目次
SIMロックを解除すれば、どこで購入したスマホであっても他社の通信サービスを自由に選ぶことができるようになります。最近ではいわゆる格安SIMと呼ばれる安価な通信プランもたくさん出ています。
解約のタイミングさえつかめれば、利用状況によっては格安SIMにて大幅に通信費を節約することが可能です。
様々な格安SIMを提供している通信会社の存在は知っていても、実際に切り替えるにあたって不安に思う人も多いようです。不安になる原因の1つがSIMロックです。
SIMロックって一体何なの?
SIMロックを解除しないと他社の通信サービスは使えないの?
などとこのSIMロックの存在がいまいち不明であるため、安くなることがわかっていても、切り替えをためらう人が多い事実が日経ビジネスでも記事になっています。
今回は、通信費の大幅節約の第一歩となるSIMロックについて、わかりやすく解説していきます。ぜひ、今後の参考にして下さいね。
格安SIMと格安スマホ
ここ数年、誰もが格安SIMや格安スマホという言葉を見聞きしています。何となく安い通信サービスや安いスマホ端末のことかな、とイメージする人は多いのですが、その実体は曖昧なままである人も多いのではないでしょうか。
SIMロックについてご説明する前に、まずは簡単に格安SIMと格安スマホとは何なのか見ていきましょう。
格安SIMとは
格安SIMとは、おそらく誰もがイメージする通りに、格安の料金で使えるSIMのことをいいます。
ここで格安でSIMが使えるからといって、でもSIMって何なの?スマホがどう変わるの?と疑問に思う人も多いでしょう。
格安SIMとは、文字通りに割安の通信プランが使える電子カードのことになります。ではそもそもSIMとは一体何のことなのかをご説明いたします。
※SIMのイメージ画像
モバイル通信を利用する際には。上記のような小さなカード(1㎝~1.5㎝くらい)を携帯電話やスマホ端末に差し込んであります。
SIMは通信回線に接続するためのIDカード
目には見えませんが、地上では通信回線の電波が町中を飛び交っています。その通信電波を利用するためには、IDで接続しなければなりません。そのIDを発信するのがSIMです。
携帯電話やスマホで電話やインターネットが使えるのは、このIDとなるSIMがあるからなのです。
遊園地に入場するチケットのようなもの
例えば、遊園地に入園するためにはチケットが必要です。そのチケットを窓口で渡して中に入れば、遊園地の様々なサービスを楽しむことができますよね。
そして、その遊園地のチケットは様々な会社が販売しているとします。遊園地に行きたい人は、どの会社からもそのチケットを購入することが可能です。できるだけ安いチケットを選んだり、特典のついたチケットを選んだりできます。
それと同じように、SIMさえどこかで購入すれば携帯電話やスマホに挿入して電話やインターネットを利用することができるのです。これは世界中で共通するシステムで、本来は別にどこの通信会社のSIMでも接続が可能なのです。
後は、SIMを購入した通信会社に、電話やインターネットの利用に応じて月々の月額料金を払うことになります。
格安スマホ
格安SIMという割安で使えるSIMカードを提供する会社が増えるとともに、普及しはじめたのが格安スマホです。
格安スマホも文字通り、安く購入できるスマホ端末のことで、2万円以下のものもあれば高くても3万円、4万円程度で購入できるスマホブランドを総称して格安スマホといいます。
格安スマホは、格安SIMを販売する通信会社や、アマゾン、楽天などのオンラインストア、家電量販店やブックオフ、ツタヤなどどこからでも購入することができます。
通信費の完全分離とは
というように、通信サービスが使えるSIMだけを購入したり、SIMがある人は格安スマホだけを購入したり、それぞれ個別で選べるものなのです。これは、世界中で行われている当たり前のことです。
でも、実は国内では、この事実をよく知らない人が多いのが現状です。なぜなら、これまで、通信端末と通信サービスがセットで販売されることが常識とされていたからです。
以下は、IT市場調査のMMD研究所によるアンケートの回答です。
※端末と通信量の分離に関する理解度
アンケートによると、そもそも通信端末と通信サービスが分離できることに対して理解している人は約40%以下となっています。
えっ?だって電話や通信サービス利用するなら、同じ通信会社の端末も買わなければいけないんでしょ?
