インデックス投資で資産運用を始めよう!初心者に最適な投資方法は?

積立NISAやイデコなど税制優遇政策の導入を契機に、低コストのインデックス型投資信託の残高が急増しています。モーニングスターの調査では、国内運用会社が設定した個人向け投信のインデックス残高は、2014年3月末から19年末までに過去5年間で約6倍に伸びています。

今回はインデックス投信の定義と、どのような点に注意して銘柄を選んでいけばいいのかを詳しく解説していきます。

インデックス投資とは

インデックス投資とは、日経平均や TOPIX など特定の指数(インデックス)と同じ値動きを目指す投資方法のことです。例えば、TOPIXが5%上昇すれば自分の資産も5%増えます。一般的には投資信託で運用を行います。インデックス投資にはインデックス型の投資信託と ETF(上場投資信託) があり、総称して「インデックスファンド」と呼ばれています。

現在は、個人向けのインデックスファンドの販売が伸びています。個人向けインデックスファンドの明確な定義はありませんが、次の三つが特徴です。

1.販売手数料が無料(ノーロード)

2.信託報酬が低い(0.5%以下)

3.主にネットで販売

投資対象は、日経平均株価や TOPIX( 東証株価指数 )、米国のS & P 500をはじめ国内外の株式や債券などの指数です。現在、世界には1万種類以上のインデックスファンドがあり、日経平均株価のような株式の市場動向を示す インデックス 以外にも、不動産や債券・商品など様々なインデックスファンドがあります。

国内の公募投信全体の残高は、ここ数年80兆円前後で足踏みが続いています。毎月分配型ファンドなどのアクティブ型ファンドの残高が伸びていないからです。しかし、個人向けインデックス投信の世界に目を移すと、風景はがらりと変わります。

純資産残高のトップは三菱UFJ国際投信。2位は三井住友トラストアセットマネジメント。3位はニッセイアセットマネジメントなど銀行や生保・ネット系が躍進しています。

インデックス投信の残高が伸びている背景

インデックス投信の残高が急増している背景には、貯蓄から投資への流れを加速させたい政府・金融庁が、投資信託に対する税制優遇を進めていることがあります。特徴的なのが積立NISAやイデコなどです。

インデックス投資の本質は、コストの低いインデックスファンドに分散投資をすることで、世界経済の成長を享受することです。 積立NISAやイデコでは、「長期・分散・積立投資」に適したインデックスファンドが選ばれています。

個人の株式や債券の投資家が盛んな欧米では、個人の金融資産が1997年~2017年の20年間で、米国では約3倍、イギリスは2.6倍に増えました。日本の個人金融資産は同期間に1.4倍しか増えず、しかも大半が現金で保有される中、超低金利が続いているので、ほとんど増えていません。

そうしたなか2014年1月税制を優遇するNISASがスタート。2018年1月には、最大20年までの長期投資を対象にする積立NISAを導入し、投資家の裾野拡大を後押ししました。

平成30年3月末現在でNISA口座が約1,100万、積立NISAが約50万口座となっていて、確実に口座数が伸びています。

特に積立NISAは20代~40代の割合が約7割と若年層が多く、積立NISAの開始を契機に新たに投資を行う層が広がりつつあります 。

積立NISAの特徴は、その制度設計にも表れています。対象は「長期・分散・積立投資」向き、ノーロード、信託報酬(投資信託の保有コスト)は国内株のインデックスの場合は0.5%以下と条件を満たしたものに限定されます。

金融庁のお墨付きを得た商品は162本と、国内の公募投信約6200本のうち2.5パーセントに過ぎません。さらに、インデックス投資ファンドはそのうちの142本を占めます。

投資インデックスの選択

インデックス投資は様々な指数を対象にしますが、株式を対象にした指数は以下の5つです。

1.国内株式

代表的な国内の株価指数は、「日経平均株価」、「 TOPIX( 東証株価指数)」、「 JPX 日経インデックス400」の3種類です。

日経平均株価は、東証一部を代表する225銘柄の株価の平均。 TOPIXは、東証一部に上場する全銘柄の時価総額(株価×発行済株式数)の変化を指数化したものです。さらに、 JPX 日経インデックス400は、東京証券取引所に上場する銘柄の中から、 ROE(株主資本利益率)や営業利益などの定量的な指標に基づいて、投資魅力のある企業を集めた指数です 。

2.全世界株式

代表的な株価指数インデックスは、「MSCI ACWIインデックス」です。全世界株では日本を投資対象国に含むか含まないかで、選ぶ投資信託が異なります。 全世界株式を分類すると、先進国株式と新興国株式になります。

全世界株式は、大型株・中型株・小型株の全部を含み、文字通り全世界の株式市場を網羅できます。国内の株価指数を投資対象にしている場合は、日本を除いた世界株式に投資するといいでしょう。

