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消費税10%が実施されるにあたって適用される軽減税率制度のことは、小売り・飲食関連の経営者であれば皆さんもすでにご存じでしょう。軽減税率対策としてPOSレジを導入する際には補助金が支給されますが、その申請期限は2019年12月16日までとなっています。
まだまだ、時間があるなと見送っている人も多いでしょうが、早めにどんなPOSレジがあるのかを見ておくことが大切です。できるだけ多くのPOSレジの種類を比較して、それぞれの要望に合ったPOSレジを選びたいものです。
今回は、どんなPOSレジがあるのか、そしてどのように選んでいけばいいのか参考になるように、おすすめのPOSレジ5選をご紹介致します。
選び方のポイントも合わせて解説していきますので、ぜひ、参考にしてみて下さい。
軽減税率対策
2019年10月に消費税が10%に増税されることが決定し、それと同時に適用されるのが軽減税率制度です。
軽減税率制度とは経営者の皆さまもすでにご存じのように、ケータリングや店舗内の飲食を除いたすべての飲食料品の税金が2%軽減される制度のことです。
ここで厄介なのが、複数税率によって会計がややこしくなってしまうことです。この複数税率への対策として今推奨されているのが、POSレジです。
軽減税率対策としてPOSレジを導入する場合には、国・自治体から補助金が支給されます。
軽減税率対策補助金の概要
それでは、この補助金の概要を簡単にご説明しておきましょう。
まずレジ関連で補助金の対象となるものは、
- 複数税率に対応できるレジの導入
- 複数税率に対応するために既存のレジを改修
- PC・モバイルなどの端末を利用するPOSレジ
- 既存のPOSレジを複数税率に対応できるよう改修
上記の場合にかかる費用に対して補助金が支給されます。補助金の上限は総額200万円、レジ1台に対して20万円、支給比率は3/4~2/3となります。
さらに、レジだけに限らず受発注システムの購入や改修なども補助金の対象となります。今回の記事はPOSレジに焦点をしぼって解説していきます。
※軽減税率対策の補助金の詳細はこちら
申請の期限と申し込み方法
補助金の申請期限は、2019年12月16日までとなっています。
補助金の対象であるPOSレジであることや、補助金の申請対象となる販売店からの購入であることが条件となっているので注意して下さい。
申請方法は、経営者自身が必要書類を揃えて各自で申し込む方法と、販売店にサポートしてもらって代理申請してもらう方法と選ぶことができます。
基本的に申請方法などは、すべて販売店がサポートしてくれますが、ある程度の流れがわかっている方が安心して効率よく進めていけるでしょう。
POSレジとは
それでは、ここでPOSレジとはそもそもどのようなレジのことを言うのかをご説明しておきたいと思います。
POSレジとは、基本的にPCやスマホ、タブレットなどのIT機器に接続して使用するレジのことです。ただ、このPOSレジは会計を行うだけでなく、様々な機能が併用できるというメリットがあります。
これらの様々な機能を活用して、経営者の皆さまの売上げ向上に大きく役立つことが期待できるのです。
POSレジでできること
POSレジがこれまでのレジと大きく異なる点は、複数税率が自動的に計算できるだけでなく、顧客のデータを管理、統計、分析できることです。
- いつ
- 何が
- 何個で
- いくらで
などの情報を正確に記録していくことが可能となります。さらに、POSレジの機能によっては、
- 顧客の性別
- 年代
- 職業・客層(家族か会社員かなど)
- 時間帯・曜日
などと、より細かい情報を調査していくことが可能なのです。また、追加機能をつけることで、
- スタッフのシフト管理や給与計算
- 仕入れや在庫管理
- 自動オーダーシステム
- 多店舗の情報を集結
- 顧客へのメールマガジン
などと、用途に応じて経営全体をサポートしていくことができるのです。
POSレジを利用するには、インターネット回線やWi-Fi設備があることと、接続できる端末があることが最低条件となります。
→端末機器の費用はすべて1まとめにして、初期費用(POSレジに必要)として補助金の対象と考えていくことができます。(ただし、インターネット回線にかかる経費はすべて自己負担となります。)
※POSレジとは何なのか詳しくはこちら
POSレジの種類
では、POSレジの種類には大まかに、どのようなものがあるのかをご紹介します。
- スマホ端末で使うもの
- タブレットで使うもの
- PCで使うもの
- レジ型の機器で使うもの
これらはすべてインターネット回線に接続して利用していくことになります。
さらに、POSレジと同時にキャッシュレス決済を開始する場合には、それにかかる費用を合算して補助金を申請することが可能です。
POSレジのほとんどが、キャッシュレス決済サービスも提供していますので、同時に検討しておくといいでしょう。
※キャッシュレス決済についてはこちら
おすすめのPOSレジ5選!
それでは、小売り・飲食業では欠かすことのできない「レジ」を、今回「POSレジ」へと切り替えるにあたって、どのようなポイントで選んでいけばいいのでしょうか?
