SIMフリーだとどうなる?SIMとSIMフリーの関係、格安スマホと中古スマホの違いを解説します。

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携帯電話やスマホ端末に対してSIMフリーという言葉を時々耳にします。SIMフリーとは一体何なのでしょうか。

SIMフリー端末だとどうなる?従来の端末と何が違うのかと疑問に思う人も多いようです。最近では、SIMフリー端末も多く出回っています。SIMフリー端末であれば、ロック解除をしなくともどこの通信サービスでも使えるようになります。

手持ちのスマホで使える通信サービスが増えれば、それぞれの状況に合った通信プランにて節約も可能です。中には大幅に節約できる人もいます。

今回は、SIMフリーだとどうなるのか、SIMとSIMフリーの関係をわかりやすくご説明していきます。あわせて、格安スマホや中古スマホについても述べていきます。どうぞ参考にしてみて下さい。

SIMフリーとは何?

家電量販店やオンライン通販などでよく見かける「SIMフリー」という言葉があります。これは一体何のことなのでしょうか。

SIMフリーとは、どこのSIMでも使える携帯電話やスマホ端末のことをいいます。そのSIMフリーであれば、ドコモでもauでもソフトバンクでも、その他の格安SIMでも制限なく使える状態であることを意味しています。

SIMが自由に使える端末なので、SIMフリーとして従来の端末とは区別されています。

では、従来の携帯電話やスマホとはどのような状態の端末だったのでしょうか。

従来のスマホ端末

Woman
SIMフリーと普通のスマホ端末は違うものなの?
Expert
そもそもSIMフリーとわざわざ提示されているのには理由があります。
つまり、従来の携帯電話やスマホには他社のSIMが使えないようにロックがかけられているのです。このロックのことをSIMロックといいます。通信サービスをそれぞれの利用状況に応じて格安SIMや格安スマホなどを利用する際に覚えておきたいのがSIMロックの存在です。

SIMロック

でも、このSIMロックとは一体何なのでしょうか。SIMロックについてまずは解説していきましょう。

これは、通信会社が携帯やスマホのサービスを提供する時に端末にかけるロックのことをいいます。このロックがかかると、他社のSIMを挿入しても、通信回線に接続ができないようなシステムになっています。

もともと、端末にSIMロックの機能がついているのは、盗難などの犯罪防止用として考えられていたからです。つまり、その端末を盗んで、勝手に通信サービスを接続できないようにするためのものです。

営業手法としてのSIMロック

実はこの現象は日本固有のスタイルであり、以前は他国の通信業界でも営業戦略的にSIMロックをかけてユーザーを囲い込む体制がありましたが、現在ではほとんどの国でSIMロック解除は義務づけられています。

一般的にSIMフリーの状態でどこのSIMで差し替えて使うことが可能だとの認識は海外では非常に高いといえます。

国内で、ここまでSIMロックが浸透し、SIMに対する認識が低いのが一般的となってしまった背景には、大手通信の激しい争奪戦があったことが原因となっています。

モバイル通信の普及率

以下のグラフはモバイル通信、スマートフォンの普及率を年代別に表示したものです。

※スマートフォンの個人保有率の推移

出典:総務省 情報通信白書 参考リンク

2011年以降、スマートフォンの利用者の数は、60代以上を除き著しく増加していることがわかります。

さらに以下のグラフはLTE契約者数の推移になります。

LTEとは、現在の通信回線の種類のことで、現在の携帯電話やスマホの利用に使う通信はほとんどの場合LTEになります。
※LTE契約者数

出典:総務省 経済情報白書 参考リンク

とくに2012年から2017年にかけて、このLTE契約者数の増加は非常に激しく、約44倍に増えているのです。

そんな中、各大手通信による激しい争奪戦が行われてきました。基本的にこれまで国内では、携帯電話も含めたモバイル通信の提供は、NTTドコモ、au、ソフトバンクの3社が独占していました。

各3社は端末と通信サービスのセット売りを基本とし、割引や特典、無料オプション、さらに2年縛りをつけて顧客を囲い込んでいきます。そして、他社の端末を持ち込んだ通信サービスの利用を避けるために、あるいは他社へと容易に切り替えることができないように、端末にSIMロックをかけることが通信業の慣習となっていきます。

