【外貨預金】米ドルはいくらならドル安?近年の円高円安の基準を解説します!

しばらくは米中の貿易戦争が懸念されつつも、世界最強の通貨である米ドルはドル高円安基準で動いていました。ところが昨年末にあたりから、通貨のKing米ドルはドル安に向かう動きを見せ始めており、なんと1月3日には1ドル=104円台まで下がってしまうという事態。

104円台に下がったのは約9カ月ぶりのことで、この時にもし米ドルで外貨預金をしていたとすれば、すでに今頃は多少の利益が出ているところです。

米ドルで外貨預金をするならばドル安円高の時を狙うのは鉄則で、最近のドルの動きを見ながら、いつがいいのか、いくらまで下がったらいいのか、疑問に思う人いることでしょう。

今回は、外貨預金の最もベーシックな通貨、米ドルについてご説明していきます。米ドルはいくらならドル安と言えるのか、近年の円高円安の基準を分析しながら解説致します。

円高円安とは

外貨預金を始めたいと思う人の中には、そもそも円高円安とは何なのか、いまいち明確にできない人もいるかもしれません。最初は円高円安の判断が混乱してしまいがちです。

そこで、まずは円高円安について改めて解説しおきたいと思います。

  • 円高の時はドルがたくさん買える
  • 円安の時は買えるドルが少なくなる

ここで勘違いしやすいのが(最初はみんな間違えてしまいます)

  • 1ドルに対して円の価格が下がったら円高
  • 1ドルに対して円の価格が上がったら円安

になります。

Woman
そうなの。ここで何だかややこしくなる。1ドル110円から110円に下がったから円安なのかなと思ってしまうけど逆になるみたいね。

 

Expert

そうなんです。1ドル110円から、113円に円が上がったとすれば円安です。ドルに対する円の価格が上がれば上がるほど、1ドルを買うのにたくさんの日本円が必要になります。だから円安。

反対に円の価格が下がれば下がるほど、1ドルを買うのに少ない日本円で済みます。だから円高。

為替レート

そして、すでにご存知でしょうが、1ドルが日本円でいくらになるのかを決める基準レートのことを為替レートといいます。

為替レートは、世界経済の動きによって常に上がったり下がったり変動しています。

米ドルは世界の通貨の中で最も最強の通貨になりますが、アメリカ経済に対する不安が高まってくると米ドルの価格は下がり始めます。米ドルの力が弱まってくると、日本円の価値が高くなり、ドル安円高傾向に向かっていくのです。

為替レートは、世界経済のニュースも見れる日経新聞にて毎日公開されています。

また、以下のサイトから自分の好きな為替レートアプリをダウンロードできます。

米ドルの動き

それでは、これまでの米ドルと日本円の為替レートを見ていきたいと思います。米ドルは日本円に対してどのように動いているのでしょうか。

先述のように、米ドルは一旦104円まで下がって今現在は110円前後を行ったり来たりしている状態です。ちなみに2019年1月29日3:51AMの為替レートは、1ドル/109円です。

米ドルの為替レートの動きを確認するにあたって、長期、中期、短期の視点で見ておくことが大切です。

長期で見る米ドル

まずは5年間という長期間では米ドルがどのように動いているのかを見ていきましょう。

※米ドル/円の為替レート(2014年~現在)

出典:楽天証券 参考リンク

長期で見ると、

2014年は102円前後で動いており後半から一気に上昇を始め、2015年は120ドルから125ドルあたりの高値圏で動いています。2015年が最も円安傾向にあることがわかります。

ところが2016年からドルの価格は急落していき、円高が進み100円を切る場面もあります。この時期が5年間と言う枠で見ると円高のピークになります。2016年の後半には再び一気に円安に向かっていきますが120ドルを超えるまでには至りません。

外貨預金の例

もし円高のピーク時に1ドル/100円にて、1,000ドルの外貨預金を始めたとします。1,000ドル買うのに10万円払いました。

そして2015年の円安時に、1ドル/125円で日本円に換金しました。すると・・・

1,000ドル×125円=125,000円になりました。(ここから本来は、税金・手数料が引かれます)

