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留学保険ってどんな保険?
「留学保険ってどんな保険なの?そもそも、本当に加入する必要はあるの?」
短期的な海外旅行には一般的な海外旅行保険を検討しますが、長期間海外に滞在する留学では、通常の海外旅行保険とは別途保険に加入する必要性があると言えるでしょう。
そこで検討したいのが「留学保険」です。ただ、留学する際には必須だと言われている保険ではありますが、中には「なぜ必要なのか分からない」という状態のまま加入しているケースもあるでしょう。
「留学保険とは何か?」「なぜ、留学保険が必要なのか?」このような点がはっきりとしないまま、留学保険に加入すると無駄な保障を組み込んでしまったり、高すぎる保険料を支払ってしまう可能性があります。
なので、この記事では「留学保険ってどんな保険?」という基礎的な部分から解説していき「留学保険の保障内容・保険料」「留学保険は本当に必要なのか?」という点について解説していきたいと思います。
まず、はじめに「留学保険って何?」という部分について押さえていきましょう。
海外旅行保険の一部
海外旅行保険や留学保険のどちらかに加入した経験をお持ちの方は、疑問に思った事があるかもしれません「海外旅行保険と留学保険って違うものなの?」という点です。
海外旅行保険と留学保険を比較した際に、中身をしっかりと見ていくと違いに気付けますが、基本的な同じような保険になっています。というか、海外旅行保険と留学保険はほぼ同じ保険です。
というのも、留学保険は海外旅行保険の1つであり、その中で留学保険というのは「留学で困るかもしれない事」を、重点的に保障している保険なのです。
具体的にどんな所が違うのか?
留学保険は海外旅行保険の1つでありますが、保障を行う部分は大きく異なってきます。保障内容等については後に詳しくご紹介します。
ただ、留学保険と海外旅行保険の違いを見分けるためにも、少しだけ留学保険の保障の一部と海外旅行保険の保障を比較したいと思います。
基本的に、海外旅行保険は以下が主な保障になっています。
- 医療費(滞在先での怪我や病気)
- 賠償責任関連(他人の物や身体に損害を与えた場合の保障)
- 自分の物への保障(旅行中に物が壊れた、盗難被害にあった等)
留学保険でも同じような保障を備えていますが、留学保険の場合はソレに加えて以下のような保障が特約等で追加する事が可能になります。
- 留学生賠償責任保険金(留学先で水漏れした等のケース)
- 生活動産損害保険金(留学先で盗難にあった等)
もちろん、保険によって名称や有無は異なりますが、「留学生が困りそうなこと」を重点的に考慮して、保障を組み立てる事が可能になります。
留学保険に加入する意味
後に留学保険は本当に必要なのか?という点についてご紹介させて頂きますが、留学保険の概要を掴むためにも、一般的に解説される事の多い「留学保険の加入する意義」についてご紹介したいと思います。
先程もご紹介しましたが、海外旅行保険や留学保険には3つの基本的な保障が存在しており、
- 自分の身体に対する保障(医療保障)
- 他人に何かしてしまった時の保障(賠償に関連する保障)
- 自分の財産や物を守るための保障
という3つの保障が大きな保障ポイントになってくると思います。
ただ、留学保険の場合は未成年の方が被保険者となるケースが多いです。そして、留学というのはそもそも「未成年が海外で自立した生活を行う」というケースが多く、成人と比べて不安定な部分も多くあると思います。
そのため、医療・賠償責任等のリスクが大きくなりがちです。留学保険なら留学に特化しているため、長期間そのような保障を行う事が可能になってきます。
必要・必要じゃないという決断自体は人それぞれではありますが、留学というイベント自体を不安に思う親御さんも多いので、留学する方の留学保険への加入率は高いものになっています。
留学保険は渡航前に加入するもの
もしも、留学保険への加入を検討している場合は、かなり余裕を持って手続きを進めておきましょう。というのも、留学保険は渡航後に加入する事が出来ない事になっています。(保険会社の規則により)
つまり、留学保険に加入するには「日本に居る間」しか加入する事は出来ません。また、時間に余裕をもって加入しておきたいのは、手続き等の時間を考慮した場合に、渡航前に以下の書類を滞在先に持参しておく必要があるからです。
- 保険証券
- 保険会社の連絡先
(利用する際や保険の利用に伴って困った時に必要) - 提携病院の案内
(提携病院の場合、キャッシュレス等の対応が可になります)
最低限、上記の3つを持っていないと「使いたい時に使えない」という事になってしまうかもしれないので、しっかりと余裕を持って加入しておきましょう。
一部では、渡航後に加入できる保険がありますが、それは基本的に短期の海外旅行保険なので、長期間留学する留学生にとっては保険料が高めになってしまいます。
保障内容や保険料は?
