知らないと損をする!医療費の節約術10選!

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医療費を少しでも節約できたらいいのに、と皆さんが思っていると思いますが、知っているようでよくわからない医療費の仕組み。医療費などの仕組みについては知っているか知らないかでかなり差が出ます。医療事務を目指して学習すると身につく、医療保険制度や診療報酬についての知識は当然、現場で働くときの助けにするためのものですが、医療費の発生する仕組みを知ることが、自分や身近な人の受診のときに役立ち節約につながることも。今回はそんな医療費の節約術を紹介します。

⑴かかりつけ医を持つ

かかりつけ医とは、日常的な診療や健康チェックなど行ってくれる身近なお医者さんや医療機関のことで、かかりつけ医を持つことで様々なメリットがあります。病気やケガをしたときに、家の近くの診療所(およそベッド数20床未満)にすぐ相談できる医師を持つことが、医療費節約の第一歩となります。
待ち時間も比較的短く、どんな病気でも診てもらえるというメリットがあるほか、長く通っていると病歴や経過をふまえたアドバイスを受けられます。また、大病院に行くことになった際には紹介状を書いてもらうことができます。
まずは、困ったときにすぐ相談できるかかりつけ医をもちましょう。

かかりつけ医(薬局)をもつメリット
  • 待ち時間が比較的少ない
  • 初診時や再診時の追加の特別料金を加算されない
  • 顔見知りになることで、質問や相談がしやすくなる
  • 病歴、体質、生活習慣などを把握したうえでの治療やアドバイスが受けられる
  • 必要に応じて、大病院などの医療機関への紹介状を書いてもらえる
  • かかりつけ薬局では、複数の医療機関を受診した場合でも、薬の重複を防げる

⑵ジェネリック医薬品を使う

ジェネリック医薬品は新薬と同じ有効成分で作られ、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」に基づく様々な厳しい基準や規制をクリアした薬のことです。効き目や安全性が新薬と同じだと認められてから発売されます。開発にかかる期間が新薬と比べて短い分費用が安くて済むため、価格を安くすることができます。

どんな種類のジェネリック医薬品があるかというと、高血圧症、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病に加え、花粉症のようなアレルギー疾患や爪水虫の薬、抗生物質、そして抗がん剤など、あらゆる病気に対応するジェネリック医薬品があります。
薬の形状も、錠剤、口腔内崩壊錠、カプセル剤、注射剤、点眼剤、貼付剤など、様々な形状が開発されています。
もちろん薬によっては、まだジェネリック医薬品が発売されていないものもありますが。

⑶スイッチOTC医薬品を使う

まず、スイッチOTC医薬品について普段は聞き慣れていないと思いますので簡単に触れておきます。

スイッチOTC医薬品とは、Over The Counterの略。

医師によって処方される医療用医薬品から、ドラッグストアで購入できるOTC医薬品に転用された医薬品のことです。医薬品をカウンター越しにアドバイスを受けた上で購入できる、というところから由来しているようです。

なぜスイッチOTC医薬品を使うことが節約につながるのでしょうか?

それは、2017年1月1日からスタートしたセルフメディケーション税制という法律があるからです。これは、セルフメディケーションの推進を目的としています。セルフメディケーションとは、WHO において

自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当すること

と定義されています。

この制度は期間限定で、実施期間は、2017年(平成29年)1月1日~2023年(平成33年)12月31日とされています。内容は、

 

健康診断などを受けている人が、一定のスイッチOTC医薬品を購入した際に所得控除(医療費控除の特例)を受けられるようにしたものです。

 

セルフメディケーションを推進していくことによって、個々の自発的な健康管理や疾病予防の取組を促進し、医療費の適正化にもつながります

スイッチOTC医薬品を利用して、軽度な身体の不調を自ら処置することにより、健康と時間、そして税金の節約に役立ちます。

当てはまる人は、購入するときに要注意!

以下の方は、薬局で購入前や服用後に医師・薬剤師などに相談してください。

購入の際に、お薬手帳など今服用しているお薬やこれからスイッチしようとする薬名がわかるものを持参してください。

  • 医師、又は歯科医師の治療を受けている方、妊娠又は妊娠していると思われる方、授乳中の方など。
  • 服用後、副作用と思われる症状が現れた場合。
  • 一定期間使用しても症状の改善がない。
  • アレルギー体質の方。薬によりアレルギー症状を起こしたことがある方。
  • 65歳以上のご年配の方

⑷高額医療費限度額認定制度

病気や怪我などで医療費の負担が大きくなった時のために、健康保険には高額療養費制度が用意されています。しかし、高額療養費制度による医療費の払い戻しは、ほとんどの場合は申請作業が必要なため、自分が制度の対象であることも知らずにそのまま放置されている例も少なくありません。

急な入院などで、これから高額な医療費がかかることが分かっている場合には、まず限度額適用認定証を取得しましょう。限度額適用認定証を病院の窓口に提示すれば、請求される医療費が、高額療養費制度の自己負担限度額までとなります。これにより、支払う医療費を減らすことができますし、あとから払い戻しを申請する手間もかかりません。すでに入院してしまっている場合でも、その月のうちに限度額適用認定証を取得して、病院の窓口に提示できれば、その月の医療費から自己負担限度額の範囲にできます。

