり個人事業主になり、青色申告をするということ。

個人事業主となった場合は様々なメリットがあります。

  • 65万円の特別控除(※簡易簿記の場合は10万円の控除)
  • 30万円以下の減価償却資産は一括償却可能
  • 赤字の場合は3年間の繰越が可能
  • 家族を従業員とした場合は、その給与を経費とすることができる

など、たくさんのメリットがあります。

青色申告をするためには、まず開業届というものを提出しなければいけません。開業届は税務署で作成することもできますし、web上で作成して送付する方法もあります。開業届が受理され、税務署に事業所得として申告が可能か確認し、許可が降りれば青色申告が可能になります。

ただ、この場合の確定申告は帳簿の管理が大変なので、税理士さんや、確定申告用のクラウド会計ソフトなどの導入を検討した方がいいでしょう。

事業所得にするための方法は、個人事業主だけではありません。株式会社、合同会社として法人化することで、さらに税率を抑えることが狙えます。

法人化した場合の税率は以下の通りです。

  • 所得金額800万円以下の場合 15%
  • 所得金額800万円以上の場合 23.9%

また、法人化することで、赤字の繰越が9年間可能になり、生命保険も全額経費にできるというメリットもあります。

海外FXで大きな収益がある方は検討してみてはいかがでしょうか。

ポジションを翌年に持ち越す

FXで含み益を抱えている場合は、持っているポジションを翌年に持ち越してから決済するという手段があります。

これで、翌年決済した分の利益は、翌年の収益として確定申告することが可能です。ただし、年末年始などの連休中は、相場が急変することもあるので注意が必要です。

2019年の年始にもフラッシュクラッシュという大暴落がドル/円相場で起こりました。

翌年にポジションを持ち越す場合は、リスクと資金管理を考慮したうえで判断してくださいね。

まとめ

国内FX、海外FXの税率と違い、そしてそれにかかる税金について解説しました。

確定申告時の節税方法もいくつかご紹介しました。特に経費などは取り組み安く、節税の効果が期待できるので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

ゆきひろ
ゆきひろ
1,066 views

クラウドワークス・自社メディアサイトを中心にフリーのWEBライターとして活動しています。ネット記事やブログなど、約1年6か月で3,000記事を超える実績があります。執筆ジャンルは仮想通貨をメインに、投資・資産運用、副業、貯金・貯蓄、タイム/マネーなど金融系が得意です。

関連記事一覧

  1. この記事へのコメントはありません。

コメントするためには、 ログイン してください。