不動産投資で成果のでる管理会社の5つの選び方|良い業者の条件とは?

「不動産管理会社はどうやって選べばいい?」

不動産投資をご検討中の方であれば、必ずこうした疑問を抱きますよね。今回はその方法を5つのポイントでお伝えしていきますが、その前に、まず不動産投資における管理会社の重要性を学んでいきましょう。

不動産投資では、「優秀な管理会社=不動産経営の成功」という方程式が成り立っています。その理由を知るために、まずは管理会社の重要性を学ぶ必要があります。

もちろん、最後には具体的な選び方まで解説します。しかし、管理会社を効果的に活用し、不動産経営を成功に導くためにも、先ほどの方程式を解くことから始めましょう。とても簡単な方程式なので心配はいりません。

不動産投資の成功に管理会社が成否を握る2つの理由|まるで結婚相手探し!

不動産投資を始める人なら、誰でも必ず思うことがあります。

「成功したい!」

そうですよね。不動産投資における成功とは人それぞれですが、土地や物件に投じた資金を確実に回収し、それ以上の収益を生み出すことが一つの目標となります。また、40代や50代のうちに不動産投資ローンを返し終え、老後は借金を気にせず、安定した家賃収入で過ごせることが理想という方もいらっしゃるでしょう。

しかし、現実は理想とは異なり、誰でも簡単に不動産投資で成功できるかといえば疑問が残ります。その成功には、事前にしっかりと返済計画をたて、空室率や退去率などのリスクを見極めつつ戦略を立てなければなりません。

また、今回お伝えする「管理会社選び」という視点も、不動産投資を成功に導くために必要な要素です。しかし、管理会社選びの重要性を完全に理解している人は、あまり多くありません。

管理会社とは、いわば不動産投資における「パートナー」です。このパートナー探しに労力や時間を割かないということは、将来の数十年を一緒に過ごす結婚相手を適当に探すことと変わりありません。結婚相手の年収や働き方、性格、癖、自分との相性などは、何度もデートを重ねて互いに確認しあうもので、それを怠ると悲惨な結婚生活が待っていることは想像に難くないでしょう。

「こんな男(女)だと思わなかった!」、と。

不動産投資における管理会社選びも、その結婚相手を探すこととよく似ています。この会社を選ぶ段階で手を抜いてしまうと、その後の運用成果が悪化することもあれば、じっくりと検討して選んだ相手であれば、長いお付き合いで互いにハッピーになることも多いです。

では、不動産投資で管理会社選びが重要な理由を2つ、ここから詳しくお伝えしていきましょう。

不動産投資の成否は管理会社が握っている⁉

不動産投資の成否は、実は管理会社次第で大きく変わります。

管理会社とは、アパートやマンションなどの住居者へのサービス、物件の保守点検などを委託できる頼もしい存在です。管理会社に賃貸経営にかかわる業務全般を任せることで、当の投資家は寝ている間でも家賃収入が入ってきます。

これも、不動産投資家のパートナーである管理会社が、昼夜問わず実務に勤しんでくれているからですよね。

一方で、反対の側面から見てみると、管理会社のサービスが悪い、物件の保守点検や住民同士のトラブルを放ったらかしにするなど、その会社の対応次第で賃貸経営の本質がガラッと変わります。入居者からすれば、管理サービスの悪い賃貸住宅には住みたくありません。また、管理会社の質の悪さにうっぷんが溜まり、大きなクレームへと発展してしまう可能性もあるでしょう。

こうした住居者への対応や物件のメンテナンスなど、投資家自身で行うのは大変です。特に忙しいビジネスマンの方などにとっては、できれば面倒な管理業務は業者に任せっきりにしたいところです。

今では不動産経営におけるほとんどの場合は管理会社への委託型ですが、上記のような「質の悪い業者」を選んでしまうと、それだけで入居者が減り、ひいては家賃収入の減少(利回り低下)へと繋がっていくのです。

