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アメックス・ビジネス・ゴールド・カードは評価の高いビジネスカードで、ステータスも高いとされています。しかし、クレジットカードとして重要になる利用限度額を明確にしていない部分があり、疑問を持ってしまう方も多いことでしょう。
実はアメックスの公式サイトには「一律のご利用限度を設けず」と記載されています。こう書かれていると無制限で利用できると解釈する方もいますが、実際は「利用者によって利用限度額が決まる」となっています。
そこで今回は、アメックス・ビジネス・ゴールド・カードの利用限度額はどのように決められるのかをはじめ、利用限度額を超える利用をしたい場合にどうするべきかなど。知っておくと便利な情報を取り上げてまとめてみました。
その他にもメリットも含めて徹底的に解説していきますので、アメックス・ビジネス・ゴールド・カードの導入を検討している方はぜひ参考にしてください。
アメックスのビジネス・ゴールド・カードに一律の限度額はない
アメックス・ビジネス・ゴールド・カードは他の一般的なビジネスカードとは異なり、一律の利用限度額を設定しないカードです。
無制限で設定されていると受け止められやすいですが、その理由について解説する他、アメックス・ビジネス・ゴールド・カードの利用限度額の基本的な知識をまとめているのでチェックしていきましょう。
アメックス・ビジネス・ゴールドカードの利用限度額が無制限と解釈される理由
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールドカードの利用限度額は無制限ではなく、契約者それぞれに上限があります。
しかし、アメックスの公式サイトの利用限度額の欄に「一律のご利用限度を設けず」と書かれているので、こちらを無制限に利用できると受け止める方が多いのかもしれません。
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールドカードは富裕層にも人気の高いステータスカードなので、契約者の中には利用限度額が1,000万円などのケースもあります。無制限ではないものの1,000万円も利用可能ならば、十分な金額と言えるでしょう。
限度額がないことについての注意点
一律の限度額の設定がない=限度額がないわけではありません。
アメックス・ビジネス・ゴールド・カードでは、カード契約者の状況に応じて限度額を独自に設定します。利用限度がないと思い込んで高額利用をすれば、限度額オーバーで使えないことになるのです。
ビジネス用のカードゆえに利用限度額は高め
アメックス・ビジネス・ゴールド・カードは個人事業主に法人代表者などが対象のビジネス用クレジットカードです。私的な買い物や旅行に利用する個人向けクレジットカードとは異なり、ビジネスで使う事務用品や備品の購入、その他にも接待や会食などに発生する経費の支払いとして使います。
企業では代表者本人だけでなく、社員が経費の支払いに使えるように追加カードを発行することもあり、利用限度額の設定が高めです。
限度額はそれぞれでも契約当初は低めの設定になりがち
利用限度額は契約者それぞれに設定されますが、傾向としてカード発行当初は低めの設定になりがちとされています。
具体的な詳細は明かされていませんが、個人向けカードと大差なく、場合によっては30万円程度などの少額になることもあるほどです。
経費の支払いが高額になることは決して珍しくありません。しかし、アメックス側も最初から利用限度額を高めに設定して未払いとなるのは避けたいでしょう。
貸し倒れ・不良債権化することを避けるためにも、利用実績ができるまでは低めの金額で様子を見るということです。
利用限度額が変動するのもアメックスの特徴
アメックスのカードは利用限度額が変動するカードとしても知られています。
他社のクレジッドカードの場合、利用限度額が決まったら変動することはあまりないでしょう。しかし、アメックスでは利用状況に応じて、利用限度額の見直しも定期的に行っています。
利用限度額は増額だけでなく減額する場合もあり、その際に連絡などはありません。前月は支払えた金額が今月は支払えない・支払えたなどのケースもあるので、使い勝手の面で不便に感じることもあるでしょう。