手術が予定されているような入院にあたっては、限度額適用認定証は必須です

なお、限度額適用認定証が必要なのは、70歳未満の人だけでしたが、2018年8月から、70歳以上でも一部の人は必要となりました。収入が「現役並み」で、年収が約370万円~約1,160万円に相当する人は、限度額適用認定証が必要ですので、手続きを急いでしましょう。

限度額早見表です。

 所得区分  自己負担限度額 支給4ヶ月目からの限度額
区分ア
(標準報酬月額83万円以上の方)
 252,600円+(総医療費-842,000円)×1%  140,100円
区分イ
(標準報酬月額53万~79万円の方)
 167,400円+(総医療費-558,000円)×1%  93,000円
区分ウ
(標準報酬月額28万~50万円の方)
80,100円+(総医療費-267,000円)×1% 44,400円
区分エ
(標準報酬月額26万円以下の方)
 57,600円  44,400円
区分オ(低所得者)
(被保険者が市区町村民税の非課税者等)
 35,400円  24,600円

ここでの総医療費とは、健康保険適用前の10割の値段のことを指します。

⑸医療費が高額になってしまっても、医療費控除で返ってくる

医療費控除とは1月1日から12月31日までの一年間で実際に支払った金額が所定の金額を超えたときに、超過医療費分を所得から控除できる制度です。

所定の金額は総所得が200万円以上か未満かで異なり、医療費控除額の計算方法は二通りになります。

総所得金額が200万円以上

一年間に支払った医療費の総額 ー 健康保険や保険会社から補填された金額 ー 10万円 = 医療費控除

総所得金額が200万円未満

一年間に払った医療費の総額 ー 健康保険や保険会社から補填された金額 ー 総所得金額の5% = 医療費控除

なお、一年間に支払った医療費の額は同一生計の家族のために支払った医療費の合計金額です。

医療費控除の対象となるのは、

    • 医者に支払った診療費・治療費
    • 診療などを受けるための医師の送迎費
    • 治療のためのマッサージ・針・灸等の施術費
    • 治療目的のための義手・松葉杖・補聴器・義歯などの購入費用
    • 人間ドック・健康診断等の費用
    • 介護福祉士等による一定の喀痰吸引及び経管栄養費用
    • 介護保険制度の下で提供された一定の施設・居宅サービスの自己負担額

⑹保険証は忘れずに

旅先で病気にかかった場合などに、保険証の提示なしで受診すると自由診療扱いとなり 、医療費全額を支払わなければなりません。
もちろん後から請求すれば、3割負担の人なら、7割が返ってきますが、払い戻しの時には医療費を計算し直すため、支払った医療費が計算額よりも高くなることもあって、その差額分は自己負担なってしまいます。
保険証があれば日本全国の病院で健康保険を利用して、医療を受けることができますから、遠出の時には必ず携帯したいですね。

⑺お薬手帳を馬鹿にできない

かつては、お薬手帳を持参すると調剤薬局での料金が高くなっていた時期もありました。ですが、2016年度の調剤報酬改定で、薬局におくすり手帳を持参すると医療費が安くなるように見直されました。現在では、手帳を持参することで薬代を節約できることがあります。

お薬手帳は、複数の医療機関で処方された薬の情報を一冊の手帳にまとめて記載することで、薬の相互作用や重複投与による健康被害を防ぐことを目的に作られました。

きっかけは、1993年10月に起きたソリブジン事件です。抗がん剤投与中の患者が、帯状疱疹の治療薬であるソリブジンを服用したところ、薬の相互作用によって複数の死者、重症者を出すという出来事が起こってしまいました。

私たちは体調が悪くなると、病院を受診し薬を処方してもらいます。当然ですが診察する医師は、私たちが申し出ない限り、他の病院での処方薬や市販薬を服用していても知る術はありません。医師が服用している事実を知らなければ、現在飲んでいる薬と同じ効能を持つ薬が処方されたり、飲み合わせの悪い薬が出される、といったことがないとは言い切れないのです。

せっかくお金を支払って服用する薬なのに、逆効果になってしまうことさえあるのです。

薬は、正しく使えば病気やケガの回復を助けてくれますが、飲み合わせが悪かったり、用量を間違えたりすると、思わぬ健康被害を招くことがあるということです。この事件を経て、大学病院や調剤薬局で、患者が服用している薬剤名などを手帳に書いて、情報提供するようになったのです。

現在、一般的な調剤薬局では、過去6カ月以内に利用した薬局に再度お薬手帳を持っていくと110円、初めて訪れた薬局やお薬手帳を持っていない場合は150円。つまり、薬を処方してもらう薬局を1カ所に決めて、毎回同じところに手帳を持参すると、1回あたりの薬代を40円節約できるというわけです。

ただし、チェーン展開している薬局など、特定の医療機関から出された処方箋を一定枚数以上受け付けている薬局に行った場合は、おくすり手帳を持参してもしなくても料金は変わらない場合があります。お薬手帳を忘れやすい人には、スマホで登録できる、電子お薬手帳アプリがおすすめです。スマホなら肌身離さず持ち歩いている、という方がほとんどでしょう。