選び方のポイント
それぞれの経営スタイルに応じた、最適なPOSレジを選ぶポイントをまとめてみました。
- 補助金が支給されるとして予算はいくら
- 現在、インターネット回線はあるのか
- スマホ・タブレットの機種は
- 事務処理も含めてPCを利用するかどうか
- 他にも複数の店舗があるか
- 精算・会計だけができれば十分か
- その他の機能も使えるものがいいか
さらに小売り業であれば、
- オンライン通販も行っているか
- どのような決済方法が利用できるか
- メールサービスを利用するか
また飲食店であれば、
- オーダー機能も連結させるか
- キッチンと連結させるか
- 食材の管理も統一させるか
などを考慮して選ぶことがポイントになります。
それでは、おすすめのPOSレジ5選をご紹介致します。価格や導入方法、どんなお店におすすめなのかも、一緒にご説明していきますので、参考にして下さい!
Orange POS
Orange POSレジはタブレット端末をレジとして使うPOSシステムです。飲食店、小売り店の両方におすすめです。店舗の規模やスタイルに応じて、導入システムの組み合わせを選ぶことができるので便利です。
価格
POSアプリの使用だけであれば、月額料金9,800円~選べます。
端末から購入する場合は、揃える機器によって初期費用が10万~20万程度かかります。(端末数やプランによる)
機能
Orange POS
基本的なレジ機能のクラウド型アプリです。iPad、iPad miniなどと連結させてハンディターミナルのアプリを追加して使うことができます。
Orange Handy
飲食店などのオーダー用のハンディとして使うことができます。(ipad、iPad mini)
Orange Reserve
お店の予約から顧客管理、集計などに使える機能です。系列店の予約情報なども一括して管理できます。
Orange Stock
帳簿を使わなくても、在庫管理が可能です。バーコードリーダーと連結できます。
orange Signage
タブレットの画面を店内でのおすすめ商品のディスプレイや、メニュー替わりに活用できます。
上記のアプリが主な機能となり、要望に合わせて組み合わせることが可能です。その他にもキャッシュレス決済機能を追加したり、キャッシュドロアなどの周辺機器を追加したり相談することができます。
Orange POSの詳細はこちらから
こんなお店におすすめ
これから初めてインターネット回線を導入する人でも、シンプルで使いやすいPOSです。料金もわかりやすく、30日間の無料トライアルもあります。
初期費用をできるだけ抑えて、基本的な機能で効率よくPOSレジを使っていきたいお店におすすめです。
HANJOUーREJI
飲食店経営歴15年の店長が開発した飲食向けのPOSレジならHANJOU-REJIがおすすめです。現場の人間や飲食店の経営者にしかわからない様々なニーズに応えてくれます。
すでに利用中の端末を使うか、端末から用意するなど、状況に応じてご相談して頂けます。
価格
初期費用:ハンディやその他機器一式で65万円前後(機能やプランによる)
月々の使用料は小規模店舗であれば1万円から選ぶことができます。
機能
基本的なレジ機能にプラスで以下の機能がセットになっています。
リアルタイム営業速報
売上げ、来客状況、スタッフ出勤状況がスマホで確認できる
給与計算
土日、深夜、残業手当などを自動計算
売上げアップ
顧客リストの作成、DM作成など
タイムカード
打刻時に写真撮影つきで勤怠管理ができる
監査
レシート修正を完全監査して不正を防ぐ
分析
商品の分析、売上分析のランキングなど
HANJOU-POSレジの情報はこちら
こんなお店におすすめ
基本的な複数税率機能だけでなく、売上戦略やスタッフ管理などを徹底的に追求していきたい経営者に満足できるPOSレジです。
事務的な作業がかなり削減できるので人件費の節約にもつながります。また、金銭面での監査機能もあるのでお店にあまり滞在しない店長やオーナーにも適しています。
Air POS
すでにPCやタブレット、スマホなどの端末を複数利用中の人におすすめなのがAir POSです。Air POSレジはマルチプラットフォーム型のWebベースのPOSアプリケーションです。
オーダー機能、レジ機能、決済拡張機能などの様々な機能が、Mac、Windows、Android、Appleと柔軟に対応できます。
価格
初期費用:店舗経営に必要な機能一式にて50万円前後 (機能、プランによる)
POSレジに必要なソフトウェアを購入するタイプになります。複数店舗の場合は対応するサーバー数に応じて別途料金がかかります。その他必要な周辺機器などご相談頂けます。
機能
レジ機能
料金精算、注文商品管理、入出金記録など
表示・印刷機能
各種ディスプレイ、プリンター出力、キッチンプリンター・ディスプレイ対応など
決済拡張
各種クレジットカード、電子マネー
オーダー機能
注文受付、売上記録、棚卸、在庫管理など
顧客管理機能
商品・利用者登録、販売状況、リアルモニタリング、売上げ日報作成など