管理会社が優秀なほど入居者の満足度が向上

不動産経営では、必ず事前に情報収集を行い、しっかりと管理会社を選別しましょう。

管理会社が優秀であれば、ご自身の物件や建物が次のように生まれ変わります。

  • 廊下や共有スペースがいつも清潔に保たれている
  • 公衆Wi-Fiや共有物(洗濯機やトイレ等)の定期的なメンテナンスにより、トラブルが発生しない
  • ゴミの分別が各住居者に明確に認知されており、ゴミ捨て場のニオイも気にならない
  • 住民同士のトラブルにも早急に対処してくれるため、入居者は安心して生活できる
  • 水漏れや漏電など、困ったときに親身になって相談に乗ってくれたり、業者の手配も迅速

こうしたことは全て入居者の「満足度」に繋がります。入居者がその物件に満足していると、できるだけ長く住んでいたいと思ってくれますよね。つまり、退去率の減少に繋がり、また口コミなどで新規契約が増える可能性も出てきます。これらは総じて空室率というリスクの抑制に役立ちます

いくら不動産経営で成功しそうな戦略を講じたとしても、この管理会社の質が悪いだけで収益性に悪影響を及ぼします。不動産経営で成功するためには、戦略とともに管理会社の選び方にも注意を払う必要があるのです。

不動産の管理会社が行う具体的な仕事とその役割

不動産の管理会社が普段どんな仕事をしているのか、これを知ることは重要です。仕事内容を知ることで、不動産経営における管理会社の役割が理解できます。役割が分かれば、おのずと管理会社の重要性やメリットが見えてくるのです。

不動産管理会社の特徴

不動産管理会社とは、その建物と入居者、双方の管理義務を要する業者のことです。投資家から依頼された建物のメンテナンスだけしていれば良いというわけではありませんし、かといって入居者ばかりを相手にしていては、物件は管理不足ですぐに傷んでしまうでしょう。

管理会社の基本的な仕事というと以下の通り、建物と入居者の両者にサービスを提供します。

  • 建物に対する管理会社の仕事:清掃、メンテナンス、修繕、補修、専門業者への発注など
  • 入居者に対する管理会社の仕事:家賃回収、滞納者への督促・回収、クレーム処理、専門業者の仲介など

不動産投資を行ううえで、上記の建物に対するメンテナンスと、入居者に対するきめ細かいサービスは必ず誰かが行わなければなりません。それを投資家の代わりに行ってくれるのが管理会社です。

不動産管理会社の3つの役割

役割(1):ヒトの管理

不動産管理会社では、「ヒト・モノ・カネ」という3つの資源をうまく管理することが求められます。まるで経営者のようですね。

「ヒト」の管理では、次のような仕事を行います。

  • 入居者からの家賃回収
  • 滞納者への督促と回収
  • 入居者からの要望対処
  • 入居者からのクレーム対応

ヒトとは入居者のことに違いありません。つまり、ヒトをうまく管理すれば入居者の満足度が向上し、反対に対応がまずければ、それだけで入居者の信頼を失ってしまうことになるのです。管理業務において顧客満足に直結する、もっとも重要なポイントといえるでしょう。

役割(2):モノの管理

「モノ」とは建物のことです。管理会社は「ヒト」だけでなく、建物を定期的にチェックして、メンテナンスや修繕などの対応をしなければなりません。

建物の管理業務では、次のような仕事を行います。

  • 廊下や共有スペースの清掃
  • 照明器具のメンテナンス
  • 退去時のクリーニング
  • 必要個所の修繕
  • インターネット設備などの点検
  • 自転車置き場や駐車場の整理・点検

マンションの場合、15年に一度は必ず大規模な修繕を行う義務があります。管理会社に委託している場合は、この義務を履行(代行)するのはその会社が当事者です。マンション経営の場合は、事前にこの大規模修繕を見越し、「修繕積立て」を行います。

管理会社の役割としては、大規模修繕の確実な実行ばかりではなく、この修繕積立ての管理から、マンションの資産価値を守る(メンテナンス等で)という義務を果たさなければならないのです。

