老後資金、結局いったいいくら必要?準備すべき金額と増やし方について

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年金が減るとか、定年を過ぎても働かなきゃいけないとか・・・なんだか将来不安になることばかり。

でも結局、老後のためにはいくら備えればいいの?

老後についての不安は、いったいいくらかかるのか、今からいくら準備しなければならないか・・・先のこと過ぎて漠然としていますよね。

とはいえ、今や年金や退職金も当てにならず、それどころかいつリストラがあるか、さらに正社員で定年まで働き続けることすら難しくなってきました。

そんな不安を解消するのが、貯蓄や金融商品での備え。やみくもに貯金するのではなく、しっかりライフプランを立てて見通しを持つだけでも、違いがあります。

具体的な数字や目標がある方が、不安やもやもやは半減しますし、目安がある分精神的にも余裕が出てきます。

今回は、老後に必要な金額と貯めるための心得、貯める方法など、具体的にまとめてみました。

老後のお金、いくら必要?

まずそもそも老後のお金はいくら必要になるのでしょうか?

年金がどうなるかは今のところ何とも分かりません。

しかし、最低でも、年金でカバーできない金額だけでも把握していれば、その分の貯蓄をしておけばリスクを回避できます。

例えば、老後の生活費が最低月20万と仮定して、老後の必要資金を考えてみましょう。

前提

  • 平均生活費 20万/月(夫婦2人)
  • 平均年金額 13万/月(夫婦2人分の老齢基礎年金のみ。厚生年金は無し)
  • 平均寿命 85歳(平均寿命は83.87歳だが、計算上少し長めに仮定)

参考:総務省統計局 家計調査報告(家計収支編)

http://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/nen/index.html

厚生労働省 平成 30 年度の年金額改定

https://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-12502000-Nenkinkyoku-Nenkinka/0000192296.pdf

厚生労働省 第22回生命表(完全生命表)の概況

https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/22th/index.html

すると、

  • 生活費:20万×12か月×(85歳-60歳)年間=6000万
  • 支給される年金:13万×12か月×(85歳-60歳)年間=3900万
  • 差額 6000万-3900万=2100万

仮にこの前提で生活するには、2100万足りないということになります。

つまり、退職後は年金しか収入がないとすると、60歳時点での最低貯金額が2100万必要になってきます。

最低限生活するだけでもこれだけ必要と考えると・・・

もし病気になって手術が必要になったり、介護施設にお世話になる、身寄りがなくヘルパーさんを頼む、弁護士に財産の管理をしてもらうなど考えると、さらにお金かかると予測されます。

また、自営業者の場合は国民年金のみの加入となるため、サラリーマンに比べて受け取れる年金額は少なくなります。

しかも、自営業者には退職金がありません。そのため、60歳以降も働く必要が出てくる方もいるでしょう。

※さらに、もっと詳しく計算したい、個別に細かく考えたい方はこちら。簡単にシミュレーションできるサイトもありますので、そちらでチェックしてみましょう。

参照:老後の生活費(夫婦) 計算シミュレーション

https://seikatsuhi.com/rougohuuhu.html

貯めるための心得

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こんなにお金が必要なんて!それじゃあ、今からどんな対策をしたらいいの?

こんな風に、まとまった金額を見ると、とっても驚きますよね。

しかし、これは退職後25年間かかるお金です。もし、今あなたが35歳であれば、退職までの年月と同じ期間です。

そう考えると、結構長く感じませんか?その長い時間に少しずつ貯めていけばいいのです。

長期にわたってお金を貯めるためのポイント、それは3つです。

コツコツ少しずつ貯める

まず、これが王道でしょう。給与から毎月いくら貯金に回すなど、きちんとお金の流れを作っておけば、あとはその流れを維持していけばいいのです。

具体的な金融商品としては、定期積立預金や財形貯蓄など、コツコツ毎月一定額貯められるものがお勧めです。

特に、給与からの天引きできる財形貯蓄は、「財形住宅融資」という住宅購入にお得な制度を利用できます

マイホーム購入の予定がある方は、勤務先に確認し、この制度を利用してみると良いでしょう。

ライフプランを立てて計画的に使う

長い人生、どうしてもまとまったお金が必要になる時はあるもの。

主に、教育費・住宅購入などですが、これらは急に入用になるものではありません。ある程度、時期がわかっていますので、計画的に貯めて使うのがベストです。

そのためには、あらかじめライフプランを立てておきましょう。

最近ではいくつかの質問に答えるだけで、ライフプラン表を作成してくれるサイトもたくさんあります。

細かくライフプランを立てる前にざっくりと考えたいなど、そんな時にも便利なサービスです。

参照:日本FP協会 ライフプラン診断

https://www.jafp.or.jp/know/lifeplan/simulation/

金融商品を長期的に運用する

老後資金の準備期間は20~30年と長いもの。この時間を味方につけられるのが資産運用です。

もちろんリスクはありますが、資産運用は細く長く着実に運用することで、長期的に見ると資金を増やせる商品です。

資産運用はよくわからないから自信がない!という方も、今から勉強して知識を増やしたり、毎月一定額積み立て投資するのもいいかもしれません。

具体的には、個人年金保険や確定拠出年金などは、生命保険の機能もあり、また退職後の年金も準備できる老後に特化した金融商品になります。

運用する商品は最初はわからなくても、知識を付けていくにつれて、自分に合った運用ができるようになりますので、気長に続けていくつもりで始めてみるのもいいかもしれません。

金融商品で増やすには?

