不動産投資はいつから始めるのがベスト?年代別の投資戦略で分かる最適な開始時期

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「不動産投資はいつから始めるのが良いのか?」

このような悩みをお持ちの方は、不動産投資をよく理解しているといっても過言ではありません。不動産投資は高額な初期投資が必要なため、物件や土地などを購入するにはローンを組むことが一般的です。そのローンを利用するには、「早いほうが得か」「遅いほうが得か」という迷いが生じます。

このようにローンを組む以上、不動産投資で開始時期を探ることは重要です。しかし、あまりにもそのタイミングばかり重視する必要はない、ということも結論としてお伝えしておきましょう。なぜなら、各年代ごとに投資を始めるメリットがあり、それを戦略的に生かせば、誰だって不動産投資で成功できるからです。

では、今回の記事で、その各年代ごとの不動産投資戦略を探っていきましょう。

不動産投資はなぜ開始時期が重要なのか?

不動産投資は、他の投資と同じく利回りやリスクをコントロールすることが「成功」へと繋がります。一方で、株式投資やFXに比べると、不動産投資ほど開始するタイミングが重要な投資対象はありません。なぜ、不動産投資では投資する「タイミング」が重要なのでしょうか。

答えは、「ローン」です。

不動産投資とは物件や土地を取得するため、当然ですが気が遠くなるような初期投資額が必要です。マンションやアパートなど一棟まるごと投資する場合は数千万円以上もの資金が要るので、銀行などで「不動産投資ローン」を利用することが多くなります。

不動産投資ローンは、私たちが一軒家を購入するときなどに利用する「住宅ローン」と似ています。借入期間は最長35年という決まりがあるため、ローンの最大完済年齢は84歳、つまり、49歳までにローンを組まなければいけません(返済期間は35年以内も可能)。

また、たとえ最長の35年ローンを組んだとしても、25歳から借り入れると60歳で借金が完済しますよね。すると、60歳からはその不動産が自分のものとなるため、投資における家賃収入がまるまる自分の手元に入るということです。こうした「不労所得」は、体が弱り始めた定年前後の年齢だからこそ大きな価値を持ちます。

上記を簡単にまとめてみましょう。

不動産投資で開始時期が重要になる理由は以下の2点です。

  • 不動産投資ローンには利用できる年齢制限があること
  • 早く開始するほど完済する年齢も若く、家賃収入が老後の蓄えとなること

ただし、不動産投資ローンを使わず、物件や土地などを現金で購入する場合はこの限りではありません。借入金利も発生しないので、ご自身の好きなタイミングで始めて大丈夫です。仮に、80歳や90歳という高齢の方でも、現金だけで不動産投資を始める場合は特に制限はありません。

ただ、現金だけで不動産投資を始められるのはごく一部の方のみです。多くの場合、不動産投資ローンを利用して物件や土地を購入します。

では、不動産投資ローンの年齢制限や条件など、もう少し詳しくお伝えしていきましょう。

不動産投資ローンを利用できる上限年齢は50歳前後

不動産投資ローンの年齢制限は、そのローンを提供する金融機関によって異なります。多くの場合、不動産投資ローンの年齢制限として、「20~49歳まで」というルールが設けられています。たとえば、ローンで返済できる最長期間は35年なので、20歳で借りると55歳、49歳で借りると84歳で完済となります。もちろん、期間をもう少し短くして支払う利息を減らすことも可能です。

しかし、あまりにも若すぎてもローンは組みにくく、反対に年齢が高齢になっても審査に通りにくくなります。仮に20歳の若者が不動産投資ローンを組む場合、勤め先の勤続年数が短かったり、収入がまだ少なかったりするので審査に不利です。高齢になると完済時期が80歳前後となるため、ローン返済が負担になるリスクが高いことから、こちらも審査では不利に働きます。

「プロパーローン」を利用することで年齢制限がなくなる

不動産投資ローンには二種類あり、先ほどから紹介してきた年齢制限を有しているものを「提携ローン」と呼びます。不動産業者や銀行が提携し、投資家向けに融資を行っているローンです。

一方、不動産投資ローンには「非提携ローン(プロパーローン)」という種類もあり、こちらは年齢制限を設けている金融機関が減ってきています。プロパーローンとは、保証会社の保証なしで融資を受ける種別で、万が一ローン利用者が返済できなくなった場合のリスクをすべて金融機関が負います。

ただし、資金の貸し手(金融機関)にとってはリスクの高い融資となるため、提携ローンに比べ金利が高く、審査も厳しめです。年齢制限を設ける業者が少ないことはメリットですが、プロパーローンを利用したことによって利息が高額になり、いつまで経っても家賃収入が受け取れない場合は本末転倒となるでしょう。

