住宅ローン控除と住宅取得資金贈与を上手に使って得しよう!

住宅ローン控除については、一軒家やマンションを購入された方にはおなじみのものではないでしょうか?

また、親から住宅取得資金を贈与してもらうということもよくある話だと思います。

これらを活用するときに損をすることがないように、以下の記事をまとめました。

記事を読んでいただき、住宅ローン控除と住宅資金贈与に関する理解を深めて頂けますと幸いです。

住宅ローン控除

控除額について

日本国内において住宅ローン等により住宅の新築、取得、増改築等をします。

そして、その新築等の工事が完了してから6か月以内にその住宅に居住します。

その場合に、居住した年分以後10年間にわたり、各年分の所得税から以下の式により計算した金額の控除を受けることができます。

住宅ローンの年末残高×控除率

一般住宅の場合は、以下のように年末残高限度額が決められています。

内容居住開始日控除期間年末残高限度額控除率
住宅の新築

新築住宅の取得

中古住宅の取得

住宅の増改築等

 

平成26年4月1日

平成33年12月31日

10年特定取得 4,000万円

上記以外 2,000

万円

1%

ここで、特定取得とは、住宅取得等に係る対価の額または費用の額が新消費税率(8%または10%)により課税されている場合をいいます。

消費税の税率引上げ時の経過措置として5%により課税されている場合や、個人間売買により消費税が課されていない場合は、「上記以外」に該当します。

中古住宅を購入する場合は仲介会社があるとしても、結局売買契約を結ぶのは元々住んでいた方とになります。

この場合当然個人間の売買になり、年末の住宅ローン残高の限度が2,000万円になりますので、注意しましょう。

具体例で上の表の意味を考えてみます。

特定取得に当たる場合で、年末の住宅ローン残高が4,000万円であるとします。

その場合の所得税控除額は、4,000万円×1% = 40万円 です。

次に特定取得に当たる場合で、年末の住宅ローン残高が5,000万円であるとします。

表にあるように年末の住宅ローン残高の限度が4,000万円なので、所得税控除額は、4,000万円×1% = 40万円になります。

住民税からの控除

住宅ローン控除の適用を受けたものの、その年分の所得税から引ききれなかった控除額があったとします。

その場合は一定額を限度として、引ききれなかった控除額を翌年度の住民税から控除することができます。

なお、住民税からの控除を受けるために手続きを行う必要はありません。

居住開始日控除限度額
平成26年4月1日~

平成33年12月31日

特定取得 所得税の課税総所得金額等×7%

(最高136,500円)

上記以外 所得税の課税所得金額等×5%

(最高97,500円)

特定増改築等住宅借入金等特別控除

バリアフリー改修工事をした場合

控除額の計算

特定個人が、住宅ローンにより一定のバリアフリー改修工事(高齢者等居住改修工事等)を含む増改築等を行った

場合には、次の算式により計算した金額を、居住した年分以後5年間の各年分の所得税から控除することができます。

各年分の控除額=A+B(最高12.5万円)

A 増改築等の住宅ローン等の年末残高の合計額のうち「高齢者等居住改修工事等」に要した費用の額の合計額(最高250万円)・・・ イ

イ×2%

B 特定増改築等の住宅ローンの年末残高の合計額(最高1,000万円)-イ ・・・ ロ

ロ×1%

対象となる増改築等と費用の額

対象となる増改築等は国土交通省が定めています。

その定めに基づき建築士、指定確認検査期間、登録性能評価機関又は住宅瑕疵担保責任法人が増改築等工事証明書により証明したものとされています。

また、増改築等に要した費用の額は、増改築等工事証明書において確認することができます。

住宅ローン控除との併用は不可

この規定は、増改築等について10年の住宅ローン控除の適用を受ける場合には、適用を受けることができません。

省エネ改修工事をした場合

控除額の計算

個人が、住宅ローンにより一定の省エネ改修工事(特定断熱改修工事等又は断熱改修工事等)を含む増改築等を行った場合には、次の算式により計算した金額を、居住した年分以後5年間の各年分の所得税から控除することができます。