さて、貯める心得の一つとして、「資産運用で増やす」ということをお話ししました。

老後資金は20年30年という長い時間を味方にできますので、金融機関の商品のことをよく知ってうまく利用すれば、資金を増やすことができます。

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でも、どのくらいの金利で、どのくらいの期間運用したらいいの?

そんな方に目安をして知ってもらいたいのが「72の法則」

これは、資産運用で元本を2倍にするためのおおよその年数や金利が簡単に求められる法則のことです。

公式は下記のようになります。

  • 72÷金利≒お金が2倍になる期間
  • 72÷お金が2倍になる期間≒金利

参照:大和ネクスト銀行 マネー賢者は知っている「72の法則」とは ?

https://www.bank-daiwa.co.jp/column/articles/2017/2017_43.html

例えば、500万円を2倍にしたいと考えている場合、

  • 年利2%で運用: 72÷2(%)=36(年)
  • 30年後に2倍にしたい: 72÷30(年)=2.4(%)

このように、運用したい金利と期間どちらかがわかっていれば、目安の期間や金利が求められます。

大体の老後資金の準備期間は30年前後になりますから、金利を2.4%を目安に設定して運用していけばよいでしょう。

老後資金を増やすための、主な金融商品

老後資金を増やすために特化した、主な金融商品は「個人年金保険」と「確定拠出年金」でしょう。

どちらも、保険料を年金のように積み立てて60歳以降に保険金を受け取ることができます。

また、保険料を払っている間は、生命保険のように死亡保障や傷害補償など、万が一のリスクに備えることができます。

さらに、住民税や所得税などの控除枠があり、節税効果もあるということで注目されています。

個人年金保険

参照:安田生命保険 個人年金保険「年金かけはし」

https://www.meijiyasuda.co.jp/find/ld/kakehashi.html?banner_id=nnnn1806110001&gclid=EAIaIQobChMIuvDCg4X53QIVxwQqCh2btQLWEAMYASAAEgJ7GfD_BwE

仕組み

生命保険のように毎月保険料を支払い、それを積み立てていくことで、将来、年金として受け取れるようにする保険。

受け取り方

個人年金保険の受け取り方には、いくつか種類があります。大きく分けると、「一時金」としての受け取り方と、「年金形式」の受け取り方があります。

  • 一時金で受け取る:今まで積み立ててきた個人年金を、まとめて一括して受け取るもの。年金形式で受け取る場合より、総額でみると少なくなる傾向がある。早めにもらって計画的に使う予定の方や、保険会社が倒産したらどうしようと将来に不安のある方におすすめ。
  • 年金形式で受け取る:公的年金と同じように毎月一定の金額をコンスタントに受け取る方式。受け取り方には「終身年金」「確定年金」「有期年金」の3つがあり、商品によって受け取り方を選べます。
税制上の優遇

一般的な生命保険と同じく、「生命保険料控除」が受けられます。

また、条件を満たせば「個人年金保険料控除」も受けられます。

さらに変額個人年金であれば、相続税の非課税枠が利用できますので、万が一の時の税金対策としても有効です。

参考:みずほ銀行 節税効果のある”個人年金保険”と”iDeCo”で賢く老後に備える。

https://kurashi-okane.mizuhobank.co.jp/000120.html

確定拠出年金

参照:iDeCo公式サイト

https://www.ideco-koushiki.jp/

仕組み

確定拠出年金には「個人型」と「企業型」の2つがあります。

「企業型」は、勤務先に申し込み、企業ごとに加入するのが原則になります。基本的にその勤務先に努めている方しか加入できず、退職した場合は確定拠出年金からも脱退することになります。

「個人型」は、iDeCoと呼ばれ、原則20歳から60歳の方であれば、加入できます。近年、加入資格の幅が広がり、専業主婦や会社員・公務員などより多くの方が加入できるようになりました。

受け取り方

個人年金保険と同じで、原則60歳から一時金で受け取る方法と年金方式で受け取る方法を選択できます。

また、病気や怪我で万が一の時にも障害給付金や死亡一時金が受け取れるのも魅力です。

  • 老齢給付金:原則として60歳から、年金または一時金として支給されます。
  • 障害給付金:高度障害時に、年金または一時金として支給される。
  • 死亡一時金:死亡時に一時金として支給される。
税制上の優遇

iDeCoにも、個人年金保険と同じように所得税の控除制度があり、「所得税」「住民税」の控除枠が利用できます。

控除額は、積み立てた掛け金の全額が所得控除の対象になります。

年末調整や確定申告を行うことで、所得や掛け金に応じて納めた税金が戻ってきます。

参考:お金のミカタ 余裕のある老後を送るためには?年金を増やす裏ワザ5選

https://okane-mikata.jp/?p=8303

そのほかのお得な増やし方

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金融商品で増やすとはいっても・・・リスクがあるからには確実に増やせるとは言えない・・・。

他の方法はないの?

