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クレジットカードを持っている人は多くいても、「法人カード」を持っている人は、そこまで多くはありません。ましてや、利用したことがない方も大勢いるのではないでしょうか?
ただ、「法人カード」と言えども、利用については、クレジットカードですので、なんら変わりません。では、なぜ法人カードなんて存在するのでしょうか?個人事業主の方などは、特に個人カードでも普通に使えるため、必要ないのでは?と思われる方もいるかもしれません。
そこで今回は、「法人カード」にスポットを当てて法人カードについて解説していき、保有するメリットやおすすめの法人カードを紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
法人カードとは?
法人カードとは、法人向けに発行されたクレジットカードになりますが、法人格を持っている方だけが申し込めるというわけではなく、個人事業主の方でも、申し込みが可能になります。
法人カードも、個人で発行されるクレジットカードと見た目も何ら変わりませんが、実際には法人カードと個人カードでは、どのように異なるのでしょうか。
法人カードの特徴
法人カードは、企業規模により、「ビジネスカード」や「コーポレートカード」と言われたりしますが、中身については変わりません。法人カードの主な特徴としては、以下のような点が挙げられます。
- カード券面が会社名と個人名
- 会社名義の引き落とし口座に指定が可能
- 支払い方法か基本1回払い
- 企業向けの特典が多い
法人カードの特徴を一言で言えば、経理上の効率化を図るカードとなっています。まずは、その特徴について、それぞれ説明していきましょう。
カード券面が会社名と個人名
クレジットカードの券面には、
- カード番号
- 有効期限
- 氏名
が必ずセットで記載されていますが、法人カードの場合には、会社名が合わせて記載されるようになります。ですので、上記3つの記載に合わせて、会社名が入ったカードが1点目の違いになります。
法人カードについても、個人カードと同様に法人カードに記載してある個人、本人のみしかカードの利用はできないことになっています。もし利用する場合には、子カードを発行する必要がありますので、注意しておきましょう。
会社名義の引き落とし口座に指定が可能
法人カードの引き落とし口座は、会社登録されている銀行口座の設定をすることができます。これが2点目の違いです。
会社の口座を設定することで、多数の法人カードを発行していても、1つの口座から引き落としされるので、とても便利です。個人のカードであれば、原則はカード名義人と口座名義人が一致していなければ、登録できませんが、法人カードの場合は、それが可能となります。
支払い方法が基本1回払い
法人カードの場合、支払い方法は、ほとんどの法人カードが1回払いのみとなっているのも、特徴の1つです。
個人のクレジットカードとなると、1回払いのほか、分割払いやリボ払い、ボーナス払いなどが可能ですが、法人カードの場合は、ほとんどのカードができません。基本的には、利息が生じるため法人にはそぐわないことから、1回払いのカードがほとんどにはなりますが、後述している「EX Gold for Biz」のように、個人カード同様の支払い方法が利用できるものもあります。
ですが、基本は1回払いになっていますので、しっかりと理解しておきましょう。
企業向けの特典・サービスが多い
法人カードは、企業向けのカードとして特典やサービスも個人とは異なっています。
例えば、クレジットカードの使える限度額が、法人カードの場合には、100万円~300万円で設定されているカードも多くあります。
その他、経理会計上のソフトが無料で使えたり、利用明細を分かりやすくしてくれるサービスなど企業向けの特典やサービスが多く見られます。
このように、意外と法人カードと個人カードでは、微妙な違いが多く存在しています。
特に法人カードの場合は、会社での経費をまとめてくれる役目を果たすので、言うまでもなく、個人カードとは役割が違い、会社の経理を効率化する効果のあるカードとなっています。
では、法人カードを持つことで、どのようなメリットが得られるのかについて、詳しく見ていきましょう。
法人カードを持つ3つメリット!
法人カードを持つことで得られるメリットは、どのようなことがあるのでしょうか。法人カードを持つことで得られる3つのメリットについて、説明していきます。
経理上の手続きを効率化できる
1つ目は、経理上の手続きを効率化できる、ということです。これが1番のメリットとも言えます!