年会費の金額と利用限度額は特に関係がない
アメックス・ビジネス・ゴールド・カードの年会費は以下のようになります。
追加カード年会費:12,200円(税込)
他のビジネスゴールドカードと比較しても高額になるため、利用限度額も高額なのが当然と思う方が多いかもしれません。
しかし、年会費の金額と利用限度額は特に関係がなく、毎月の利用金額を確実に支払える能力があるかどうかです。利用代金の引き落としができず延滞を起こしたなど、支払い能力に不安を与えるようなことがあれば限度額を上げるのは難しいでしょう。状況しだいでは、年会費の安いビジネスカードよりも低く設定される場合もあります。
アメックスの年会費が高額なのは利用限度額のためではありません。高いステータスとアメックスならではの手厚いサービスが付帯していることにあるからです。
アメックス・ビジネス・ゴールド・カードの利用限度額はあくまでも目安
契約者それぞれに設定されるアメックス・ビジネス・ゴールド・カードの利用限度額ですが、あくまでも目安の金額とされています。
各種条件を確認して利用限度額が決定する
アメックス・ビジネス・ゴールド・カードの利用限度額は契約者の利用状況、信用情報などから総合的に判断しています。
なお、アメックスでは「途上与信」という、カード契約者の信用情報をチェックすることを定期的に行っています。実施のタイミングは明かされていませんが、イレギュラーな決済があったとき、利用金額が一定のラインをオーバーしたときなどです。
追加カードも利用限度額が設定される
アメックス・ビジネス・ゴールド・カードは追加カードの発行が可能です。ただし、追加カードが発行されることによって、基本カードと関係なく利用限度額を設定することはありません。
追加カードの毎月の利用代金の請求先は基本カード会員と同じです。そのため、基本カード会員の支払い能力が重要視され、追加カードも同様に利用限度額が設定されることになります。
また、社員が追加カードを利用する際に、多額の決済をされないように注意しなければなりません。気付かないうちに使われることで、最悪の場合は支払い予定に狂いが発生することにつながるからです。
利用限度額の目安はアメックスに問い合わせれば確認可能
アメックスのビジネス・ゴールド・カードは利用限度額が一律で設定されないことがわかりましたが、実際にどれだけ利用できるかわからないのは不便すぎます。
利用限度額についてはアメックスに電話で問い合わせをすれば知ることは可能ですが、はっきりとこの金額ですと断言されることはありません。あくまでも目安であることを強調され、これから利用予定の金額の決済が可能かどうかを確認する形です。
もしも利用限度額の目安が200万円ある状態で、さらに100万円を上乗せた利用ができるのかを確認したとします。返答が「できる」となれば、利用限度額が300万円以上あることはわかるでしょう。「できない」のであれば、利用限度額は200万円~300万円ということです。
問い合わせる金額によって、より細かい金額を特定できる可能性は大いにあるでしょう。
会員サイトから予想する
アメックス・ビジネス・ゴールド・カードの利用限度額は、アメックスに問い合わせる以外に会員サイトを確認して予想することも可能です。
アメックスには「オンラインサービス」と呼ばれる会員専用サイトがあります。そこに「カードご利用可能額の確認」の項目があるので、そこから利用予定金額を入力すれば即時に可否が表示される流れです。
ただし、オンラインサービスによる確認は1日あたりの回数制限があります。上限に達した場合、その後24時間は使えなくなるため注意してください。
使いすぎと判断された場合は利用停止になる
アメックス・ビジネス・ゴールド・カードでは、利用限度額の目安が支払い状況や利用残高などによって変わります。使いすぎと判断された場合は利用停止となる場合もあるでしょう。
なお、他社のクレジットカードのように利用限度額が明確でないため、どのくらいの金額で停止するかの判断はできません。
事前承認を受けることで利用限度額以上の決済が可能
アメックス・ビジネス・ゴールド・カードでは、目安となる利用限度額を超えた利用をしたい場合、事前承認を受けることで決済が可能になります。