それぞれ大手通信は自分たちの身を守る必要があったため、一概にこの現象を非難することはできませんが、現状では多くの人たちがSIMの存在すら知らないという事実が持ち上がってきています。

これは、早急に改善されるべき現象です。なぜなら、21世紀になるというのに消費者の自由や権利を奪っているからです。

総務省のSIMロック解除の義務づけ

そしてようやく、2019年9月より、大手3社に対してSIMロックの解除を義務づけることが法的に改正されることになりました。

すでに数年前から、ロックをかけることができないSIMフリー端末が出回っており、今後は、SIMロックが解除された端末が普通に利用されるようになることが期待されています。

SIMとは何?

というように、SIMロックがかかった端末に対して、SIMロックが掛かっていない端末やSIMロックが解除された端末のことを「SIMフリー」と区別するようになりました。

そこで、そもそもSIMとは何なのか、いまいち明確にできない人もいるでしょう。

ではSIMとは何なのかを解説していきます。

SIMとは小さな電子カードのことをいいます。これを端末に挿入すると空中に飛び交っているモバイル通信の電派に接続することが可能になります。

普段私達が、スマホにスイッチをいれると通信回線に接続して電話やインターネットが使えるのは、このSIMがあるからなのです。

SIMカード=通信サービス

このSIMカードを購入するということは、すなわち通信サービスを接続するということになります。それぞれのSIMは電話番号やインターネットにつなぐためのIDが異なります。

これまでは、このSIMカードは大手通信のショップ内にてすでに挿入されていたため、自分たちで出し入れできることを知らない人も多くいます。でも、海外などでは1つの端末に2、3枚のSIMを使いわける光景もよく見られます。

SIMが3枚あれば、1つの端末でも3つの電話番号、インターネット回線を持つことが可能なのです。

格安SIM

このSIMだけを購入し、通信サービス(電話やインターネット)が使えるサービスを提供しているのが、近年普及しはじめた格安SIMです。格安SIMは、大手通信の電波を借りてサービスを提供するMVNOという業種が提供するSIMのことをいいます。

おそらく今後は、大手、MVNOと区別されることがなくなってくると思いますが、従来は大手3社がメインだったので大手と区別するためにMVNOと呼んでいます。

MVNOが提供する格安SIMであれば、利用状況に応じてかなり安いプランを組むことが可能となります。ただし、電話の完全な使い放題・かけ放題がないことが大きなデメリットとなっており、電話代を無料のアプリなどを活用する対策が欠かせません。

仕事で電話や通信を多く使う人には、格安SIMは不向きだと言えます。

SIMフリーだとどうなる?

格安SIMの場合、利用状況によっては大手通信の月額料金より3千円4千円と安くできる人がたくさんいます。利用頻度の少ない人であれば5千円安くできる場合もあります。

これらの格安SIMを提供するMVNOと呼ばれる業者は、国内には数えきれないほどあり、それぞれの状況に合ったSIMを選ぶことが可能です。

そのために必要なことが、端末をSIMフリーの状態にしておくことです。

SIMフリーであれば、どこの業者でもどんな通信プランでも、さらに世界中のSIMを挿入して通信に接続することが可能となります。出し入れが自由になりますので、国内外を問わず、数枚のSIM(通信回線)を使い分けることができるのです。

SIMフリーにするためには?

Woman
SIMフリーの端末を使うにはどうすればいいの?
Expert
現在の手持ちの携帯やスマホ端末をSIMフリーにするには、契約している通信会社にロック解除を申請する必要があります。

2017年以降のスマホであれば、すでにSIMフリーになっている場合も多々あります。しかし、一見したところそれがSIMフリーなのかどうかわからないことが難点でもあります。

オンラインでもSIMのロック解除を申請することができますし、カスタマーサービスやショップにて問い合わせることも可能です。そのために必要なことは、現在利用している端末の正式な名称を確認することです。

