目次
出典(トップ画像):ヤフー(株)
ヤフオクに商品を出品するにあたって、「なかなか入札が入らない」、「よさそうな商品だと思ったがアクセスすらついてこない」といった悩みや、毎月の目標売上を達成するのにどんな商品をどれぐらい用意すればいいのかといった疑問にぶつかる事があると思います。
みんなが欲しがる商品ばかり出品できるわけではありませんし、それならそれで手持ちの商品や入手が容易なものを出品する場合、落札にどれくらいの日数がかかりそうかといった事などを知る必要が出てきます。
そこでヤフオクに出品しようとしている商品を、これから紹介します3つの「分類」に整理し、「落札される期間(日数)の目安」や、それにあった「出品体制」などについてお話しします。
そのことによって、「できるだけ不確実性を排した売上を図る」ことや、落札率の観点から「適切な出品作業などができる」ようになることを目指します。
商品を分類する
はじめに
ヤフオクで納得がいく結果を出すためのポイントを、本ページでは次の観点から説明していきます。
- 商品の落札率、落札にかかる日数
- 出品商品数
- 商品が入手できる可能性
- 売上・利益額 など
また上記各項目は本ページに限るものではなく、ヤフオク全般において継続的に商品を売っていくことや納得できる成果を出すための基本的かつ重要なポイントとなっています。
他にもヤフオクでの出品については、画像の撮り方や商品説明、アカウントの評価数など様々な要因が絡み、出品商品の落札の行方を探るのに少々(又は大いに)手間がかかります。
そこで本ページでは個々の商品をこれから紹介します「3つの分類」に当てはめるアイディアを紹介し、各商品の落札具合や出品スタイルなどをより簡単に探っていこうとするものです。
落札率の調べ方
まず最初にどのような商品であっても基本となる「落札率」を調べることからスタートします。本稿ではこの落札率からまず商品を分類し、それから個々の分類のポイントや注意点などを説明していきます。
ここでは「小林製薬 ナットウキナーゼ EPA DHA」を例に調べる手順を説明します。
まずはヤフオクのトップページにあります検索窓に商品名を入力して検索をかけます。
出典:ヤフー(株)
次に画像にある赤い囲み部分の「落札相場を調べる」をクリックします。
出典:ヤフー(株)
下の画像は落札履歴が表示された画面です。ヤフオクでは過去120日分の履歴を抽出することができます。
出典:ヤフー(株)
ここから対象商品の落札数をカウントしていきます。ただ、この商品に限った話ではありませんが、他にも数種類の類似商品や、1出品あたりで数量が異なるパターンがいくつもありますので、商品名と数量に注意してカウントを行っていきます。
「カウント対象商品詳細」
- 商品名・・・小林製薬 ナットウキナーゼ EPA DHA
- 1出品あたりの数量・・・2袋
- カウント期間・・・120日間(執筆時点より直近過去120日間)
他にカウントに際し注意することとしましては、「送料負担の有無」がありますが、履歴では送料無料の場合は落札額が高くなっていることから同一のサンプルとみなし、今回は考慮しないこととしました。
「カウント結果」
- 落札数・・・39
- 平均落札額・・・1,963円
そしてカウント期間内における落札率を計算します。計算に関しては「1カ月でどれぐらい落札されたか」を求めます。
「落札率」
1カ月辺り10個弱落札されることから、大雑把ですが約3日に1個落札される商品ということが分かります。
商品を落札率から各分類に当てはめる
落札率を基準に商品を本稿で紹介する分類に当てはめてみます。
「各分類とその性質」
- 分類1・・・人気商品、よく落札される商品
- 分類2・・・あまり落札されない商品
- 分類3・・・レアで高額な人気商品、あまり出品されない
ひとまずナットウキナーゼは「分類1」に収めることとします。
分類1:人気商品の出品
分類1の基本事項
これから各分類についての説明を行います。
こちらは上記のナットウキナーゼが該当し、出品すればすぐに入札が入る売れ筋商品の分類です。また、落札履歴では判別することができませんが、比較的入手しやすいのもポイント(条件)となっています。
ヤフオクで副業を行ったりある程度の月収を得ようという方は、この分類に該当する商品をいくつか仕入れられることが必要となってきます。
他の分類に比べ、「仕入れ→出品→落札→入金→再仕入れ・・・」といった流れが好循環(高回転)で実現できることが、この分類の商品に課された条件です。
またナットウキナーゼの例では約3日に1個の落札率となっていますが、自分のオークション戦略次第ではこの率に固定されるものではありません。
1週間に1個や10日に1個でも構わないというのであればそれでも結構です。
全ての商品はまずは落札履歴から落札率を調べることが重要です。
分類1のメリット
「安定した稼ぎ」
この分類の商品は、売れずに在庫をかかえる心配が少なく、仕入れさえできれば安定して継続的に稼ぐことができます。
「楽な検品作業」