長い期間をかけてコツコツ増やす、金融商品を使って資産運用する以外には、どんな方法があるでしょう?

特に、老後間近・老後に入ってからも生活資金を確保するにはどうしたらよいのでしょうか?

そのポイントは下記の3つです。

  • 不動産収入などのストック収入を増やす
  • 高齢者雇用でフロー収入を増やす
  • 繰り下げ受給を利用する

不動産収入などのストック収入を増やす

収入にはフロー収入とストック収入の2種類があります。

  • フロー収入:お給料、日々の稼ぎ・自営業でいう利益など。働いた対価として得られる収入。
  • ストック収入:家賃収入など、資産から入ってくる収入。銀行からの利息、不動産収入など。働かなくとも、持っている資産を利用することで得られる収入

この2つの収入のうち、仕事を辞めても安定的に入ってくるのは「ストック収入」です。

若いうちに資金を貯め不動産を買い、老後はそれらの資産を活用することで、ストック所得を得る方法などが代表的なものになります。

老後も一定の収入が途切れないことは、生活するうえでとてもメリットがあります。それは、老後も働いて収入を得ることも同じです。

しかし、万が一、病気や怪我で働けなくなった時を考えると、やはり老後はフロー収入よりストック収入の方が安心であると言えるでしょう。

しかし、この方法でお金を得るには、そもそも資産がなければ得られません。

老後になってからその資金源を準備するのでは間に合いませんので、若いうちから運用商品の売買や積み立てをしたり、不動産を購入しておく必要があります。

こちらも計画的に準備しておくことが重要です。

高齢者雇用でフロー収入を増やす

定年退職した後も働く「高齢者雇用継続給付」を利用して収入を絶やさない、という手もあります。

定年を過ぎても、働くメリットとしては「収入が得られる」ほかにも、「規則正しい生活ができる」「社会とのつながりが途切れない」という点があります。

高齢者雇用継続給付で収入を得ていると、年金の受取額が減ってしまうというデメリットはありますが、そこは後にご説明する「繰り下げ返済」との合わせ技で解決できます。

繰り下げ受給を利用する

定年退職してもしばらくは働く予定の方は、「繰り下げ受給」をすることで、受給額全体を増やすことができます。

遅くもらう分、受給額が増額されるため、65歳まで高齢者雇用継続給付で働ける方は、こちらを利用して受給額を増やすという方法があります。

また、ご夫婦であれば、どちらかの年金を繰り下げして世帯全体の受給額を増やすという選択もありますので、老後資金や貯蓄額を比較しながら、検討してみましょう。

※注意:繰り上げ受給は、一度申請すると途中でやめることができませんので、ご注意ください。

参照:てつづきの美学 高年齢雇用継続給付を受けると年金はいくら減る?調べ方と計算方法を解説

https://tetuduki-b.com/kounenreikoyou-nenkin

まとめ

早ければ早いほどいい、老後の備え。そうは言いますが、実際いくら準備して、具体的に何をやって備えたらいいのかわからないもの。

最近の若い世代は不況を経験しているので、老後の備えに現実的です。しかし、気になっているけれど、いったい何をすればいいか?それがわからず不安になっている人が多いのではないでしょうか?

やみくもに貯金をして、今の生活を犠牲にするというのも考え物です。

基本的には、若いうちは老後までの長い時間を利用して、無理のない貯金と資産運用に努めたほうが良いでしょう。

老後の備えは早めれば早いほど、コツコツ積み立てていくことができますし、家賃収入用の不動産を買う資金を準備することもできます。

特に、将来ストック収入を考えている人は、マネープランを立てておきましょう。

また、老後になっても収入を絶やさないようにするのであれば、高齢者雇用制度を利用して、長く社会に貢献することも一つの手です。

なんにせよ、老後を楽しく暮らすには健康が一番。

働くにせよ、年金と貯蓄で悠々自適に暮らすにせよ、健康で病気怪我などしないことが一番ですし、医療費の節約にもなります。

お金ももちろん大事ですが、老後も元気でいられるような健康づくりにも気を使っていきたいですね。

takano
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金融機関勤務後、FPの資格を活かしてフリーライターとしてお仕事しています。
得意分野は、金融系全般に関すること。
なかなか聞けないお金の悩みについて、記事を書いています。
預金・住宅ローン・年金・税金・保険・外貨預金・投資信託など。
銀行の窓口で取り扱っているものを中心に、ご相談いただいております。

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