SIMロック解除、解除方法に関する記事はこちらからご覧ください。

SIMフリー端末を購入する

Expert
あるいは、端末の購入を考えている人であれば、最初からすでにSIMフリーになっている端末を購入することができます。

SIMフリー端末の代表的なものをいくつかご紹介しておきましょう。(価格ドットコムの表示価格を参照)

  • HUAWEI nova lite3  ¥25,000~¥30,000
  • HYAWEI P20 lite  ¥30,000前後
  • ASUS ZenFone 5 ¥50,000~¥60,000
  • シャープアクア serise ¥30,000前後
  • ASUS ZenFone Max Pro ¥30,000前後
  • Google Pixel 3 64GB  ¥95,000前後
  • Apple iPhone8 64GB  ¥73,000前後

その他2万円以下で購入できるSIMフリー端末もあります。

格安スマホと中古スマホの違いは?

MVNOの業者からSIMだけを購入したり、今後SIMロック解除が義務づけられることで、これからはスマホ端末とSIMを個別で購入する人が増えていくことが予想されています。

それぞれ、個別で要望に合ったものが選べることから、格安スマホや中古スマホを販売する業者も増えています。

では、よく見聞きする格安スマホ、中古スマホはどのように違うのでしょうか。

格安スマホ

格安スマホは、まだ未使用の新品のスマホ端末のことで格安の料金で買える端末(メーカーや機種)のことをいいます。

安いものだと2万円以下、高くても5万円程度で購入できるスマホ端末を総称して格安スマホといいます。格安スマホを購入して、利用状況に合ったSIMのみをMVNO業者から購入することが可能です。

そうすれば、端末とのセット割りによる複雑な料金プランや2年縛りに悩まされることもありません。

中古スマホ

中古スマホは格安スマホも含めて、一旦使用されたスマホのことをいいます。新品同様の状態で、一旦市場に出た商品などもあります。

製造年代や使用年数、劣化の度合いなどによって大きく価格が異なるのが特徴です。

高額なiPhoneの新機種でも中古であれば価格が安くなって入手しやすいというメリットがあります。ただ、SIMロックが解除されてあることを確認する必要があります。

稀にですが、接続不可能なスマホなどが販売されている場合もあり、SIMを挿入してみないとわからない部分もあるので、返品・交換補償を事前に確認しておくことが大切です。

格安スマホや中古スマホの購入方法

格安スマホや中古スマホの購入は家電量販店、リサイクルショップやオンライン通販がメインとなります。

格安スマホや中古スマホと同時にSIMを購入できるところもあります。今回は端末だけを個別で購入できるお店をいくつかご紹介しておきます。

格安・中古スマホが購入できるお店

以下ご紹介するお店では、同時に中古携帯・スマホの買い取りを行っているお店もあります。買い替えをご検討の方はついでに相談してみましょう。

ちなみに、中古スマホに関する記事はこちらからもご覧いただけます。

SIMフリーで上手に節約

SIMフリーの携帯・スマホ端末や、SIMロックを解除したものであれば、格安の料金プランで使えるSIMが選べるようになります。

格安SIMを提供しているMVNOには、

楽天モバイル、ビックローブモバイル、LINEモバイル、OCNモバイル、エキサイトモバイル、QTモバイル、mineo、IIJmio、イオンモバイルなど様々な業者があります。

大幅に節約できる!

端末代金やオプション等を含めた1か月のスマートフォンの料金の統計を見てみましょう。

以下の図は、IT市場調査のMMD研究所が行ったスマートフォンの月額料金の統計で、緑色が大手3社、黄色が格安SIMになります。

※スマートフォンの月額料金の統計

出典:MMD研究所 参考リンク

格安SIMの利用者のうち月額料金がわずか2,000円未満の人が全体の40%以上を占めています。次に多いのが2,000円~3,000円。反して、大手3社の場合は7,000円から8,000円の枠が最も多く、約半分のユーザーは5,000円以上を支払っており、格安SIMにて大幅な節約が実現することがわかります。