わかりやすくするため、為替レートだけで単純に計算していくと、125,000円-100,000円=25,000円となり、外貨預金にて約1年間で2万円5千円の利益が出たことになります。

ところが、2019年まで米ドルのまま保有していたとすれば、利益は約1万円程度に半滅したことになります。

では、次に中期で見てみましょう。

中期で見る米ドル

中期は2017年からの約2年間で見てみましょう。

※2017年~現在

出典:楽天証券 参考リンク

2年間で見ると、

2017年は110円前後から114円前後の範囲を激しく動いているようですが、平均的なドルの価値は安定しているとも言えます。

2018年に入ってからは104円台まで価格は下がってしまいます。その後12月あたりまでは、時折下落の気配を見せつつも上昇をキープしています。

その後は、12月から大幅にドルの価格は下がり、これからどう動いていくのかな、といったところであります。

外貨預金の例

もし、2018年の前半、1ドル/104円の円高の時に→1,000ドル=104,000円で外貨預金をしたとします。

そして、後半に114円の円安時に日本円に戻すと→1,000ドル=114,000円になりました。ということは1万円の利益が実現できたことになります。

短期で見る米ドル

それでは次に短期で見てみましょう。

※2018年8月~現在

出典:楽天証券 参考リンク

6か月の短期で見ていくと、

2018年8月~11月までの4カ月間はあまり価格が動かず、111円~114円の間を行き来しています。一旦は10月の初旬に115円を超えるかなと思えるシーンもありましたが、結局は114円以下で推移していきます。

そして12月からはこれまでの価格帯から大きく下がってしまい、新しい動きを見せ始めています。

外貨預金の例

  • 円高ピーク時の価格→104円
  • 円安ピーク時の価格→115円

もし、2018年11月あたりに数か月ぶりに米ドルが110円まで安くなったと思って、米ドル預金をしたとします。

1ドル/110円→1000ドル=111,000円

しばらくぶりの円安だからと思っていたら、2019年1月初旬に104円まで下がってしまいます。この時点では約6千円の損失を出したことになります。

換金せずに現在まで保有したとしても、トータルはマイナスになっていることになります。

というように、長期、中期、短期と見ていく範囲によって円高時の価格、円安時の価格が異なり、いくらが円高でいくらが円安なのかの判断が難しくなってしまうのです。

安全性を重視して外貨預金をはじめるのであれば、できるだけ長期的な視野で円高がいくらなのかを判断していく必要があります。

例えばFXが外貨預金と大きく異なるのは、10倍、20倍、100倍の通貨を換金していくためほんの短期間(数時間・数日)での利益獲得を狙う点にあります。そもそも取引することが目的となります。
しかし、外貨預金は手持ちの現金を預金として活用していくため、ある程度の長い期間にかけて行うのが一般的です。外貨預金の場合は、預金のついでに利益を狙うことが目的になりますので、気長に考えていくことが成功するポイントです。

外貨預金をはじめるタイミング

そこで、今のドルの価格が円高と言えるかどうかを考えることで、外貨預金をはじめるタイミングを見つけることができます。

よく新聞やニュースで円高・円安という言葉を聞きますが、それがいつの為替レートに対して円高・円安なのかを注意する必要があります。

昨日110円台だったドルが、今日は109円台に下がったとなれば、昨日と比較すれば円高だと言えます。しかし1年前の105円から考えればむしろ円安だということになります。

この円高円安の基準を判断していくために、先ほど見てみた為替チャートから円安・円高の基準をいくつか探していきましょう。

先ほど見てきた為替チャートのグラフに円高時と円安時がわかりやすいように矢印のマークをつけてみます。

  • 赤い⇧は円高(ドルで預金)
  • 青い⇩は円安(円に換金)

では、もう1度、長期・中期・短期と米ドルの動きを見ていきましょう。

長期で見る円高円安

出典:楽天証券 自社作成

約5年間で見る円安時の価格は、100円~105円だと見ることができます。つまり長期で預金していくことを考えれば、1ドル100円~105円あたりに為替レートが動いた時が外貨預金の預け入れるベストタイミングになります。