役割(3):カネの管理

「カネ」とは、直接的にいえば「家賃」のことです。

最近では、不動産管理会社のワンストップサービスが一般化しつつあり、ヒトやモノの管理とともに、カネの管理まで管理会社が責任をもって行うことが多くなっています。それだけ、管理業務を一か所(一つの会社)で行いたいという投資家が増えているということです。

カネの管理とは、すなわち家賃の回収がそれに当たります。また、入居者の滞納があった場合も、彼らの収支状況を調査し、督促や回収業務まで担当することがほとんどです。

また、カネの管理の一環としてサブリース契約を結ぶ場合もあります。これは、収益物件の一括借り上げをするサービスで、管理会社によって提供していないこともあるので、事前に確認しておきましょう。

不動産管理会社の費用相場はいくら?

不動産管理会社では、「管理委託費」という金額がベースとなります。管理委託費は、家賃の5%が費用相場です。

たとえば、一室あたりの家賃が平均5万円だとして、10部屋の契約を行っている場合、一か月の家賃収入は次のような計算式となります。

  • 平均家賃5万円/部屋 × 契約数10部屋 = 月額家賃収入50万円

そこから管理委託費が5%なので、

  • 月額家賃収入50万円 × 管理委託費率5% = 管理委託費2.5万円

このようになります。

ただし、業者によっては管理委託費用のほか、システム手数料などが発生する場合もあります。その場合は、管理委託費の割合が引き下げられることが多く、約2~3%程度に抑えられます。一方で、システム手数料として初回契約時に10万円、契約更新のたびにその半額の5万円を請求することもあるなど、費用制度は事前に確認しておきましょう。

不動産管理会社の探し方

不動産管理会社を探す方法として、次の3つが一般的です。

  • 物件購入先の不動産会社の紹介を受ける
  • ネットで検索・比較検討を行う
  • 街中を歩いて探す

それぞれ手間や時間効率、管理会社の信頼性という違いがあるため、この探し方も重要な部分です。

物件購入先の不動産会社の紹介を受ける

不動産物件を購入する場合は、不動産会社と契約を結びます。その契約時に、不動産会社と知り合い関係にある管理会社を紹介してもらうことも可能です。また、不動産会社のグループ内に管理会社を保有していることもあります。

物件を購入した流れのまま管理会社との契約も行えるため、もっとも時間効率が高い方法です。また、契約を結んだ不動産会社としては、ユーザーの信頼性を損なわないよう、質の高い管理会社を紹介しようとするでしょう。つまり、管理会社としての信頼性も、ある程度は保証されているのです。

ネットで検索・比較検討を行う

不動産管理会社は、インターネットを駆使して探すこともできます。また、ネット検索は、簡単に複数社の比較検討ができるというメリットも見逃せません。不動産管理会社の比較でも、「一括比較サイト」が存在しますので、一目で価格やサービス内容を確認できます。

街中を歩いて探す

街中を歩いていると、必ず目にするのが「入居者募集」の立て看板です。また、「管理物件」という文字もよく見かけます。こうした看板には必ず電話番号が記載されていますので、気になった場合は発信してみましょう。不動産投資の管理会社へと繋がります。

不動産業者や管理会社は、特定の地域に大きな影響力を持つこともあります。特に、街中の立て看板の多くで、同じ業者名を見かける場合は、その地域で一定規模以上のシェアを獲得する有力企業の場合も少なくありません。こうした有力業者に管理を任せてみるのも、質の高い会社選びには重要です。

不動産投資で成果のでる管理会社の選び方|5つのポイントで知る有力業者の特徴

不動産投資では成果がでなければ意味がありません。慈善行為などの目的がある方は別として、やはり家賃収入の期待利回りを高め、できるだけ短期にローンを返済し、大きな収益へと繋げていきたいところです。

