便利に使える1枚は?法人カードと個人カードの異なるポイントを解説

会社経営者や個人事業主をはじめ、ビジネスに法人カードの導入は必須と言えます。

しかし、法人カードを持ったことがない方の中には以下のように考える方もいるかもしれません。

・現在保有している個人カードをそのまま使っても良いのではないか
・新たに年会費の安い個人カードを取得して使い分ければ問題ないだろう

このように法人カードに申し込み自体に前向きになれないケースもあるはずです。

法人カードには個人カードにないビジネスのサポートにつながるサービスも多く付帯していて、実際に活用できることでしょう。また、どう利用するか次第で、年会費以上の価値を感じることもできるはずです。

今回は法人カードと個人カードの違いについて解説し、それぞれのメリット・デメリットとおすすめの法人カードも合わせてご紹介します。最後まで読むことで、法人カードと個人カードの違いをしっかりと把握できて、選択に迷うこともないでしょう。

ビジネスのためのクレジットカードをどうするべきか検討している方はぜひ一読ください。

法人カードと個人カードの違い

事業用の法人カードは個人カードと比較するとビジネスに使いやすいクレジットカードです。

法人カードと個人カードの主な違いが以下の7つになります。

・発行対象が異なる
・最高ランクの「ブラック」を発行できるのは個人カードのみ
・利用限度額の大きさが違う
・法人カードにはビジネス向けの付帯サービスや特典がある
・法人カードは経費の支払いに限定
・法人カードにはキャッシング機能がない
・個人カードの方が支払い方法は柔軟

詳しく説明しますので、どんな違いがあるのかをあらかじめ把握しておきましょう。

発行対象が異なる

クレジットカードの名称のとおり、法人カードと個人カードは発行対象が異なります。

法人カード
・個人事業主
・法人格のある法人代表個人カード
・個人

法人カードは法人代表に限定されず、個人事業主の発行も可能です。

それに対して個人カードの発行対象となるのは個人のみとなり、法人名義では申し込みができません。ただし、法人の場合でも個人名義で申し込みをして個人の銀行口座を引き落とし先に登録するなら問題はありません。

最高ランクの「ブラック」を発行できるのは個人カードのみ

テレビなどで見かけることもある「ブラックカード」ですが、クレジットカードの中で最高のランクに位置します。

ステータスの高さは抜群で一度は持ちたいと憧れる方も多いですが、こちらは個人カードでないと手に入りません。

それぞれのクレジットカードにおけるランクは下記のようになります。

法人カード
・一般
・ゴールド
・プラチナ個人カード
・一般
・ゴールド
・プラチナ
・ブラック

法人カードでは最上位ランクはプラチナです。

もちろんプラチナもステータスが高くて手厚いサービスを受けられますが、「いつかはブラックカードを手にしたい」などと思っている場合は個人カードを選ぶしかありません。

利用限度額の大きさが違う

利用限度額の面でも違いがあり、個人カードの場合は30万~100万円ぐらいの間で設定されることが多いです。もしかすると申し込み者の属性や選ぶカード次第では10万円などの場合もあるでしょう。

法人カードの場合、利用目的が経費の支払いです。選ぶカードと審査結果次第になるものの平均して200~500万円、財務状況によっては700万円だったり制限を設けていなかったりすることもあります。

あまり経費がかからない事業内容であれば個人カードの利用限度額でも十分に対応できるでしょう。しかし、商品の仕入れが高額なビジネスや海外出張の機会が多くなってくると個人カードの利用限度額では足りなくなる可能性が高いです。

利用限度額は支払日まで余裕を持てる設定金額かどうかが重要になります。たとえば、利用限度額が50万円で前月の利用金額が40万円だった場合、当月も40万円必要だとしても利用限度額内で済まないため支払いができません。

そう考えると個人カードの利用限度額ではビジネスの支払いに耐えられるパワフルさが足りないことになります。利用限度額の大きさによってビジネスチャンスを逃してしまったら大変なので、どれだけの利用があるのかを前もって把握してからカード選びをすることが重要です。

法人カードにはビジネス向けの付帯サービスや特典がある

法人カードは、ビジネスをサポートする付帯サービスが数多く提供されています。

・専用のセクレタリーサービスで出張の交通機関や宿の手配、旅行の相談
・オフィスの事務用品に対する保険
・使用した経費の明細データ提供サービス

どういうサービスが付帯されているかは、選択するカードによって異なりますが、どれも基本的にはビジネスに役立つサービスばかりです。これらのサービスが無料あるいは格安の料金で提供されていますので、活用することでビジネスがはかどります。