留学保険の概要や特徴等の基本的なポイントが分かった所で、留学保険の「保障内容」「保険料」等の詳細についてご紹介していきたいと思います
留学保険の保障内容は?
留学保険の保障内容は、先程ご紹介した留学に関する様々なリスクを補填するものになっています。以下の2点はどんな保険にも必ず主契約に入っていると思います。
- 死亡保障
- 医療関係の費用(治療に関するものや運搬に関するもの)
もちろん、商品によって名称や保障内容が多少異なることがあります。
ただ、留学保険という保険の性質上必要になってくる補償は似通っているので、一般的に上記したような補償がパッケージとなっている保険が多いと言えるでしょう。(主契約に予め含まれている)
これから、ここの保障について詳しく解説していきたいと思います。
死亡保障
まず、はじめにご紹介したいのは「死亡保障」です。死亡保障とは、名称の通り死亡した場合に、保険金が支払われる保障の事で、保険金は「数百万円から数千万円まで」と幅広いものになっています。
留学保険における死亡保障で、保険金が支払われる条件には主に2つのものがあります。1つ目は「傷害死亡」2つ目は「疾病死亡」です。
1つ目の傷害死亡は、事故等によって死亡してしまった場合に保険金が支払われるもので、2つ目の疾病死亡は「病気」によって死亡してしまった場合に、保険金が支払われるものです。
もちろん、被保険者に重大な過失があった(飲酒運転をしていた等)等は支払いの対象外になりますし、日本に居た時から持っていた持病については保障の対象外になっています。
一般的な生命保険とそれほどの違いはないと言えるでしょう。ここで、1つ出てくる疑問は「生命保険に加入していれば、必要ないのか?」というポイントだと思います。
生命保険は加入している限り、基本的にどこで生活していおうと保険金が支払われる事になっていますし、海外で死亡してしまった場合にも、同様に支払われます。
一見、この場合留学保険の死亡保障は「生命保険に加入しているから必要なし」と考えてしまいますが、実際にはかなり必要度の高いものになっています。
というのも、海外で死亡した場合それだけで大きな費用が掛かってしまう可能性があるのです。
というのも、海外で死亡した場合以下のような費用が必要になるケースがあります。
- 海外と日本での手続きに関する費用
- 海外で遺体処理をした場合
- 遺体の運搬費用
日本でも、死亡してしまった場合はお葬式等の費用が掛かってきますが、海外で死亡した場合はここにプラスして「数百万円程度」が必要になると考えた方が良いでしょう。(国・死亡時の状況によって異なります)
そのため、日本で生命保険に加入していても、していなくても「死亡保障は必要」です。
医療費関係の保障
留学保険の保障の中でもっとも必要性を感じるのは「医療費」に関連するものではないでしょうか?海外と聞くと医療費が高くついてしまうイメージがある方も少なくないでしょう。
海外での医療費は治療費が高額になる可能性があるのはもちろんですが、それ以外にも「運搬費」が必要になるケースもあります。
もちろん、このあたりは国によって異なってくる部分ではあるのですが、留学先としてメジャーなアメリカの場合救急車を頼むだけで「1,000~2,000ドル」請求されます。(10~20万円)
もちろん、これにプラスして手術費や通院に関する費用を考慮すると、高額な治療費が請求されると言って間違いないと言えます。
では、何故日本で医療を受けるのと海外で医療を受けるのとでは、これほどまでに大きな違いがあるのでしょうか?様々な理由があり、国によって異なりますが、共通するのは「保険」だと言えます。
日本人であれば、基本的に「健康保険」に加入している事が一般的です。健康保険は公的な保険になっており、高額な治療を受けた場合でも1~3割程度の負担で医療を受ける事が可能になっています。
ただ、健康保険は日本で治療を受けた場合のみ保障する事が可能であり、海外での治療費については全て自己負担する必要があります。
もしも、留学保険に加入するなら必要性の高い保障の1つだと言えるでしょう。(殆どの保険で、主契約に予め含まれています)
保障内容が同じなのに保険料が異なる理由
先程、留学保険の保障は似通っているという点をご紹介させて頂きました。ここで、1つ気になるのは「なぜ、保険によって保険料が異なるのか?」という点では無いでしょうか。
同じような保障内容なら、保険料も同じ様になると感じてしまいます。ただ、これは「主契約」に絞った話です。
上記したような死亡保障・医療費関連の保障というのは、どんな留学保険でも主契約に含まれており、どんな留学保険でもパッケージの中に含まれている事が一般的です。
ただ、他にも以下のようなものが主契約やオプションとして含まれています。
- 賠償関連のもの
- なにかあった時の家族の渡航費
- 救援費用補償
上記しているようなオプションを含めるか?含めないか?によって、保険料は異なってきます。
また、各補償ごとの「保険金の金額」というのも、契約内容によって異なってくるので、主契約は似通ったものになっていますが、留学保険同士の保険料の金額は大きく変わってきます。
保険料の相場はどのくらい?
