日本でも増加する超富裕層。日本の超富裕層が行っている資産運用とは?

超富裕層国別ランキング第2位の日本

「お金持ちになりたい!でも、お金持ちってどんな資産運用をしているの?」

人口の数%しか存在しないようなお金持ちを指す言葉として「超富裕層」という言葉を聞いた事がある方も少なくないでしょう。ですが、具体的にどのような方を「富裕層」「超富裕層」としているのか?についてしっかりと理解出来ていない方もいるかもしれません。

この記事では、富裕層・超富裕層とはどんな人を指すのか?という点について解説するのはもちろんですが、超富裕層が増加傾向であること、超富裕層が行っている資産運用の傾向等について解説していきたいと思います。

まず、はじめに「どこからがお金持ちなのか?」という基本的な疑問を解決するために、富裕層・超富裕層の定義・概要についてご紹介していきたいと思います。

資産1億円からお金持ち

この記事では超富裕層について詳しく解説していきますが、まずはじめにその概要についてしっかりと押さえていきたいと思います。

お金持ちと言っても、様々な基準が存在すると思います。例えば、年収300万円の世帯からすると年収1,000万円からお金持ちであると考えるかもしれませんし、豪邸に住んでスーパーカーに乗っていてという生活自体を送っている方をお金持ちと考える方もいるかもしれません。

実は、このような基準はそれほど正しくありません。というのも、一般的お金持ちの基準というのは「資産の額面」で判断される事が一般的です。例えば、年収が仮に「100万円」であったとしても、資産が「100億円」存在してれば、十分にお金持ちだと言えるでしょう。

また、お金持ちと言われる富裕層・超富裕層の方には倹約家の方が少なくありません。例えば、毎年フォーブスが発表するお金持ちランキング上位に存在している「ウォーレン・バフェット」は、60年前に購入した300万円の一般的な家に住み、スバルのレガシィという数百万円程度の車に乗っています。

そのため、お金持ちの基準というのは「年収」でも「お金持ちのような生活」でもなく、資産額で判断するのが最も公平なのです。

お金持ちを指す富裕層や超富裕層と言った言葉には、いくつか定義が存在しますが殆どのケースで資産額によって定義されています。ただ、その資産額の大きさによって若干範囲が異なります。(例えば、5億円からか?30億円からか?等)

なので、一般的に用いられる事の多い定義をご紹介していきます。

資産額による分類には様々な定義がありますが、一般的普通のお金持ち・富裕層と呼ばれる人は「1億円」からだと言われています。理由はいくつかありますが、一般的1億円という金額は普通なら形成する事の出来ない資産だからです。

NRI

というのも、資産数千万円という家庭は以外に少なくありません。何故なら、退職金や持ち家の資産などを形状すると一般的に数千万円になるケースが多く、上記の表を参考にすると分かりやすいですが、富裕層に至らない準富裕層・アッパーマス層という階層が多くを占めています。

もちろん、資産3,000万円未満という世帯が大きな割合を占めています(78.87)。しかし、資産一億円未満3,000万円以上の準富裕層・アッパーマス層も全体の約18%を占めており、100人いた時に18人は資産3,000万円以上の家庭に居るという事になります。

これでは、お金持ちの範囲が大きすぎますし、資産数千万円程度では完全なお金持ちだと言えないでしょう。しかし、富裕層(資産1億円以上)になるとその割合は大きく減少します。富裕層の割合はわずか2%程度であり、100人中2人しかいない事になります。

この割合なら、十分に限られた「お金持ち」だと言えます。そのため、お金持ちの基準は資産一億円からであり、海外でも100万USドルからお金持ちであると定義される事が多いです。

本当に限られたお金持ちが超富裕層

先程、お金持ち・富裕層の基準は「資産1億円以上」だとご紹介させて頂きました。しかし、中には「スーパーカーに乗って大豪邸に住んでいる」というようなお金持ちが真のお金持ちであると考える方もいるかもしれません。