3.先進国株式

「MSCIコクサイインデックス」が代表的な指数です。先進国株式は、投資対象国に日本は含まれません。為替の変動リスクを避けたい場合は、「為替ヘッジあり」を選ぶことで、実質的に円で先進国株式に投資ができます。ただし、為替が円安に振れても利益が増えないことや、金利差が拡大すると、為替ヘッジのコストが上昇するという点には注意が必要です。

4.米国株式

代表的な指数は、「USトータルマーケット・インデックス」と「S&P500」の2つです。USトータルマーケット・インデックスは、米国株式市場全体の動きを表した指数で、大型・中型・小型株の全てが含まれます。

S & P 500は大型株が中心で、部分的に中型株も含まれますが、小型株は含まれません。先進国株式は地域別で見ると、米国が全体の6割超を占めます。先進国株式と米国株式は、どちらか一方を保有すれば十分です

5.新興国株式

代表的な指数は「MSCIエマージングマーケットインデックス」。投資対象は中国・台湾・韓国などアジア圏が上位を占めます。新興国株式は値動きが大きいので、ポートフォリオ全体の10%程度に抑えた方がいいでしょう

インデックス投資の銘柄選定

インデックス運用とアクティブ運用

投資信託の運用方法には、主にインデックス運用とアクティブ運用の2種類があります。インデックス運用は、特定のインデックス(日経平均株価やTOPIX) をベンチマークとして、ベンチマークの値動きに連動するように運用する方法です。ベンチマークとは運用成績の基準となる指標。つまり、日経平均株価をベンチマークとした場合、日経平均株価と値動きが同じようになるように運用します。

アクティブ運用は、投資対象の調査研究を行い、ベンチマークを上回る運用成果を目指す方法です。企業の調査研究を行うので、インデックス運用より運用コストが高くなります。

インデックス運用のメリットは、まずコストの安さが挙げられます。アクティブ運用のように銘柄選定にかかる調査費用がかからず、機械的に運用するため、投資家が運用会社に支払う信託報酬を低く抑えることができます。信託報酬とは、投資信託を保有している間にかかる費用のことです。

ただインデックスに連動をすることを目指すので、市場平均以上のリターンをあげることはできません。例えば、TOPIXは、約2000銘柄から構成されていて、その中には優良な銘柄もありますが、そうでない企業も含まれていて玉石混交です。

株価指数に決められている銘柄が何らかの理由で急落した場合でも、採用銘柄の見直しを行わない限り、特定の銘柄を排除することはできないのです。

ETF(上場投資信託)と投資信託

インデックス投資には 、ETF(上場投資信託) と投資信託の2種類があります。 ETF も日経平均株価 やTOPIXなど特定の指数に連動することを目指して運用される、インデックス型の投資信託の一つです。投資信託の特徴に加えて、株式市場に上昇しているので、株式と同じようにリアルタイムで取引することができます。つまり、上場投資信託と株式を合わせた商品といえるでしょう。

ただし、 ETF の銘柄数は230銘柄前後と投資信託の6000本に比べるとまだまだ数は少ないです。複数の商品を組み合わせて国際分散投資をした場合は 投資信託の方が使い勝手がよくなります。

また 、ETF は金額指定で購入することができないので、例えば毎月1万円ずつ買う積立投資を行いたい場合も、投資信託の方が有利です。

インデックス投資の注意点

大きなリターンは望めない

インデックス投資は、幅広い銘柄に分散投資をすることによって、リスクを軽減させることができます。ただし、ローリスクであるということは、ローリターンということでもあります。少ない資金を長期でコツコツと増やしていくという点ではインデックス投資は非常に有効な手段ですが、短期間で大きく増やしたいという方にとっては物足りないと感じるかもしれません。

投資スキルの向上につながらない

投資のプロであるファンドマネージャーに運用を任せることができるので、初心者であってもインデックス投資であれば、プロやベテランに比べて不利になることありません。そのこと自体は、投資の安全性を考えると非常に大きなメリットですが、投資家自身がすることはほとんどありません。人任せの投資であるゆえに投資スキルの向上は見込みにくいといえます。

インデックス投資のポートフォリオの決め方

ポートフォリオとは、株式や債券などの資産にどの程度の割合で投資するかを決めることです。例えば、株式の比率を50%・債券の比率を50%にするなど、自分なりに割合を決めることができます。ポートフォリオ運用を行う目的は、リスクを軽減し、より安定した運用成果をあげることです。したがって、投資信託もポートフォリオ運用といえます。

一つの参考として 、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)があります。私たちの年金を運用している機関です。 長期的な観点から、安全かつ効率的な運用を行うため、各資産を組み合わせた資産構成割合を「基本ポートフォリオ」として定めています。 GPIF の基本ポートフォリオは、以下のような比率で決まっています。

