総量規制対象のカードローンとは?総量規制以上に借り入れする方法はあるの?

「総量規制を越えた借り入れはできない。」などと、一度は聞いたことがあるかもしれません。しかし、総量規制ってどういう規制なのか知っている人は少ないでしょう。

総量規制とは貸金業法で規定されているもので、借りすぎや貸しすぎを防ぐための法律です。ここでは、総量規制とはどういうものなのかだけでなく、どのような経緯でできたものなのかまで解説していきます。

また、総量規制以上の借り入れは、できないのかについても解説していきます。

総量規制とは何?

Woman
総量規制とはどういう規制なのでしょうか?
Expert
総量規制とは、個人の貸金業からの借入総額が年収の3分の1までに制限されることをいいます。

総量規制施行の背景

総量規制は貸金業法で定められている規定で、貸金業からの個人の借り入れを年収の3分の1以下に抑えるものです。このような規制が定められた背景は、2000年代になった頃からどんどんと多重債務者が増えていったことにあります。

当時は、消費者金融会社が個人に対して、返済能力を無視してどんどん貸し出しを行っていたのです。その結果、2005年頃には日本全国に多重債務者が200万人以上いて、経済的理由により自殺する人も年間7,000人以上でした。

このような状況を打開するために、2010年の貸金業法の改正で総量規制が施行されたのです。

総量規制の対象業者

総量規制は貸金業法で定められているため、総量規制の対象業者は貸金業法の対象業者になります。すなわち、内閣総理大臣や都道府県知事の許可を受けて貸金業として登録している業者です。

具体的には、消費者金融会社や信販会社やクレジット会社などで、銀行や信用金庫は貸金業法の対象外になります。そして、総量規制の対象の金融機関からの借入金の合計が、年収の3分の1を越えることを禁止しているのです。

総量規制の年収に含まれる収入、含まれない収入

消費者金融などの貸金業者からできるだけ多くの金額を借り入れするためには、年収を上げていくことが考えられます。総量規制の基準の年収の3分の1を越えないためには、年収自体を上げれば基準値も上がっていくからです。

それでは、どの収入が総量規制の年収に含まれるのでしょうか。

総量規制の年収に含まれる収入の一例は以下になります。

  • 給与収入
  • 年金収入
  • 不動産の賃貸収入
  • 個人事業者の事業所得

総量規制の年収に含まれない収入の一例は以下になります。

  • 利子や配当などの投資で得た収入
  • 宝くじやギャンブルで得た収入
  • 保険金収入
  • 退職金などの一時的な収入
  • 資産譲渡により得た収入

総量規制対象の借り入れを申し込む時の年収について

ここでは、消費者金融などの貸金業者で借り入れを申し込む時は、どのような形で年収の3分の1を越えていないことが証明されるかを解説していきます。

まず借り手側の申込者ですが、以下の場合に源泉徴収票などの収入証明書の提出が義務付けられています。

  • 貸金業者での申込金額が、50万円を越える時
  • 今回の申込金額を含めた借入金額総額が、100万円を越える時

また、貸し手側の貸金業者は、個人信用情報機関の信用情報照会によって他社での借入金総額を調べられますので、申込金額が総額規制内であるかがわかるのです。

総量規制対象の借り入れについて

Man
総量規制の対象になる借り入れにはどのようなものがありますか?
Expert
基本的には、消費者金融などの貸金業者からの借入金が対象になります。ただし、貸金業者からの借入金であっても、用途によっては一部総量規制の対象外になります。具体的に総量規制対象になる代表的な借入金は、消費者金融系のカードローンやクレジットカードのキャッシングなどです。

総量規制対象貸付けについて

貸金業者の貸付契約の種類は、個人向け貸付け、個人向け保証、法人向け貸付け、法人向け保証の4種類があります。この内、総額規制の対象になるのは個人向け貸付けだけで、個人向け保証や法人向け貸付けや法人向け保証は対象外になります。

すなわち、総量規制の対象は、個人のみで法人は対象外です。ただし、個人向けの貸付けでも、個人が事業資金を借り入れる場合は、総量規制の対象外です。

また、個人でも保証人は対象外のため、保証人に関しては年収の3分の1を越える保証もできるということになります。

総量規制対象外の借り入れについて

ここまで、総量規制の対象の借入金について見てきましたが、借入金の中には総量規制の対象外のものもあります。総量規制対象外ということは、年収の3分の1以上の借り入れができる可能性があるということです。

貸金業法の対象外の業者からの借り入れ

総量規制は貸金業法に規定されているため、貸金業法の対象業種のみに適用されます。そのため、当然のことながら貸金業法の適用を受けない銀行や信用金庫などからの借入金は、総量規制の対象外です。