富裕層の資産1億円という金額は決して少ないものではありませんが、一般的に世間がイメージするような豪遊生活を何年も続けていけるような資産ではないと言えます。しかし、超富裕層に該当するような方はそのような生活を送る事が可能です。

超富裕層に関しては本当に様々な定義がありますが、NRIを参考にすると「資産5億円以上」が超富裕層であると定義しています。資産5億円以上というのは人口のわずか「0.13%」しか存在しておらず、1,000人居てやっとそのような世帯にいる人が1人いるという計算になるような資産額です。

つまり、超富裕層というのはお金持ちの中でも本当に限られた存在であり、この階層まで資産を形成するには起業家や投資家等の沢山の資産を築ける可能性がある職業ではないとかなり難しいでしょう。

世界的に見てお金持ちが多い日本

発展途上国が成長し、ITによって超富裕層が沢山排出されている中で何かと「日本には超富裕層が少ない」「お金持ちの数で他国に抜かされてしまう」なんていう情報を一度は目にした事がある方もいるかもしれせん。

このような情報は一部正解で、一部間違っていると言えるでしょう。というのも、資産3,000万ドルを超富裕層の基準に考えた時に、日本は世界で2番目にお金持ちが多いと言われている国です。国別ランキングとしては、

MANSION GLOBAL

  • 第1位アメリカ 7万3,110人
  • 第2位 日本 1万6,740人
  • 3位 中国 1万6,040人

が、TOP3となっており日本にはこのようなデータから分かるように、資産3,000万ドル以上の超富裕層の多さは第2位となっています。ただ、もっと資産の多い資産5億ドルという観点から見た時に、その順位は代わり

  • 第1位 アメリカ 1,830人
  • 第2位 中国 490人
  • 第3位ドイツ  430人
  • 第4位 日本 390人
  • 第5位 香港 320人

となります。やはり、ダントツでアメリカが最も多くの超富裕層を抱えている事には変わりませんが、5億ドルを超える資産を持っているような資産家は日本にはそれほど多くなく、中国やドイツと言ったような国に抜かされています。

このような状況から考えられるのは、日本に超富裕層が多いという意見は正解ではありますが、超富裕層の中でもずば抜けた資産家はそれほど多くないということです。ただ、一般的に見て日本の超富裕層は世界的に見ても十分に多いと言えるでしょう。

超富裕層が年々増加している

先程、各国の超富裕層の数をご紹介し、日本のランキングについてもご紹介させて頂きました。次にご紹介していきたいのは「どんな国でこれからお金持ちが増えていくのか?」という点です。

敗戦後の日本が十数年で経済大国になった様に、数年後・数十年後にどの国がどのくらい経済的に成長しているのか?どのくらいのお金持ちが存在しているのか?という視点は、将来を予測する上で重要な要素になっていくと言えるでしょう。

また、そこから投資を行う際のヒント等も見えてくると思います。なので、これから超富裕層の「増加率」という点をご紹介していきたいと思います。

富裕層が増え続けるアジア

2018年9月にアメリカの調査会社「Wealth-X」が公開したデータによると、最もお金持ちが多い国は圧倒的に「アメリカ」であり、その人口は8万人に上るそうです。

一方で、これからもアメリカでお金持ちが増えていくのか?という点には疑問が存在しています。というのも、増加率のランキングではそれほど高い順位ではなく、資産3,000万ドルを超える超富裕層の増加率ではその殆どがアジアの国で高い増加率を持っているからです。

2012年から2017年の間に最もお金持ちが増加したのは「バングラデシュ」であり、その増加率は「17.3%」になっています。その後、中国(13%)・ベトナム(12.7%)・インド(10.7%)等のアジアの国が高い増加率を記録しており、一方のアメリカの増加率は8.1%に留まっています。

お金持ちが多い国、裕福な国と聞くと欧米諸国を想像しがちですが、現在超富裕層を生み出している国は主に「アジア」が中心的であり、経済的な成長と共に多くの超富裕層が生まれているという事が分かります。

もちろん、お金持ちの増加率=国の成長とは一概には言えません。ただ、加速していく経済的な成長は多くの資産家を生み出している側面というのは理由として大きく存在しているでしょう。

今後、最も成長する国は?