そして、長期で考えた場合に難しいのが換金時です。円高の時に外貨に預け入れて、円安の時に日本円に戻すのが基本ですが、約5年間の間には3段階に渡って円安価格は動いています。

  • 2015年→125円(円安)
  • 2016年→118円(円安)
  • 2018年→114円(円安)

というように、円安時の価格は年々低下してきている傾向にあり、115円~125円あたりが長期で見る円安の基準だといえるでしょう。

中期で見る円高円安

続いて同じように今度は2年間の円安円高の基準となる価格を見ていきましょう。

出典:楽天証券 自社作成

  • 2017年→円高の基準は110円~110円
  • 2018年~現在→104円~106円くらいが円高の基準

2年間くらいの中期で考えていくならば、104円~110円あたりが外貨を預け入れるタイミングだと言えます。

そして、換金する円高の価格は・・・

円高が進んだ時でも116円を超えることはなく、113円~115円が円高の基準になると言えます。

短期で見る円高円安

では、短期で見る円高円安の基準となる価格はいくらくらいでしょうか。

出典:楽天証券 自社作成

 

2018年

8月→円高110円~円安112円、そして9月・10月にかけて115円近くまで円安が進みます。

10月末→円高111円、そして11月半ばに114円まで円安になります。その後113円前後で価格が動いています。

2019年

1月→円高104円、円安110円となっています。

6か月という短期で考えるならば、105円~110円が円高の基準、110円以上に価格が上がれば円安と判断していくことができるでしょう。

それぞれ、どれくらいの期間に渡って預金をしていくかによって狙う円高円安の基準は変わってくると言えます。長期、中期、短期どの視点で考えていくかによって、預け入れる米ドルの価格も違ってくるでしょう。

ただ、安全圏で考えていくならば、ここ5年間の円高円安の価格を見る限りは、

円高→105円以下

円安→112円以上

を基準にして米ドルの外貨預金を検討していくことができるのではないでしょうか。

慎重になりすぎてもチャンスを逃す

これまで述べてきたように、外貨預金は為替レートの動きが非常に大切ですが、かといって慎重になりすぎてもチャンスを逃す結果となる恐れもあります。

例えば・・・

過去に100円近くまで円高が進んでいるから、100円台になるまで待ってみようと決意して104円まで価格が下がった時に外貨預金を一旦見送るとします。

しかし103円まで下がることはなく、そのまま104円から約半年間で114円まで価格が上がってしまう可能性もあるのです。そうなると、半年間で10万円の利益が得られるチャンスを逃したことになります。

これは、日本円に換金する時にも言えることです。

円安が進んでいる時には、115円超えるまで待ちたいところです。しかし、実際には最後に115円を超えたのは約2年近く前のことです。114円台からそのまま円高が進んでしまう可能性もあるわけです。

ですから、ほどほどの円高円安の基準にて、自分なりに欲を出し過ぎずに判断することがポイントになるでしょう。

円高円安や為替レートに関する記事はこちらでも・・・

米ドルはおすすめ?

ごく最近104円台に下がってしまった米ドルを見るにつけ、また、米ドルが安くなる時期がくるかなと、今、米ドルでの外貨預金を検討する人も増えていると思います。

世界中にはいろんな通貨があり、国内の金融機関でも様々な外貨を取り扱っているようです。そんな中、外貨預金をするのであれば、やはり米ドル預金がおすすめなのかなと迷う人もいるでしょう。

そこで米ドルの外貨預金のメリットやデメリットを今後の展開も考えながらご紹介していきます。

米ドルのメリット

米ドルは、FXをはじめ外貨預金や海外旅行での両替、貿易上の取引き、原油や貴金属などの商品の取引きなどで世界で最も利用量の多い通貨です。海外旅行やネットショッピングなどで使う機会がある人もいるでしょう。

世界で最も利用量が多いということは、自国の通貨から米ドルへ両替を行う人の数が多いということです。常にニーズのある通貨ですから、価格が暴落しにくいというメリットがあります。