私たちは体調が悪くなると、病院を受診し薬を処方してもらいます。

当然ですが診察する医師は、私たちが申し出ない限り、他の病院での処方薬や市販薬を服用していても知る術はありません。

医師が服用している事実を知らなければ、現在飲んでいる薬と同じ効能を持つ薬が処方されたり、飲み合わせの悪い薬が出される、といったことがないとは言い切れないのです。

せっかくお金を支払って服用する薬なのに、逆効果になってしまうことさえあるのです。

⑻紹介状なしで大病院に行かない

ちょっと体調が悪くなったり、軽い怪我をしたからといって、いきなり大病院に行くのは時間とお金が勿体無いです。

最近大病院では、待ち時間が問題となっています。何時間も待たされた挙句、診療時間は数分、ということも頻繁におきています。さらに、いきなり大病院に行くと追加料金を取られます。

平成27年5月に成立した医療保険制度改革法により、大病院には、地域の診療所等との連携を進める等の責務が規定され、そのための1つの方策として、紹介状なしで受診する方に対して特別の料金を徴収することになってしまいました。初診の場合、金額は5,000円以上(歯科の場合は3,000円以上)の病院が決めた額となります。また、診療所など他の医療機関を受診するよう、大病院から紹介を受けても患者が引き続き大病院の受診を希望する場合は、再診でもこの特別の料金として2,500円以上(歯科は1,500円以上)の病院が決めた額がかかることになります。

大病院とは、

    • 特定機能病院
    • 一般病床の数が500床以上の地域医療支援病院

簡単な怪我や初期的な症状の場合はかかりつけ医を利用して、お金も時間も有効に使いましょう。

⑼診療時間外の診察は緊急の時以外避ける

仕事が終わる時間の都合や、待ち時間が嫌だからと、緊急医に行ってしまうことはありませんか。
診療時間終了後や休診日に診察してもらうときは、時間外加算がついて医療費が高くなってしまいます。
診療所などのかかりつけ医では、たとえ診療時間内であっても早朝や夜間の時間帯には時間外加算がつきますので、やむを得ない場合以外は、できるだけ加算のつかない時間帯に受診するよう気をつけるようにしましょう。

時間外加算・・・時間外加算平日の6~8時と18~22時、土曜日の12~22時の間は、初診で850円、再診650円割高になります。

休日加算・・・日曜日、祝日、年末年始の休日は、初診で2,500円、再診で1,900円割高になります。

深夜加算・・・深夜から早朝にかかる22~6時は、初診で4,800円、最新で4,200円割高になります。

⑽やっぱり健康が一番。そもそも病気にならないように気をつける

しょっちゅう体調を崩し、頻繁に病院や薬局へ薬をもらいに行く人がいます。体調を崩しやすい人の多くは、生活習慣にも問題があると言われています。健康にリスクを抱えやすい習慣を見直し、健康に過ごすことで、医療費は節約できると言えます。劇的に効果があり、今日この記事を読んだ後すぐに実践できるものを二つ紹介します。

それは、睡眠と食事を改善することです。そんなの当たり前だろ、と思うかもしれませんが以外とできていない方が多いのです。

忙しいときには,睡眠時間を確保するのが難しいこともあるでしょう。 忙しいときだけ、週1回程度の徹夜なら問題もさほどないでしょうが、連日のように睡眠時間を削り続けると、体のあらゆるところに不調が出始め、やがて脳に支障をきたすといわれています。

さまざまな健康法がありますが、その中でも最も大切とされている健康法は、しっかりと睡眠時間を確保することと言われます。適度な運動をするために、睡眠時間を削って時間を捻出しようとする方も多いのですが、睡眠時間を過剰に削るくらいなら、逆に運動をやめてしっかり眠ったほうが良いとさえ言われています。睡眠は、人間にとって何より大切なのです。

また、人は眠ることで日中に得た膨大な情報を処理していると言われています。睡眠時間が足りないと、脳の情報処理を妨げて、記憶力を減退させるとも言われています。脳のパフォーマンスを最大限引き出すためにも、しっかりと睡眠をとることが大切です。

また、睡眠に加えて食習慣の改善も行いましょう。せっかく良い睡眠を取れても、しっかり栄養がなければ効果も半減するというものです。

めんどくさいからと、ファストフードばかりで済ませてはいませんか?最近では、ストリートチルドレンがハンバーガーやフライドポテトなどのファストフードばかり食べ、富裕層がグラスフェッドの食品や野菜など健康で質素な食事を摂るという一昔前では考えられなかった現象が起こっています。

食べ物が飽和しているのです。健康になるためには、体に良い食べ物を選んで摂取する必要がある時代になりました。

「人間は習慣でつくられる」生き物だそうです。良い習慣は良い人生を,悪い習慣は不満の多い、みじめな人生へとつながる可能性があります。

ぜひ良い習慣を身につけ、健康で幸せな人生を手に入れたいものですね。

 

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