iDeCo(イデコ)の手続きの流れを確認しよう!金融機関の選び方から商品購入まで

今回はイデコの金融機関の選び方から商品購入・実際の運用までの手続きの流れを確認します。イデコのメリットを最大限活かせるよう、しっかりと手続きについて理解するようにしましょう。

iDeCo(イデコ)とは

イデコとは、「個人型確定拠出年金」のことで、自分年金を作るためのお得な制度です。加入者が60歳までの間に毎月一定期の金額(掛金)をだして、あらかじめ用意された定期預金・保険・投資信託といった金融商品を選んで運用し、60歳以降に年金または一時金として受け取ることができます。

日本在住の20歳以上60歳未満の方であれば、原則誰でも始めることができます。定年退職後のお金については、多くの人が心配していると思います。国民年金や公的年金だけでは、ゆとりのある老後生活を送ることはできません。イデコは、老後の資金を自力で用意するための制度なのです。

金融機関の決め方

イデコでは、口座を作る金融機関がとても重要です。なぜなら、金融機関によって手数料や投資信託の種類が大きく異なるからです。

口座選びのポイントは次の2つです。

1.口座管理料が安いこと

2.投資信託の種類が多いこと

1.口座管理料が安いこと

金融機関 を選ぶ際に重要になってくるのが手数料です。毎月の手数料では数百円程度の差でも、将来もらえる金額に大きな影響を与えることになります。加入者は国民年金基金連合会と利用金融機関、信託銀行にそれぞれ手数料を払う必要があります。

国民年金基金連合会、信託銀行へ支払う手数料はどこでも一律で、加入時の2,777円、運用時の月額167円、給付時の432円が必ずかかります。一方、利用金融機関への手数料は各金融機関で異なります。高いところと安いところの差があるので、将来もらえる額に大きな影響を与えるのです。

イデコの窓口となる金融機関は様々な種類があります。銀行や信託銀行、信用金庫、保険会社、証券会社、投信会社の他専業の会社もあります。イデコを申し込む場合は、近くの金融機関に申し込んでも無駄です。

問い合わせや申し込みは全て Webかコールセンターでの対応になります。通常の金融機関の業務と異なるので、専用の部署で対応する必要があるからです。

加入者にとっては、少しでも口座管理料を安くしたいところです。そこで、金融機関によっては、これまで拠出して積め立てた最低保有残高などの条件を設けた上で、条件をクリアした場合は口座管理手数料無料にするサービスを導入している会社もあります。

例えば、みずほ銀行の場合、掛金金額が50万円を超えたら無料になります。また、りそな銀行では掛金の引落口座がりそなグループの場合、通常316円の手数料が54円引きの262円になります。

損保ジャパン日本興亜アセットマネジメントでは、毎月の掛け金が2万円以上だと通常月320円の口座管理手数料が無料になります。

他にも様々な条件を設けて割引を実施している金融機関は多くあります。加入を考えている人はリサーチして、後悔のないような金融機関を選ぶようにしましょう。

2.投資信託の種類が多いこと

イデコには、元本確保型の商品もありますが、それではほとんど元本は増えません。資産運用を考えた場合、やはり投資信託での運用がメインとなります。やはり商品の充実度では証券会社ということになります。

手続きの加入と商品選び

金融機関を選んだら、いよいよ口座開設です。自分年金づくりが本格的にスタートします。ただし、イデコの最大の壁となるのがこの加入手続きなのです。イデコに加入しようと金融機関を選んで資料請求したけど届いた申込書の書き方が分からない、手続きに何が必要なのかよくわからない、といったことがきっかけで面倒になり、諦めてしまう人もいるのです。

ここでは、加入者で失敗しがちなポイントをご紹介しています。イデコはやる気があるうちに一気に手続きを終えてしまうのがコツです。手続きに必要なことをリスト化し、必要になるものはあらかじめ用意することをお勧めします。

イデコ申込みで注意すること

  • 引き落とし口座

イデコの掛金を引き落とすための口座が必要になります。ほとんどの金融機関が指定可能ですが、指定できないところもあります。例えば、イデコの管轄元である国民年金基金連合会が口座振替契約を行っていないネット銀行や、外国銀行などでは口座を指定することができません。

  • 基礎年金番号

自分の基礎年金番号を覚えている人は少ないでしょう。番号が記載してある年金手帳が見つからないこともよくあります。勤め先に年金手帳を預けている会社員や公務員の方は、「事業主の証明書」の記入依頼の際、基礎年金番号を確認してもらうようにしましょう。

  •  記入ミス

イデコでは、ネット証券であってもネットだけで手続きは完了しません。署名の記入や郵送によるやり取りが必要になり、手間がかかります。ですから、最も多いのが記入ミスです。詳細な記入例が資料に同封されていることが多いので、参考にするようにしましょう

