多目的ローンと目的別ローンの違いとは?それぞれのメリットデメリットを解説

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今回は、多目的ローンと目的別ローンの違い、メリットやデメリットについて解説します。

多目的ローンと目的別ローンは名称こそ似ていますが、金利や資金の用途など性質が全く異なります。ローンをお探しの方は、まず最初に金利の低い目的別ローンから見つけるのが最適で、住宅ローンや教育ローン、マイカーローンなど、ご自身の目的に合わせて比較すると良いでしょう。

一方、多目的ローンにも様々なメリットがあり、目的別ローンよりも幅広い用途で資金が利用できます。そのため、自宅やマイカー、子供の教育費などより小ぶりな資金用途で選ぶことが多いです。

それぞれの違いをしっかりと理解して、目的に一番近いローンを見つけてみましょう。

多目的ローンと目的別ローンの違い

ローンでは銀行やクレジットカード会社から融資を受けますが、色々と種類が分かれています。たとえば、一般的なローンだけでも「多目的ローン」、「目的別ローン」で違いがあります。他にも「フリーローン」という融資方法もありますが、こちらは「多目的ローン」と同じだと思って大丈夫です。

多目的ローンと目的別ローンでは、融資条件から金利、資金用途まで大きな違いがあるので、融資を受ける際はどちらを選ぶかしっかりと確認しておきましょう。

主な違いとしては、資金用途と金利に大きな差があり、多目的ローンほど広い範囲で資金が利用でき、目的別ローンほど金利が低めに設定されています。そのため、ご自身の目的に沿った種類を選択すると良いでしょう。

多目的ローンと目的別ローンの違いは以下で詳しく解説しています。

多目的ローンとは?

多目的ローンは個人向けに提供される融資のことで、フリーローンとも呼ばれます(金融機関によっては多目的ローンとフリーローンを別として扱う場合もあります)。

多目的という名称の通り、資金の使い道が非常に広く、車や家電製品の購入、入院費用、旅行用の代金など幅広い目的で借りれます。資金を借りる際には金融機関に目的を報告する義務があり、多目的ローンの場合は、その幅が広いということです。

資金の利用範囲が広い分、金利の設定値は高めになっています。そこで、まずは融資目的が目的別ローンに適用されていないかを確かめ、その範囲外であれば多目的ローンを利用するようにしましょう。

目的別ローンとは?

目的別ローンも個人向けに提供される融資のことですが、資金の利用目的が限定されています。たとえば、子供の学校に支払う一部の費用のために「教育ローン」が用意されていたり、人生で一度は利用するとされる「住宅ローン」も目的別ローンの一つです。

目的別ローンは用途が限定されているため、多目的ローンに比べて金利が低めに設定されています。金利が低ければ支払う利息も少なくなるので、返済額がお得になります。カードローンや目的別ローンの金利相場は13.0~18.0%ですが、目的別ローンは0.5~1.5%程度の金利相場に落ち着きます。

そのため、ローンを考えている場合は低金利の目的別ローンから探すのが基本です。目的別ローンには様々な種類があるので、たいていの場合は目的通りのサービスが見つかることが多いでしょう。

多目的ローンのメリット・デメリット

多目的ローンを選ぶ際はメリットとデメリットに注意しましょう。多目的ローンは資金の用途が幅広く借りやすい点が魅力ですが、金利が高くなっては返済に困ることにもなりかねません。

ご自身の経済状況や利用目的などに合わせて、目的別ローンと比較しながらご検討ください。

多目的ローンのメリット

多目的ローンのメリットは以下の3点です。

  • カードローンに比べると金利が低くなる場合が多い
  • 返済計画を立てやすい
  • 総量規制の対象外

多目的ローンは目的別ローンの他、よくカードローンとも比較されます。カードローンとの違いは金利が少しだけ多目的ローンがお得になっており、追加の融資が受けにくいという特徴があります。

追加融資とは、たとえば100万円の限度額の場合、最初に30万円だけ借りたとしましょう。その後、追加で20万円の資金が必要になったとき、続けて融資が受けられるということです。多目的ローンには追加融資制度がなく、もう一度融資を受けるには再審査を受けなければなりません。

ただし、お金を借りるのが一回に限定されていることで、返済額もシンプルで、返済スケジュールが立てやすいと言えます。

また、総量規制とは貸金業者に課せられたルールのことで、融資を行う上限を年収の3分の1までと定めています。貸金業者とは消費者金融やクレジットカード会社などです。銀行や信用金庫などは貸金業者に当たらないため、この総量規制が適用されません。