各年分の控除額=A+B(最高12.5万円)

A 増改築等の住宅ローン等の年末残高の合計額のうち「特定断熱改修工事等」と「特定耐久性向上改修工事等」に要した費用の額の合計額(最高250万円)・・・ イ

イ×2%

B 特定増改築等の住宅ローンの年末残高の合計額(最高1,000万円)-イ ・・・ ロ

ロ×1%

対象となる増改築等と費用の額

ここはバリアフリー改修工事と同様に証明書を入手する必要があります。

同居対応改修工事をした場合

控除額の計算

個人が、住宅ローンにより一定の同居対応改修工事(特定多数世帯改修工事等)を含む増改築等を行った場合には、次の算式により計算した金額を、居住した年分以後5年間の各年分の所得税から控除することができます。

各年分の控除額=A+B(最高12.5万円)

A 増改築等の住宅ローン等の年末残高の合計額のうち「特定多世帯同居改修工事等」に要した費用の額の合計額(最高250万円) ・・・ イ

イ×2%

B 特定増改築等の住宅ローンの年末残高の合計額(最高1,000万円)-イ ・・・ ロ

ロ×1%

対象となる増改築等と費用の額

ここはバリアフリー改修工事と同様に証明書を入手する必要があります。

住宅に係る給付金・補助金等

すまい給付金

給付される金額

住宅を取得し、居住した人に対して、給付基礎額に住宅の持分割合を乗じた金額がすまい給付金として現金で支給されます。

給付基礎額は、住宅の取得時に適用された消費税率と、住宅取得者の都道府県民税の所得割額の金額に応じて変わります。

都道府県民税の所得割額に応じた給付基礎額 × 持分割合 = 給付額
ここで出てくる都道府県民税とは、住民税の一部になります。
都道府県民税の所得割額は、以下の書類で確認することが可能です。
  • 交付を受けている住民税の納税通知書
  • 特別徴収額の通知書
  • 市区町村が発行する課税証明書

3番目にある課税証明書は市役所に行けば発行してもらえるので、よくわからなければ、市役所に行きましょう。

消費税率8%の場合の給付基礎額は以下のようになります。
都道府県民税の所得割額

政令指定都市以外

都道府県民税の所得割額

政令指定都市

給付基礎額
6.89万円以下3.445万円以下30万円
6.89万円超 8.39万円以下3.445万円超 4.195万円以下20万円
8.39万円超 9.38万円以下4.195万円超 4.690万円以下10万円

消費税率10%の場合は以下のようになります。

都道府県民税の所得割額

政令都市以外

都道府県民税の所得割額

政令都市

給付基礎額
7.60万円以下3.80万円以下50万円
7.60万円超 9.79万円以下3.80万円超 4.895万円以下40万円
9.79万円超 11.90万円以下4.895万円超 5.950万円以下30万円
11.90万円超 14.06万円以下5.950万円超 7.030万円以下20万円
14.06万円超 17.26万円以下7.030万円超 8.630万円以下10万円

