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将来のことを考えて、今のうちに何か投資を始めたいと考える人は多いと思いますが、実際には何から始めていいのかわからず足踏みしてしまうのが現状です。そんな方におススメしたいのが投資信託です。
投資信託とは資産運用の専門家が、株式や債券等のさまざまな種類の投資を、個人や企業の代わりに運用してくれるものです。各投資家から集めたお金をひとつの大きな資金として、専門家がバランスよく効率よく資産を増やしてくれるものです。
そこで、投資信託が投資の初心者にとってどのようなメリットがあるのか、どんな投資信託を選んだらいいのかを今回はわかりやすくご説明したいと思います。
投資にはどんな種類があるのか
株式
投資の代名詞とも言える、代表的な投資法です。株式上場をしている企業の株式を保有、売買することで利益を得ることができます。
企業の株を長期に渡って保有することで、配当金や株主優待の特典を入手することができます。中、短期で売買することで、値上がりした株の差額が利益になります。
債券
国や企業を相手に、投資家が資金を一定期間に渡って貸す方法です。国債を10万円購入したとすれば、国に10万円を貸している状態になります。企業の場合は社債を購入します。
比較的、安全な投資方法にはなりますが、金利が定期預金よりわずかに高いだけで、よほど高額な債券の購入がなければ、その利益も微々たるものとなります。
FX
FXはドル、ユーロ、ポンド、円などの通貨を売買することで、利益を得る方法です。その時々で変動する為替レートを活用した為替差益による利益、また、通貨別に金利が異なることでその金利差から生じる利益の2種類があります。
手持ちの資金以上の取引をすることで、大きな利益を狙うことができますが、その分リスクも高くなります。
外貨預金
外貨預金は日本円で預金する代わりに、外貨で預金する方法です。日本円の場合は定期預金をして金利がついても、とうてい利益と呼ぶまでにはなりません。外貨の場合はその通貨によって、高い金利がつきますので、効率のいい預金方法だと言えます。
為替レートは常に変動しますので、その時々で日本円に換算した時に元本割れのリスクはありますが、為替差益による大きな利益の獲得も可能となります。
金・プラチナ
世界情勢に左右されにくい金・プラチナは昔から堅実な投資方法として支持されてきました。貴金属店にて、現物の金・プラチナを購入したり、銀行や証券会社にて現物と同等の価値を持つ証書を購入することができます。
金・プラチナの価格が安い時に購入しておいて、売買で利益を得たり、長期的な安全資産として、金・プラチナを保有し続ける投資家は多いようです。
不動産投資
アパートやマンションを購入して家賃収入から利益を得たり、地価の変動を活用して建物や土地を売買する投資方法です。対象となるものが不動産であるがゆえ、基本的には運用に必要な多額な資金が必要となります。
通常は不動産会社にて取引が可能ですが、フィンテックの発達により、投資のみを目的とした不動産投資サイトも数多くあります。最近では少額からローンを組んで始められることもあり、サラリーマンの副業としても注目されています。
多額な資金がかかり、不動産の知識がある上での長期に渡る運用が必要です。
投資信託なら知識がなくても今すぐ始められる
大まかに考えただけでも、これだけの数の投資の種類があるのです。外貨預金や金・プラチナは初心者でも始めやすい投資にはなりますが、それでも、全く右も左もわからない状態で始めるわけにはいきません。
それに、投資を始める人にとっては何が自分に合った投資なのかがわからないと思います。投資の種類をいろいろと学びながら、やがて自分に合った投資方法がわかってくるものなのです。
でも、投資信託なら投資のことがわからなくても、今すぐ始めることができるのです。投資信託で専門家に任せながら、投資を学んでいくことができます。経験と研究を重ねたその道の専門家があなたの代わりに資金を運用してくれるから安心して始めることができます。
まずは興味のある投資信託を探してみましょう。
どんな投資信託があるのか
国内株式型
- 複数のさまざまな国内株式をまとめたもの
- 大手企業の大型株を取り扱うもの
- 中小企業の中小型株を取り扱うもの
- 特定の業種で株式を選定するもの
- 特定の企業のグループ、関連企業のみを扱うもの
国内債券型
- 国内の国債や社債を組み合わせたもの
国内リート型
- 国内の複数の不動産に投資するもの
国内バランス型
- 株式、債券、不動産、金・プラチナなどをバランスよく組み合わせたもの