上記したような超富裕層の増加率が高いアジアの国に共通するのは、中国のように「経済成長をしている」という点が大きいです。なので、これからの経済を読み解く・これからどの国で沢山のお金持ちが生まれるのか?という点を考えるためにも、大きな経済成長が予測される「第二の中国」をご紹介していきます。

「第二の中国」という存在になり得るのはアジアから選択すると「フィリピン」であると言われています。フィリピンである理由はいくつか挙げられますが「人口」と「消費活動」という2点からご紹介していきたいと思います。

人口が増えていくフィリピン

まず、始めに人口という観点からフィリピンの経済を紐解いていきます。人口というのは、財政と同じくらい国が成長する要素として欠かせないものであり、フィリピンの人口分布は綺麗なピラミッド型を描いています。

また、フィリピンの平均年齢は「24歳」、現在の人口は約1億人ですが、この人口の爆発的な増加は「2045年」まで続くと見られており、まだまだ人口が増える国だと言われています。人口の増加というのは、フィリピンの経済成長の大きな要素となるでしょう。

このような人口の増加を人口ボーナスと言い、この人口ボーナスが「2045年」まで続くというのは人口が増え続けるアジアの中でも、最も長期間の予想になっています。アジアの中でも大きく人口が増え続けているフィリピンには、それだけでも大きな可能性があります。

給料は月に2回

また、積極的な消費行動というのも、フィリピンが経済成長する理由として挙げられます。これは国民性という観点なのですが、多くの方が楽観的です。これは、経済成長に欠かせない消費活動にも大きく影響を与えています。

「国民性なんてものが本当に経済成長に繋がるの?本当にそんなに積極的なの?」と考えられる方もいるかもしれません。そんな方に1つフィリピンの実情を想像しやすい例を挙げるとすると「給料が月に2回ある」という点があります。

というのも、積極的な消費活動から直ぐにお金が無くなってしまうので「月に2回」という期間で給料が渡されており、日本では月に1回である給料の受け渡しを考えると違和感を感じる事間違いなしです。

もちろん、例外は存在しており中には慎重に消費活動を行っている方も少なくありません。ただ、月2という期間で給料を分ける事を考えると消費活動に積極的な国柄である事は間違いなく、給料日には外食店が大きく賑わいます。

データにもそれが現れており、フィリピンの経済成長率はGDPの観点から見たときに6%程度であり、GDPの80%が「個人消費」であると言われています。消費大国であると言われているアメリカでも「7割」程度、日本で「6割」だと言われているので、いかに「消費に積極的な国か?」が理解出来るかと思います。

消費がされる事によって効率的に経済が回り、それが結果として大きな経済成長に繋がるというのは容易に考えられる経済成長の要因ですし、積極的な消費活動がフィリピン経済を大きく成長させていく事は間違いないでしょう。

フィリピンの超富裕層は?

「なぜ、経済成長をしているに超富裕層ランキングに入っていないの?」という点を疑問に感じた方も少なくないでしょう。これは、フィリピン経済の実情が大きく影響していると言えます。

フィリピンは経済格差が大きな国として知られており、フィリピンの経済成長は高いものを記録していますが、それと比較してフィリピンの超富裕層増加率はそれほど高くはありません(もちろん、先進国と比較した場合には高い水準です)。

これはフィリピンの超富裕層が少なく、その分限られた超富裕層の成長率が高い事が大きな要因です。世界銀行が発表したデータでは、フィリピンでは「1%が富の半分以上を保有している」と言われています。

経済成長が偏っている国ではロシアが最も大きな偏りが発生していると言われていますが、トルコ・香港等に次いでフィリピンも富の偏りが大きく発生している国として知られています。

