株式投資トレーニングとは?ゲームやツールで投資の基礎が学べる

「株式投資をやってみたいけど、場合によっては損失するかもしれない……」

株式投資を始める方の多くは、そういった不安を抱えているでしょう。いきなり株式投資を始めるのは、不安がつきものです。それに、良い結果を残すことは難しいでしょう。

毎日バットも振らずに、いきなりホームランを打てませんよね。練習しなければ、実戦で結果を残すのは難しいです。株式投資においても、「実践のための練習」があります。

事前に株式投資のトレーニングを積むことで、不安を解消し、実践で結果を残せるよう、知識や感覚を補ってくれます。そこで今回は、株式投資のトレーニングについて詳しく解説していきます。

ゲームやツールなどで投資トレーニングをする効果

ゲームやツールによって、投資トレーニングをする効果は、いろいろありますが、中でも大きいのは「投資リスクへの不安を解消する」効果です。

投資には、リスクがつきものです。とはいえ、人間はリスクを恐れます。ちなみに、投資の世界では、利益よりも損失の方が精神的に大きな影響を与えることを「プロスペクト理論」といいます。

投資することで、「資金を失ってしまったらどうしよう。」といった不安は、投資する人にはつきものです。特に、株式投資を始める方は不安が大きいでしょう。いきなり、不安を抱えた精神状態で投資を始めるのは賢明ではありません。

そこで、実践の前にゲームやツールなどで投資トレーニングを行うのです。

強いスポーツチームは、厳しい練習を日々行うことで、本番に強いのです。なぜ本番に強いのでしょうか。それは練習することで、慣れ、本番は精神的に余裕のある状態で臨んでいるからです。

株式投資も同じです。まずは練習しましょう。練習は、本番に対する不安を解消する特効薬になります。

株式投資のトレーニングの種類

株式投資のトレーニングの種類は、大別して基礎から学べるトレーニングと実践的に学べるトーレニングの2種類あります。

それでは、それぞれ詳しく説明していきます。

投資ゲームで基礎から学ぶ

投資ゲームは、まず基礎から学んでいきましょう。

たとえば、外国語を勉強するときも文法や単語といった基礎から始めますよね。株式投資の学習方法も同じです。投資における単語、つまり「専門用語」を覚える必要があります。

とは言え、専門書を読み込み、ただ覚えるだけでは飽きてしまいますよね。そここで、投資ゲームの登場です。ゲームを通して、楽しみながら専門用語を覚えることができます。基礎を学ぶことができるのです。

しかし、専門用語を知ることは、投資における「基礎中の基礎」です。基礎の一部にすぎません。先ほど、例で取り上げた、外国語の場合も同ことが言えます。単語だけを覚えていたところで、文章をつくることはできないですよね。

専門用語を知った次のステップとしては、株価に影響を与える要素を学ぶことです。平たく言えば、「なぜ株が上がる?下がる?」と言った理由、仕組みについて大まかな流れをとらえることです。ゲームやツールによっては、なぜ株は上がったのか、下がったのか逐一解説してくれるものもあります。

株価がどう変化するのか、それはどういった要素が関係しているのか、大きな流れ、つまり投資の基礎を学ぶことができます。

少額トレードで実践的に学ぶ

何事も実践あるのみです。少額トレードで実践的に学びましょう。ここでいう少額とは、数千円〜1万円程度の金額を指します。実際の株価に連動した投資シュミレーションゲームもありますが、やはりオンラインとリアルとでは、大きな壁があります。

一方で、株式投資というと最低でも元手100万円ほどが必要というイメージがありませんか?

実は、それも過去のものとなっています。今では、「ミニ株」という制度を利用して最低購入金額を低く抑え、10万円以下(1万円程度の場合も)で株式投資がスタートできるようになりました。こうした少額投資はリターンが低い反面、リスクも小さく抑えられるため、株式投資を実践的に学ぶことに向いています

また、身銭を切って投資することで、負けた時の「痛み」を知れます。

仮に「全部失ったとしても問題ない」と思える範囲内の金額で実戦的に学びましょう。少額トレードを通して、ゲームだけで味わうことのできなかった「本番の感覚」を知ることができます。

株式投資のトレーニングを行うメリット

株式投資を実践からではなく、シミュレーション等のトレーニングから開始することで様々なメリットがあります。ここでは、次の4つのメリットを取り上げています。

  • 投資リスクを下げる
  • 繰り返しできる
  • 知識の定着
  • いつでもできる
  • 楽しんで学べる

特に一番上の「投資リスクを下げる」というメリットは、株式投資トレーニングの最大の利点といえるでしょう。特に株式投資の初心者は、まず最初に「相場に慣れること」が重要とされますが、シミュレーションを通してそうした感性を磨くことが可能です。

