ビジネスで活用したい!法人カードに付帯される保険について徹底解説

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経費管理を簡単にできる点などが魅力の法人カードですが、実は安心できる各種保険が付帯していることも特徴です。

代表的な保険が海外出張の際に心強い旅行傷害保険、購入した商品の破損や盗難などをカバーするショッピング保険になります。多くがビジネスに便利な内容ですが、法人カード選びの際はどんな保険が付帯していてほしいのかをあらかじめ決めておけばスムーズに選びやすいでしょう。

ただし、保険は法人カードごとに異なっていて補償内容や条件も異なりますので、自身で比較して納得できる内容のものを選ぶ必要も出てきます。

そこで今回は、ビジネスにおいて役立つ法人カード付帯の保険の種類をはじめ、保険についての知識を高めるために大切なポイントをご紹介します。

最後まで読むことで法人カードに付帯されるのはどんな保険なのかを知ることができて、かつ選び方もわかりやすくなるでしょう。ぜひ、チェックしてみてください。

法人カードに付帯される保険の種類

保険が付帯されると言っても種類はさまざまです。それぞれの保険の内容を理解してから補償内容を比較すると自身に最適な法人カード選びができるでしょう。

旅行傷害保険

旅行傷害保険は海外と国内に対応するのが一般的です。法人カードの場合、海外旅行傷害保険は付帯されるものの、国内は付帯すらないことがありますから事前のチェックは必須になるでしょう。

旅行傷害保険で補償となるのが旅行中にトラブルに遭い、死亡や後遺障害につながった場合です。また海外と国内では補償内容が大きく異なる点も見られます。

ショッピング保険

ショッピング保険は「ショッピング・プロテクション」などと呼ばれることもあり、クレジットカードを利用して購入した商品が破損した場合に損害の補償が可能です。

また、アメリカン・エクスプレスのクレジットカードでは独自のサービスとして、購入した商品の返品ができなかった際の補償制度「リターン・プロテクション」が付帯されています。

不正利用補償保険

法人カードの紛失、または盗難の被害に遭った際の不正利用を免れられる制度が不正利用補償保険です。被害内容問わずに警察への被害届の提出は必要ありません。

保険の付帯条件とは?

保険が付帯されていても必ず適用にならないケースがあります。

まず、保険の付帯条件には自動付帯と利用付帯の2種類に分かれることが特徴です。自動付帯はカードを持っているだけで保険が適用されますが、利用付帯ではカードで対象の支払いを行っていないと適用されません。

こちらではさらに詳しく解説していきます。

カードを持っているだけで適用するのが「自動付帯」

自動付帯はカード保有者であれば保険適用になるので、保険加入などの手続きをする必要もありません。

ただし、旅行傷害保険の場合、自動付帯と利用付帯の2本立てのケースもあります。こちらは航空券や旅行代金をカードで支払わなくても補償されますが、カード利用時よりも補償内容が低くなるものです。

つい、カードで支払いを忘れてしまったなどの場合でも半分程度の補償は受けられるようになります。

カードを利用しないと適用しない「利用付帯」

保有する法人カードの保険が利用付帯となっているのであれば、支払いは必ずカードで対応するようにしましょう。

たとえば旅行傷害保険であれば、航空券や旅行代金などの決済を法人カードで行った場合にのみ適用されます。現金や旅行券などの方法で支払っていれば、補償対象外となるわけです。

もしも旅行先で病気やケガで現地の病院で診察をうけた場合、法人カードで旅行にかかったお金を支払っていれば問題なく補償適用となりますが、そうでなければ全額自己負担をしないとなりません。

自動付帯か利用付帯を問わないケース

自動付帯と利用付帯に分かれるのは旅行傷害保険のみです。

その他のショッピング保険や不正利用補償保険は付帯方法を考える必要はなく、支払いを法人カードで行ってさえいれば補償対象となります。

家族特約の付帯

家族特約の付帯があることで、カード本会員の家族も保険適用の対象です。法人カードを持っていれば良いため、家族カード発行の有無も関係ないので家族旅行の際にも安心できるでしょう。