と多くの人が勘違いしていても全く不思議ではありません。実際にそのような方法しかなかったのですから・・・。
セット売りが問題となる
そこで、国内でもようやく、このセット売りに非難の声が聞かれるようになり、大手通信は今後通信サービスと端末代金を分離していくことを発表しています。今後、端末と通信サービスが分離できるよう、法的に改正されることになります。
これまでは、
- 端末代をお得に分割できる
- 月額料金に割引が適用される
- その他オプション等が割安で使える
などがセット料金になって、では2年縛り契約にて月額料金は〇〇円です。というのが主流でした。
何が問題になっていたのかというと
そこで、このセット売りの何が問題になっていたのかというと・・・
- 携帯電話やスマホ端末のみの代金がわかりづらい
- 通信費にいくら払っているのかわかりづらい
- 電話代にいくら払っているのかわかりづらい
- 端末と通信サービスは分離できないと勘違いしてしまう
- セットで購入することで2年縛りが一般的となってしまう
などが挙げられています。
分離するとどうなる?
通信大手はこれまで、通信契約をすることを前提に携帯電話やスマホ端末を安くしたり分割払いにしたりすることが営業手法でした。
2019年1月17日の総務省の発表では、
「通信サービスとスマホ端末料金を完全に分離し、セット契約の方が安くなるような状況をなくす」
「セット販売を禁止」
との方針です。
端末や通信サービスを自由に選べる
2年縛りという問題がまだ残ってはいますが、端末と通信サービスを完全に分離していくことで、消費者の選択肢が広がることになります。
端末に関しては・・・
- 端末の料金が明確になる
- 要望に合った端末を購入する
- 通信会社以外から端末が購入できる
そして、通信サービスに関しては・・・
- 利用状況に合った通信サービスを選ぶ
- どこの通信会社とも契約できる
- 料金体系が見えやすくなる
など、料金的にわかりやすくなるだけでなく、端末と通信サービスはそもそも別のものなのだと認識するきっかけともなります。これからは、それぞれの利用状況に応じて、端末や通信サービスを選んでいくことが可能なのです。
スマホ端末と通信料金の完全分離に関する記事はこちらでもご覧いただけます。
そこで、手持ちの端末を使って自由に格安SIMなどの通信サービスを選ぶためには、もう1つ障害となるものがあります。それがSIMロックです。
そもそもSIMロックとは
SIMロックとは、端末を購入した通信会社が端末のシステム上にかけるロックのことをいいます。
つまり、端末にSIMロックがかかると他社のSIMが使えなくなるのです。そもそも防犯対策として端末に組み込まれいるシステムの1つになります。
他社のSIMが使えない
これは日本特有の現象だといえますが、国内では他のSIMが使えないように携帯電話やスマホにはSIMロックが掛けられていたのです。実際にはSIMロックの存在自体を知らなかった人の方が多いのが現状です。
ですから、ドコモでスマホを買った人はドコモの通信サービス、auで買った人はau、ソフトバンクならソフトバンクしか使えないものだと、間違った常識を持つのが一般的となってしまったのです。
近年になってようやく、こちらから申し出ることによってロック解除ができるようになりました。また、もともとSIMロックがかかっていないSIMフリー端末も多く販売されるようになっています。
そして、徐々に端末さえあれば実はどこの通信会社のSIMでも通信サービスを使えることが認識され始めたのです。
ロック解除が義務
近年ではこのロック解除だけでなく、2年縛り、違約金、端末と通信回線のセット売り、複雑な料金プランなど、大手通信3社の行き過ぎた営業形態が多くの消費者達の間で問題になってきています。
とくに昨年あたりからは、総務省が率先して通信サービスのあり方を見直す動きが強まっています。先ほどご説明した、端末と通信料金の分離もそんな流れからきています。
さらに、消費者が自由に通信サービスを選ぶことができるよう改善に向かっているのが、ロック解除の義務化です。
2019年9月からは、大手3社に中古端末のSIMロックの解除を義務づけることが決定されました。すでにNTTドコモは2月20日からネットやショップにてロック解除できることを発表しています。