端末代も含めた月額料金の平均は大手3社が8,451円、格安SIMでは2,751円となります。

今年に入ってから、大手3社でも割引プランなどを開始していますが、やはり格安SIMの安さにはかなわないと言えるでしょう。

では、格安SIMの大まかな料金プランの仕組みをご紹介したいと思います。

SIMのタイプを決める

SIMの種類は大まかに3つあります。

  1. データ通信のみに使うもの
  2. データ通信とSMSに使うもの
  3. データ通信と電話に使うもの

それぞれ、必要な枚数を購入することができます。(電話タイプのSIMは1枚につき1つの電話番号です)

2枚セット、3枚セットなどで購入することができます。

基本の料金プランを決める

基本の料金プランはデータ通信の容量によって選べるようになっています。それぞれ選ぶMVNOによって、料金プランも様々です。平均的な料金は概ねのところで以下のようになります。

  • 1GB→1枚500円前後
  • 3GB→1枚700円前後
  • 5GB→1枚1,200円前後
  • 10GB→1枚2,000円前後

電話機能を追加する

選んだデータ通信の容量に、さらに電話機能を追加します。電話機能を追加する場合は、データ通信のSIMの料金にプラス800円~950円程度が加算されます。

ということは、電話とデータ通信と使う場合の最低の月額料金は、3GBの場合で1,500円前後だということになります。

とくに通話のオプションをつけない場合は、20円/30秒の通話料金が電話をかける度にかかるのが一般的です。

お得な通話オプションをつける

MVNOによっては、別途で通話オプションを用意しているところもあります。

通話オプションの内容は大まかに以下のようになります。

  • 1時間(数時間)の無料通話がついている
  • 10分間かけ放題のプランがある
  • 5分間かけ放題のプランがある
  • 無料通話とかけ放題を組み合わせることができる

などがあります。

注意しておくことは、現時点では無制限でかけ放題・話放題になるプランはないことです。

無料通話アプリを活用する

格安SIMにて大幅に通信料金を安くするためには、無料通話アプリを活用する方法があります。

LINEアプリ
20代、30代に絶大の人気です。最近ではプライベートだけでなく社内での連絡のやり取りにも活用されています。
電話相手がある程度決まっている人は無料で通話し放題です。

SKYPEアプリ
PC派には以前から人気のSKYPEをダウンロードして使うことができます。SKYPEも最近ではオンライン面接など、企業でも活用されています。

Viber
知らない人もまだ多いのですが、楽天も無料通話アプリの提供を始めています。パソコン、スマホ、タブレットなど様々な端末でダウンロードできます。

SIMフリー以外でも格安SIMは使える

SIMフリーだとか、ロック解除だとか、やっぱりよくわからないからと不安な人でも、大丈夫です!SIMロック解除をしなくても、SIMフリー端末でなくとも、格安SIMに切り替える方法はあります。

現在利用中の大手通信キャリアに対応しているMVNOを選ぶことが可能です。

  • ドコモ回線の人は→ドコモ回線を使うMVNO
  • au回線の人は→au回線を使うMVNO
  • ソフトバンク回線の人は→ソフトバンク回線を使うMVNO

ロック解除なしで格安SIMに切り替える方法はこちらで詳しくご覧いただけます。

格安SIMへ上手に切り替える方法はこちらをご覧ください。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回はSIMフリーとは何なのか、SIMフリー端末だとどうなるのかを、わかりやすく解説していきました。

  • もともとSIM(通信サービス)とはどの端末でも使えるもの
  • 従来はロックがかかっているので制限されていた
  • 今後はSIMロックの解除が法的に義務づけられる
  • SIMフリーの端末で自由に世界中のSIMが使える
  • 要望に合った通信プランで大幅節約が可能
  • 無料通話アプリの活用もできる

など、SIMフリー端末を使って通信費を節約する方法もご紹介いたしました。よくわからないけど、通信費を節約したい人はロック解除をしなくとも格安SIMを差し替えることは可能です。

通信費は今となっては、家賃などの住居費の次に大きな支出となっている人も多いでしょう。しかも、毎月必ず支払い続けるものです。利用状況によって、格安SIMに切り替えることで、2千円、3千円、そして4千円、5千円と節約していくことが可能です。

ぜひ、この機会にまずはどんな格安SIMがあるのか調べ始めてみませんか?

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