なお、家族特約の定義はカード会社によって異なる場合があります。配偶者のみが適用されたり、子供は未成年までと決まっていたりと対象範囲がさまざまなため、事前に確認しておくと良いでしょう。

法人カードの保険を利用する方法

保険を利用する場合、申請時に領収書などが必要となりますから捨てずにしっかりと保存しておきましょう。

保険金の請求は一般的に事故発生から30日以内とされていますので、できるだけ速やかに行動するようにしてください。

保険金請求時に必要となる書類

請求する保険の内容しだいで異なるものの、必要となる書類は下記のようになります。

・航空券や飛行機の予約の証明が可能なもの
・欠航・遅延証明書
・宿泊施設発行の領収書
・飲食店発行の領収書
・診断書
・保険金請求書(保険金請求時に保険会社より送付)
・日本からの出入国日を確認できる書類
・海外の場合はパスポートの写し

航空遅延保険を利用する際に、食事代や宿泊代も保険対象になる場合は領収書を忘れずに発行してもらってください。

盗難や不正利用は速やかな連絡が必要

法人カードを紛失、盗難や不正利用の被害が発生した場合は速やかに各カード会社のサポートセンターにその旨を連絡してください。

各カード会社のサポートセンターはインターネットからの検索も可能ですが、特に海外でのトラブル発生時は気持ちが焦ってしまうことがあります。出発前にメモをしておけばスムーズに行動もできますし安心もできるでしょう。

保険金の合算請求が可能

法人カードを複数枚保有している場合、治療費用や携行品損害、遅延費用などの保険金の合算請求が可能です。

ただし、死亡や後遺障害を請求する場合の保険金の合算はできないため、保有する法人カードの中から補償額がもっとも高い保険適用となります。

補償金額はカード会社によってさまざまですが、アメックスのゴールドカード以上になると最高補償1億円とする場合もあるので、海外に渡航機会が多い方であれば心強い存在となるでしょう。

旅行や出張で役立つ!旅行傷害保険

こちらでは旅行傷害保険についてまとめています。なお、旅行傷害保険という名称ですが、出張などのビジネス利用でも適用対象です。

旅行や出張で役立つ!旅行傷害保険

旅行傷害保険とは、旅行先での不慮の事故による死亡、重大な後遺障害が対象となる保険です。

最高1億円まで補償となる法人カードもあり、死亡や後遺障害以外にも補償対象となる項目があります。こちらでは、各保険の特徴を知っていきましょう。

・傷害治療、疾病治療保険
病気やケガを理由に海外の医療機関を受診した場合の医療費を補償・賠償責任保険
他人に何らかの損害を与えてしまい、法的な賠償責任が発生した場合に補償・携行品損害保険
盗難などの事故により、旅行時の携行品が損害を受けた場合に補償

法人カードの付帯する旅行傷害保険を比較する際は、補償内容を確認して総合的に判断するのがおすすめです。

なぜ旅行傷害保険が必要なのか?

海外の医療機関を受診した場合、日本のように健康保険が効かないので医療費が高額になってしまいます。

たとえば風邪の診療でも55,000円近い医療費を請求されることも珍しくないので、頼りになるのが法人カードの付帯保険のみとなるのです。

死亡や後遺障害の補償も重要視するポイントですが、旅行の際に利用の可能性が高いのは病気やケガの際の保険や携行品損害保険と考えるのが良いでしょう。

出発前の事故や病気は補償されない

旅行傷害保険で補償される金額は、最終的に自己負担となる範囲に限定されます。他の医療保険などを利用してカバーされる範囲は対象とならないため注意が必要です。

旅行前の事故や病気が理由で発病、受傷したものでないことが前提のため、体調管理には気をつけるようにしましょう。

国内旅行傷害保険も付帯があると便利

国内旅行傷害保険が付帯する法人カードの場合、死亡や後遺障害だけでなく入院や通院に対する日額保険金が補償されるケースがあります。海外だけでなく、日本国内の移動が多い方は内容を確認しておくとスムーズでしょう。