また、その富裕層の多くが「中国系」であり、フィリピンに進出している中国系の住民が大きな富を持っている事がフィリピンの中で大きな問題にもなっています。

経済格差というのは世界全体で発生している課題ではありますが、フィリピンはその中でも顕著に特徴が出ている国であり、この辺りの経済的な問題がフィリピン経済にどのような影響を齎すのか?については、まだ分かりません。ただ、少なからず悪影響を与える可能性は存在しているでしょう。

超富裕層が行っている資産運用の傾向

最後に、超富裕層が行っている資産運用の傾向についてご紹介していきたいと思います。超富裕層が行っている資産運用の傾向から、超富裕層まで行かなくても富裕層になるためのヒントを得たいと思います。

増やすよりも守る

「超富裕層が行っている資産運用を行えば自分も超富裕層になれるかも?」とお考えの方もいるかもしれませんが、それは「難しい」と言えるでしょう。というのも、超富裕層が行っている資産運用は、資産運用で増やすというよりも「守る」という意識の方が強いからです。

一般的に、資産が10億円を超えるような資産家は「プライベート・バンキング」を利用する事が一般的です。プライベート・バンキングというのは、簡単に言うと「本当の運用のプロが運用を手伝ってくれる」金融機関の事です。

発祥はスイスであり、スイス式のプライベート・バンキングは資産運用のみではなく、子供の学校の手配、高い医療技術で治療を受けられる病院の手配等を行っているような「お金持ちの専属秘書」のような金融機関です。

一方で、ここから派生したのは「資産運用のアドバイスのみ」を行うアメリカ式であり、日本の富裕層は日本の法規制等からアメリカ式を使っている事が一般的です。

では、お金持ち専用のプライベート・バンキングは超富裕層にどのような資産運用のアドバイスを行うのでしょうか?金融の知識を生かして数年で何十倍にもしてくれるような金融機関だと想像してしまいますが、一般的には「資産を守る」という運用方法が多いようです。

というのも、日本経済には様々な見方が存在しています。例えば「日本は資産が多い世界一お金持ちの国」という意見や、一方では「日本の借金はデフォルト寸前であり、日本円は危険!」という見方も存在します。

ただ、経済・投資に絶対は存在しないように、日本円で資産を持ち続けていたとしてもそれがこのまま価値を持っているという保障はありません。そのため主に分散投資を利用し、資産を分散してリスクヘッジを行う運用方法が好まれているようです。

超富裕層から得られるヒントは?

超富裕層が安定的な投資を行っているという点を考えたときに、やはり得られるヒントは「安定的な資産運用を行う」という点では無いでしょうか?やはり、投資にはリスクが付き物です。

大きなリターンを期待出来るものは大きなリスクを持っている事が一般的ですし、大きなリスクを持っているという事は、一度や二度成功したとしても「いつか失敗するかもしれない資産運用」です。

もちろん、必ず成功する資産運用なんてものは存在していませんし、どんなものでもリスクは必ず存在します。そんな中で、重要視するべきは「勝負する投資」というよりも「負けない投資」を行う事だと言えるでしょう。

専門的な知識を持っており、本業で投資を行っている方は別問題ですが、少なくとも片手間で投資を行っている方は「資産を分散させる」という点を最も意識するべきです。

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まとめ

世界的に見て富裕層の多い日本

  • お金持ちの基準は1億円、超富裕層の基準は5億円
  • ずば抜けた超富裕層はそれほど多くない

超富裕層が年々増加している

  • アジアで大きな増加傾向が見られる
  • 成長する確率が高いアジアの国の1つがフィリピン

超富裕層が行っている資産運用の傾向

  • 資産を増やすというよりも、守る運用方法が人気
  • 片手間で行っている投資なら、分散投資で運用するのがおすすめ

この記事では富裕層・超富裕層の基準、超富裕層が増加している地域、超富裕層が行っている資産運用等についてご紹介させて頂きました。

超富裕層が行っている資産運用を真似れば、自分も超富裕層になれる感じてしまいますが、実際は「資産運用を守りながら、運用する」というのが重要です。超富裕層の資産運用のように、安定的に資産を運用する事を意識しましょう。

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