IoT関連銘柄は今が買い?IoTビジネスの概要と関連銘柄を徹底解説

IoTとは?

「IoTって何?なぜこんなにも注目されてる?」

インターネットの発展によって、様々なサービスや技術が注目される中「IoT」という言葉を一度は耳に挟んだ事がある方も少なくないはずです。ただ、物とインターネットを繋ぐという概要を知っているだけで具体的にどのような物なのか?という点について理解出来ていないという方も同じようにいると思います。

なので、この記事では「IoT」についてお金の観点から

  • IoTの概要
  • 市場規模
  • 活用される業界・事例
  • 関連銘柄

などについてご紹介していきたいと思います。IoTがどのように利益に繋がるのか?という点を知るには、しっかりと「IoTとは?」という基礎的な部分への理解が不可欠です。そのため、まず初めに「IoTとは?」という部分からしっかりと押さえていきましょう。

IoTとは「インターネットに繋がっている全てのもの」

IoTについては様々な定義が存在しており、IoTは大きな意味合いを持っている言葉でもあります。そのため、一概にIoTとはこのような事を指す!と表す事は出来ません。

ただ、IoTとは「Internet Of Things」(物のインターネット)の略です。つまり、物とインターネットという大きな概念を一言で表したものであり、様々な物にIoTという名称を付ける事が可能なのです。なので、「物とインターネットが繋がった物」という認識で大丈夫です。

しかしこれだけでは、数十年前からインターネットが利用されてる事を考えると、PC等の存在を考慮すると既に物とインターネットを繋ぐ技術は存在していたので、これから成長していく産業として注目されている理由にはなりません。

なぜ、現在IoTが注目されているのでしょうか?それはこれまでインターネットを利用している製品・サービスが「PtoP」もしくは「MtoM」だった事が要因です。

PtoPとは「Person(人)to(から) Person(人へ) 」という意味です。これまでの身近なインターネットという技術は、スマホやPCという一部の物をインターネットに接続し、SNSなどを利用して人と人を繋がるというものでした。このようなやり取りをPtoPと呼びます。

また、MtoMとは「Machine(機械) to(から) Machine(機械へ)」という意味です。こちらはそれほど馴染みのない技術ですが、例えば自動運転が現実的に運用され始めると「車と車同士の通信」が可能になり、情報を交換し合えば交通事故を未然に防ぐ等が可能になるかもしれません。(周りの車と合わせて車間距離・速度を調整するなど)

物とインターネットを繋ぐというがIoTの本質ではありますが、このMtoMと混同されやすいものでもあります。また、根本的な考え方は似ている部分もあり、IoTとMtoMの区別が難しいものもあるかもしれません。

ただ、この両者を分ける大きな要素は、MtoMは「物と物の通信」という点に限定されているという事です。つまり、通信方法はインターネットである必要はありません。一方で、IoTというのは物でも人でも通信を行う範囲を選ばず、通信方法はインターネット限定です。

スマートフォンの普及やモバイルPCなどの普及によって「外でインターネットを使う」というニーズが大きく広がりました。そのため、モバイル通信の必要性が高まったのです。それによって広がったのは「LTE」やこれから実装される「5G」などの技術です。

このような通信技術の発展によって、物と人という2点をインターネットで繋げるニーズが高まったのです。そして、そのニーズに対応する物全般が「IoT」なのです。IoTとは「人・物・インターネット」という3つのキーワードがポイントであり、混合されやすいMtoMとは「物と物の通信」という点を押さえておきましょう。

IoTとは、これまでの「PtoP」と「MtoM」をインターネットによって組み合わせるものと考える事も出来ます。様々な定義・考え方がありますが、IoTに関しては上記した3つのキーワードを押さえておけば大丈夫です。

IoTの市場規模

IoTの現在の市場規模としてはっきりとしたものでは出ていません。また、様々な機関・組織が予測を出しているのでなんとも言えない所ですが、2020年までに世界で「300兆円」の市場規模を持つと言われています。

金額が大きすぎてあまり想像出来ませんが、300兆円というのは先進的なIT企業であり大きな規模を持っている「GAFA」(Google、Apple、Facebook、Amazon)という4つの企業全ての時価総額を足したとしても、ギリギリ届かない金額です。また、日本では2023年までに「12兆円」ほどの市場価値を持つと言われています。

将来的に、日本でも12兆円の市場規模を持つとは言われていますが、現在の国内IoT市場は「数千億円程度(諸説あり)」だと言われています。つまり、数年以内に十倍以上になる市場だと言う事です。では、なぜそれほどまでに大きな成長が見込まれているのでしょうか?