ただし、クレジットカード付帯の国内旅行保険は、個人法人ともに海外のような充実度の高さがありません。国内では健康保険の利用ができることから注目度が低く、適用範囲を広くする必要がないことが理由です。

海外航空遅延保険も心強い存在

旅行傷害保険も付帯することで心強い存在ですが、飛行機の欠航や運休、遅延を理由に発生した費用が補償される「海外航空遅延保険」も付帯があるかチェックしておくと良いでしょう。

1時間程度の場合は補償対象にならないことも多いですが、5時間以上の遅れが発生すれば法人カードのほとんどで補償対象としています。なお、補償対象となるのは飛行機の欠航や運休、遅延の影響で宿泊の必要が発生した際の「宿泊費用」「食事代」の実費です。

その他にも航空遅延保険はさまざまな種類があるため、各補償内容と対象範囲と合わせて確認しておいてください。

・乗継遅延費用保険
遅延を理由に乗継便に搭乗できなかった場合の宿泊費や食事代を補償・受託手荷物遅延費用保険
預けた手荷物が遅延で届かなかった場合、現地購入した日用品代を補償・受託手荷物紛失費用保険
預けた手荷物が紛失した場合、現地購入した日用品代を補償

手荷物紛失では、荷物そのものに対して補償されるわけではありません。あくまでも遅延や紛失によって発生した出費のみが補償対象です。

安心して買い物ができる!ショッピング保険

購入した商品が破損した場合などに、ショッピング保険は役立ちます。補償内容も含めて、具体的にどうなっているのでしょうか?

ショッピング保険の補償内容

破損しやすい商品の購入機会がある、購入機会が多い方でしたら、ショッピング保険は欠かすことができない補償制度でしょう。

項目は以下のとおりなので、慎重にチェックしておくことをおすすめします。

・法人カードで購入後、何日間補償となるか
・補償限度額の上限
・必要な免責額

アメックスの発行するビジネスカードの場合、補償期間が90日、年間で最高500万円までが限度です。しかし、アメックスの全会員分を合わせた補償総額が年間10億円までと決まっています。

その他にも1事故にあたり1万円の免責が必要となるため、単価の低い商品を購入した際の適用機会は少ないと思っていてください。

限度額に対して付帯保険で足りないケースも存在

年間の限度額に対して、法人カード付帯のショッピング保険では足りなくなるケースもありがちです。

破損するリスクの高い商品を購入する際は、法人カード付帯の保険以外にも別途対応可能な保険も検討する必要があるでしょう。損害保険会社では企業向けにさまざまな保険を扱っていますから、状況に最適な保険を選べるかもしれません。

法人カードの不正利用も保険で補償可能

不正利用補償保険は「法人カードを盗まれて悪用された」「気づかないところで勝手にカード決済された」などの損害を補償します。被害額はカード会社が全額補償するのが一般的で、思いがけない利用代金の請求を避けるために欠かせない保険です。

被害にまったく気づかないケースであっても、60~90日前にさかのぼって補償するカード会社がほとんどになります。

カードの紛失や盗難を軽視しないこと

クレジットカードが世の中に普及されたばかりの頃は、カード情報を盗むスキミングなどの手口で不正利用される被害が多く発生しました。気付いたときには利用限度額を使い切られていたなどのことも多くあります。

また、盗難以外にも紛失する可能性も考えられます。紛失して取得者が警察に届けるなどの対応をしてくれるのがベストですが、中には保有者本人になりすまして店舗で決済を行われるケースも珍しくないでしょう。

すぐに気付いて対応できるのがベストですが、不正利用がわからないままでいることもあるかもしれません。最悪の場合、補償期間を過ぎていて損して終わることにもなりかねません。