総量規制の除外と例外

貸し手側の金融機関から見た場合、総量規制には、除外もしくは例外となる貸付けがあります。

除外

総量規制の対象でない貸付けのことをいいます。

総量規制から除外となる貸付けは以下の通りです。

  • つなぎ融資を含む不動産の購入や不動産の改良のための貸付け
  • 動車の購入時の自動車を担保とした貸付け
  • 高額療養費に対するの貸付け
  • 有価証券担保の貸付け
  • 不動産担保の貸付け
  • 売却予定の不動産の売却代金によって返済できる貸付け
  • 融通手形を除く手形の割引
  • 金融商品取引業者が行う500万円超の貸付け
  • 貸金業者が債権者になる金銭貸借契約の媒介

上記の貸付けのうち、割となじみの深いものとしては、不動産や車を担保とした住宅ローンマイカーローンなどです。

例外

例外とは、貸付けをした場合に貸付け金額を、総量規制対象の残高に算入します。そしてその結果、貸付けの残高が年収の3分の1を超えていたとしても、返済の能力があるかを判断した上で、例外的に貸付けする場合のことをいいます。

総量規制から例外となる貸付けは以下の通りです。

  • 顧客側が一方的に有利となる借換え
  • 緊急の場合の医療費の貸付け
  • 社会通念上の緊急に必要だと認められる費用を支払うための貸付け
  • 配偶者と合算した年収の3分の1以下の貸付け
  • 個人事業者に対する貸付け
  • 預金取扱金融機関の貸付けまでに受けるつなぎ資金に係る貸付け

銀行カードローンの自主規制

Man
銀行カードローンの自主規制という言葉をよく聞くのですがどういう意味でしょうか?
Expert
現在では、消費者金融カードローンが総量規制により貸付けが制限しているのと同様に、銀行カードローンについても総量規制並みに貸付けを自主的に制限する自主規制が行われています。総量規制のように法律的な縛りがあるわけではありませんが、銀行カードローンの過剰融資問題への対策として行われています。

自主規制導入の流れ

総量規制の制定

2010年に貸金業法の改正により総量規制が導入され、貸金業は個人に対して年収の3分の1を越える貸付けを規制されました。そのため、借入先がなくなった個人は、総量規制の対象外である銀行カードローンへと流れていったのです。

また、総量規制によって淘汰を余儀なくされた消費者金融会社も、次々と銀行の傘下に入り銀行カードローンの保証会社として間接的に融資を行うようになりました。銀行側も保証会社が保証をしてくれるため、貸倒れリスクがなくどんどんとカードローンの融資料を増やしていったのです。

銀行カードローンの融資量の増加

総量規制の制定により、総量規制対象外の銀行カードローンはどんどんと融資量を伸ばしていきました。一方、消費者金融系カードローンの融資量は減少していき、 2015年の年度末にはついに銀行カードローンの融資量が消費者金融系カードローンの融資量を抜いたのです。

自己破産件数の増加

総量規制の制定後から2015年までは、自己破産の件数がどんどんと減っていきピーク時の5分の1まで減ったのです。この結果は、間違えなく総量規制の効果がでてきたものでした。

しかし、2016年には自己破産件数が増えています。この結果は、銀行カードローンの融資量の増加と、返済能力以上の過剰融資が原因とされています。

日弁連の意見書

日弁連とは日本弁護士連合会の略ですが、その日弁連が2016年9月に貸金業法改正による成果を後退させないために、意見書と声明を発表しました。その意見書や声明によると、銀行にも貸金業者と同様に年収の3分の1を越える貸付けをしないように金融庁の明記国へ法律改正を求めたのです。

また、銀行にも年収の3分の1を越える貸付けをしないように、審査体制の強化を求めました。このことをきっかけに、銀行カードローンの過剰融資は世間に知られ大きな社会問題になっていったのです。

金融庁の調査

銀行カードローンの過剰融資の社会問題化を受けて、2016年に金融庁は銀行カードローンの審査や営業実態を調査すると発表しました。これによって、銀行の監督官庁である金融庁がこの問題を重視し始めたのです。

銀行の自主規制

日弁連の意見書や社会問題化していったことをきっかけに、銀行側も対策を取り始めました。まず、全国銀行協会が各銀行に対し、過剰融資の防止策を求めました。そして、2017年にメガバンク3行は、過剰融資の対策のために以下の対応をすることを発表したのです。

  • 貸金業法と同様に収入証明書の提出基準を50万円超の借入にする
  • みずほ銀行については、総量規制と同様に貸付限度額を年収の2分の1から年収の3分の1に引き下げる
  • 三菱UFJ銀行は、子供の視聴が多い時間帯のカードローンのCMを流さない

みずほ銀行以外の2行についても融資量の規制までは行っていませんが、年収に見合った審査をするように変わってきています。

銀行の自主規制が総量規制並みへ

このように、メガバンク3行が始めた銀行の自主規制は、他の銀行へと続いていったのです。そのため、現在ではどこの銀行カードローンでも総量規制並みの規制が行われていて、簡単にはカードローンの融資量を増やすことができなくなりました。