AirPOSは日本ソルテック株式会社が提供しています。詳しくはこちらから。
こんなお店におすすめ
オンラインショッピングの比率が多いお店や、数種の端末や機器を併用しているお店におすすめのPOSレジシステムです。Web構築を根本的に確立させたいオーナーには嬉しいPOSです。
決済機能がすでに基本システムに組まれているのも大きなメリットです。さらに、小売り・飲食店のお店の状況に応じてプランや機能を相談することができます。
Airレジ
すでにiPadを利用中で、補助金はいらないから最低限のレジ機能を費用をかけずに使いたい場合におすすめのPOSレジです。
これから端末を用意する人や、レシートプリンターやバーコードリーダーなどの端末を揃えたい人は補助金を活用することも可能です。
価格
基本的なレジ機能のアプリを無料でダウンロードすることができます。
iPadの端末費用やその他周辺機器は別途にかかります。オーダー用のハンディ機能を追加する場合は無料の会員登録をした後で要問合せとなります。
機能
iPadで無料で利用できる範囲は、
レジ機能
精算、会計、売上げ分析などの基本的なPOSレジ機能が無料で利用できる
確認・分析機能
いつでも、どこでも売上げ状況をリアルタイムで確認・分析できて、メニュー作成や在庫管理に活用することができる
レジ締め・会計機能
打ち間違いや計算ミスを防いで、レジ締めも簡単で時間を短縮できる
メニューの価格や変更
レジに入力するメニューの価格や内容の変更が簡単に設定できる
その他プリンターやキャッシュドロア、決済機器などの周辺機器との連結も可能で、今ならキャッシュレス決済用のリーダーが無料です。(決済手数料は別途かかります)
Airレジで費用をかけずにPOSを活用したい方はこちら
こんなお店におすすめ
とにかく費用をかけずにPOSレジを導入したいお店にはAirレジがおすすめです。すでにiPadの利用があるけれど、わざわざPOSレジの導入をするつもりがない経営者も、無料で試しに使ってみることができます。
あるいは、ipadや周辺機器なども揃えたいけれど、初期費用を抑えていきたい場合にも、補助金の申請をしつつAirレジを無料で利用していくことが可能です。
POS+(ポスタス)
iPadを利用中の人であれば、利用できるPOSレジシステムの種類も多いのですが、Androidを利用中の人は利用できるPOSも少なくなるのが難点です。
そこで、Androidでもお得に利用できるPOSレジがPOS+です。
価格
初期費用:16万円前後→現地調査や初期サポートなど導入にかかる費用です。
月額費用:12,000円~
その他、端末代金や周辺機器などが別途かかります。追加オプションの料金などが明確に表示されてあることがこのPOSレジのメリットで、具体的な料金がわかりやすいので安心です。
機能
基本的なレジ機能にプラス、
客層実績
曜日や来客数、年代の統計だけでなく、来店目的や各顧客の好みなどをカスタマイズ
視点分析
来店頻度の多い客層、来店頻度の少ない客層を分析し、対策を講じることができる
競合との比較分析
近隣店舗や似たような競合販売店との平均売上を比較することができる
売上げ金額ランキング
商品カテゴリー別に3か月ごとの売上げランキングの統計
統計機能
過去3か月、月別、日別、性別に分けて細かく統計を出していける
多言語・他通貨対応
英語・中国語・ベトナム語・タイ語・韓国語での対応が可能で、外国通貨の取り扱いもあり海外進出を支援
免税対応
特別な機器を使わずに手軽に免税対応が可能
Androidハンディ対応
Andoroid端末のハンディが使えます
分析機能が充実したPOS+の詳細はこちら
こんなお店におすすめ
経営者の趣向でAndroid端末を利用したいお店におすすめです。同時に、本格的なマーケティング分析に力を入れていきたいお店、海外進出を狙うお店でも非常に役に立つPOSレジだと言えます。
すべての機能を利用すると、費用も高くなってしまいますが、必要な機能を上手に組み合わせることで効果の高いPOSレジの活用が可能となるでしょう。売上げ向上を目指し、競合に勝ち抜いていくために、自社を徹底的に分析することは必須です。
※こちらの記事でも、POSレジのメリット・デメリットやおすすめのPOSレジをご紹介しています。参考に見ておいて下さい。
まとめ
今回ご紹介したように、POSレジは単に複数税率に対応するだけではなく、様々な用途に活用していくことができる便利なシステムです。
せっかく補助金が活用できるのであれば、端末の購入も含めて、POSレジの導入をこの機会に検討したいものです。
お店の規模や経営スタイル、営業方法などに合わせて、様々なタイプのPOSレジから適切なものを選ぶことができます。いくつか選び方のポイントをご紹介しておきましたが、
- まずは、どの端末を主に使っていきたいか
- そして、どの程度の機能を求めるか
- 最後に費用はいくらまでなら可能か
などによって選ぶPOSレジも変わってくるでしょう。それぞれのお店にとって、最強の武器となるPOSレジを探すのに今回の記事をどうぞお役立て下さい。