法人カードを持っていれば、
・子カードの発行が可能
・利用した詳細が一目で分かる
などの効果が得られますので、経理上の効率化を図っていきましょう。
社員に子カードを待たせることができる
子カードとは、個人カードでいう、「家族カード」と同じにはなりますが、代表者と契約した法人カードに紐付けされた法人カードのことになります。
子カードがあることによって、これまで法人カードがなかった場合に、社員の経費を、逐一領収書をもらって仮払する、現金出納が発生していた作業を、法人カードを利用することで、この作業を省略することができます。
子カードで利用した支払いは、会社登録の銀行口座から引き落としがされるので、各社員に子カードを持たせることによって、支払いの1本化をすることができます。
利用した詳細が一目で分かる
また、子カードを発行することによって、支払いの1本化を図ることで、子カードごとに明細が出ますので、だれが・いつ・どこで・いくら利用したというのが、一目で分かるようになります。
また、カード会社によっては、カード利用明細をデータとして、経理ソフトに組み込むことができるため、より経理業務の効率化を図ることができます。
主に企業が利用する場合の話をしてきましたが、個人事業主の場合にも、法人カードを持つことで、個人カードとの公私混同せずに済むため、合わせて経理の効率化を図ることができます。
法人格がある企業に関しては、経理業務の効率化を図り、個人事業主に関しては、公私を分けて経費を明確化することを実践していきましょう。
ポイントやマイルが貯まる
2つ目のメリットは、ポイントやマイルが貯まる、ということです。
クレジットカードの1番メリットといっても過言ではない、ポイントやマイルの還元ですが、法人カードでも同様に恩恵を受けることができます。
ただし、個人カードと比較すると、還元率は低い傾向にあります。ましてや、法人カードによっては、ポイント付与がないカードもありますので、ポイントやマイルを貯めたい場合には、事前の確認を怠らないようにしましょう。
法人ならではの特典が受けられる
3つ目のメリットとしては、特典が受けられるということです。これは、個人カードも同様のことが言えますが、法人カードならではの特典も多数あり、主な特典としては、以下のようなものがあります。
- 旅行保険やショッピング保険の付帯
- 空港ラウンジサービス
- ホテルやレストランでの優待サービス
- 手荷物宅配サービス
- ビジネス管理サポート
- 経理ソフトサービス
など、細かく言うとたくさんのサービスが年会費に応じて、付帯されています。
ですので、出張が多い、経理をより円滑にしたい、海外での利用が多い、などさまざまなニーズに合わせて選択するのが望ましいので、しっかりと法人カードの特典を理解した上で、入会するとベストな選択に繋がるのではないでしょうか。
以上が、法人カードを持つ3つのメリットになります。
- 経理上の手続きを効率化できる
- ポイントやマイルが貯まる
- 法人ならでは特典が受けられる
など、法人カードを利用することで、経理面や経費を使う上での還元、持つことによる付加価値といったメリットを得ることができるので、ぜひ法人カードを利用してみてはいかがでしょうか。
おすすめの法人カード5選!