そうならないためにも、法人カードの所在や利用状況は定期的に確認する必要があるでしょう。公式ホームページで確認できたり、決済時にメールが届いたりする法人カードもあるので、利用すれば不正利用の早期発覚が可能です。

社員の不正利用は補償対象外

法人カードは経費の支払い用にと社員に追加カードを渡す場合があります。そこで、認められない商品の購入にサービスの利用などで追加カードを使っても、不正利用ではあるものの保険適用になりません。

あくまでも管理体制のミスで起きたことと判断されてしまうため、保証が不可能となってしまうのです。

保険内容で選びたいおすすめ法人カード

付帯する保険内容の充実度が高くておすすめの法人カードをご紹介します。

アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード

付帯保険の充実度の高さはもちろん、法人カードとして高い人気を誇る「アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード」です。

富裕層の保有率も高いことから、持っているだけでステータスを得られる点も魅力でしょう。

旅行傷害保険の内容

アメックスのビジネスゴールドカードでは、カード本会員に対して最高1億円が利用付帯、自動付帯では最高5,000万円の海外旅行傷害保険が付帯されます。

追加カード会員の場合、利用付帯のみで最高5,000万円となり、家族に対しても最高1,000万円が補償対象です。

医療費の補償は利用付帯でカード本会員が300万円、家族が200万円となり、自動付帯ならカード本会員と家族が200万円となります。しかし、追加カード会員とその家族は適用対象外です。

国内旅行傷害保険は利用付帯のみとなりますが、カード本会員と追加カード会員ともに最高5,000万円、家族は1,000万円の補償額となります。

その他の付帯保険

アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カードには、その他にも安心できる付帯保険があります。

ショッピング保険の「ショッピング・プロテクション」に返品受付に対応しない場合に適用となる「リターン・プロテクション」をはじめ、死亡や入院などが理由で旅行やイベントなどを利用できなくなった場合に発生するキャンセル費用が補償される「キャンセル・プロテクション」です。

また、航空機の遅延などによる費用負担が補償される保険もあります。

航空機の遅延を理由に乗り継ぎが不可能な場合の「乗継遅延費用保険金」に、欠航などで搭乗が不可能な場合の「出航遅延、欠航、搭乗不能費用保険金」「受託手荷物遅延費用保険金」「同紛失費用保険金」などです。

三井住友ビジネスゴールドカード

「三井住友ビジネスゴールドカード」は、日本国内でVISAカードの草分け的存在ともされる「三井住友カード」が発行元の法人ゴールドカードです。

国際ブランドは世界的シェア1位のVISAが付帯するので、世界各国のさまざまな場所で利用しやすいでしょう。

旅行傷害保険の内容

海外旅行傷害保険の自動付帯は最高1,000万円となり、利用付帯でさらに補償となる4,000万円を合わせれば最高5,000万円になります。医療費は300万円、賠償責任保険は1事故あたり5,000万円が上限です。

国内旅行傷害保険は利用付帯のみとなり、最高5,000万円となります。8日以上の入院で1日あたり5,000円、1日あたりの通院で2,000円の保険金が支払われ、手術保険金が最高20万円という内容です。

その他の付帯保険

ショッピング保険として「お買い物安心保険」が付帯。国内外の利用にて、最高300万円までの補償となり、必要な免責額は3,000円です。

法人カードランキング

まとめ

法人カードには各種の保険が付帯し、もしもの場合に備えられることがわかったかと思います。

どの法人カードにも共通して付帯するのが旅行傷害保険ですが、海外旅行傷害保険は付帯しても国内旅行傷害保険は付帯しない法人カードもあるので複雑化している点が否めません。

その他にもアメックスのビジネス・ゴールド・カードに付帯するリターン・プロテクションやキャンセル・プロテクションなどの独自の制度もあるため、選択肢はとにかく豊富です。同じ名称の保険でも条件が異なるケースも多いので、安易な気持ちで選んでしまうと失敗することになりかねません。

自身が求める付帯保険は何なのかを考えたうえで、役に立つ法人カードを導入してください。

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