同時に、アメリカは世界経済の中心となる国でもあります。政治的・経済的に安定している主要先進国をリードする立場でもあることから、アメリカ経済が他国よりも困窮した状況になるとは考えづらく、国際的な主要通貨として世界では最強の通貨でもあります。

また、このように安定した最強の通貨であるにも関わらず、金利がそこそこに高いのも魅力の1つです。アメリカの金融政策金利は最新のデータによると2.50%で、国内の外貨預金でも1.00%~2.00%前後の金利がつく場合が多くなります。

最後にアメリカはIT革新を起こした数々の天才技術者が誕生した国でもあります。自由な発想と平和と平等を基盤にした実力主義の社会です。今後も世界をリードすべく技術者達が育ちやすい土壌があり、さらなる発展を期待することができます。

米ドルのデメリット

米ドルのデメリットとして、まず第一考えられるのが、トランプ政権によって政策変動が激しい状態にあることです。これは、裏を返せばメリットでもあります。

というのも、そもそもトランプ大統領の方針として、民衆が驚くような発言をすることがモットーとされているからです。普通なら非常識だとも思える言動を、おそらく戦略として途用しているのでしょうが、頻繁に使っています。

結果的には好ましい方向に向かうケースが多いのですが、その奇想天外なパフォーマンスによって、世界中の投資家が右に左に、上に下にと激しく振り回される傾向にあるのです。

そのいい例が、現在の米中の貿易戦争です。トランプ氏が何か発言する度に株も通貨も先物も上がったり下がったりと激しい動きを見せています。

過去のデータを見ても歴然としていますが、トランプ氏がトップの座についてからというもの、価格変動の幅はこれまでになく激しくなっています。(その分値上がりもしやすい)

であるからして、今後のトランプ大統領の発言次第では、ドルが暴落してしまう可能性も秘めています。ただ、暴落してもまたすぐに価格が戻るというのが、トランプ流ではあります。

リスクと対策

米ドルで外貨預金を行うにあたっては、大まかには上記のようなメリット・デメリットを理解しておく必要があります。

そして、米ドルに限らず、外貨預金には為替レートによるリスクが生じることを避けることはできません。常に動く為替レートによって、いかに利益を得るかは、今回ご説明したようにすべては預け入れるタイミングにかかっています。

いくらなら円高だといえるか、いくらなら円安だといえるか、それぞれの預金計画によってあらかじめ、ある程度の目安をつけておくことが大切です。

外貨預金の基本は、円高時に預け入れ、円安時に日本円へ払い戻しをすることです。

また、今回いくつかの為替レートのチャートを見てもわかるように円高円安の価格帯も常に変動していきます。価格が下がったとしても、上がったとしても、パニック売りやパニック買いに走らないように注意する必要があります。時には、数日様子を見ることも大切です。

自動積立は絶対にNG

また、外貨預金で絶対にしてはならないのが、自動積立預金です。自動積立にしてしまえば、為替レートに関わらず、勝手にドルへ換金されてしまいます。

せっかく積み立てをしていくのであれば、円高円安基準に従って、円高にくるたびに少しずつ預金をしていく方が確実です。必ずしも毎月預け入れる必要はないのです。ドル安が進んだ時だけ定期的にいくらか預金を続けていけば、円安になった時に換金できる金額も大きくなります。

外貨預金でおすすめの銀行はこちらのサイトを参考にして下さい。

まとめ

いかかでしたでしょうか。今回は外貨預金では最もポピュラーな米ドルについて解説致しました。米ドルの為替レートの動きを、長期・中期・短期と見ていくことで、円高・円安の基準価格を掴んでいく方法がわかりました。

最近ではドルの価格が110円以下に下がる場面も増えてきたようです。様子を見て100円~105円前後あたりで米ドルの外貨預金を始めるのが理想的だと言えるでしょう。もちろん、預け入れ時の為替レートは円高に進めば進むほど、高い利益を狙うことが可能です。

2019年、これからの米ドルの動きを楽しみながら、外貨預金の準備を進めていきましょう。

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