多目的ローンは銀行や信用金庫など、主に金融機関が融資を行います。そのため、総量規制を気にせずに資金を借りることができます。

多目的ローンのデメリット

一方、多目的ローンのデメリットについても確認していきましょう。

  • 審査に長い時間がかかる
  • 繰り上げ返済時の手数料が高い

多目的ローンでは厳正な審査が行われることもあり、申込から融資開始まで1週間~2週間程度を見込んでおく必要があります。審査条件に関しては、カードローンよりも厳しく設定されていますが、目的別ローンよりは易しいとされます(メリット・デメリット両面)。これはカードローンより金利や安く、目的別ローンより金利が高いことが影響しています。

また、繰り上げ返済の手数料が高い点にも注意です。繰り上げ返済とは、資金に余裕があるときに、1か月の返済額よりも多めにお金を返すことです。繰り上げ返済を行うと返済期間が短くなり、利息も減りますが、手数料だけで大きな金額になってしまいます。

目的別ローンのメリット・デメリット

多目的ローンのメリット・デメリットを紹介しましたので、今度は目的別ローンの長短所を探っていきましょう。

目的別ローンとは、住宅ローンや教育ローンなど、資金用途が限定された融資のことでした。多目的ローンと比べると、金利の低さや資金用途などに違いがあります。しかし、メリットやデメリットに関しては両者とも似ている面が多いです。

目的別ローンのメリット

目的別ローンのメリットは以下の3点が挙げられます。

  • 他のローンに比べて金利が低い(返済額が少ない)
  • 返済スケジュールが立てやすい
  • ライフプランの支出として扱いやすい

ちなみに目的別ローンも多目的ローンと同じく、銀行や信用金庫など金融機関から融資を受けます。そのため、総量規制の対象外となるメリットもあります。

目的別ローンの最大のメリットは何といっても金利の低さです。カードローンはもちろん、多目的ローンに比べても金利は低めに設定されていることが多いです。基本的にお金を借りる行為は、条件が厳しいほど金利が低い(利息・返済額が少ない)ことを覚えておきましょう。

先ほど多目的ローンのメリットで、追加融資を受けにくいという紹介をしましたが、目的別ローンも同じです。多目的ローンも一度借りれば、後は返済するだけ。追加の融資を受けるには、もう一度審査をやり直す必要があります。

ただ、返済額がシンプルで分かりやすいこと、「子どもの教育費」や「住宅ローン」など支出の使途が明確ということもあり、返済スケジュールが立てやすく、ライフプランの支出としても設計しやすいと言えるでしょう。

目的別ローンのデメリット

今度は目的別ローンのデメリットについて紹介していきます。

  • ローンの中では審査が厳しめ
  • 追加融資にもう一度審査が必要

目的別ローンは融資条件が特定されているため、ローンサービスの中では最安クラスの金利を誇ります。しかし、金利が低いため審査条件も厳しく、申込時には個人の信用情報などしっかりと確認しておかなければなりません。

また、追加の融資を受けるには、その厳しい審査にもう一度パスする必要があるので、条件はさらに難しくなります。住宅ローンや教育ローンなど資金総額が分かりやすいものは心配ありませんが、旅行や特定の商品を購入する際のローンでは追加で必要資金が発生しやすいです。前もってしっかりと融資額を決めておくようにしましょう。

オススメの多目的ローン・目的別ローンはどれ?

多目的ローンや目的別ローンの多くは、銀行や信用金庫などの金融機関がサービス事業者となります。都市銀行や地方銀行などは営業範囲や利用できる店舗などに差がありますが、サービスそのものを見ると、どの事業者もそれほど違いはありません。

たとえば、最近では店舗に足を運ばなくても、ネット上で申し込みをできるローンがほとんです。また、他社で借り入れたローンであっても、これから融資を組む銀行で一本化できる「ワンストップサービス」も、多くの金融機関が提供するようになりました。

そのため、ローンの比較を行う場合は「金利の低さ」が最も重要な要素となるでしょう。他にも、金利制度(固定・変動)、借入金額の範囲、借入期間の範囲などで比較することができますが、やはり低金利で利用できるローンがオススメです。

ここでは、金利をベースにオススメの多目的ローン、目的別ローンを紹介しています。今後、大きな資金を借りる予定があるという方は、ぜひとも以下をご参考にしてみてください。

オススメの多目的ローン

多目的ローンを利用する場合は、都市銀行を利用するよりも地方銀行や信用金庫を利用することをオススメします。都市銀行はアクセスのしやすさがメリットですが、金利を比較すると地方銀行や信用金庫より高くなります。

地方銀行の中でも特に低金利なのは、千葉銀行が行っている「ちばぎんフリーローン クイックパワー(アドバンス)」というサービスです。

こちらは最長15年mで、最大800万円まで融資が可能で、借り入れ金額に応じて金利が変動します。最高金利は1.7%と多目的ローンの中で最も安く資金を調達できます。もちろん、資金の使い道は自由で、高額商品の購入、出産費用、教育費用、入院費用、旅行費など、ご自身の目的に合わせてローンが組めるというメリットがあります。