留学保険の保険料はいくら?という点は、どんな商品でどんな保障内容で加入するのか?によって異なってくるので、保険によって異なってくる部分ではあります。
ただ、一般的に留学保険の相場は年間で「10万円~20万円」程度だと言われています。
少し高く感じるかもしれませんが、慣れない海外生活には様々なリスクが待っていると言えるでしょう。
ストレスは万病のもとなんて言われる事がありますが、海外生活でのストレスはかなり大きなものになると予測されます。
海外の医療費を考慮すると、一度病院に掛かる機会があっただけで、年間の保険料の元を取れる可能性があります。
そのような点を考慮すると、年間に数十万円という金額は決して高すぎるものではないと思います。
留学保険は本当に必要なのか?
先程、留学保険の保障ごとの必要性や留学保険の保険料の相場等についてご紹介させて頂きました。
先程、リスクと比較した場合に留学保険の保険料は高くないとご紹介させて頂きましたが、保険料の金額自体は高額である事に間違いないでしょう。
なので、これから保障や保険料等の様々な点を考慮し「留学保険は本当に必要なのか?」という点についてご紹介していきたいと思います。
もしも海外で盲腸の手術をしたら
留学保険というテーマで今回はご紹介させて頂きましたが、留学と言っても国によって必要な保障等は異なってきます。
なので、一般的に手術が難しくなくすぐに退院も可能であり、1,000人に1人が掛かると言われている各国の「盲腸(虫垂炎)」の医療費をご紹介したいと思います。(手術費、入院費等込)
- アメリカ(ニューヨーク) 200万円程度
- 中国(上海) 130万円程度
- スイス(ジュネーブ) 180万円程度
- フランス(パリ) 90万円程度
- イタリア(ローマ) 85万円程度
一方、日本で盲腸によって手術をしたとしても、健康保険には高額療養費制度というものがあり、一定金額以上医療費を負担した場合はそれ以上負担しなくていいという上限が決まっています。
上限金額は収入状況等によって異なってくるので、なんとも言えないところですが、高収入であっても最大「25万円」程度の金額で治療を受けられます。(一番低くて3万5,000円)
もちろん、健康保険に入っている事が条件ではありますが、海外と比較した場合にかなり安いという事が分かると思います。
それに加えて、海外の場合はこれにプラスして様々な雑費(運搬費等)が加算されて、合計で数百万円という金額を請求されるケースも少なくないです。
一般的な家庭にとって経済的に大きな負担になると思いますし、何より海外は日本よりも疾病や怪我のリスクが高いと考えておいた方が良いでしょ。
医療費の観点から考えた場合に、留学保険の必要性は高いものになっていると言えます。
安心感を買うと考える
留学保険は上記したように留学する場合は、かなり必要性の高い保険になっています。
また、外務省も渡航前に海外保険に加入する事を推奨しており、このような事からも留学保険の必要性は高いものになっていると思います。
ただ、これでもやはり高い保険料がネックとなってしまい留学保険への加入を留まってしまう場合は「安心感買う」という観点からもおすすめ出来ると思います。
というのも保険は商品にもよりますが、留学保険に限らず「使わない事がベスト」だと言えるようなものが多いです。
医療費を保障する医療保険、がんに特化して保障するがん保険、家に関するリスクを保障する火災保険など、本当は保険が必要になるような機会が来て欲しくないものばかりです。
では、なぜ人は保険に加入するのか?それは「安心感を買っている」という面が大きいと思います。
使わない事がベストだし、保険料を支払い続ける事は損だけど「もしもの時のために加入しておく」というのも加入して、保険料支払う立派な理由になると思います。
もちろん、必要性の低い保険に加入して保険料を無駄遣いしてしまうのは良くないですが、一般的に留学保険は必要性の高い保険だと言われているので、加入しておいて損はないと思います。
まとめ
留学保険って?
- 基本的には海外旅行保険と同じ
- 留学する際のリスクをカバーしている
- 留学保険は渡航前に加入しておく
保障内容や保険料
- 留学保険の主な保障内容は「死亡保障」「医療費に関するもの」
- 死亡保障の必要性は生命保険に加入していても高い
- 保険料の相場は「10万円~20万円」程度
留学保険は必要なのか?
- 日本と海外では医療費が全く異なる
- 安心感のために加入するのもあり
今回は、留学保険の基本的な部分から保障内容、保険料、必要性という部分についてご紹介させて頂きました。
留学というのは基本的に学生が行うものであり、保険料の支払いも親御さんが行うケースが多いと思います。
お子さんがしっかりと安心した留学を行うためにも、お子さんを安心して見送るためにも「留学保険」にはしっかりと加入しておきたいと言えるでしょう。