記入時に必要なモノ

  • 預金通帳・カード

現金の引き落とし口座には、開設済みの銀行口座を利用するのが楽です。なお、証券会社で申し込んでも、証券口座は引き落としに利用できません。

  • 身分証明書

運転免許証やパスポートなど本人を確認できる証明書を用意します。金融機関によっては、コピー提出が必要になることもあります

  • 印鑑

申込書に押印する必要があるので、掛金の引落口座に指定した銀行の届出印を用意しておくようにしましょう。

イデコ開始までの流れ

イデコ開始までの流れを確認しましょう。

  • 金融機関に資料請求をする

資料請求はネットでできるので簡単です。まず公式サイトのイデコページで住所、氏名などを入力して資料請求。資料は2 3日で郵送されてきます。

  • 送られてきた申込書に必要生事項を記入する

送られてきた資料にはイデコの制度や運用商品に関する冊子などとともに、2枚の申込書が同封されています。

この申込書に必要事項を記入していきます。会社員や公務員の場合は、申込書の1枚に勤務先の代表者の署名と押印が必要になるので、勤務先が記入する部分は担当者に渡し、イデコ加入の旨を伝えて署名押印してもらいます。ここはミスが発生しやすいので気をつけてくださいください。

申し込みで間違いやすいポイント

  • 掛金の納付方法は、給与天引き(事業所払い込み)個人口座から引き落とし(個人払い込み)を選びます。
  • 事業所払い込みは年末調整などに控除証明書を添付する手間を省くことができますが、掛け金変更時に面倒な手続きがあります。ですから、個人払い込みを選ぶケースが多いです。
  • 掛け金額と、月払い年払いなど支払い時期を選びます。毎月の掛金単位は5,000円から1,000円単位です。上限は職業によって異なるので、しっかり調べておくようにしましょう。
  • 企業型確定教室年金に加入しているかどうか確認しましょう。加入している場合、イデコの掛け金上限が異なったり、そもそも加入資格がなかったりすることもあります。そのため、現在の加入状況を事前に把握し、過去の加入歴も調べておきましょう。

それでは、イデコの運用商品にはどのようなものがあるのかを確認しておきましょう。

イデコの金融商品の選び方

イデコの運用商品は次の2種類に分類できます。

1.元本確保型

元本確保型というのは、定期預金や保険など元本が確保されているタイプのものです。運用に回したお金が減るリスクは低く、原則として元本割れになることはありません。しかし、現在の低金利の状況だと大きく増える見込みはあまり期待できません

イデコ向けの定期預金は年率0.02%、積立年金保険の利率は0.05%程度です。将来に備えて資産を増やすという意味では、かなり物足りないと感じる方が多いのではないでしょうか?

2.元本変動型

そこで、老後の資金を蓄えるために、イデコの運用は元本変動型がメインにします。元本変動型というのは、値動きがある金融商品で運用するタイプで、具体的な商品としては投資信託になります。

ただ、実際の運用に関していうと、まだまだ保守的な動きが見られます。野村総合研究所が行った「イデコに関するアンケート調査結果」によると、元本確保型のみを選択すると回答した人は34%と最も多くなりました。

元本変動型のみを選択する人は14%。まだリスクを取って積極的に運用しようとする人は少ないようです。ただし、元本確保型と変動型を選択するという人も20%いるので、合わせると34%となり、元本確保型と同じ程度の人が変動型にも意欲を持っていることがわかりました。

それでは、どのような金融商品を選べばいいのかポイントを見ていきましょう。

1.元本確保型ならお金が減るリスクは低い

元本確保型の金融商品(定期預金や 積立年金保険)なら、元本が減るリスクはほとんどありません。「絶対にお金が減るのは嫌だ」と考える人には、元本確保型がおすすめです。

イデコは所得控除されるので、所得税と住民税が軽減されます。節税効果もあるので、金利がほとんどつかない定期預金でも、イデコを始めるメリットはあるのです。

2.初心者はバランス型の投資信託を選ぶ

将来受け取る金額を増やしたい人は、元本変動型の投資信託を組み入れて運用する必要があります。しかし、投資信託といっても株式型や債券型、不動産(リート)を組み入れたものなど様々な種類があります。どの投資信託を選べばいいかわからないという投資初心者の人も多いでしょう。

そのような場合は、バランス型ファンドから始めてみるのがおすすめです。バランス型ファンドというのは、国内外の株や債券など、様々な資産や国にバランスよく投資しているタイプの投資信託です。

資産の配分から銘柄の入れ替えリバランスまで自動的に行ってくれるので、安定的な運用を目指せる投資信託だといえます。

初心者の方はまずバランス型の投資信託で運用してみて慣れてきたら個別のインデックスファンドやアクティブファンドを選ぶようにすれば良いでしょう。

3信託報酬が低い投資信託を選ぶ

投資信託には、信託報酬というコストがかかります。信託報酬とは、投資信託を管理運用してもらうためのコストで、通常年0.5から2%程度かかります。

仮に投資信託の運用成績が3%あっても、信託報酬が1.5%であれば、実際の利益は半分の1.5%しか残らないことになります。これが長期になると、信託報酬が積み重なり運用の利益をだいぶ削ってしまうことになるのです。