この点については後に詳しく解説していきますが、「デバイスの数」という数字の観点からご紹介したいと思います。現在、緩和気味だと言われているスマートフォンやPCなどの通信端末は世界で「70億個」存在していると言われています。

一方、世界での市場規模が300兆円に突入すると予想されている2020年には「200億個~220億個」という数のデバイスがIoTを利用し、通信すると予想されています。現在、緩和状態でありスマートフォンなどの通信端末が「70億個」である事を考えると、どれだけ大きな数字か?を理解する事が可能です。

もちろん、楽観的な見方であり将来的にどのような発展を遂げるか?を正確に予想・想像する事は出来ませんが、2007年に初めてiPhoneが発売されて数年で大きく広がった事を考えると、同じようにこれまででは考えられないスピードで広がっていく可能性は十分にあるでしょう。

なぜ、IoTは成長するのか

先程、IoTの概要や市場規模についてご紹介させて頂きました。しかし、なぜIoTが現在進化・成長しているのか?具体的にどのような物に活用されるのか?という点についてはご紹介していません。

なので、これからIoTが進化・成長している理由、IoTの活用事例などについてご紹介していきたいと思います。

IoTがこれから成長すると言われている理由

IoTがこれから成長すると言われている理由には、様々な要因が挙げられます。根本的な部分は人類の生活をもっと便利にするために成長すると言えますが、具体的になぜ今ここまで注目・成長しているのか?という点の要因についてご紹介します。

成長している理由はいくつか挙げられますが、大きな点は

  • 半導体の進化
  • ICTと違った魅力がある
  • 通信技術が高くなった

という点に分けられます。1つ1詳しくみていきましょう。

半導体の進化

IoTが現在ここまで注目されている理由の1つに「半導体の性能・大きさが進化した」という点が挙げられます。半導体について簡単に説明する事は難しいですが、簡潔にまとめてしまうと「機械の中に入っている電気を通す物体」の事です。

具体的には、コンピューターを動かすための処理・計算を行う根幹の物質であり、パソコン・スマホで言うと「CPU」などのパーツも半導体が無いと開発する事が出来ません。また、そのようなパーツの総称を半導体とまとめる事があります。

ソフトバンクが2016年に買収したARMは、半導体の開発やそこからのロイヤリティで大きな収益を挙げている会社であり、IoTやAIという先進的な技術が利用されていく中で成長すると見込み「3兆円」という金額で買収されました。

このような背景があるように、半導体とは「IoT」の不可欠な要素である通信等を行う上で必要なものですが、これまでは性能の観点からIoTの根幹である「物とインターネットを繋ぐ」というのが難しい状態でした。

しかし、ムーアの法則で言われているように(18カ月で性能が2倍になるという説)半導体は年々進化していくので、現在では十分にIoTで活用する事が可能になりました。

ICTと違った魅力がある

IoTと似通った言葉に「ICT」が存在します。ICTに関して簡潔に説明すると「ITと言われた時に想像しやすい分野」の事です。例えばスマホ、PC、通信を行うインターネット等です。ITと同等の意味で使われる事も少なくなくありません。

このICTはスマートフォンを初め大きな成長を記録していましたが、近年成長率が低下しています。というのも、ICT関連の市場は完全な「緩和状態」になっており、ある程度成長しきった感のある市場なのです。

少し考えると分かりますが、スマートフォンやPCなどの機器は数ヶ月で買い換える事はなく、一般的に「数年」という長い期間買い換えない事が一般です。そのため、何か予想できないような大きな変化が起きない限り、この状態が変わる事はないでしょう。

一方のIoTはどうでしょうか?IoTは全ての「物とインターネット」が通信出来るものを指しており、その成長が直ぐに止まる事はないでしょう。なぜなら、ICTと違い「通信する物」が大量に存在しているからです。つまり、スマホやPCと言った通信端末に絞られるICTと異なり、IoTは想像出来ないような大きな可能性を持っています。

通信技術が高くなった

通信技術が高くなったというのも、IoTが注目されている要因です。近頃注目されている「5G」という通信方法では、多くの端末を同時に高速でインターネットを提供・通信する事が可能になっています。

もちろん、身近な所だと例えば「スマートフォンで動画配信サイトがストレス無く見れる!」というニーズもあるかもしれませんが、IoTにも応用する事が期待されています。例えば、日本中の家や車などからリアルタイムで天気の情報を集めて正確な天気が確認出来るようになるかもしれません。

現在のインターネット・通信技術でも可能では?と考えてしまいますが、日本全国・世界各国という大きな規模になった時に、同時に大量の機械をインターネットに接続する必要があり、そのように大量の端末を高速でインターネットによって繋ぐというのが、現在の通信方法では難しいのです。

IoTを利用した便利な社会を実現するためには不可欠な要素であり、これ以外にも様々な要素が存在しているからこそ「今なら十分にIoTを人類が活用できる」という状態に達したのです。

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実際にどのような活用が出来るのか?