これまで何度も、その成功のためには管理会社選びが重要とお伝えしてきました。それでは、いよいよその具体的な選び方を、5つのポイントに分けて紹介していきます。

見極め方(1):自分で見て感じたものしか信用してはならない

優秀な管理会社の見極め方で、もっとも効果的な方法は、「自分の目で見て感じること」です。不動産管理会社はすでに複数の物件で管理業務を行っていますので、その物件に足を運んでみましょう。実際に、その建物を見て、管理会社がどのような仕事を行っているのか、自分自身で感じることが一番です。これは、不動産会社から紹介を受けたときも、必ず事前に行うようにしましょう。

ただし、建物の専有部分に入居者でない方が入ることはできませんし、個々の居住者の管理スペースなので、特に気にする必要もありません。ここでは、「建物の共有スペース」を重点的にチェックしていきます。

たとえば、自転車置き場や駐車場、玄関付近、ポスト付近の簡易ゴミ捨て場、共有のゴミ捨て場、物置などが該当するでしょう。

チェックポイントとしては、

  • 共有スペースが清潔か
  • 回収不能のゴミが放置されていないか
  • 汚れやサビなどが残っていないか(定期的なメンテナンスチェック)
  • 蛍光灯や照明が切れたまま放置されていないか
  • 自転車置き場は整理整頓されているか  など

チェック者自身がその光景を見て不潔感を持たないことが重要です。また、少しでも管理不足がある業者は避けましょう。十分な管理が行き届いていない可能性が高いです。

見極め方(2):きめ細かいサービスを売りにしている業者

不動産管理会社の中には、きめ細かいサービスを売りにしているところもあります。そうした管理会社は、定期的なメンテナンスのほか、入居者のトラブルやクレームなどにも適切な対処ができることが多いため、この物件だけではなく、末永い取引をしたい業者といえるでしょう。

しかし、インターネットなどで「きめ細かいサービス」を喧伝していても、実際のところは分かりません。そこで、先ほどの「街中を歩いて探す」という方法で、特定の地域に強い業者を探してみましょう。そうした地域シェアの高い管理会社は、大手業者にはないきめ細かいサービスにより、そのエリアの不動産オーナーと長いお付き合いをしていることが多いです。

見極め方(3):会社よりも「ヒト」を見る

「ヒト」は会社を表すという言葉は、会社経営でよく耳にします。それは不動産経営でも同じです。

この場合の「ヒト」とは、管理会社に勤める従業員のことであり、なおかつご自身に対する営業担当者のことを表します。その担当者の対応や人柄、営業方法など、そうした細かい部分から会社の信頼性を測り取ることも可能です。

企業の理念や考え方というものは、長くそこに勤めている人ほど浸透しやすく、それが営業や対外コミュニケーションにも大きく影響します。「この担当者は信用できるな」ということであれば、「この会社は信用できるな」という面に置き換えるのも良いでしょう。

見極め方(4):管理会社の影響力から選ぶ

管理会社は不動産会社と密接なかかわりを持つことが多いです。管理会社の不動産業界への影響力が強いほど、それだけ希少性の高い情報を持っていることも少なくありません。そうした影響力の強い管理会社と付き合っておくと、のちのち不動産投資に有利な情報を入手できる機会にも恵まれます。

見極め方(5):リーシング業の免許を調べてみる

リーシング業とは、入居者が増えるようなサポート業務、もしくは仲介業務まで担う管理会社のことです。特に大手の管理会社は、リーシングサービスまで提供していることも珍しくありません。

リーシングを行うには免許が必要です。実はこの免許を見ることも、管理会社の信用を確かめる重要な方法となります。

免許番号のカッコ内にある数字は、その免許の更新回数を表します。更新回数が多いほど、リーシング業ならびに管理会社としての経歴も長く、実績も多いということが分かるでしょう。また、免許番号をネットで検索すると、過去の信用情報をさかのぼって調べることも可能です。

まとめ

不動産投資を成功に導くには、いかに優秀な管理会社を見つけるかということが重要です。優秀な管理会社であれば、不動産オーナーとしても安心して管理業務を任せっきりにできます。そうした安心を手に入れるためには、管理会社選びだけは時間をかけて、じっくりと検討するようにしましょう。

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