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借金を重ねてしまった時、自分ではもうどうして良いのかわからなくなった時、知っておくと力になってくれる相談機関があります。一人で抱え込むよりは、相談した方が、解決策を見つかりやすかったり、ストレスを発散できたりします。借金のことを誰にも相談できず苦しいと思う方、金額が膨大になりすぎてどう返していけば良いかわからない方は、ぜひ一度借金の相談機関へ行ってみてください。
借金相談はどこにすべきか?
借金相談は、一体どうゆうところですべきなのでしょうか。借金問題を誰かに話すということは、とても恥ずかしいですし勇気のいることです。また、相談しに行ったのに無駄金を使うということは避けたいので、ここでは無料で相談を受けてくれるところを紹介します。自分の借金について不安がある方はぜひ一度相談しに行ってみてください。
借金相談機関:法テラス
借金相談機関として最初にご紹介するのは、法テラスというところです。法テラスとは一体どのようなところなのでしょうか。以下で、法テラスとはどのような機関なのか、また、法テラスで借金相談をするとどのようなメリット・デメリットが得られるのかをご紹介します。
法テラスへ借金相談するメリット・デメリット
法テラスへ借金相談をするメリットは3つあります。1つは、相談が無料であるということです。本来、弁護士へ借金相談を行うと30分~1時間で5千円程かかります。しかし、法テラスへ行くと専属の弁護士がおり、無料で相談に乗ってくれます。2つ目のメリットは、自分に必要な法制度や相談機関を紹介してもらえる可能性があることです。法テラスでは、相談の内容によって、必要となる制度や支援団体を可能な範囲で紹介してくれます。法テラスでは出来ないことが、他機関では出来ることもありますので、紹介された先で借金問題をどうやって解決するか考えることができるのです。最後のメリットは、守秘義務が存在するため周りに借金問題のことがバレることはないということです。借金があることを隠し通したいと思っている方も多いため、周りに露呈することは避けたいことでしょう。当たり前ですが、法テラスは守秘義務が徹底されているため、外部に個人情報が漏れることはありませんので安心して相談することができます。
しかし、一方でデメリットもあります。それは、誰でも無料で相談を受けられるというわけではないということです。無料相談を受けられる人は、①収入額が一定額以下であること、②民事法律扶助の趣旨に適する方のみです。①の収入額に関しては以下のとおりです。
人数 | 手取月収額の基準 注1 | 家賃又は住宅ローンを負担している場合に 加算できる限度額 注2 |
1人 | 18万2,000円以下 (20万200円以下) |
4万1,000円以下 (5万3,000円以下) |
2人 | 25万1,000円以下 (27万6,100円以下) |
5万3,000円以下 (6万8,000円以下) |
3人 | 27万2,000円以下 (29万9,200円以下) |
6万6,000円以下 (8万5,000円以下) |
4人 | 29万9,000円以下 (32万8,900円以下) |
7万1,000円以下 (9万2,000円以下) |
注1:東京、大阪など生活保護一級地の場合、()内の基準を適用します。以下、同居家族が1名増加する毎に基準額に30,000円(33,000円)を加算します。
注2:申込者等が、家賃又は住宅ローンを負担している場合、基準表の額を限度に、負担額を基準に加算できます。居住地が東京都特別区の場合、()内の基準を適用します。
出典元:法テラス
基準は以下のとおりです。
人数 | 資産合計額の基準 注1 |
1人 | 180万円以下 |
2人 | 250万円以下 |
3人 | 270万円以下 |
4人以上 | 300万円以下 |
注1:将来負担すべき医療費、教育費などの出費がある場合は相当額が控除されます。(無料法律相談の場合は、3ヵ月以内に出費予定があることが条件です。)
出典元:法テラス
収入基準と試算基準を満たしている人でないと、法テラスでの相談を受けられませんので、自分が相談する基準に該当しているのかどうかチェックしておきましょう。
②の民事法律扶助の趣旨とは、
経済的に余裕がない方が法的トラブルにあった時に、無料で法律相談を行い(「法律相談援助」)、弁護士・司法書士の費用の立替えを行う
出典元:法テラス
上記のような趣旨となります。自分が該当しているかチェックを行ってから相談に行くようにしましょう。
借金相談機関:国民生活センター
借金相談を行う機関として、国民生活センターという機関も存在します。では、国民生活センターとは一体どのような機関なのでしょうか。
国民生活センターとは?