【年代別】おすすめの不動産投資戦略|若い方が有利⁉

不動産投資は、物件や土地などに資金を投じる年代別に戦略を立てていきましょう。先ほどもお伝えしましたが、不動産投資は高額な初期投資が必要なので、銀行などでローンを組むことが一般的です。投資を開始する年代が異なれば、そのローンの審査の不利・有利、返済期間、返済方法(金利種別)など、投資戦略全般に関わってきます

では、一体何歳から始めるともっとも不動産投資が有利になるのでしょうか。ここからは年代別の不動産投資戦略をお伝えしていきましょう。

20代~30代に最適な不動産投資戦略

不動産投資において「若さ」は最大の武器です。これは投資に限らず、ご自宅を購入する際の住宅ローンにも当てはまります。

不動産投資を始める年齢が低ければ低いほど、それだけ長期間の融資が可能で、なおかつ返済中に利息が有利になる選択肢も多いのです。たとえば、新入社員として会社に入社したときは給与が低いですが、そこから昇進のチャンスもあれば、昇給の機会も数多くあるのが若者のメリットですよね。当然、最初に組んだ不動産投資ローンの月々の返済額から、昇給や昇進によって、より多くの金額を返済に回すことも可能になってくるでしょう。

この方法を「繰り上げ返済」といいます。35年で借りていたものを、月々の返済額を増やして20年で返してしまうなどです。借金は借りる期間が短くなるほど支払う利息が減るため、繰り上げ返済によって借金総額を減殺できます。

また、もともと長期間で融資を組んでおけば、時代の変化に合わせて柔軟に金利種別を変更可能です。現在の日本のように約20年間、住宅ローンの変動金利が変わっていない状態であれば固定金利より変動金利が有利となります。

一方で、政府の経済政策や日銀の金融政策などで国内景気が上向きそうであれば、早めに固定金利に乗り換えておくのも一つです。景気が良くなる金利が高くなり、変動金利上昇のリスクが高まるかもしれないからです。

このように、不動産投資ローンを始める年齢が若く、なおかつ返済期間が長いほど選択肢に恵まれ、その中でもっとも有利な戦略を選んで展開していくことができるでしょう。さらに、25歳~30歳は給与も順調に上昇していく時期なので、審査にも通りやすいメリットがあります。

30代~40代に最適な不動産投資戦略

30代~40代も働き盛りで、役員への昇進など一気に給与が上昇していく時期が重なるため、不動産投資には有利な時期です。しかし、20~30代の不動産投資と比べると、少しだけ不利な点もあります。

それは、「自宅」と「子供」です。

30代を過ぎれば、今度は投資用ではなくご自身の自宅用に住宅ローンを組むことも増えてきます。また、子供が産まれたり、20代のときに産まれた子供が成長して、教育費に多額のお金が必要となるケースも多いでしょう。

たとえば、子供を幼稚園から高校まで入学させるのに必要な資金は、すべて公立学校でも500~600万円です。また、自宅用の住宅ローンを組んだ場合も、35年ローンでおおよそ月に10万円前後の出費となります。ここからさらに不動産投資ローンの返済額も加わるため、かなり慎重に投資戦略を立てた方が良いでしょう。

30代から始める不動産投資戦略は、中長期的な資金を貯めることが基本です。子供が大学を卒業するまでの学費や雑費、ご自身に不測の事態が起こったときのお金、もしくは老後資金など。どれも多額のお金が必要となるため、最終的には購入した不動産を売却して老後資金にあてることも考えておきましょう。

この年代ではコスパを求めるよりも、資産価値の高い不動産だけを投資の選択肢にしたり、駅前や住宅街など、空室リスクの低い地域に照準を絞るなど、安定性の高い物件に集中することが大切です。

40代~50代に最適な不動産投資戦略

40~50代など、年齢が高くなると、若い時のような審査に有利だったり、複数の選択肢からベストな戦略を選ぶというメリットが薄くなってきます。しかし、年齢が積み重なったからこその不動産投資戦略のメリットもあるのです。

たとえば、収入面においては40~50代が受け取る給与水準が高く、頭金を多く用意してローンの利息を有利にしたり、毎月のローン返済額より家賃収入をはるかに上回らせることも可能です。各年代の給与水準は転職サイトdodaの以下表が分かりやすいでしょう。

年代 平均年収
全体 男性 女性
20代 346 367 319
30代 452 487 382
40代 528 583 413
50代以上 645 690 442

(※単位:万円、2018年12月時点の参考データ)

(出典:doda、2018/12/3,平均年収ランキング最新版【年齢別】)

ほかにも、不動産投資ローンに加入したときに利用できる団信(団体信用生命保険)を生かし、生命保険と同じように併用することも可能です。

60代に最適な不動産投資戦略

60代になると定年退職を迎えますが、その後もアルバイトや企業の継続雇用制度を活用して働き続ける人も多いでしょう。しかし、40代や50代のような高額な給与は期待できないため、不動産投資ローンの審査を通過することは難しくなります。