法人カードは経費の支払いに限定

法人カードの利用は経費の支払いのみに限定されます。

法人カードで私的利用の支払いを済ませた場合、経費と混ざることで計算が複雑になるでしょう。また、後から税務署に指摘されるなどのトラブルに発展する可能性も出てきます。

法人カードにはキャッシング機能がない

法人カードにはキャッシング機能がないのがほとんどだと思って良いでしょう。

個人と比較すると貸し倒れのリスクが大きいこと、キャッシングされたお金がどのように使われるのかが不透明なことが理由です。

しかし、キャッシング機能のある法人カードがゼロなわけではありません。三井住友カードfor Owners、オリコ法人カードEX Gold for Bizをはじめ、少ないものの選択肢はあります。

個人カードの方が支払い方法は柔軟

その他の大きな違いが支払い方法に関する点です。

法人カードの支払方法は、分割やリボ払いができる個人カードに対して法人カードは一括払いしか選べないことがほとんどになります。これもキャッシングと同じく、貸し倒れリスクを避けることが理由です。

支払い方法が柔軟なクレジットカードが良いと思っている場合、個人カードを選んだ方が使いやすいでしょう。

法人カードを使うメリット・デメリット

法人カードのメリット・デメリットについて解説します。

法人カードを導入する際に良い面も多いですが、悪い面も当然出てくるものです。それぞれを知っておかないと、申し込んでから後悔することになりかねません。

法人カードのメリット

まず、法人カードのメリットについて見ていきましょう。

・大きな支払いにも対応できる
・経費管理が楽になる
・公私混同を防げる
・追加カードで経費の立て替えを効率化
・資金繰りが楽になる
・年会費を経費計上できる
・サービスや特典が豊富

主に上記のようになり、法人カードならではのメリットがあります。これから申し込もうとしている方はメリットを再確認してみてください。そうすることで法人カードの導入意思が確実化するでしょう。

大きな支払いにも対応できる

利用限度額の設定が高ければ、それだけ大きな支払いに対応できます。

仕入れに充当できる金額も増えますから、その分だけビジネスチャンスも増えて売上や利益につなげることができるでしょう。

利用限度額は枠のすべてを使わなくても、余裕があるくらいの方が安心です。

ただし、基本的に一括払いとなるので、資金繰りの面では注意しないとなりません。

経費管理が楽になる

個人カードで私的利用とビジネスで発生する経費を一緒に支払っている場合、仕分けが必要になります。数件程度であればそこまで大変ではないかもしれませんが、あまりにも件数が増えると何が私的利用で何が経費かわからなくなる可能性が高いです。

法人カードなら利用明細がそのまま経費の記録となるため、仕分けの必要もありませんし何に使ったのかなども一目でわかります。その他にもデータを会計ソフトと連携できる法人カードも多いので入力の手間も省けるでしょう。

公私混同を防げる

前の項目でも説明していますが、同じクレジットカードで私的利用とビジネスの支払いを行っていると何に使ったのかがわかりにくくなります。

税務署の調査を受けた際に、ビジネスの中でどういう目的に使用したのかを説明できなくてはなりません。そして、上手く説明できなかった場合は「公私混同」とみなされて追徴課税が発生するのも避けられないのです。

そうなってからでは遅いので、クレジットカードはビジネス専用の1枚を用意した方が良いでしょう。

追加カードで経費の立て替えを効率化

法人カードは追加カードを複数枚発行できるため、社員に持たせれば経費の立て替えの効率化が実現します。

逆に個人カードで発行できる追加カードは1枚なことが多いため、社員が増えたときなどは対応しきれなくなるでしょう。

社員用に追加カードを発行しても利用限度額が上がるなどのことはありませんが、それでも社員に法人カードを持たせられる点は個人カードにはない魅力です。

資金繰りが楽になる

法人カードの利用金額が決済となるのは1ヵ月以上先になります。

支払い期間に猶予ができるので、今は手持ちの現金がないなどの場合でも法人カードで支払えば大丈夫です。

このようにキャッシュフローの調整が可能な点もメリットとなるでしょう。

年会費を経費計上できる

法人カードであれば年会費を必要経費として計上できます。

個人カードの場合、年会費を必要経費で計上するには私的利用とビジネス利用の割合をチェックして、年会費もその分だけ按分しないとなりません。結果として手間がかかることになるでしょう。