法人カードのことを、理解してもらった上で、実際におすすめの法人カードを厳選して紹介していきます。
おすすめの法人カードは以下のようになっています。
- JCB法人カード
- EX Gold forBiz(オリコカード)
- 楽天ビジネスカード
- ダイナースクラブビジネスカード
- アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード
では、それぞれの法人カードについて詳しく説明していきます。
国内ど定番法人カード!JCB法人カード
1つ目の法人カードは、「JCB法人カード」になります。国内を代表するJCBカードの法人プロパーカードになりますが、安定した人気のカードになります。まずは、基本スペックから以下にまとめました。
年会費 | 1,375円(税込)初年度無料 |
---|---|
ブランド | JCB |
カード利用可能枠 | 10~100万円 |
支払い方法 | 1回払い、2回払い |
カード締め日 | 毎月15日 |
支払日 | 翌月10日 |
キャッシング機能 | なし |
子カード発行枚数 | 複数枚可能 |
子カード費用 | 年会費:1枚につき1,375円(税込)初年度無料 |
ETC発行枚数 | 無制限 |
ETC費用 | 無料 |
ポイント還元率 | 基本還元率0.5% |
マイル還元率 | 基本還元率0.3%
JALマイル:1ポイント→3マイル ANA:1ポイント→3マイル スカイマイル:1ポイント→3マイル |
保険 | 海外旅行傷害保険:最高3,000万円(利用付帯)
国内旅行傷害保険:最高3,000万円(利用付帯) ショッピング保険:最高100万円 |
ラウンジサービス | なし |
その他 | WEB明細、会計ソフト優待 |
JCB法人カードがおすすめできる理由は以下の通りです。
- 年会費が安い
- 子カードも発行でき、ETCカードを発行枚数に制限なし
- 年会費が安価でも保険がしっかり付帯している
それぞれ見ていきましょう。
年会費が安い
JCB法人カードは、年会費が1,375円(税込)と法人カードの中でも、とても安い年会費で保有することができます。
法人カードの場合は、年会費無料のカードもありますが、その場合ポイントが貯まらかったりや保険が付帯していないケースがほとんどで、あまり法人カードのメリットを活かせません。
JCB法人カードは、年会費が安価で、ポイントや保険の特典も受けられるため、年会費を抑えたい場合には、選択肢に加えたいカードになります。
子カードも発行でき、ETCカードを発行枚数に制限なし
JCB法人カードは、子カードの発行やETCカードの発行にも対応できるカードです。ただし、子カードに関しては、制限があるため多い枚数が必要な場合には、注意が必要です。
年会費が安価でも保険がしっかり付帯している
JCB法人カードは、年会費が安くても、保険は、
- 海外旅行傷害保険
- 国内旅行傷害保険
- ショッピング保険
と付帯しています。
国内旅行傷害保険については、「死亡・後遺症障害」の最高3,000万円補償で、ショッピング保険についても、購入から90日以内の最高100万円補償と必要最小限程度の内容にはなりますが、付帯しています。
海外旅行傷害保険については、利用付帯ではありますが、下記の内容で補償が受けられますので、年会費が格安なことを考えると、十分な内容と言えるのではないでしょうか。
死亡・後遺症障害 | 最高3,000万円 |
---|---|
傷害治療費用 | 最高100万円 |
疾病治療費用 | 最高100万円 |
賠償責任 | 最高2,000万円 |
携行品損害 | 最高10万円 |
救援者費用 | 最高100万円 |
JCB法人カードのデメリットは?
JCB法人カードのメリットだけでなく、デメリットについても以下にまとめました。
- 空港ラウンジサービスなどの特典はない
- 審査は法人カードの中では、厳しめ
- 限度額も法人カードの中では、低め
- 海外での加盟店は少ない(海外での利用に弱い)
上記のように、年会費が低いこともあり、特典は必要最小限の特典しか付いていないのは事実です。そのため、空港ラウンジサービスなどの特典は付帯しておらず、航空機を頻繁に利用する際などには、あまり適していないカードにはなります。
また、審査も厳しめで、一般的には2年連続での黒字経営が最低限の条件と言われていますので、立ち上げすぐの審査は通らないように認識しておかないといけません。しっかりと覚えておきましょう。
総合的に見ておすすめできるEX Gold forBiz
2つ目のおすすめできる法人カードは、オリコカードが発行している「EX Gold forBiz」になります。このカードは、ゴールドの法人カードになっています。では、基本スペックから以下にまとめました。
年会費 | 2,200円(税込)初年度無料 |
---|---|
ブランド | VISA/Mastercard |
カード利用可能枠 | 10~300万円 |
支払い方法 | 1回払い
2回払い 据置1回払い 分割払い(3.6.10.12.15.18.20.24回)実質年率:12.2%~15% リボ払い:実質年率14.6% ボーナス1回払い ボーナス2回払い |
カード締め日 | 毎月月末 |
支払日 | 翌月27日 |
キャッシング機能 | なし |
子カード発行枚数 | 3枚まで |
子カード費用 | 無料 |
ETC発行枚数 | 3枚まで |
ETC費用 | 無料 |
ポイント還元率 | 基本還元率0.5%年間利用額に応じて、次年度最大2.0% |
マイル還元率 | 最大0.66% |
保険 | 海外旅行傷害保険:最高2,000万円(自動付帯)
国内旅行傷害保険:最高1,000万円(利用付帯) ショッピング保険:最高100万円 |
ラウンジサービス | 国内主要空港およびハワイダニエル・K・イノウエ国際空港 |
その他 | WEB明細、会計ソフト優待有 |
EX Gold forBizのおすすめできる理由は、以下の通りです。
- 年会費が格安の法人ゴールドカード!