資産情報の開示
高額利用の予定があり、事前承認を受けるには「最新の資産情報」を開示しないとなりません。そして、その内容が利用予定金額と見合えば承認されます。
なお、開示する資産情報は以下のとおりです。
その他、金融資産の保有状況
開示できない状態では事前承認を受けられません。
利用限度額を超えた金額を事前入金
アメックスで事前承認受付の際に資産情報の開示を求めるのは、高額な利用代金が支払えるかどうかを判断するためです。
また、その他に事前入金することも、高額利用の事前承認を得るのに有効な方法となります。この事前入金のことを「デポジット」と呼び、先に支払いを行う状態のことです。
利用がしたいのになぜ先払いを求められるのかと疑問に感じるかもしれませんが、現金や銀行振り込みで支払いをしたとしてもポイントなどで得することができません。それに対し、500万円の決済を行った場合に付与されるポイントは還元率1%で5万円です。
クレジットカードで支払えば現金を持ち歩く必要もないので、盗難などのリスクも避けられます。そのため、ビジネスで高額決済をする場合は、デポジットが便利ということになるのです。
利用限度額を超えた利用ができるのは目安であることが理由
利用限度額を超えた高額決済時の事前承認が得られるのは、利用限度額があくまでも目安なことが理由です。一律の利用限度額を設定しないことによって、予定外の決済にも対応できるようにするのがアメックスの考え方になります。
これが変動することのない利用限度額であれば、高額利用は認められにくいとなるでしょう。
利用限度額の増額と確保したい利用限度額
アメックス・ビジネス・ゴールドを利用するにあたり、自社にとって必要な利用限度額を最低限確保しておくことが重要です。
アメックスも実績によって利用限度額が増えやすい
クレジットカードの利用限度額を確実に増やしたい場合、以下のことを心がけると確実性が高まります。
・延滞・滞納・未払いは絶対にしない
これらを一定期間継続することで、信用状況が良好になりアメックス側も「優良顧客」と判断します。これはアメックスだけでなく、他のクレジットカードにも共通することです。
また、支払い遅れなどがなかったとしても、利用がまったくない状態では利用限度額は増えません。あくまでも、自社のクレジットカードをたくさん使ってくれる方に向けて、利用限度額を増やしているからです。
利用状況次第では1,000万円超えが可能な場合もある
アメックス・ビジネス・ゴールドの利用限度額が最大でどれだけ増やせるのかについて、こちらも明確にされていませんが1,000万円を超えることもあります。
1,000万円は超高額の利用限度額になりますが、ビジネス目的でさまざまな経費の支払いを行っていれば総決済額は相当なものになるでしょう。もしかしたら、1,000万円では足りないことも出てくるかもしれません。
2ヶ月分の利用金額プラスアルファは確保したいところ
アメックス・ビジネス・ゴールドをビジネスのメインカードとして本格活用するならば、経費の支払いをパワフルにできるだけの利用限度額は確保したいです。
まず、クレジットカードは利用限度額から利用残高を引いた金額が決済可能です。利用残高はカード決済を行うことによって減るため、返済で利用残高が減る前に利用限度額へ達してしまうとカードの利用ができなくなります。
カード利用代金の返済は翌月以降ですから、利用残高は最大2ヶ月分ほどです。よって、カード利用を円滑でスムーズにするには、利用限度額を2ヶ月分プラスいくらかの金額が余裕のあるベストなものとなるでしょう。
利用限度額だけでない!アメックス・ビジネス・ゴールド・カードのメリット
アメックス・ビジネス・ゴールド・カードには、利用限度額の事前承認以外にも多くのメリットがあります。
ビジネスをスムーズに進めるための付帯サービスに特典、その他にも万が一のときに備えられる補償もそろったカードです。
経費管理を透明化する利用明細の確認
アメックス・ビジネス・ゴールド・カードでは、社員向けに追加カードを発行できますが、私的利用や不正利用の管理を行う必要があるでしょう。
そこで便利なのが、追加カード別の利用内容が記載された明細が発行されることです。その他にもオンラインサービスを利用することで、過去の利用内容を確認できます。
