【自己破産の必要書類】裁判所への申し立て手続きの流れと注意点を解説!

借金の金額が自分の収入では返せない金額にふくらんでしまった…という場合に検討すべき手段が自己破産です。

裁判所に自己破産の手続きを申し立てると、最終的に「免責決定」という裁判所の決定が出ることによってあなたが負っている借金はすべてリセット(つまり0円になる)してもらうことが可能です。

自己破産の手続きは法律の専門家(弁護士や司法書士が該当します)に代行してもらうのが一般的ですが、自力で行うことも決して不可能ではありません。

ただし、自己破産のように裁判所に申し立てをして行う手続きでは、必要書類に不備があると手続きそのものが認めてもらえない可能性があります。

借金の問題は少しでも早く解決したいものですから、後から不備が生じないよう、必要になる書類をもれなくチェックしておきましょう。

この記事では、自己破産の手続きで必要になる書類を一覧で紹介するとともに、裁判所内の手続きの各段階で気をつけておくべきポイントについて解説いたします。

自己破産の必要書類一覧

自己破産による免責を認めてもらうためには、裁判所が指定する書類を作成する必要があります。

自己破産の必要書類は大きく分けて「自分で作成する書類」と「添付する書類」の2つに分けられます。

自分で作成する書類

自分で作成する書類として、以下のようなものが必要になります。

  • ①破産手続き開始及び免責申立書
  • ②陳述書
  • ③債権者一覧表
  • ④資産目録
  • ⑤家計の収支状況を説明する書類

これらは次で見る「添付する書類」と金額が正確に合致している必要がありますから、まずは添付する書類を取得してから、その内容を転記するといった形で進めるとスムーズです。

添付する書類

こちらは上の「自分で作成する書類」の内容が正しいことを説明する(照明する)ための書類です。

取得に手間がかかるものもありますから、早めに準備を進めていくようにしましょう。

  • ⑥住民票
  • ⑦収入を証明する書類
  • ⑧銀行預金通帳のコピー
  • ⑨住居に関する資料
  • ⑩借金の金額や借入先に関する資料
  • ⑪資産の内容を証明する書類
  • ⑫その他特殊な事情を証明する勝利

以下ではそれぞれの書類の作成方法や取得先について解説いたします。

①破産手続き開始及び免責申立書

破産手続き開始及び免責申立書は、その名の通り裁判所に「これから自己破産の手続きを開始してもらうこと」を認めてもらうための書類です。

書式は申立てをする裁判所ごとに異なることがありますから、あなたが実際に申し立てを行なう裁判所の窓口で取得するようにしましょう。

破産手続き開始及び免責申立書には、収入印紙1500円分を貼付けする必要があります(消印しないように注意)

なお、自己破産の申し立てを行うのは、あなたが住んでいる住所地を管轄する地方裁判所です。

裁判所には地方裁判所・高等裁判所・最高裁判所・簡易裁判所・家庭裁判所といったように種類がありますので注意しておきましょう。

②陳述書

陳述書は、あなたが返せない金額の借金を負ってしまい、自己破産を行うに至った経緯を具体的に説明する書類です。

こちらも各裁判所で書式が微妙に異なることがありますので、実際に申し立てをする予定の裁判所窓口で取得しましょう。

陳述書には、現在の生活状況や勤務先での職位や業種、手取りの収入金額や退職金の有無などを記載します。

家族の状況(同居か別居か、職業や手取り収入)や、あなたが現在居住している住居の状況(持ち家か賃貸か、家賃の金額や滞納の有無、誰の名義で借りているのかなど)、職歴や借金をするに至った理由などを項目ごとに細かく記載していきましょう。

また、陳述書には返せない金額の借金をしてしまったことを反省する内容の陳述や、免責を受ければ今後は同じ失敗を繰り返すことなく生活していけるということを説明する記載をする必要があります。

こうした内容の書類を作成するのに心苦しい部分もあるかもしれませんが、陳述書の作成は、あなたのこれまでの生活状況を振り返り、今後の生活に生かす良いきっかけになると思います。

③債権者一覧表

債権者一覧表は、あなたが借金を負っている相手先に関する状況を一覧でまとめたもので、手続きを進めていくうえでもっとも重要な書類といえます。

というのも、この一覧表に漏れがあると、その債権者はあなたの自己破産手続きから除外されてしまったことになるからです(裁判所はこうした事態を非常に嫌います)

後から漏れが分かったような場合には途中まで進めた手続きが最初からやり直しになってしまう可能性がありますから、注意しておきましょう。

債権者一覧表には、相手先の正確な住所地(郵送書類などを送る場所)、名称、借入をしている時期と現在の残高、保証人や担保の有無とすでに差押えがあるのかどうかといった情報を記載する必要があります。