- ポイントは使えば使うほどお得
- 支払いがスムーズなコンタクトレス決済
- 空港ラウンジサービス有
- Mastercardを選んだ場合には、プラチナ級の特典も!
たった2,200円(税込)のゴールドカードになりますが、この年会費でゴールドカードというだけでもお得なのに、特典もとても充実している法人カードになりますので、内容について説明していきます。
年会費が格安の法人ゴールドカード!
個人カード、法人カード問わずゴールドカードとなると、高額な年会費が多いですが、EX Gold forBizの場合は、再三お伝えしているように、たったの2,200円(税込)になっていて、しかも、初年度は無料です!
この年会費ということを踏まえて、受けられる特典を見ていくとおすすめできる理由が見えてきます。
ポイントは使えば使うほどお得
EX Gold forBizは、1,000円につき1スマイルポイントが貯まり、通常0.5%と平凡ですが、年間の利用に応じて、次年度がお得になります。
- 200万円以上のカード利用:2.2倍
- 100万円以上のカード利用:1.9倍
- 50万円以上のカード利用:1.7倍
- 50万円未満のカード利用:1.2倍
このように2年目から基本還元率は、最低でも0.6%、最大で1.1%還元になるので、使えば使うほどお得になります。
支払いがスムーズなコンタクトレス決済
クレジットカードの最新の支払い方法として、電子マネーのような非接触型の決済ができるようになっており、それが「コンタクトレス決済」と呼ばれています。
EX Gold forBizの場合は、VISA・Mastercardどちらのブランドでもこの支払い方法が使えるお店であれば、利用できますので、これまで以上にスムーズな決済が可能になります。
空港ラウンジサービス有
EX Gold forBizでは、空港ラウンジサービスも付帯しています。
使える空港としては、国内の主要空港をはじめ、海外では仁川国際空港とダニエル・K・イノウエ国際空港のみにはなりますが、国内の出張が多い方には、大変便利に使えます。
Mastercardを選んだ場合には、プラチナ級の特典も!
EX Gold forBizを申し込む際に、Mastercard選べば、レストランの料金が1名分無料になるサービスも付帯しています!
これは「招待日和」というサービスが、無料で使える特典となっているのですが、この「招待日和」で利用できる飲食店は、全国で200店舗以上ものレストランで無料になる特典が受けられます。しかも、このサービスは、本来年会費38,880円を払って入会するサービスになっていて、他のクレジットカードにも付帯していることはありますが、プラチナカード級でなければ付帯していません。それが、年会費2,000円のEX Gold forBizには、付帯していますので、これだけでも入る価値有りの特典となっています。
以上が、EX Gold forBizのメリットになります。見てもらうと分かるように、支払う年会費以上に特典が多く、保険もしっかり付帯しているカードですので、総合的におすすめできる法人カードとなっています。
では、デメリットはどんなものがあるでしょうか?
EX Gold forBizのデメリットは?