ナットウキナーゼには消費期限がありますが、その仕入れにおいて中古で手に入るといったことがなく、ほぼ常に新品を手にすることとなり出品前の検品が非常に楽です。
「面倒な出品作業の軽減」
新品であること(商品による)、類似出品物も多数出品されていること、そしてもちろん過去の落札履歴が良好であることから、数量・出品価格・送料(及び発送方法)に気を付ければ、出品作業においては次の項目にそれほど神経質になる必要がなくなります。
- 写真画像の鮮明さ
- 説明文の丁寧さ
- 出品者自身の評価数
ヤフオクの出品方法を紹介する本やウェブサイトが多く存在しておりますが、この分類に該当する商品であれば、そのノウハウの全てを実施する必要はなくなります。
写真の撮り方や商品紹介文の記載方法を懇切丁寧に説明しているものがありますが、逆にこれらにこだわってしまいますと、先ほどお話しした高循環への妨げとなってしまい、安定的な数多くの売り上げに支障をきたすことになります。
ヤフオクの出品作業は上記のほか、様々な数値・設定等の入力を行わなければならず時間や労力が結構かかります。
やはり出品しようとする商品の性質を見極め、必要最小限の努力で最大の効果を発揮させることが大切です。
分類2:大量出品
大量出品商品の性質
こちらは先ほどの「商品が売れない期間が何日ぐらいまでなら許容できるのか」という観点で言えば、「単体ではまず許容できない長期日数」の商品が該当する分類です。
出品から落札までの期間が数カ月や半年、中には1年もかかるような商品が該当します。
この分類に当てはまりやすい商品の性質は、主に以下のようなものがあります。
- 商品全般(新品・中古にかかわらず)
- 欠陥のある商品(一部マニアが好むものを除く)
- 主観のみで選んだ商品
- 落札に対し確固とした根拠を伴わない商品 など
上記をあげてみますと、商品にもはや売れる見込みはなく分類2にはデメリットしかないように思えてきます。
大量出品における「確率論」
しかし、この分類2においてもヤフオクで売り上げを狙える方法があるのです。
それは、こういった商品を大量に出品することで、1日何商品程度入札されるのか、分類1とはまた違った「確率論」で戦略をとっていくやり方です。
分類1は売れるサイクルを求める「時間的な確率論」ですが、分類2の場合は期間を1日などと固定し、全商品から1日に入札される数を算出して売上の見込みを立てようとする「出品数の観点からの確率論」です。
例えばブックオフ(ブックオフオークションストア)の出品例をとって説明してみます。
- 出品総数・・・491,064
- 入札が1つ以上入っている商品数・・・3,229
- 入札が入っている割合・・・152商品に1つ
(上記は本稿執筆時点における数字です)
出品商品のジャンルは、書籍、ゲーム、CD/DVD、電化製品、スマホ・タブレット、アクセサリー、時計、ブランド品などとなっています。
またブックオフの場合その多くの商品が中古品という性質です。
非常に単純な分析ではありますが、以上からジャンルや新品・中古などに関わらず出品商品が常に150個程度キープされていれば、毎日何らかの商品に入札が入ってくることになります。
ただ計算上1/150となりますが、分母が大きければ大きいほど、商品数が増えれば増えるほど、入札率は下がるかもしれませんが入札商品数は増加していくこととなります。
この戦略の実態
ヤフオクにおける大量出品者を色々見てみますと、入札率が高い出品者ではおよそ数十分の1程度。逆に悪い出品者の場合、1/500~1/1,000程度の入札率となっている傾向があります。
また、あるジャンルに特化した大量出品では、入札率が時期やその時のトレンドなどによって大きく変わることがあり、テレビで何か話題となれば一気に入札率がアップする反面、通常においては数百分の1程度の入札率であることも珍しくありません。
マニア品で揃えた大量出品は、そのジャンルに詳しくなれることや常連の付き方次第では高額な商品にも入札が入りやすくなる反面、買い手が限定される側面があり、安定した売り上げに向いた出品方法ではありません。
これはリサイクル業者に言えることで、店舗には日々数多くの中古品等が持ち込まれ、業者はほぼ全ての商品を買い取って営業しています。
この時、ほぼ全ての商品を受け入れるということは、ヤフオクで言えば落札率を全く考慮しない状態ということであり、結果としてリサイクル業者は自店舗において大量出品をしているわけです。
品定めこそしますが、ほぼ価値がないものであってもほとんどの商品で買取りを断ることはしません。
それでも営業が成り立つ理由は、リサイクル業者は他の業界に比べその利益率が高いことが挙げられますが、そのことと同時に大量出品における「確率論」を用いていることがその理由となっているからです。
出典:リサイクル通信
大量出品に必要な商品数
「毎日これだけの商品さえ用意できれば困ることは無い」という生命線を確率論によって成立させているのですが、ではいったい常時どれくらいの商品を出品すればいいのか?