SIMロック解除とSIMフリー
では、SIMロックが解除されることで、どのように通信サービスの選択肢が広がるのでしょうか。
まず、大手通信も含めて、手持ちの端末にてどこの通信会社のサービスで利用できるようになります。さらに、通信費が大幅に安くなる格安SIMを自由に選ぶことが可能になります。
では、SIMロックが解除された場合に使える通信サービス、格安SIMをご紹介していきます。
格安SIM
格安SIMを提供している通信会社はMVNOとも呼ばれる業種で、大手通信とは一般的に区別されており、全国に100社以上あります。
MVNOは大手通信会社が保有する通信基地・設備を借りて、通信接続を行っています。MVNOは使用できる電波数に限りがあるために通信速度が遅くなるMVNOもあります。
ただ、ある程度名前のあるMVNOであれば、日常的に使う分には基本的には問題ないといえます。
格安SIMの種類
それぞれMVNOによって、提供する電話や通信のプランが異なり、月額料金も様々です。要望に合った通信プランを探すことができます。基本的にMVNOでは、月額料金が安いことが魅力で、利用状況によっては4、5千円安くなる場合もあります。縛り契約がない通信プランが多いのもメリットとなります。
※月額料金は電話・通信と合わせた最低料金を提示しています。
- Yモバイル 月額料金1,080円~ 参考リンク
- BIGLOBEモバイル 月額料金400円~ 参考リンク
- mineo(マイネオ)月額料金1,380円~ 参考リンク
- OCNモバイル 月額料金1,280円~ 参考リンク
- UQモバイル 月額料金1,680円~ 参考リンク
- DMMモバイル 月額料金1,140円~ 参考リンク
- LINEモバイル 月額料金500円~ 参考リンク
- エキサイトモバイル 月額料金1,200円 参考リンク
- 楽天モバイル 月額料金1,480円 参考リンク
- ロケットモバイル 月額料金1,446円 参考リンク
他にも、まだまだたくさんあるMVNOの中からお得な格安SIMを見つけることができます!
それぞれ、初回手数料(概ね3,000円)が無料だったり、月額料金の割引があったり、同時に格安SIMが購入できたりします。まずはどんな格安SIMがあるのか見てみて下さい。
ちなみに利用量が少ない人は、使った分だけ支払うエキサイトモバイルがおすすめ!
電話好きの人でもかなり安く使えるLINEモバイルはこちら!
SIMロック解除でも使える!
SIMロックを解除すれば、使えるかどうか心配せずにどこの格安SIMでも選ぶことができます。(古い機種は例外もあります)
さらに、SIMロックを解除しなくても利用できる格安SIMもたくさんあります。SIMロックを解除しないで、SIMを入れ替える場合は、現在利用している通信回線に対応できるSIMを探せばいいのです。
しかも電話番号をそのまま移行するのであれば、SIMを入れ替えた時点で自動的に切り替わるので簡単で安心です。
現在ドコモ→ドコモなら選べるSIMもたくさんあります。
楽天モバイル、mineo、DMM、BIGLOBE、OCN、Nifmo、イオンモバイル、BIGLOBEなど・・・
現在au→LINEモバイルが使えるようになりました。
UQモバイル、mineo、BIGLOBE、J-COMモバイル、IIJmioなど・・・
現在ソフトバンク→ソフトバンクは特に機種の確認が大切です。
LINEモバイル、Yモバイル、nuroモバイル、QTモバイル、ロケットモバイルなど・・・
大手通信からロック解除なしで簡単に切り替える方法はこちらでご覧いただけます。
SIMフリー
SIMフリー端末という言葉を最近よく聞きますよね。SIMフリー端末とは、もともとSIMロックがかかっていないスマホ端末のことをいいます。SIMフリー端末であれば、ロック解除を行わなくとも、自由にSIMを選ぶことができます。
大手3社であろうと、MVNOの格安SIM、どこのSIMでも差し替えることが可能なのです。
例えば、端末だけ買い替えたい場合は、通信サービスは今のままで格安スマホや中古スマホなど好きな端末をオンラインで探すことができます。
海外でもスマホが簡単に使える!