EX Gold forBizのデメリットとしては、以下のようなものが挙げられます。
- 子カードの発行が3枚まで(ETCカードも)
- 少額しか利用しなければ、ポイントの還元率が低い
1番のデメリットは、子カード・ETCカードが3枚までしか発行できないことです。どちらのカードも3枚と制限があるため、言うまでもなく大勢の社員が使う場合には、利用できません。
また、年間の利用金額が少なければ、ポイントの還元率も低いままですので、あまり還元率で言えば良くありません。
EX Gold forBizは、控えめな年会費でもしっかりと特典がある法人カードで、かつ、小規模の法人にマッチしたカードとなっています。
子カード不要なら断然おすすめ!楽天ビジネスカード
3つ目の法人カードは、個人事業主や社長自ら海外への主張が多い方に向いている、子カード発行不可の法人カードになっています。それが「楽天ビジネスカード」です。基本スペックは以下のようになります。
年会費 | 12,200円(税込) |
---|---|
ブランド | VISA |
カード利用可能枠 | 10~300万円 |
支払い方法 | 1回払い
2回払い 分割払い(3.5.6.10.12.15.18.20.24.30.36回):実質年率12.25%~15% リボ払い:実質年率15% ボーナス1回払い ボーナス2回払い:実質年率13.89% |
カード締め日 | 毎月月末 |
支払日 | 翌月27日 |
キャッシング機能 | なし |
子カード発行枚数 | 発行不可 |
子カード費用 | – |
ETC発行枚数 | 無制限 |
ETC費用 | 1枚につき年会費550円(税込) |
ポイント還元率 | 基本還元率1%SPU最大5%還元 |
マイル還元率 | 0.5%ANAマイル:2ポイント→1マイル |
保険 | 海外旅行傷害保険:最高5,000万円(自動付帯、一部利用付帯)
国内旅行傷害保険:最高5,000万円(自動付帯) ショッピング保険:最高300万 |
ラウンジサービス | プライオリティ・パス無料付帯
国内主要空港利用可能 |
その他 | WEB明細 |
楽天ビジネスカードのおすすめできる理由は、以下の通りです。
- プライオリティ・パスが無料付帯
- ポイントが高還元
メリットの数こそ少ないものの、内容はとても魅力的ですので、早速見ていきましょう。
プライオリティ・パスが無料付帯
楽天ビジネスカードの最大の魅力は、プライオリティ・パスが無料で付帯していることです!
しかも、プライオリティ・パスの中でも、最上ランクのプレステージ会員(通常年会費429ドル)が無料で使えるので、年会費12,200円(税込)はこれだけで元が取れます!
海外への出張が多い方は、問答無用でお得な法人カードとなっています。
ポイントが高還元
楽天プレミアムカードのもう1つの理由として、ポイントが高還元であることです!法人カードでは、高還元の1%になっており、どこで利用してもこの還元率でポイントを貯めることができるのが、魅力になっています。
また、楽天市場で使うことで、100円につき5ポイントの5%還元になるため、楽天グループで買い物する方は、必須のカードとも言えるでしょう。
楽天ビジネスカードは、この2つの特典が、最大級の特典となっていますが、デメリットはどのようなものがあるでしょうか?
楽天ビジネスカードのデメリットは?
楽天ビジネスカードのデメリットとしては、以下のようなものが挙げられます。
- 楽天プレミアムカードと楽天ビジネスカードが2枚それぞれ発行される
- 子カードの発行ができない
- ステータス性は低い
まず、しっかりと認識しておかなければならないことは、楽天ビジネスカードを申し込む上では、楽天プレミアムカードを申し込まなければならない、ということです。
楽天ビジネスカードの年会費は、一括りで12,200円(税込)にはなっていますが、
楽天ビジネスカード:2,200円(税込)
楽天プレミアムカード:11,000円(税込)
というのが実際のかかる年会費となっています。楽天ビジネスカードだけを申し込むことはできず、必ずセットとなるため、海外に行かない、楽天市場も使わない、という方は言うまでもなく無駄なカードになりますので、注意しましょう。
また、楽天ビジネスカードでは、子カードの発行も一切できません。要は、法人の代表者のみしか使えないことになるため、企業向けというよりも、海外へ行く方、楽天市場を使う方向けのカードに近いです。
ですので、社員向けの法人カードではありませんが、プライオリティ・パスや楽天市場を頻繁に使う方には、払う年会費以上に特典が大きい法人カードとなっていますので、該当する方には、間違いなくおすすめです!