実施期間

すまい給付金制度は、消費税率の引き上げられた平成26年4月以降に引き渡された住宅から、平成33年12月までに引渡しされ入居が完了した住宅を対象に実施しています。

対象者

すまい給付金は、住宅を取得し、その住宅に居住している人が対象です。

住宅ローン利用者も現金取得者も対象になります。

しかし、現金で住宅を取得した場合は、年齢が50歳以上(住宅の引き渡しを受けた年の12月31日時点での年齢)の人に限定されています。

対象となる住宅

新築住宅も中古住宅も対象となります。

ただし、住宅の質に関する一定の要件を満たした住宅であることが必要です。

また、増税後の消費税率により取得した方の負担軽減のための制度です。

そのため、消費税5%で取得した住宅や、中古住宅を個人間で売買したことにより消費税が課されていない住宅は対象外です。

申請期限

すまい給付金の申請期限は、住宅の引き渡しを受けてから1年以内(現在は、1年3か月に延長)です。

申請をすると、約1.5か月から2か月程度で現金が振り込まれます。

ZEH補助金

ZEHとは

「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」の省略です。

高断熱化と高効率設備により省エネルギーを実現したうえで、太陽光発電等によってエネルギーを創ります。

そして、年間に消費する正味のエネルギー量が概ねゼロとなる住宅のことをいいます。

要するに電力について自給自足で生活するということです。

補助金の額

交付要件を満たす住宅に対し、次の補助金が支給されます。

なお、ZEH補助金は、国からの他の補助金と併用できません。

1戸あたり70万円+蓄電システムの導入には最大30万円

対象者

住宅の新築、新築建売住宅の購入を予定している方と、既存戸建住宅の所有者でZEH仕様への改修を予定している方です。

対象となる住宅

申請者が常時居住する住宅で、ZEHの定義を満たす住宅として、エネルギー消費量を抑えることができ、太陽光発電システム等の再生可能エネルギーシステムを導入した住宅であることが必要です。

また、「ZEHビルダー」として登録されたハウスメーカー等が建築を行う住宅であることも要件となっています。

ZEHの詳細については、補助金事業を行っている一般社団法人環境共創イニシアチブのホームページ

をご覧ください。

住宅を買い換えた時に使える特典

マイホームについて売却益が生じた場合の特例

居住していた住宅や住宅と敷地を、居住しなくなってから3年を経過する年の12月31日までに譲渡した場合には、一定の要件に該当する限り、次の特例の適用を受けることができます。

  • 3,000万円の特別控除

or

  • 買換え特例

上記の3,000万円の特別控除と買換え特例は併用できません。

そのため、両方の要件に該当する場合は、いずれか有利な方を選択します。

なお、これらの特例の適用を受ける場合には、新たに購入したマイホームについて、住宅ローン控除の適用を受けることができません。

この点については留意が必要です。

3,000万円の特別控除

マイホームの譲渡であれば、住宅の所有期間に関係なく、譲渡所得から3,000万円を限度として控除することができます。

新たにマイホームを購入しなくても適用を受けることができます。

譲渡所得 = 譲渡価額 - (取得費+譲渡費用)-3,000万円

買換え(交換)の特例

マイホームの買換え等をした場合に、譲渡益が繰り延べられる制度です。

ただし、譲渡価額が1億円以下、売却した年の1月1日時点における所有期間が10年超、本人の居住期間が10年以上であるなど、一定の要件が定められています。

マイホームについて売却損が生じた場合の特例

不動産を売却して譲渡損が生じたとしても、原則としてその売却損を他の所得と通算することはできません。

ただし、マイホームには、居住しなくなってから3年を経過する年の12月31日までに譲渡しているなど、一定の要件に該当する場合には、その損失を他の所得と通算することができるという特例が設けられています。

さらに通算してもなお損失が残る場合には、その損失を翌年以後3年間繰り越すこともできます。

特例は次の2種類があります。

なお、新たに住宅を買い換えた際に、住宅ローン控除との併用適用が可能です。

マイホームの買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除

所有期間5年超のマイホームを売却して譲渡損が発生する場合で、代わりに取得するマイホームについて住宅ローンがある場合に適用を受けることができます。

特例の適用を受ける場合の要件等は、以下の通りです。

譲渡資産の要件
  • 売却した年の1月1日において所有期間5年超のマイホームの譲渡であること
  • 以下の方への譲渡でないこと
  1. 配偶者及び直系親族
  2. 生計一親族及び譲渡後同居する親族
  3. 婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある人
  4. 譲渡者からの金銭その他の資産によって生計を維持している人
  5. 生計を一にするこれらの親族
  6. 同族会社
買換資産の要件
  • 新たに買換資産であるマイホームを購入
  • 居住の用に供する部分の床面積が50m^2以上
  • 譲渡資産を売却した年の前年から翌年までの間に取得すること
  • 取得した年の翌年12月31日までに居住の用に供すること