それでは、以下でそれぞれのメリットを詳しくお伝えしていきましょう。

投資リスクを下げる

実際に投資を始める前に株式投資のトレーニングを行うことで、投資リスクを下げる効果があります。というのも、トレーニング抜きでいきなり投資を始めた場合、失敗してしまうリスクが高いからです。

ゲームやツールを使った投資シュミレーションによって、投資「リスク」への理解に繋がります。リスクを知ることで、実際の投資リスクを軽減することができるのです。

繰り返しできる

実際に投資する場合、失敗してしまうと、投資した金額の全てを失ってしまう場合もあります。その一方で、株式投資のトレーニングでは、資金を失うリスクはありません。そのため、「バーチャルトレード」などで成績がよくなかったとしても、何度も繰り返し行うことができます。

トレーニングで失敗を覚え、繰り返し挑戦しましょう。投資で失敗してしまうと、失った資金は戻ってきません。その点、トレーニングは繰り返しできます。大きなメリットです。

知識の定着

投資を始めようと思った場合、本やインターネットで情報を集める方が大半かと思います。そこで、投資に関する基礎知識を学び、いざ本番を迎えることになります。

ゲームやツールを使うことで、本やインターネットで覚えた「知識」が定着します。本やインターネットで学ぶのは、あくまで「受動的」です。ただ情報を自分で、読み込み、覚える作業になります。

一方で、ゲームやツールは、自分で何か頭を使ったり、操作したりします。いわば、「能動的な学び」です。受動的な学びだけでは、記憶は定着しません。能動的に学んだ知識を、ゲームやツールを使い、能動的に復習することで、知識の定着につながります。

いつでもできる

株式の売買を行える時間はあらかじめ決まっています。具体的には、平日の朝9時から11時30分までと12時半から15時までとなっています。ただし、ネット証券であれば、24時間売買を行える場合がほとんどです。

つまり、株式の売買ができる時間が限られています。株式投資トレーニングはその点、時間帯に左右されずに、いつでもできます。専業投資家などでない限り、一般的な会社員であれば、平日の朝9時から15時までの間にリアルタイムで株価をチェックする時間を取るのは難しいでしょう。株式投資トレーニングだと、朝の通勤時間や、仕事の終わりのちょっとした時間にできますね。

楽しんで学べる

ゲームやツールには、エンターテイメント性があります。例えば、クイズ形式で株の仕組みについて学習できるものや、ゲーム形式で株のバーチャル取引を行い友人らと対戦できるものがありま。遊び感覚で学べるのです。ただ単に、本で読んだり、インターネットで調べたりして学ぶだけでは得られない楽しさがあるでしょう。

投資に成功して、自己資金を増やすことも大切ですが、まずは楽しむことが大切です。楽しみながら学ぶことで「勉強の継続的なモチベーション」へ発展します。ただ、難しい本を読み、知識を詰め込むだけでは、退屈を覚えてしまいます。

おすすめのトレーニングゲーム・ツール

ここまで、株式投資のトレーニングの必要性や、メリットについて解説してきました。株式投資トレーニングの重要性をご理解いただけたことでしょう。

株式トレーニングサービスは、すでに50種類以上あります。どのサービスがいいのか、悩んでしまいますよね。そこで、厳選したおすすめのトレーニングゲーム・ツール5つを紹介します。

トレダビ

50万人以上が利用する無料の投資シュミレーションゲーム。株式投資を学ぶゲームの中では、日本国内でトップレベルの人気を誇ります。株式投資初心者の方だけでなく、経験者の練習の場としても利用されています。

このゲームの特徴は、実在する上場企業のリアルな株価を使っているため、ほぼ実践に等しい状態でトレーニングを積めます。ゲームの成績が良ければ、賞品を貰えます。豊富な機能がついていながら、すべての機能を無料で使えます。無料で使えるにもかかわらず、商品までもらえるって最高だと思いませんか。実際に株式投資を始める際の予行練習として、使うのが良いでしょう。投資に興味ある人、全てにおすすめの投資シュミレーションゲームです。

アンディ

投資シュミレーションゲーム。トレダビと同様、本物の株価と連動したリアルな投資シュミレーションを体験できます。他の株式トレーニングサービスとの違いは、専門用語を覚えるためのクイズや、株の仕組みに関するクイズがあります。基礎からしっかり理解した方におすすめです。

株式投資とれーにんぐ

みずほ証券が提供している投資シュミレーションゲーム。一千万円の仮想マネーを運用するゲームです。取引成績はランキンング化されます。投資に興味のある友人を誘い、お互いの成績を競いながら学習できますね。ゲーム要素が強いです。