IoTはどのような業界・製品で活用する事が出来るのでしょうか?物とインターネットを繋ぐというのが、IoTの根幹なのでほぼ全ての物に応用する事が可能だと言えますが、その中でも有効的に活用する事が可能な物をいくつかご紹介したいと思います。

公共の交通機関とIoT

日本の公共交通機関は優秀であり、かなり正確に時刻表通りの運行が行われています。ただ、たまに事故等が発生する事により「遅延」が発生する事が少なくありません。

また、バス等に関しては都市部のバスに関しては、渋滞などによって遅延が大きく発生してしまうもの少なくないでしょう。そのため、このような交通機関にIoTが既に導入され初めていますし、この流れはほぼ全ての交通機関に導入されるでしょう。

交通機関にIoTを導入する事によって「いまどこに電車・バスがあるのか?」というのを、マップアプリからリアルタイムでチェックする事が可能になりますし、遅延時間なども正確に予想する事が可能になるでしょう。

医療とIoT

AppleWatchによって心電図を作成する事が可能になりました。日本では法整備など様々な観点から導入が遅れてしまっていますが、AppleWatchという腕時計と変わらない大きさの機械によって病院に行って検査を受ける手間を省ける可能性があります。

このようにウェアラブル(体に付ける・体の近くに置くコンピュータ)によって、医療業界に大きな革新が発生しようとしています。医療業界にIoTが導入される事によってAppleWatchのような機械で簡単に、リアルタイムで検査を受けられるようになる可能性があります。

また、これによって看護師の負担が減ったり、簡単な診察(風邪等)はわざわざ病院に行く必要性は無くなるでしょう。また、誤診の可能性も減り、最もIoTの活躍が期待されている分野でもあります。

成長が予想される関連銘柄・企業

この記事ではIoTの概要や注目されている理由などについてご紹介させて頂きましたが、最後に「IoT」によって成長する可能性の高い企業の銘柄をご紹介していきたいと思います。

Amazon(AMZN)

AmazonはIoTを利用するためのプラットフォームである「AWS IoT」開発・提供しています。既に沢山の利用実績が存在しており、プラットフォームというのはそのような全てのサービスの「土台」を握っているものなので、AWS IoTでのIoT開発が主流になれば、AmazonはIoTによって大きな利益を生み出す可能性が高いです。

また、Amazonは自社製品としてIoT関連の製品を販売する事にも積極的です。その代表的な製品が、一時期話題になった「Amazon Dash」という製品でしょう。Amazon Dashとは、ボタンを押すだけでその製品が後日Amazonから送られてくるというものです。

例えば、いつも飲んでいるお酒が無くなったらAmazon Dashを押す、洗濯機の洗剤が無くなったら洗剤のAmazon Dashを押すというように、IoTを利用して小売の消費体験がもっと効率的に・楽になる可能性があります。

小売のECサイトを営んでいるAmazonとIoTというのは、非常に相性が良いのでこれからもIoT関連の製品が出てくる可能性は高いでしょう。

ジグソー(3914)

ジグゾーは様々な先進的な技術を開発していますが、その中でも「人工知能」や「IoT」を利用した様々な分野での「自動化」というのをテーマに、ロボットやシステムの開発を行っています。

数年前に話題になったもので言うと「高度暗号化ブロックチェーン」が提携している企業で実用化され、フィンテック関連の株が伸びている事もあって大きく上昇しました。

この企業の特徴を詳しく説明すると、かなり長くなってしまいます。ただ、AI関連銘柄とも取れるしIoT関連銘柄とも取れるしと様々な技術に囚われない開発を行っており、その中でもジグソーが独自開発を行っている「puzzle」は、ソフトバンクのセキュリティサービスに用いられたりと、近年注目度が高まっている企業です。

AIやIoTと言った部分に注目している方にって、かなり魅力的な企業でしょう。

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まとめ

IoTとは?

  • インターネットに繋がっている全てのもの
  • IoTは数年以内に十倍近い成長が見込める市場

IoTが成長している理由

  • 半導体が大きく進化している
  • ICTよりも成長が見込める市場である
  • 通信技術が高くなり、IoTへの応用が見込める

どのような活用が見込まれる?

  • 交通機関での利用
  • 医療業界での利用

成長が予想されている関連銘柄

  • Amazon
  • ジグソー

この記事ではIoTの概要、市場規模、成長している要因、実際の活用事例、関連銘柄についてご紹介させて頂きました。

近年、AIの発展等様々な技術が注目を集めていますが、その中で最も現実的で成長していく可能性が高いのが「IoT」だと言えます。IoTの開発や運用を行っていく上で必要な技術や整備は既に完成しており、製品の開発や法整備が進めば、もっとIoTが様々な所で活用されるようになるでしょう。

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