しかし、60代になると今まで蓄えていた貯金が高額になり、なおかつ住宅ローンも完済しているケースが多いです。また、会社員時代の退職金もあるので、わざわざ不動産投資ローンを組まずとも、貯金などを利用して不動産投資を始める方も少なくありません

ローンを利用しなければ利息を支払う必要もないですよね。35年など長期ローンの利息は1,000万円以上にもなるため、利息だけ節約しただけでも投資対象の利回りが有利になります。また、現金だけで不動産を購入するメリットとして、次の3つのメリットも忘れてはいけません。

・不動産投資がそのまま相続税対策になる
・不動産投資を始めてすぐに家賃収入(不労所得)が入ってくる
・万が一の病気や事故のリスクにも、家賃収入と資産価値のある不動産を残しておける

不動産投資で賃貸用アパートやマンションを借りた場合、相続税の評価額は株式や現金に比べて低くなります。つまり、それだけ相続税対策に有利となるのです。

また、現金で不動産を購入することができれば、その資産はすぐにでもご自身のものとなります。もちろん、毎月金融機関にローンの返済をする必要もありませんので、入居者さえ集まれば、投資してすぐに家賃収入という利息が受け取れることになります。

不動産投資を始める最適な年代は?

ここまで不動産投資を開始する年代に応じて、それぞれの投資戦略をお伝えしてきました。不動産投資は若いほど選択肢が増え、収入も上昇していくため審査にも有利となりますが、それぞれの年代ごとにもメリットがありましたよね。

ここで大切なことは、不動産投資はいつ始めても「必ずメリットがある」ということです。確かに、高齢になってくると、若い時よりも審査が不利になったり、ローンの返済が定年を過ぎても完済できず、なかなか家賃収入の恩恵にあずかれないリスクも増えてきます。しかし、反対に40~50代の給与の高さを生かしたり、頭金の金額を増やして利息額を抑えるなど、高齢の方にしかできない戦略もとれるということです。

要は戦略次第で投資に成功することもあれば、失敗することもあります。どのタイミングで不動産投資を始めるにしても、その年代しかできないメリットをいかに生かすかが重要ということを覚えておきましょう。

不動産投資を効率よく運用するには「時間」と「若さ」を生かすこと

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不動産投資の年代別の投資戦略をお伝えし、それぞれ年代ごとに特徴的なメリットがあることをお伝えしてきました。確かに各年代のメリットを十分に生かし、30代なら30代、40代なら40代で可能な不動産投資戦略を活用することは良い方法です。

しかし、やはり不動産投資は若いうちから始めることがベストと言えるでしょう。つまり、不動産投資を効率よく運用するなら、「若さ」という時間的メリットを生かすべきです。

年齢が若いと給与も低いことは当たり前なので、多額の頭金を用意するのも難しいでしょう。しかし、若ければ長期ローンを組むことが可能なので、月々の負担を抑え、なおかつ家賃収入の恩恵も最大に発揮させることができます。

また、若者は高齢の方に比べて「健康」というメリットがありますよね。20代~30代、そして30代半ばまでであれば、多少無理をしても病気やケガ、事故のリスクも高齢者ほど高くありません。

実は不動産投資ローンを受ける際に、同時に加入する「団体信用生命保険(団信)」では、この「健康」という条件も審査要件に入っています。大病を患っていたり、病気やケガのリスクが高い高齢者の方は、残念ながら団信の審査に通らず、同時に不動産投資ローンも利用できないこともあるのです。

こうしたローン条件もあるので、「若さ」というメリットがそのまま審査にも影響することを忘れないようにしましょう。給料が低いときは不動産投資ローンを組むのも大変ですが、老後の安定した不労所得を手に入れるため、今しかできない「時間」と「若さ」という利点を生かすことも大切です。

ただし、あまりにも無理をして不動産投資をするのはおすすめしません。老後資金や不測の事態のための貯金など、資産運用方法には不動産投資以外にも様々な種類があります。そうした複数の金融商品を見比べてみて、ご自身の「強さ」を生かせるものを選んでみましょう。

【不動産投資はいつからがベスト?】まとめ

不動産投資はいつから始めるべきか、今回は年代別の投資戦略を紹介しつつ、この結論を出しました。20~30代という若い年代にも、もちろん50代や60代といった高齢の方でも、それぞれ強みやメリットがあることをお伝えしました。基本的にローンを組んで投資する不動産では、こうした各年代のメリットを考えて、それを最大限に生かすことが重要です。

しかし、20~30代の方には、「時間」と「若さ」という究極のメリットがあります。それだけ審査は有利となり、様々な返済方法、金利種別などの選択肢に恵まれ、不動産投資ローンの利息やリスクなどを取り除くことに役立つということです。

現在の年齢が若いという方は、ぜひ今できる究極のメリットを生かして不動産投資にチャレンジすることをおすすめします。すでに30代を過ぎた方や、50代や60代という高齢の方は、先ほど紹介した各年代ごとの投資戦略を生かして、ご自身が持つ最大のメリットを活用してみてください。

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