外国株式型
- 複数の国のさまざまな株式をまとめたもの
- 外国の大型株、中・小型株別にまとめたもの
- 先進国の株を選んだもの
- 開発途上国の株を選んだもの
- 地域別、国別の株式を扱うもの
外国債券型
- 複数の国の国債を扱うもの
- 複数の国の国債・債券を扱うもの
- 先進国の債券を組み合わせたもの
- 開発途上国の債券を組み合わせたもの
外国リート型
- 外国の複数の不動産投資を行うもの
- 国べつ、地域別、通貨別に分類されたもの
外国バランス型
- 外国の株式、債券、通貨、不動産などをくみ合わせたもの
※外国投資信託においては、為替ヘッジあり、為替ヘッジなしを選ぶことができます。外国の金融商品を取り扱うことでおこる為替差益が生じてしまいます。
為替ヘッジありは契約時の為替レートを約束することで、為替差益によって生じる損失を押さえることができますが、同時に利益を得る妨げになる場合もあります。
どんな投資信託が自分には向いているのか
投資信託だけでも、たくさんの種類がありますので、どれを選べばいいのか悩んでしまいます。そんな時に判断の基準になるいくつかの項目がありますので、自分はどのタイプなのかを考えてみましょう。
現在の状況から考える
興味のある投資がある
今すぐは、よくわからないけど、いずれは株式投資を自分で始めたいと思っている人は株式の投資信託を選んでみてはどうでしょうか?プロの運営報告をみながら、自分も勉強していくことができます。
または、将来的に株式を始めるからこそ、あえて株式以外の投資信託を選んでおくと、後々バランスのとれた状態になります。
何が何だか全く理解できない
とにかく、何が何だかよくわからない人は、バランス型の投資信託を選らぶことをおススメします。定期的に運用報告が手元に届きますので、まずはそれを読んでみることから始めてみてもいいと思います。
もちろん、書いてあることは意味不明の場合が多いでしょうが、あきらめてはいけません。意味のわからない文字でも視覚にいれることによって、だんだんその言葉に馴染んでいつの間にか意味がわかるようになります。いろんな投資がある中で、今後、一番わかりやすいものに焦点をしぼって学んでいくことができます。
身近なテーマを探してみる
現在の職業や趣味に関係のある投資信託はないでしょうか?例えば、海外旅行によく行く人は外国債券を選らんでみたり、医療関係で仕事をしている人は医療関連の株式をあつめた投資信託を始めることができます。
少しでも何か自分の生活に関わりのあるものを選んでみると、運用報告書も理解しやすくなり、今後の励みになるかと思います。
運用期間から考える
短期
できるだけ短期で利益を得たい人は、人気のある投資信託を選ぶのがおススメです。投資はその種類が何であれ、2年3年、5年10年と経つ中で上がったり下がったりを繰り返すものです。中には利益となるまでに長い年月がかかるものもあります。
人気のある、ランキング上位にある投資信託はそれだけ人が集まりやすく、人が集まるということは運用資金が増えていきますので、それだけでも価格が上がる可能性が高くなります。
中期・長期
最低でも2、3年から5、6年はじっくりと構えていきたい人は、将来有望と思われる投資信託がおススメです。例えば開発途上国の投資信託を選んだり、長期で成果を得ていく不動産ものなどもいいでしょう。
投資信託をしている人の中には、定期預金がわりとして、比較的リスクの少ない債券等の投資信託を選んで長い目で考える人もいます。
投資の目的から考える
リスクを最小限に抑えたい
投資で得られる利益よりも、安全性を重視される方は、やはり債券を扱う投資信託がいいでしょう。外国債券の場合は為替ヘッジありにしておくことで、為替リスクを防ぐことができます。またはバランス型にすることでリスクを分散させることができます。
また、少額からでもコツコツと毎月積み立てのできる投資信託もあります。少しづつでも10年20年と続ければ大きな額を期待することができます。
いろんなものに投資したい
株式も興味あるし、債券も欲しいし、不動産も気になると、欲張りな人はバランスで始めてみましょう。毎月、専門家が考え抜いた運用報告を見ることで、さまざまな方面に渡って勉強することができます。
外国の投資信託を始めたいなら、為替ヘッジなしを選ぶと、同時に外貨についても学んでいけるから嬉しいですよね。
損をする覚悟で大きく稼ぎたい
多少のリスクを背負っても、利益を得たいという攻撃的な人には、株式関連の投資信託がいいでしょう。株式関連の中でも、開発途上国のものや、中小型株専門の投資信託等は長期でも考えていけますが、ある日突然、急上昇することもあります。