必要な商品数は、これまでの話から「揃えられるだけ揃える」というのが正解です。
なんだかいいかげんな考え方に見えますが、この確率論による戦略は数を多く揃えることが何よりも大切です。ヤフオクの利用規約に違反しないことや、第三者の迷惑にならない範囲でとにかく多くの商品を出品することが重要です。
ただ、分類1と異なり必然的に中古品が増えてくることから、商品説明の正確さや画像によるアピール、出品者の評価状況が重要となってきます。
作業量が増え大変かもしれませんがそれらに力を入れることで、入札率アップへとつながる側面も同時にあります。
分類3:レアで高額な商品の出品
積極的に狙うものではないが
入手する難しさがありますが、しかもそれだけでなく、ヤフオクにもめったに出品されないため「落札履歴にも出にくい」といった性質があります。
そもそもこういった商品は転売やせどりにおける「ボーナス」的な商品として、通常は特に力を入れるべきものではないのです。
実は、オークファン(aucfan)にて有料会員となればヤフオクの落札履歴を10年前まで調べることができるのですが、肝心の商品を仕入れる方法や、商品が本物か偽物かの判断などかなりの経験を要するケースもあります。
しかしそれでも、高額レア商品への道が完全に閉ざされているわけではありません。しかも日常におけるヤフオクへの取り組みの中でこういった商品に出会える可能性があるのです。
また「高額」の定義が人それぞれといった面もあることからすぐに諦めるべきではないのです。
分類2がポイント
出品商品の選定にあたって、本稿では商品の落札履歴を調べることを説明していますが、ほとんどの商品が分類2に行きつくことになると思います。
ところが、何十個、何百個と商品を調べていますと、偶然高額商品に出くわすこともゼロではないのです。
これは色々なところから聞く話でもありますし、筆者自身もヤフオクをやってなかったら間違いなく捨てていたものが、ヤフオクをきっかけに昔の古い所有物が思わぬ高値の商品だったことを発見した経験を何度かしております。
結局これも確率の問題ではありますが、数多くの商品と接することで突然お宝に出会えることがあるのです。
これは本格的に転売をやっていて普段から外にある店舗をたくさん回っている場合はもちろん、自宅や実家のタンスの中や物置を調べていても同じことです。
また、繰り返しになりますが、意図的に狙って探そうとしますとなかなか発見することができず効率が悪いので、通常の商品探しの中でたまたま高額商品が見つかれば出品してみようといったスタンスが最適です。
出典:ヤフー(株)
見逃してしまう場合がある
幸いたくさんのマニアに発見されれば、本来その商品が持つ価格まで上昇する期待が持てますが、そうでなかった場合は適切な出品戦略を伴ってないため入札が多く入らず、ガッカリする値段で落札されてしまうかもしれません。
または、やはり落札履歴に出てこなかったことや中古品であればその劣化具合もあって、ちょっとした心のかけ違いや気まぐれに任せて廃棄してしまうことも十分考えられます。
高額レア商品を逃さないようにするには?
調べている商品の「ジャンル」に注意することがまず大切です。
ブランドもの、元々高価なもの、電化製品、タレントグッズ、専門性の高いものなどに高額な商品が眠っている場合があります。
他には以下に該当する商品の場合、少し作業のスピードを緩めて詳細に調査することをおすすめします。
- 数量限定・初回限定などの商品
- 生産終了・廃盤商品
- 非売品
- マニアックな商品
- 各種ゲームやホビー商品
- 美術品
- 商品の箱・付属品等が全て揃ったもの
- 本やCDなどで全巻揃っているもの など
出品にあたって
出品者も入札者もめったにない機会ですので、たった1回の強いインパクトは多くの閲覧者を刺激することとなります。
複数の画像や詳しい商品説明、出品者の商品への思い、手放すこととなった経緯など、商品の魅力を高めるための策をふんだんに行うことが大切です。
実用品でない商品やすでに実用に耐えないものも多く、価格は入札者の心理状態が大きく影響してきます。
本来「価値」というものはこの世には無く全て人間が作り出したものですので、固定概念に縛られず遠慮することなく高額な結果を狙っていくことがポイントです。
まとめ
出典:ヤフー(株)
ヤフオクの落札履歴や落札率は、商品を出品するかどうかを決定する極めて重要な存在です。これらによって、商品の見た目や印象に惑わされず客観的に商品選択を行うことができます。
そして、商品を落札具合に応じ本稿における「分類」などにまとめることで、その商品の出品方法や売れゆき、長期的なオークション戦略などを簡単に立てることができるようになります。
「3大分類の確認」
- 分類1:よく売れる商品 or 売れる頻度を納得することができる商品
- 分類2:あまり売れない商品、大量出品により「確率論」を支えとする出品方法
- 分類3:仕入れ・出品ともにめったに無いが高額売上が期待できる商品
ヤフオクはその時のトレンドや季節、景気動向など様々な要因によって商品の落札具合が変わってくることがあります。
直近の落札状況はそういった現在の相場動向を反映したものでありますので、分類3の様なよほどの商品を探すのでなければ、直近データと商品の分類を駆使して効率的にヤフオクに臨むのがベストです。