※居住の用に供する見込みでも構いません。

  • 買換資産に係る償還期間10年以上の住宅ローンがあること
適用除外
  • 繰越控除については合計所得金額が3,000万円を超える場合は適用不可
  • 譲渡年の前年及び前々年に、次のいずれかの特例を適用している場合は選択不可
  1. 居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例(軽減税率)
  2. 居住用財産の3,000万円特別控除
  3. 特定の居住用財産の買換え・交換の特例

 

繰り越す損失の額譲渡資産である土地等のうち面積が500m^2を超える部分に相当する金額を除く
繰り越すことができる年数譲渡した年の翌年以降3年間

特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除

所有期間5年超のマイホームを売却して譲渡損が発生する場合で、譲渡資産に住宅ローンが残っており、売却代金ではその住宅ローンを返済しきれない場合に適用があります。

買換資産を取得する必要はありません。

特例の適用を受ける場合の要件等は、以下の通りです。

譲渡資産の要件
  • 売却した年の1月1日において所有期間5年超のマイホームの譲渡であること
  • 譲渡契約締結日の前日において、償還期間10年以上の住宅ローンが残っていること
  • 以下の方への譲渡でないこと
  1. 配偶者及び直系親族
  2. 生計一親族及び譲渡後同居する親族
  3. 婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある人
  4. 譲渡者からの金銭その他の資産によって生計を維持している人
  5. 生計を一にするこれらの親族
  6. 同族会社
買換資産の要件なし
適用除外
  • 繰越控除については合計所得金額が3,000万円を超える年分は適用不可
  • 譲渡年の前年及び前々年に、次のいずれかの特例を適用している場合は適用不可
  1. 居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例
  2. 居住用財産の3,000万円特別控除
  3. 特定の居住用財産の買換え、交換の特例

 

繰り越すことができる年数譲渡した年の翌年以降3年間

住宅取得資金贈与

概要

平成33年12月31日までの間に父母や祖父母などの直系尊属から住宅の新築、取得、増改築等のための資金の贈与を受けた場合には、一定の要件に該当すると、一定の金額まで贈与税が非課税となります。

契約日に応じた非課税限度額

住宅の取得等の契約年月消費税率8%を適用

・省エネ等住宅

消費税率8%を適用

・左記以外

消費税率10%を適用

・省エネ等住宅

消費税率10%を適用

・左記以外

平成31年4月~32年3月1,200万円700万円3,000万円2,500万円
平成32年4月~

33年3月

1,000万円500万円1,500万円1,000万円
平成33年4月~

33年12月

800万円300万円1,200万円700万円

適用を受けるための要件

受贈者の要件
  • 贈与を受けた年の1月1日時点で20歳以上であること
  • 贈与を受けた年分の合計所得金額が2,000万円以下であること
贈与者の要件受贈者の直系尊属であること
取得等の要件贈与を受けた年の翌年3月15日までに以下のことをする。

住宅取得等資金の全額を充てて住宅用家屋の新築、取得、増改築等をする。

そして、その日までに居住の用に供す。

もしくは同日後遅滞なくその家屋に居住するようにする。

家屋等の要件
  • 家屋の床面積が50m^2以上240n^2以下であること
  • 床面積の2分の1以上が居住の用に供されること
その他
  • 以下の者からの取得でないこと
  1. 受贈者の配偶者
  2. 直系親族
  3. 生計一親族など特別の関係がある者
  • 平成21年分から平成26年分でこの制度の適用を受けていない

まとめ

ここまで記事をお読み頂きましてありがとうございました。

住宅ローン控除、住宅に係る給付金・補助金、住宅資金贈与について解説させて頂きました。

住宅は一生で最も高い買い物とよく言われます。

経済的な負担が少しでも減らすために、この記事で紹介した制度を活用して頂ければ幸いです。

なしお
なしお
125 views

公認会計士・税理士として、会計事務所で10年間働いています。専門家として税金の仕組みをわかりやすく解説します。

関連記事一覧

  1. この記事へのコメントはありません。

コメントするためには、 ログイン してください。