取引画面は、みずほ証券の実際の取引画面と同じデザインとなります。そのため、特に「みずほ証券」での取引を検討している方におすすめの株式投資トレーニングゲームです。

機械学習ゲーム

東京証券取引所が提供している株式投資学習サービス。中高生向けのサービスとなります。これまで紹介してきたゲームとは少し異なり、投資に関する基礎知識から学ぶことができます。投資シュミレーションゲームも提供していますが、特筆すべきは「学習に役立つガイドブック」が配布されることです。一切、料金はかかりません。

投資の背景にある理論、社会の仕組み、経済などについて体系的に学べます。理論からしっかり学びたい人におすすめの株式投資トレーニングサービスです。

株式投資のトレーニングを行うときの注意点・デメリット

株式投資トレーニングは、あくまで練習にすぎません。本番で結果を出すための学びを目的としています。これから株式投資トレーニングのデメリットを紹介します。ここでは、デメリットを3つのポイントに分けてお伝えしています。

  • 自信過剰になるリスク
  • 本番と同じ感覚だと錯覚
  • 全てをカバーできない

やはり、トレーニングはあくまでシミュレーションなので、実践感覚をつかむには適していません。ゲームやアプリを活用しつつ、ときには身銭をきって本格的な(少額)投資にもチャレンジしていく必要があるでしょう。

それでは、それぞれ詳しく解説していきます。

自信過剰になるリスク

株式トレーニングで投資リスクへの不安を解消できると同時に、自信過剰になってしまう場合もあります。実際の株価の動きと連動したシュミレーションゲームもありますが、一部は本番よりもシンプルで簡単に株価を予測できるものもあります。

また、ゲームのため、何度でも繰り返しすることができます。「失敗しても大丈夫」と思いながらシュミレーションゲームをすることで、思い切った判断を下し、良い成績を収める場合もあるでしょう。リアルとはかけ離れた決断を下し、その結果、自信過剰に陥ってしまいます。投資において、自信過剰は禁物です。株式投資トレーニングは、ほどほどにしましょう。

本番と同じ感覚だと錯覚

最近の株式投資トレーニングサービスでは、限りなくリアルに近い値動きで行うことができます。ついつい本番と同じ感覚だと錯覚に陥ってしまうことでしょう。しかし、本番は練習の感覚と全く異なります。

全てをカバーできない

ゲームやツールを使い、株式投資トレーニングを積むことで、基礎的な知識や感覚を補うことができます。とはいえ、トレーニングで投資に関するすべての知識をカバーできません。ゲームやツールだけでなく、本を通して学ぶことも大切です。

トレーニングだけでは正しい知識を身につけることができません。その背景に潜む理論が大事です。ただ上がるか下がるか予測するゲームとは、違います。業界のトレンド、景気、政治事情など、さまざまな要素が絡み合い、株価に影響します。

そのため、経済や金融の知識も必要です。基礎知識がなければ、ただの直感に頼ることになるため、短期的に結果を残すことはできるかもしれませんが、継続的に結果を残すことは難しいでしょう。ゲームやツールだけに頼らず、他の媒体からも情報を集めましょう。

以上、株式投資トレーニングにおける3つのデメリットを説明してきました。それらを踏まえた上で、株式投資を行う際の注意点があります。

トレーニングの引き際に注意

トレーニングの感覚に慣れてしまうことは禁物です。ある程度、トレーニングで感覚をつかむことができたら、少額から実践に移して下さい。ここで重要なのが、「トレーニングでの成績を引きずらないこと」です。

たとえ成績が良くなるまでトレーニングをやり続けたとしても、実戦で良い成績を収められるとは限りません。一方で、悪い成績だからといって、満足するためにずっとトレーニングばかりやっていては本末転等です。

トレーニングで感覚をつかんだ後は少額から実践を始めていこう!

トレーニングはあくまで、練習の場なので、「引き際」を意識しましょう。シュミレーションゲームでの成績の良し悪しに関わらず、取引すする感覚を掴めたと思ったら、そこで少額トレードを始めるのがおすすめです。

株価は、様々な要素によって変動します。そのため、ベテランの投資家でさえ、毎回勝ち続けることは、不可能に近いです。まずは、少額からでもスタートして、慣れることが先決です。

最近では、株式投資も10万円以下の資金から始めることも可能になりました。また、ほかにも投資信託などに出資し、プロの資産運用方法を肌で感じていくのも良いでしょう。ゲームで投資感覚をつかむことも大切ですが、それ以上に株式投資の実践に参加することの方がよっぽど重要です。

最初は少しずつでも大丈夫ですので、徐々に実践へと移っていきましょう。

まとめ

株式トレーニングをすることで、メリットがありますが、デメリットがあるのも事実です。あくまで、「投資を学ぶための準備」を助けるためのものです。

トレーニングである程度の感覚をつかむことはできますが、限界があります。結局のところ、実践の感覚は実践でしか学ぶことができません。株式トレーニングに頼りすぎずに、実践までのサポートとして、有効活用して下さいね。

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