信託報酬を抑えたいならインデスクインデックス型の投資信託を選ぶようにしましょう。インデックス型とは日経平均株価やTOPIXなど指数と同じような値動きを目指す投資信託で、アクティブファンドに比べて運用の手間がかからないことから、コストである信託報酬が安い傾向にあります。

商品の購入から運用方法

商品を決定したら、次に決めておかなければならないのが毎月の掛金と購入する商品の配分です。掛け金は多いほど節税効果がありますが、年に一回しか変更できません。

手続きには金融機関から変更届を取り寄せて返送する手間がかかるので、まずは拠出が持続できる金額を設定しましょう。

掛金の設定はまずは5,000円からでも大丈夫です。続けられる金額を設定しましょう。限度額は職業によって違うので、必ず確認しましょう。

金額変更は年に1度なので続けられる金額に設定します。最低5,000円から1,000円刻みで設定可能です。

続いて行うのが配分割合の指定です。運用商品は金額ではなく、割合で購入します。毎月の掛け金をどの商品に振り分けて運用するかを指定するのが配分指定です。資産の状況に応じて配分変更は、無料で何度でも行うことができます。

配分指定を忘れてしまった場合、全額が元本確保型の定期預金になる場合もあります。すでに貯めた定期預金で違う商品を購入する場合、満期日前だと元本割れこそしないものの、中途解約率が適用されてしまうことも覚えておきましょう。

運用商品を選んで掛金配分を指定する

イデコは掛金を決めたら終わりではありません。必ず配分指定をする必要があるからです。無料で何度でも変更可能です。

ただし、金額割合で指定し、購入商品全体で100パーセントになるようにします。

最初は債券型やバランス型の投資信託を中心にリスクをおおめにして、残りを定期預金にしてもいいでしょう。例えば、債券型とバランス型を40パーセント、定期預金を20パーセントにします。

慣れてきたら、株式型などリターンが高めの投資信託も組み入れていきます。通常、投資信託を窓口で購入すると販売手数料がかかる場合がありますが、イデコは無料です。

保有コストも割安に設定されている場合が多いので、コスト面で有利になっています。ですから、投資デビューにもってこいの制度なのです。

イデコの運用方針の定期的な見直し

イデコは長期にわたって運用するので、定期的な見直しが必要です。といっても、毎日のようにチェックする必要はありません。半年に1度で大丈夫です。それでは、具体的にどのようにすればいいのか見ていきましょう。

1.半年に1度資産状況を確認する

運用中にチェックする事項は、次の3つです。

1.運用実績の確認

2.保有商品の見直し

3.税金を取り戻す

1.運用実績の確認

イデコの運用成績は、少なくとも半年に1度は資産がどのぐらい増えているのか、減っているのかをチェックするようにしましょう。金融機関のサイトなら24時間いつでも見ることができるので便利です。イデコの場合は、毎月の金利が見直されているので、預金や保険など元本確保型商品でも違う金利がスタート時と違うこともあります。完全に放置はせず、数ヶ月に1度は確認するようにしましょう。

2.保有商品の見直し

掛け金のうち、どの商品をどのぐらいの割合で購入するのか変更させることを「スイッチング」といいます。例えば、株式型の投資信託を比率30%にしていたものを35%に上げるなど変更することができるのですただし、掛金の変更は年1回です。変更の際は、金融機関から書類を取り寄せへ記入提出する必要があります。

3.税金を取り戻す

イデコでは、年末調整や確定申告をすることで所得控除できます。その年の所得税等や次の年の住民税が安くなります。必ず年末調整や確定申告を行うようにしましょう。

まとめ

今回は、イデコを始めるための金融機関の選び方から商品購入、実際の運用までの手続きの流れをご紹介しました。イデコは年金のための制度なので仕組みが複雑ですが、税金の控除枠が多く、非常にお得な制度になっています。

しかし、イデコは申込後すぐにスタートすることができません。運用開始まで2ヶ月近くかかる場合もあります。期間に余裕を持ったら申し込みをするようにしましょう。上手に活用すれば非常にお得なイデコですが、投資信託で運用した場合は、受け取り時の経済状況によって元本を下回ることもあります。イデコは資産運用であるということを忘れないようにしましょう。

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一橋大学経済学部卒業。証券会社でマーケットアナリスト、デリバティブディーラーを経て、個人投資家に転身。投資歴は20年以上。現在は、日経225先物を中心に現物株・FX・CFDなど幅広い商品に投資しています。保有資格:証券外務員1種

ブログ:先物オプション奮闘日誌 http://yanta.cocolog-nifty.com/

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