SIMロック解除された端末や、SIMフリーの端末であれば、海外へ行った時も手持ちのスマホに現地のSIMを差し替えるだけで、利用可能となります。その時は、日本で使うSIMを失くさないように大切に保管しておくようにしましょう。
また、日本に戻った時は日本のSIMを入れ替えれば国内の通信が使えます。
海外では簡単にプリペイドSIMが購入できる国が多くなります。旅行中でも現地でスマホが使えたら便利ですよね。
※ただし充電する際に現地のジャックと接続するアダプターが必要です。(Amazonや現地の電気店でアダプターを購入できます)
SIMロックを解除する方法
通信回線だとかSIMロックだとか聞くと、ロック解除するのはさも大変な作業のような印象を与えがちです。でも、ロック解除はとても簡単にできます。
各大手通信会社のアカウントからネット上でも手続きできます。ネット上で手続きする際は、
利用中の通信会社の公式サイト(アカウント情報が見れるサイト)→メニュー→契約手続き→SIMロック解除手続き→端末の製造番号や機種名を入力
といった流れになります。
機種名を調べる
ネットで手続きする場合に大切なのが、SIMロック解除をする端末の正式な機種名です。まず現在利用中のスマホの機種名を調べることが、SIMを切り替える際の最初の難関となります。
端末のシリーズ名、メーカー名、機種名、発売年など情報を調べてみましょう。IMEI番号という製造番号が分かれば基本的にすべての情報を調べることができます。
カスタマーサービスやショップで確認
もし、SIMフリー端末なのか、SIMロックがかかっているのかわからない時は、カスタマーサービスに電話をして聞いてみましょう。
もし、カスタマーサービスで機種名が調べられなかった場合、ショップに端末を持って行けば教えてくれます。
ショップに端末を持っていって、ロック解除を申し込むのが一番簡単な方法ですが、手数料が3,000円程度かかってしまいます。
解除コードを受け取る
ネット上やカスタマーサポート、ショップにてロック解除の手続きを行えば、その端末のロック解除ができる「解除コード」が提示されます。
そうすれば、いつでもその「解除コード」にてロックを解除することができます。
解除コードを入力する
通常は新しいSIMを差し込んだ時に「解除コードを入力して下さい」という画面が出てきます。その画面に解除コードを入力すれば、ロックが解除されて今後自由にSIMの入れ替えができるようになります。
機種によっては、解除コードを入力しなくとも、SIMを差し替えた時点で自動的に解除になる端末もあります。
失敗しない格安SIMの切り替え方法はこちらで詳しくご覧いただけます。
まとめ
今回は、SIMロックやSIMロック解除について解説していきました。SIMロックの解除ができれば、手持ちの端末のまま、どこのSIMでも差し替えて通信回線が使えるようになります。通信サービスの選択肢が広がり、それぞれの状況に合った格安の通信プランを検討できるようになるのです。
現状の利用量が少ない人ほど、大手通信から格安SIMに切り替えた際の差額は大きくなります。電話やデータ通信の利用量が多い人でも、状況に合ったものを吟味すれば、現状よりもかなり安く使っていくことが可能です。
こんなに安くなるなんて!と驚く人もいるくらいです。
また、同時にロック解除をしなくとも使える格安SIMがあることもご紹介しておきました。
節約できることがわかっていても、2年縛りやロック解除という聞きなれない言葉が、多くの人達にとって切り替えをためらう原因となっています。
今後は国の政策としても、中古スマホや格安スマホ、そして格安SIMなど様々な通信サービスが自由に選べる基盤が整っていきます。そんな中、ロック解除が何なのかがわかれば、不安に思うことなく自分にあったSIMを選べるようになります。
ぜひ今回の記事を、今後の通信費の節約の参考にしてみて下さいね。