利用明細はダウンロードも可能なので、経費管理の際に役立てることが可能です。
会計ソフトとデータ連携
クラウド会計ソフト「freee」とのAPI連携をすれば、面倒な会計処理も楽になるでしょう。
Freeeは会計に関する知識が乏しくても安心して使いやすく、その他にも請求書の発行に対応するなどの便利な面もあります。
さらに、freeeを新規利用する場合、30日間無料クーポンももらえるのでお得です。
福利厚生に利用可能なクラブオフ
アメックス・ビジネス・ゴールド・カード会員であれば、レジャーにショッピング、宿泊が優待価格で利用できるクラブオフのVIP会員に登録が可能です。基本カード会員はもちろん、追加カード会員でも無料利用できるので、社員の福利厚生に活用しても良いでしょう。
優待利用可能となる契約施設は全国に75,000以上あるので、目的に合わせて選びやすいです。
空港サービスが充実
アメックス・ビジネス・ゴールド・カードは空港利用時のサービスが充実しているので、出張時などに活用できるでしょう。
・無料ポーターサービス
・手荷物宅配サービス
・手荷物ホテル当日宅配サービス
・エアポート・ミール
空港ラウンジはアメックス・ビジネス・ゴールド・カードと搭乗券の提示で利用できます。国内外29空港が対象で、カード会員だけでなく搭乗券を持っている同伴者1名も無料です。
その他にも手荷物宅配サービスでは、海外出張時の出発・帰国時に自宅から空港間の荷物(スーツケース1個)をカード会員1名あたり無料配送。
手荷物ホテル当日宅配サービスでは東京駅、新宿駅、博多駅が対象となるものの、大きな手荷物を預けて商談などに迎えます。宅配カウンターで手荷物を預ければ、カード会員1名につき手荷物1個を対象エリア内の宿泊ホテルへ当日無料配送が可能です。
安心できる旅行保険が付帯
アメックス・ビジネス・ゴールド・カードは保険の補償内容も手厚いことが特徴です。
国内出張の際に、新幹線や航空券のチケット、宿泊料金などをカードで支払えば、基本カード会員および追加カード会員は最高5,000万円の国内旅行傷害保険が付帯。
海外出張では、航空券やパッケージツアーの代金をカードで支払うことで、基本カード会員は傷害死亡・後遺障害保険金最高1億円、追加カード会員様は傷害死亡・後遺障害保険金最高5,000万円の海外旅行傷害保険が付帯されます。
カードで支払いをしていない場合でも、基本カード会員は傷害死亡・後遺障害保険金最高5,000万円の海外旅行傷害保険付帯があります。
ビジネスの不安を解消するサービスが豊富
旅行保険だけでなく、ビジネスを行う中での緊急時に対応できる補償もあります。
・オンライン・プロテクション
・ショッピング・プロテクション
・リターン・プロテクション
キャンセル・プロテクションは病気・ケガによる入院などが理由で、予定していた出張や接待で行くはずだったコンサートのチケットなどのキャンセル費用を年間最高10万円まで補償。オンライン・プロテクションでは、第三者による不正使用と判明した取引の利用金額負担が不要です。
その他にも、ショッピング・プロテクションでは商品の破損・盗難時に、国内外問わず購入日から90日間、1名様年間最高500万円まで補償。リターン・プロテクションでは、カードで購入した商品返品を購入店舗が受け付けない場合に購入金額が補償されます。90日以内なら1商品につき最高3万円相当まで、1会員につき年間最高15万円相当額までが対象です。
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まとめ
一律の利用限度額を設定することなく、目安として個別設定するのがアメックス・ビジネス・ゴールド・カードです。
年会費は他のビジネスゴールドカードよりも高額ですが、経費計上ができます。ビジネスを拡大するのであれば、実績を積むことで利用限度額も上がり、高額決済時にも対応できるカードが使いやすいでしょう。
アメックス・ビジネス・ゴールド・カードならば、デポジットを利用すれば大きな支払いも可能ですから、ビジネスチャンスを広げると同時にポイントを多く獲得することもできます。
その他にも導入時のメリットが多いカードなので、ビジネスカードを持つのであればアメックス・ビジネス・ゴールド・カードは活用できる1枚になるでしょう。