国内債券 35%

国内株式 25%

外国債券 15%

外国株式 25%

国内外の株式や債券の比率をどのようにすればいいのかというのは、判断が難しいと思います。そこでGPIFの基本ポートフォリオを参考にしながら、リスクをより取りたいのならば株式の比率を上げる、安全性を重視したいなら債券の比率を上げるなど、自分なりのポートフォリオを構築するようにしてください。

リバランスとは

国内外の債券など複数の資産タイプを保有している場合、一定期間ごとにポートフォリオを見直し、当初の資産配分比率に戻すことを「リバランス」といいます。例えば、先ほどの GPIF の比率でも、国内株式の株価が上昇した場合は、25%の比率から30%近くになることもあります。

特定の資産が値上がりして配分比率が高くなると、その資産の影響力が大きくなるため、その影響を行う度合いを減らすためにリバランスを行います。国内株式が値上がりしていた場合には、値上がりした資産のうち配分比率を上回った分を売却し、そのぶんを配分比率が下回っている資産を購入すればいいのです。

コストを意識する

投資信託は、主に購入時の手数料と、信託報酬2つの手数料がかかります。買うのは手数料無料(ノーロード)の銘柄を多く取り扱うネット証券経由がいいでしょう。

ネット証券で積立投資を行う場合、100円から購入できるというのも大きなメリットです。例えば、投資信託で積立投資する場合、毎日・毎月など期間を定めることができ、100円から買付けできます。自動で全て行ってくれるので、手間もかかりません。

バランス型ファンド

ただ、自分でポートフォリオを決めるのは難しいという方もいらっしゃるでしょう。そのような方は、「バランス型ファンド」を選択するのも手です。バランス型ファンドとは、投資信託の一種で、株式や債券をバランスよく資産配分するファンドです。例えば、以下のように資産配分します。

国内債券 25%

国内株式 25%

外国債券 25%

外国株式 25%

均等に資産配分をすることで、ファンドの価格が大きく値下がりするリスクを減らすことができます。国内株式が下がっても、外国債券や国内債券の値上がりでカバーできるからです。バランス型ファンドを購入すれば、一本で手軽に国際分散投資が完成します。これはとても大きなメリットです。

リバランスも自動でしてくれる

自分で投資信託を組み合わせて運用していた場合、リバランスの手間がかかります。どの投資信託を売買するべきか考えることが面倒だと感じる方もいるでしょう。バランス型はリバランスも自動で行ってくれます。 リバランスをどの程度の頻度で行うかというのは、ファンドごとに異なります。

3ヶ月に1回、半年に1回、1年に1回など違いがありますが、具体的な部分を投資家が指示できるものではなく、各バランス型ファンドの運用方針に基づくということに注意しましょう。

このように自動的に資産配分を決めてリバランスも行ってくれるバランス型ファンドは、非常に使い勝手が良い商品です。ただし、その分さまざまな手数料がかかります。ファンドによって違いはありますが、一般的にバランス型ファンドは手数料が高い傾向にあります。バランス型ファンドは、購入からリバランスまで全て運用会社が行います。また、他の投資信託に投資しているバランスファンドもあります。投資家にとっては投資信託に二重に投資している構造になるため、手数料も大きくなるのです 。

初心者の方はバランス型ファンドから始め、運用を継続して投資に慣れてきたら、自分でインデックスファンドを選んで、コストを抑えるようにするのもいいでしょう。

まとめ

今回はインデックス投資について解説しました。インデックス投資は ETF(上場投資信託) と投資信託の2種類がありますが現、在は個人向けのインデックス型ファンドの種類が増えています。

イデコやつみたてNISAといった税制優遇のある制度が始まったからです。政府や金融庁は「貯蓄から投資」への流れとして、インデックスファンドをメインに考えています。手数料が無料(ノーロード)で信託報酬が低く、少額から投資できるというメリットがあります。

米国やイギリスなどの個人金融資産は、この20年で2.5倍から3倍程度に増えています。これは国際分散投資を行った結果です。日本では株式と言うと日本株というのが常識なので、バブル崩壊後下落相場が続き、アベノミクス相場後の現在でも、日経平均株価はまだ2万円台前半です(バブル時高値38915.87円)。

この間に世界各国の株価は大幅に上昇してきたのです。インデックス投資を始めるのに早すぎるということはありません。ネット証券では100円からでも積立投資ができるので、まずは少額から気軽に始めてみてはいかがでしょうか。

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一橋大学経済学部卒業。証券会社でマーケットアナリスト、デリバティブディーラーを経て、個人投資家に転身。投資歴は20年以上。現在は、日経225先物を中心に現物株・FX・CFDなど幅広い商品に投資しています。保有資格:証券外務員1種

ブログ:先物オプション奮闘日誌 http://yanta.cocolog-nifty.com/

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