借金をしたときには契約書(消費貸借契約書という名称になっていることが多いです)を作成しているはずですので、その内容に基づいて作成しましょう。

④資産目録

資産目録はあなたが手続き開始の時点で所有している資産を一覧で報告するためのもので、これも自己破産手続きを進めるうえで非常に重要な書類といえます(裁判所の窓口で取得できます)

自己破産によって免責を認めてもらうためには、あなたの名義で所有している財産のうち、換金できるものは原則としてすべて債権者に引き渡す必要があるからです。

もし財産の処分を避けるために、意図的に財産を資産目録に掲載しないなどの事実が発覚した場合には、免責が認められない可能性があります。

資産目録に記載する財産は、不動産(土地や建物)、現預金、自動車やバイク、有価証券の口座残高などがあります。

資産目録に記載する財産は、いずれも正確な状況がわかる書類(銀行預金なら預金通帳のコピー、不動産なら登記簿謄本など)が必要で、金額が正確に一致している必要がありますので注意しておきましょう。

⑤家計の収支状況を説明する書類

家計の収支状況を説明する書類は、簡単にいえば申立てをする前の月の家計簿のことで、一か月分の収支場情報を1枚の紙にまとめたものです(ひな形を裁判所の窓口で取得できます)

あなた自身の収入や支出の状況を記すだけでなく、同居している人がいる場合にはその人の情報も記載しなくてはなりません。

自己破産を検討している方の中には、「家族には自己破産しようとしていることや、借金の存在を秘密にしておきたい」とお考えの方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、結論から言うと自己破産の場合には同居の家族に秘密で手続きをするというのは非常に困難と言わざるを得ません。

自己破産によって免責を受けた後はローンを組んだりクレジットカードを利用したりすることも難しくなりますから、生活をしていくうえでは家族の支援が必要になるケースもあるでしょう。

自己破産による免責を受けた後の人を狙う闇金業者なども少なくありませんから、自己破産手続きをした後の生活についても事前に検討しておく必要があることはよく理化しておいてください。

⑥住民票

あなたと同居している人全員分の住民票(申立てをする3か月以内のものを)を取得しましょう。

住民票は市役所で取得するのが基本ですが、住基カードやマイナンバーカードをお持ちの場合はコンビニでも取得可能です。

なお、あなたとあなたの家族との関係が重要な情報となる場合(親族が亡くなっていてその人の遺産をあなたが相続するような場合)には、戸籍謄本の提出を求められることがあります。

また、離婚した配偶者がいて別居の子供に養育費や慰謝料を払っているというような場合(逆にあなたが受け取っている場合も)には、その人との過去の婚姻関係を証明する必要がありますから、こちらも戸籍謄本が必要となります。

⑦収入を証明する書類

あなたが直近で得ている収入の状況を証明する書類が必要です。

具体的には、あなたの職業に応じて次のようなものを取得しましょう。

  • 源泉徴収票:サラリーマンの方の場合、勤務先の会社から年末~年始にかけて年1回発行されるはずです
  • 直近2か月分の給与明細:源泉徴収票に加えて、現在も勤務中であることを証明するために必要です
  • 確定申告書の控え:個人事業主の方や、副業をしている方が作成する書類です。原本は税務署に提出しているはずですのでその際に受け取った控えを提出します
  • 年金受給証明書のコピー:年金を受け取っている人は提出が必要です
  • 生活保護受給証明書:生活保護を受けている人は提出が必要です

⑧銀行預金通帳のコピー

預金を持っている銀行預金通帳のすべてのページをコピーします(直近2年分ぐらい)

過去の分を紛失してしまっている場合には、銀行窓口で再発行を依頼する必要があります(手数料が必要です)

ネットバンキングでは銀行通帳がそもそもないケースが普通ですので、WEB上で発行される取引明細のPDFなどを印刷して提出しましょう。

⑨住居に関する資料

あなたが居住している住居についての書類を提出します。

賃貸アパートやマンションに住んでいる場合は、賃貸借契約書があるはずですのでコピーして提出しましょう。

持ち家に住んでいる場合には、登記簿謄本(法務局で取得できます)を取得して提出しましょう。

実家で家族の持ち家に居住しているという場合には、居住証明書という形で家の持ち主に署名押印をもらう必要があります。

なお、配偶者の所有する家に住んでいる場合には住民票があれば足りますから、居住証明書は特に必要ないでしょう。

⑩借金の金額や借入先に関する資料

債権者一覧表に記載する内容の借金の金額、債権者の詳細情報がわかる書類が必要です。

現在の借金の金額がわかることが重要ですので、督促状や請求書が自宅に届いている場合は直近のものをコピーして提出しましょう。

⑪資産の内容を証明する書類

あなたが所有している財産の情報がわかるものを提出します。

主なものとしては以下のような書類が考えられます。

  • 土地や建物:登記簿謄本(法務局で取得)
  • 自動車やバイク:車検証・買取業者の査定書など
  • 掛け捨てタイプの生命保険:保険証券のコピー
  • 積立タイプの生命保険:解約払戻金の証明書など
  • 退職金:勤務先が発行する証明書
  • 離婚により財産を取得する見込みの場合:財産分与明細書
  • 相続により財産を取得する見込みの場合:財産相続明細書