ただ、大きな利益を狙った投資は、ギャンプルの要素を含める場合があります。狙いが外れた場合に大きな損失を抱えてしまうことも覚悟しなければなりません。そして、常に意識しなければならないのは投資はギャンプルではないということです。
プロに任せる投資信託
投資信託を始める方法
銀行や証券会社、保険会社で取り扱っています。窓口で直接、相談しながら決めていくのも安心ですね。自分1人で進めていきたい人は、オンラインでも銀行や証券会社の投資信託口座を作ることができます。それぞれの金融機関によって取り扱う投資信託は異なりますので、調べてみましょう。
その他の注意点
- 銀行や証券会社で投資信託を購入する場合は、手数料がかかります。手数料もその金融機関や投資信託の銘柄によって異なりますので、確認しましょう。
- 窓口で相談する場合には手数料も高くなる場合が多いですが、初めてのことなので、窓口で買ったほうが安心ではあります。
- オンライン証券では、手数料が無料で購入できるものもあります。ある程度、どの投資信託を購入するか決めれる人はオンラインで探してみましょう。
こんな投資信託がある
銀行や証券会社のサイトでどんな投資信託があるのかリストを見ることができます。口座を作っていなくても見ることができますので、いろんな投資信託の値段がいくらなのかを見ることができます。どんなものあるのか見てみましょう。
投資信託の基準価額
一万口(いちまんくち)での価格がいくらなのかを基準価額と言います。1口とは1円のことです。一万口の基準価額から、5,000円分買った場合5万円買った場合の価額が計算されます。
口数と価額の関係が若干ややこしいので、最初のうちはトータルの価値がいくらなのかで考えるとわかりやすいでしょう。
例)2万円分の投資信託を購入した→それが結局次の月にいくらになったのか
eMAXIS 日経225インデックス
基準価額:25,088円(2018年6月14日)/ 三菱UFJ投信
日経平均株価に連動した企業の株式を中心に投資します。
東京海上円資産バランスファンド
基準価額:11,587円(2018年6月14日)/ 東京海上アセットマネジメント
国内の複数の資産、債券、株式、不動産リート等にバランスよく投資します。
参考リンク:東京海上アセットマネジメント 円資産バランスファンド
米国・地方公共債ファンド
基準価額:98.77米ドル / 三井住友銀行
米国の州・地方政府や空港・上下水道・高速道路・学校などを管理・運営する公共機関が発行する債券
お住まいの近くにある地方銀行でも、どんな投資信託を取り扱っているの調べてみましょう。
投資信託のメリットとデメリット
メリット
- 投資のことがわからなくても、いつでも始めることができる。
- 資産運用の専門家に任せることができる。
- 何もしていないのに利益をつくることができる。
- 投資信託を始めながら、自分のペースで投資を学ぶことができる。
- さまざまなタイプの投資を同時に運用することができる。
デメリット
- 元本割れのリスクがある。
- 自分の意志に関係なく、資産が運用されていく。
- 細かい運用履歴は見ることができない。
- 人任せにすることで、投資のことを勉強しなくなる。
- 契約日と解約日の価格がだいたいの範囲でしかわからない。
まとめ
どんなに安全な金融商品であっても、元本割れのリスクを避けることはできません。だからといって普通に預金を続けるだけでは、お金が増えることはあり得ません。
お金が1円も減らないことと、1万円減るかもしれないけれど、10万円の利益を得ることとどちらを選びますか?
仮に、1000万円を年0.01%の金利で預金したとしても、それは10年間で8千円の利益にしかならないのです。でも、10年間あれば、投資信託では1000万円を2000万円に変えることだって可能です。
それがわかっていても、投資を始めることは、能力的にも精神的にも容易なことではありません。始めてみたくてもどうしたらいいのか最初はわからないものです。積極的に情報を集めて、どこの金融機関がいいのか、どんな投資信託がいいのかをしっかりと吟味してみることから始まると思います。
そして、ただ任せっぱなしにするのではなく、自分が資金を預けている投資がどんなものなのか知ることが大切です。運営報告書は必ず目を通しましょう。
わからないことをネットで調べたり、経済新聞のわかるところだけを読んだりすることで、自分でできる投資方法を見つけるヒントを得ることができます。
少しずつ自分のペースで投資のことを勉強しながら、投資信託を楽しんでみましょう。自分に合った投資信託で、将来にむけて投資の第一歩を、あなたも踏み出してみましょう。