国民生活センターとは、
国民生活センターは、国民生活の安定及び向上に寄与するため、総合的見地から、国民生活に関する情報の提供及び調査研究を行うとともに、重要消費者紛争について法による解決のための手続を実施しています。
出典元:独立行政法人 国民生活センター
上記の内容から、国民生活センターでは借金の中でも「消費」にかかる相談であれば受付可能であると言えます。ここで言う消費とは、クレジットカードのリボ払いが多額になってしまった、詐欺に引っかかってしまった等が該当します。
国民生活センターへ借金相談するメリット・デメリット
国民生活センターへ相談するメリットは、「消費」の相談ができるところです。クレジットカードのリボ払い地獄に陥ってしまった方は、どのような対応をして良いかわかりませんよね。また、家計に苦しんで借金をしてしまった人の相談も受け付けておりますので、生活にかかる一般的なお金の相談は教えてくれますので、クレジットカードの支払いに困っていたり、家計のために借金を重ねてしまった方はぜひ相談してみましょう。
反対にデメリットは、借金の整理を行うのであれば、やはり法テラスへつながれるという点です。借金額があまりにも大きいと、国民生活センターの方でアドバイスできない場合があります。多額の借金で首が回らない状態という方は、法テラスへすぐに電話した方が良いと言えるでしょう。ただし、国民生活センターから法テラスへつないでくれることもありますので、法テラスへ電話をかけることに抵抗を感じる方は、始めに国民生活センターへ相談してみることが良いといえます。
借金相談後の流れについて
借金相談の流れというのをご存じでしょうか。法テラス等で借金の相談をした後、債務整理というものが行われます。そこで、ここでは借金相談をした後の流れについてご紹介したいと思います。
債務整理とは?
債務整理とは、借金の整理を行い、返済金の減額もしくは免除を行うことをいいます。債務整理の手続きには、過払い金請求、任意整理、民事再生、自己破産の4つがありますので覚えておきましょう。
過払い金請求
借金の返済をずっと続けている方で、金融会社に本来支払わなくても良い金額を支払っていた時に返してもらうことができます。借金を長年返済し続けている方は、一度相談をしてみると良いでしょう。自分が過払い金請求ができるのかどうかは、専門家でないと判断ができません。よって、完済間近な人や返済を長年続けている人は、過払い金が戻ってくる可能性がありますので、ぜひ法テラス等の専門家がいるところへ相談してみましょう。
任意整理
任意整理とは、原則として取引開始日より遡って金利の計算し直しを行い、借金額を減額し、さらに金利分をカットして、借金の元本を約3年間で返済するよう交渉してくれる手続きのことを指します。任意整理を行うと、月々の返済額を減らし、安定した生活を過ごせた上で借金の返済を行えるようになります。また、任意整理を行った時に、先述した過払い金があることが発覚し、お金が返ってくることもあります。
個人再生
個人再生とは、裁判所から、現段階で借金の返済を行うことが困難であると認められた者に限り、借金を減額してもらい、減額された借金額を3年~5年にかけて返済していく手続きのことを指します。
個人再生の特徴としては、住宅等の財産を残したまま借金の整理を行える点です。また、自己破産と異なり、どの職業でも就くことができます。
自己破産
自己破産とは、裁判所へ借金の免責申立を行い、許可が下りた場合、借金の返済を免除してもらえることを指します。自己破産すれば、借金をゼロにしてもらえるんだったら、今からやりたいと思われる人もいらっしゃるでしょう。しかし、自己破産ができる人は借金の支払いが不能と認められる人のみとなっています。
借金の支払い不能と認められるには、それなりに大きな金額の借金を背負っていることはもちろんですが、自身の収入状況や資産状況等も調査されます。調査した上で、今後借金の支払いが行えない状況であると裁判所に認められた場合、自己破産が可能となります。
債務整理を行うデメリット
債務整理を行えば、借金が減ったり、免除になったり良いこと尽くめじゃないかと思われた方もいるでしょう。しかし、メリットだけではありません。デメリットもある手続きもありますので、しっかり理解しておきましょう。
先述した、過払い金請求ですがデメリットはほぼありません。過払い金が返還される程、返済をしてきたのですから、請求できる人は確実に行いましょう。あえてデメリットを挙げるとすれば、過払い金が発生した時に、報酬が引かれるため満額の過払い金が手に入ることはないという点です。しかし、お金が戻ってくるための資料作成や交渉をしてくれるため弁護士を雇うため、報酬が発生することは必然といえますので、そこを理解して手続きを行うようにしましょう。