⑫その他特殊な事情を証明する勝利

その他、あなたが現在置かれている状況で裁判所に知っておいてもらう必要があることがある場合には、それに関連する資料を添付しましょう。

例えば、無職で収入がないという場合は退職時に受け取る離職票が必要です。

病気のために働けないという状況の場合、医師の診断書が必要となることもあります。

自己破産の裁判所手続きのおおまかな流れ

自分で自己破産の手続きを行うことを考えている方向けに、自己破産手続きの大まかな流れについて解説します。

裁判所があなたの自己破産申立てを受理し、最終的に免責決定を出すまでは次のようなステップを踏んでいくことになります。

※なお、自己破産手続きは財産がない人が自己破産する場合の「同時廃止」と財産がある人が自己破産する場合の「管財事件」の2種類の手続きがありますが、実際にはほとんどが同時廃止事件となります。

  • ①必要書類をそろえて裁判所に申立てを行います
  • ②即日面接:申立てをしたその場で裁判官と面接を行います
  • ③破産手続き開始の決定:申立内容に問題がなければ、即日面接をした日の午後5時にこの決定が出され、次の免責審尋の日程が決まります
  • ④免責審尋:自己破産に至った状況について、裁判官に対して説明するために裁判所に出向きます
  • ⑤免責許可決定:問題がなければ免責審尋のおよそ1週間後に免責許可決定が出ます
  • ⑥免責許可決定の確定:裁判所が免責許可決定を出してから1か月が経過するとこの決定が確定します

上は同時廃止の場合の自己破産手続きですが、管財事件の場合には、③破産手続き開始の決定と⑤免責許可決定の間に「管財人との面接」「債権者集会」が行われます。

管財事件では、免責許可が出るまでは3か月~4か月程度の時間が必要となります。

同時廃止となるか、管財事件となるかは、20万円以上の財産があるかどうかによって判断されるケースが多いでしょう(申し立てをする最場所によって扱いが異なります)

自己破産は自分でできる?

ここまで自己破産の必要書類や、手続きの大まかな流れについて解説いたしました。

法律事務所に勤めていたり、法務の経験があったりして法律的な事務に日ごろから慣れている方であれば別ですが、経験のない方には非常に複雑に感じたのではないでしょうか。

裁判所に提出する書類は非常に複雑で、陳述書の内容などはポイントを押さえていないとそもそも免責を認めてもらえない可能性もあります。

(自己破産には免責を認めてもらえない「免責不許可事由」があることにも注意が必要です)

自力で自己破産手続きを行うことに不安がある方は、専門の法律家(司法書士や弁護士)に手続きを代行してもらうことも検討してみてください。

次の項目では、専門家に自己破産の手続の代行を依頼するメリットとデメリットについて解説いたします。

専門家に依頼するメリット・デメリット

専門家(司法書士や弁護士)に自己破産手続きの代行を依頼するメリットとしては、次のようなことが挙げられます。

  • 指示される書類を提出するだけで、陳述書や家計収支といった書類はすべて作成を代行してくれます
  • 専門家は裁判所が求めること、嫌うことを押さえて手続きを進めていくので、スムーズに免責決定まで進むことができます
  • そもそもあなたには自己破産が必要なのか?といった点もふまえて最適な借金解決の方法を提案してもらえます

一方で、専門家に依頼することには次のようなデメリットがあります。

  • 専門家に対して支払う費用が必要になります(同時廃止で30万円程度が相場です。なお、分割払いや後払いにも対応してくれます)

現在手元のお金が無くて苦しい、収入もないので分割払いでも支払いが難しいという場合には、法テラスという公的組織が専門家費用を立替払いしてくれますので、利用を検討してみましょう。

まとめ

今回は、自己破産の手続きを自分でやることを検討している方向けに、手続き上必要になる書類について解説いたしました。

準備するべき書類の多さに面食らってしまった方もいらっしゃるかもしれませんが、じっくりと準備をしながら進めていけば自力で自己破産の手続きを完了することは決して不可能ではありません。

自己破産の手続きが完了すれば、現在あなたが負っている借金はすべてチャラにしてもらえるという大きなメリットがありますから、ぜひ挑戦してみてください。

なお、自己破産手続きを自力で進めることに不安があるという方や、日中は仕事があって手続きをしている余裕がない…という方は、弁護士や司法書士に手続きを代行してもらうことも検討してみてください。

専門家に手続きを依頼すると費用が発生しますが、多くのケースは後払いや分割払いに応じてくれますので、「今は手元にお金がない…」という方も依頼することは可能ですよ。

吉田ライター
吉田ライター
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