消費者金融カードローンの紹介

ここでは、総量規制の対象である消費者金融系カードローンのうち代表的なカードローンについて紹介していきます。

アコムのカードローン

アコムのカードローンのスペックは以下になります。

  • 借入限度額:1万円~800万円
  • 金利(実質年率):年3.0%~年18.0%
  • 借入条件:20歳以上で安定した収入と返済能力を有すること、アコムの基準を満たすこと
  • 必要書類:運転免許証(交付を受けていない人は個人番号カードや健康保険証など)、借入総額により収入証明書(源泉徴収票等)
  • 返済方式:定率リボルビング方式
  • 返済期間:最終借入日から最長9年7ヵ月
  • 返済回数:1回~100回
  • 担保:不要
  • 連帯保証人:不要

アコムのカードローンは、一定期間無利息で金利がかからない無利息サービスを行っています。そのため、短期でお金が必要な場合などは金利0円で借り入れできますので、とてもお得なサービスなのです。

アコムのカードローンの無利息サービスの無利息期間と利用するための条件は以下になります。

  • 無利息期間:契約日の翌日から30日間無利息
  • 無利息サービスの条件:アコムでの契約がはじめてであること、返済期日を「35日ごと」で契約すること

プロミスのフリーキャッシング

プロミスのフリーキャッシングのスペックは以下になります。

  • 借入限度額:1万円~500万円
  • 金利(実質年率):年4.5%~年17.8%
  • 借入条件:20歳~69歳の本人に安定した収入があること、パートやアルバイトなどの安定した収入があれば主婦や学生でも借入可能
  • 必要書類:運転免許証(交付を受けていない場合はパスポートまたは健康保険証+1点(住民票など)、希望の借入額が50万円を超える場合や他社の借入との利用残高との合計が100万円を超える場合は収入証明書(源泉徴収票や確定申告書や給与明細書など)
  • 返済方式:残高スライド元利定額返済方式
  • 返済期間:最終借入後原則最長6年9ヶ月
  • 返済回数:1回~80回
  • 担保:不要
  • 連帯保証人:不要

プロミスのフリーキャッシングも、一定期間無利息で金利がかからない無利息サービスを行っています。プロミスのフリーキャッシングのカードローンの無利息サービスの無利息期間と利用するための条件は以下になります。

  • 無利息期間:初回借入日の翌日から30日間無利息
  • 無利息サービスの条件:プロミスを初めて契約すること、Eメールアドレスを登録すること、書面の受取方法を「プロミスのホームページにて書面(Web明細)を確認」にすること

レイクアルサ

レイクアルサのスペックは以下になります。

  • 借入限度額:1万円~500万円
  • 金利(実質年率):年4.5%~年18.0%
  • 借入条件:満20歳~70歳で国内に居住していること
  • 必要書類:運転免許証などの本人確認書類、収入証明書(契約額に応じてレイクアルサが必要とする場合)
  • 返済方式:残高スライドリボルビング方式
  • 返済期間:最長8年
  • 返済回数:最大96回
  • 担保:不要
  • 連帯保証人:不要

レイクアルサも、一定期間無利息で金利がかからない無利息サービスを行っています。レイクアルサの無利息サービスの特徴は、2種類の無利息サービスから選択ができることです。

レイクアルサのカードローンの無利息サービスの無利息期間と利用するための条件は以下になります。

  • 無利息期間:契約日の翌日から30日間無利息、借入残高5万円まで180日間無利息のどちらかを選択
  • 無利息サービスの条件:レイクアルサとの契約が初めてであること

まとめ

  • 総量規制とは貸金業法の中で定められている規定で、貸金業からの個人の借り入れを年収の3分の1以下に抑えるものです。
  • 総量規制が制定された理由として、消費者金融などの貸金業者が返済能力を無視してどんどん貸し出しをしたため、多重債務者が増えたことが挙げられます。
  • 総量規制の対象業者は消費者金融をはじめとする貸金業者で、銀行や信用金庫などは対象外です。
  • 総量規制の制定後、貸金業法の対象外業者である銀行カードローンの融資量が増加しましたが、今度は銀行カードローンの過剰融資が社会問題になりました。
  • 銀行カードローンの過剰融資の問題を解消するために、現在は銀行も総量規制並みの自主規制を行っています。

このように、現在では銀行カードローンも消費者金融系カードローンも年収の3分の1以上の借り入れをすることは難しくなっています。しかし、消費者金融会社などの貸金業者からの借り入れであっても、複数の借り入れを一本化するおまとめローンは総量規制対象外です。

おまとめローンであれば年収の3分の1以上の借り入れができますので、うまく利用して借入金を減らしていくのがおすすめです。

aktkaktk
aktkaktk
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金融機関勤務歴8年ですが、金融機関歴は、信用金庫で営業や融資の窓口を経験して住宅ローンやカードローンなどの個人ローンに強みを持っています。

現在は、銀行のシステムを開発しながら、カードローンや、クレジットカードや、社会保険労務士の資格を活かした年金など金融機関のライティングをしています。

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