次に、任意整理や民事再生、自己破産を行った時のデメリットですが、信用情報(ブラックリスト)に一定期間、掲載されることです。期間は各手続きによって異なります。
自己破産 | 民事再生 | 任意整理 | |
借入ができなくなる期間 | 約5年~10年 | 約5年~10年 | 約5年 |
ブラックリストに載ってしまうと、クレジットカードの利用ができない、住宅・教育ローンが組めなくなってしまうことがあります。
さらに、民事再生、自己破産を行った時には、官報公告というものに住所、年齢、指名が記載されます。(任意整理の時は記載されません。)
官報公告とは、破産等の内容が掲載される国が発行する広報紙のことを指します。官報は毎日発行されており、インターネットでも掲載されておりますのでチェックしてみてください。
インターネット版官報はコチラ
以上が、過払い金請求、任意整理、民事再生、自己破産、デメリットとなります。デメリットを理解した上で、手続きを行うかどうか決めるようにしましょう。
借金を完済する5ステップ
最後に、借金を完済する5ステップをご紹介します。借金をなるべく早く完済するために必要なことを抑えて、なるべく早く借金地獄から脱出できるように頑張りましょう。
ステップ①支出を把握
借金を完済するためには、家計の支出を把握しておくことが大切です。支出を把握するということは、自分のお金の流れを把握することであり、無駄遣いを発見するために必要な作業でもあります。
よって、支出を把握するために家計簿をつけましょう。家計簿は簡単なものでかまいません。エクセル表やアプリ、レシートをノートに貼っていくもの等、いろいろな家計簿のつけ方があります。重要なのは、続けやすい家計簿を見つけることです。自分がストレスを感じずに続けられる家計簿を見つけて、支出を把握できるようになりましょう。
ステップ②無駄なお金を削減する
家計簿をつけて、無駄な支出を把握できたら、次は無駄なお金を削減していきましょう。外食費が多いと感じた人は、外食する回数を減らし自炊をする方法を考え、嗜好品代が多いと感じた方は嗜好品を少し減らしてみる等の対策を考えてみましょう。
無駄なお金を削減する時は、無理なく、負荷をかけすぎないよう注意しましょう。いきなりすべてを削減してしまうと、ストレスを感じて続けられなくなります。徐々に回数を減らしていき、身体とメンタルを慣らしていくことが良いでしょう。
ステップ③返済計画を立てる
家計簿をつけて、無駄な支出を減らすことができたら、次は返済計画を立てるようにしましょう。
返済計画を立て、計画通りに実行できるようになると安定して返済を行うことができますし、何より完済日までコツコツと近づいていく感覚がゲームと似ているので楽しめます。
しかし、1つだけ注意して欲しい点があります。それは、返済計画はなるべく長期的な視野を持って立てるようにすることです。なぜかというと、長期的な視野を持って計画を立てると、不測の事態に対応しやすいからです。余裕をもって計画を立てられると、少し位計画外のことが起きても対応しやすくなります。
ステップ④収入を増やす
次に、収入を増やすことができないか検討してみましょう。給料のアップができないか、会社の規則を読んでみたり、資格を取ってみたりすることがおすすめです。
給料がアップすることで、借金完済が近づくだけではなく、給料がアップするということは完済後の生活もお金に余裕を持てるということです。よって、給料を増やすことができないか検討してみましょう。
もしも給料が増やせない時は、副業を検討してみるのも良いでしょう。副業もたくさんの種類があります。コンビニやファミレスでのアルバイトもあれば、インターネットを使ってできることもあります。自分の生活、性格にあった副業を見つけて収入アップを図るのも良いでしょう。
ステップ⑤再び借りない
最後のステップは、再び借金をしないということです。せっかく家計簿もつけられるようになり、節約もできるようになったのに、再びお金を借りるようなことがあれば大変です。せっかくお金を返す大変さを学んだのですから、借金は二度としないよう心に誓いましょう。
また、借金を繰り返さないために、日々お金の使い方を見直し、節制していく姿勢も必要です。
いきなり節制が上手くいく人はいませんので、失敗しても良いのです。徐々に節約ができる人になっていき、お金に困らない生活を送れる人になるのです。そして、同じ過ちを繰り返さないようにしましょう。
まとめ
借金を相談できる機関や、相談後の流れについてご紹介しましたがいかがでしたでしょうか。借金を相談できる公的機関があることを知っておくだけでも、今後の役に立ちます。
借金の相談は誰にでもできるものではありません。よって、安心して相談できるところへ出向き、不安なこと・悩んでいることを話してきましょう。そして、今後どうすれば良いのかアドバイスをもらい、行動にうつして次のステップに進んでいきましょう