また、千葉銀行は地方銀行の中でも営業範囲が広い特徴があります。千葉県はもちろんですが、他にも東京、大阪、埼玉、茨城で営業を行っています。千葉銀行の多目的ローンを利用するには、条件として「営業地域内に住まいや勤務先があること」となっているため、営業範囲の広さから比較的利用しやすいと言えます。

オススメの目的別ローン

目的別ローンは、住宅ローンや教育ローンなど、資金の用途によって幅広くサービスが分かれているため、単純に金利だけでは比較しづらいでしょう。都市銀行や地方銀行、信用金庫、ネット銀行など、金融機関の多くが目的別ローンを提供しています。

代表的な住宅ローンの場合、変動金利で最も安く融資を受けられるのが、住信SBIネット銀行の「ネット専用全疾病保障付住宅ローン(通期引下げプラン)」です。

金利の上乗せなしで全疾病保障のサービスが付き、金利は最高0.447%となっています。ネット銀行は特に金利を低く設定していることが多いですが、その中でも住信SBIネット銀行がトップです。

また、女性の方であれば、更に「ガン診断給付金特約」も無料で追加されます。保証料や一部繰上返済手数料も0円と、住宅ローンの中では手厚いサービスが魅力です。

多目的ローン・目的別ローンを利用する際の注意点

多目的ローンでも目的別ローンでも、融資を受ける際は申込時に何点かチェックすべき事項があります。

  1. 目的に合ったローンを選ぶ
  2. 借入条件を確認
  3. 返済できるかどうかを確認
  4. 別のローンや借入がないかチェック

ここまでも紹介した通り、ローンは各金融機関から多くのサービスが提供されています。つまり、それだけ選ぶのが難しいということですが、難しいからといって適当に選んでしまうと後で後悔してしまいます。特にローンでは多額の資金を借りることが多いため、事前にしっかりとチェックを行い、返済計画を立てるべきです。

上記のチェック事項は以下で詳しく解説しています。

目的に合ったローンを選ぶ

ローンを選ぶには、まず自分が何の目的でお金を必要としているかを見直しましょう。たとえば、自宅を購入するなら住宅ローン、子供の教育費は教育ローンなどは分かりやすいですが、旅行費や入院費用、商品代金など、多目的ローンが合うのか、目的別ローンが合うのかよく考える必要があります。

また、順番としては最も金利の低い目的別ローンから探すことをオススメします。もし、目的別ローンの資金用途に適用していれば、多目的ローンやカードローンなどより返済金額は圧倒的に少なくて済みます。

借入条件を確認

借入条件とは、そのローンに申し込みができる人の資格のことです。たとえば、満20歳以上65歳未満などの年齢制限や、地方銀行などの場合は、口座を持っている方限定、営業店舗のある場所限定など条件が絞り込まれていることが多いです。

条件に当てはまらなければ、どんなに低金利で有利なローンでも無駄になってしまいます。借入条件は各金融機関の公式サイト上に記載されているため、必ず事前確認をしておきましょう。

返済できるかどうかを確認

ローンを利用する際は、借入条件や審査条件など「借りられるかどうか」が気になりがちです。しかし、一番大切なのは、借りた資金を「返せるかどうか」です。

ローンを提供する金融機関によっては、公式サイト上で返済シミュレーションを行っているため、申込前に試しておくことをオススメします。もしかしたら、想像もしていなかった利息になる可能性もあるので、必ずチェックしましょう。

別のローンや借入がないかチェック

他者の借り入れやローンがある場合、それも審査の評価対象となります。

無担保でローンを組む場合は、借入総額(既に借りている金額+これから借りる予定の金額)が税込で年収の50%以内、総年間返済額が年収の40%以内であることが審査通過の目安となります。

もし、他社で多額のローンを組んでいる方などは、これから借りようとしている融資のタイミングをずらすことも検討してみましょう。

多目的ローン・目的別ローンまとめ

今回は、多目的ローン(フリーローン)と目的別ローンの違いについて解説してきました。

多目的ローンは資金用途が幅広く、自由に利用できる代わりに、目的別ローンに比べて金利が高めという特徴がありました。一方、低い金利で利用できる目的別ローンですが、資金用途が限定されているという性質があります。たとえば、「住宅ローン」や「教育ローン」が代表的です。

そのため、ローンを利用する際は、まずご自身の利用目的を明確にし、目的別ローンに該当するものを探してみましょう。該当するサービスがあれば、低金利のメリットを最大限に活かすことができます。もし、該当しなければ多目的ローンをお探しください。

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