サービスや特典が豊富

法人カードは個人カードと比較するとサービスや特典が豊富なことがわかります。

出張の際に役立つサービスにショッピングをはじめ、ビジネスがスムーズに進むものも多くそろっているので保有しておけば心強さもアップするでしょう。

法人カードのデメリット

法人カードのデメリットは主に4つあります。

・個人カードよりも審査難易度が高い
・キャッシングの利用はほぼできない
・経費しか支払えない
・支払い方法は一括払いがほとんど

法人カードはメリットもあるものの、制限も多いことからデメリットになりやすい点もあります。

法人カードの導入の際はデメリットも必ずチェックしましょう。

個人カードよりも審査難易度が高い

法人カードの審査難易度は個人カードよりも高めになります。

支払い能力として法人と代表者個人それぞれの信用が見られるため、審査落ちすることも多々あるでしょう。

申し込みの前に、信用度などの不安な情報はクリアな状態にしておいてください。

キャッシングの利用はほぼできない

法人カードはほぼキャッシング機能が付きません。一部でキャッシング機能がついた法人カードもありますが、利用できるのは海外のみなどの制限があることも。

キャッシング機能を利用したいのでしたら、個人カードを使ったほうがスムーズでしょう。

経費しか支払えない

法人口座で登録する法人カードは、経費の支払いにしか使えません。それ以外の支払いを行うと経費計上が面倒になるなどのトラブルに発展しやすくなります。

私的利用の支払いは個人カードで行ってください。

支払い方法は一括払いがほとんど

法人カードの支払いは一括払いがほとんどです。

決済金額が大きくなった場合でも分割やリボ払いはできませんが、法人カードは引き落とし日に猶予がありますからキャッシュフローの調整はできます。

個人カードを使うメリット・デメリット

個人カードは法人カードと比較して自由度が高いことが特徴です。

しかし、使い方によっては自由度がデメリットになる場合も。こちらでは個人カードのメリット・デメリットを詳しく解説します。

個人カードの3つのメリット

個人カードのメリットは以下の3つです。

・私的利用の支払いが可能
・年会費無料のカードが多い
・支払い方法の選択肢が豊富

そのの他にも気軽に持ちやすいなどの特徴もあります。

私的利用の支払いが可能

個人カードは経費以外に私的利用の支払いも可能で、普段のお買い物や友人同士の食事代などの決済を行うにも適しています。

ただし、経費と併用する場合は、どの支払いが経費でどの支払いが私的利用かを仕分けしないとなりません。

年会費無料のカードが多い

個人カードには年会費無料のカードが多いです。

保有するのに維持費がかからないうえに気軽に申し込めるので、1枚持っていても損はないでしょう。

支払い方法の選択肢が豊富

個人カードは支払い方法の選択肢が豊富なことも魅力です。

対応しているのは翌月一括払いをはじめ、分割払いやリボ払い、ボーナス一括払いになります。ちょっと大きな買い物をしても数ヵ月先のボーナスをあてにしたり、毎月少しずつ支払ったりするなどと自分で決めることが可能です。

個人カードの2つのデメリット

メリットに対する個人カードのデメリットは主に2つあります。

・追加カードは基本的に1枚
・経費計算に向いていない

後から知らなかったということにならないように、申し込む前にデメリットをチェックしておいてください。

追加カードは基本的に1枚

個人カードは追加カードを基本的に1枚としている場合が多く、複数枚持てないことがデメリットです。

自分だけで利用するのであれば何ら問題はありませんが、法人用となると枚数が足りずに使いにくいでしょう。

経費計算に向いていない

個人カードで私的利用と経費の支払いが混ざった場合、経費の計算が面倒になります。

経費計算は個人カードに向いているとは言い難いので、経費のことも考慮するなら法人カードの導入がスムーズです。

法人カードを選ぶ際のポイント

法人カードを選ぶ際のポイントをまとめています。

・法人設立後間もない場合は審査基準をチェックして申し込む
・年会費やポイント還元率のチェックも行う
・飛行機利用が多い場合は移動のマイル還元率も重視
・車を使う場合はETCカードの年会費や発行枚数が重要

これらの内容を知ったうえで、自社にあった法人カードを選んでください。

法人設立後間もない場合は審査基準をチェックして申し込む

法人カードの中には、設立から3年が経過していて2期連続黒字などの実績はないと審査通過が難しい場合があります。

しかし、最近は個人事業主やフリーランス、小規模事業を立ち上げる方が発行しやすい法人カードも増えてきました。その場合、申請者となる方の個人信用情報を参考に審査を進めて支払い能力を判断します。

設立後間もないからと諦めるのではなく、まずは審査基準をチェックして申し込めそうな法人カードを選んでください。

年会費やポイント還元率のチェックも行う

年会費やポイント還元率は必ずチェックしてください。

設立から間もないうちは売り上げや利益が安定しないことから年会費が高いと支払いが厳しくなるからです。

また、ポイント還元率は経費の支払いに対するポイントが付与されるため、少しでも高い法人カードを選んだ方が節約がしやすくなります。

飛行機利用が多い場合は移動のマイル還元率も重視

法人カードの中にはマイルが貯められるものがあります。

出張などで飛行機の利用が多い場合は、マイルも欠かさずにチェックしてください。また、空港で受けられるサービスの充実度が高い法人カードもあるので、マイル還元率とともに確認すると良いでしょう。

車を使う場合はETCカードの年会費や発行枚数が重要

飛行機は利用しないけれど、車は利用するという法人も多いでしょう。

その場合、ETCカードに注目するようにして、年会費や発行枚数がどのくらいまでできるのかを見るようにしてください。

年会費があればそれだけ維持費が増えますし、発行枚数しだいでは社内のすべての車に付与できない場合もでてきます。

おすすめの法人カード3選

最後にこれまで解説したメリットなどを踏まえたうえで、おすすめの法人カードを紹介します。

・アメックスビジネスゴールドカード
・楽天ビジネスカード
・JCBビジネスカード

上記の3選となりますが、大まかかな特徴を解説していきますので申し込み前にチェックしておいてください。

アメックス・ビジネス・ゴールド・カード

アメリカ初のアメックス社が発行する「アメックス・ビジネス・ゴールド・カード」はステータスの高さとサービスや特典内容の充実した法人カードです。

出張向けサービスからからエンターテイメントなどと幅広く、ビジネスにおいて心強い1枚になるでしょう。

また、利用限度額に一律の制限がない(目安として設定)ので、支払い能力があるとカード会社に判断されれば、一時的に利用限度額を増枠することもできます。

年会費が31,000円(税別)となり、やや高額ですが金額分に見合った魅力がそろう1枚です。

楽天ビジネスカード

「楽天ビジネスカード」はポイントの貯めやすさと使い勝手の良さに加えて、年会費が2,160円(税込)という安さが魅力です。

手軽に持てるだけでなく特典内容が優れた法人カードを求めている方におすすめで、検討する価値が大いにあるでしょう。

なお、楽天ビジネスカードに入会するには個人向けの楽天プレミアムカードとセットで利用する必要があります。

JCB法人一般カード

加盟点数は約1,000万件をこえる日本最強の国際ブランドのJCBが発行する「JCB法人ゴールドカード」も導入におすすめの1枚です。

年会費は1,250円(税別)という格安価格なうえにオンライン入会で初年度無料になります。

利用限度額は10~100万円の間で設定され、特典の充実度などはアメックス・ビジネス・ゴールド・カードと比較するとやや劣りますが、格安で法人カードを持ちたいと考える方にはおすすめの1枚です。

まとめ

当記事では、法人カードと個人カードの違いについて解説しました。

法人カードは個人カード以上にビジネスに特化したサービスが充実していて、現金払いでは得られないメリットも多いです。キャッシング機能や支払い方法などで制約もありますが、経費の支払い目的であればそこまで大きな問題にはなりません。

個人カードは自由度が高くて気軽に持ちやすいことなどが特徴ですが、ビジネス利用となるとスムーズに活用できない点が見られるでしょう。

その他にもビジネスに実績がない法人や個人事業主におすすめの法人カードも紹介したので、説明の内容を参考にしながら自分に合ったカードを選択してください。

とさかおみ
とさかおみ
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メガバンクに勤務経験あり。

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