使い方1つで断然お得?!ダイナースクラブビジネスカード
4つ目の法人カードは、年会費はとても高額にはなるものの、使い方1つでお得に使える法人カードになります。それが「ダイナースクラブビジネスカード」です。基本スペックは以下のようになります。
年会費 | 29,700円(税込) |
---|---|
ブランド | Diners |
カード利用可能枠 | 制限なし |
支払い方法 | 1回払い |
カード締め日 | 毎月15日 |
支払日 | 翌月10日 |
キャッシング機能 | 最大50万円まで |
子カード発行枚数 | 無制限 |
子カード費用 | 無料 |
ETC発行枚数 | 無制限 |
ETC費用 | 無料 |
ポイント還元率 | 基本還元率0.4% |
マイル還元率 | ANAマイル:1,000ポイントにつき1,000マイル
※ダイナースグローバルマイレージに登録が必要(年会費6,600円(税込)) |
保険 | 海外旅行傷害保険:最高1億(自動付帯)
国内旅行傷害保険:最高1億2(利用付帯) ショッピング保険:最高500万円 ゴルファー保険:最高300万円 |
ラウンジサービス | 海外空港ラウンジサービス・国内空港ラウンジサービス有
空港手荷物無料サービス・ハイヤー送迎サービス有 |
その他 | WEB明細
コンサルティングサービス 会計ソフト優待 |
ダイナースクラブビジネスカードをおすすめする理由は以下の通りです。
- ダイナースクラブのステータス性
- 海外旅行・国内旅行サービスが充実
- 子カードの枚数制限がなく年会費無料
- 企業向けサービスも豊富
ダイナースのクレジットカードといえば、高額な年会費のイメージがある方も多いと思いますが、法人カードもまた、29,700円(税込)と高額にはなっています。ですが、特典も豊富なカードですので、早速説明していきましょう。
ダイナースクラブのステータス性
1つ目の理由としては、ダイナースクラブのステータス性が1番にあります。法人カードは、基本経営者が使うわけですから、ある程度使っているカードを見られることは、必然です。そんな時にダイナースの法人カードであれば、ステータス性は高いため心配はありませんし、また、ダイナースクラブとしての信頼性もあります。
ダイナースクラブビジネスカードは、ダイナースとの優待店での割引特典も多数あり、高級レストランでの1名分無料といったサービスも付いています。また、ダイナースクラブラウンジなども利用ができるので、充実したサービスを受けることができます。
◯海外旅行・国内旅行サービスが充実
2つ目の理由としては、海外旅行・国内旅行のサービスが充実しているということです。
海外旅行では、海外旅行傷害保険をはじめ、海外空港での独自のラウンジサービスや送迎サービス・手荷物宅配サービスが充実しています。
国内旅行であっても、国内旅行傷害保険や国内主要空港でのラウンジサービスも特典が、しっかりと付いていますので、国内外充実した特典を受けることができます。
海外・国内旅行傷害保険の詳細は以下の通りです。
【海外旅行傷害保険】
適用条件 | 自動付帯(一部利用付帯) |
---|---|
死亡・後遺症障害 | 最高10,000万円(内5,000万円は利用) |
傷害治療費用 | 最高300万円 |
疾病治療費用 | 最高300万円 |
賠償責任 | 最高10,000万円(内5,000万円は利用) |
携行品損害 | 最高50万円 |
救援者費用 | 最高300万円 |
【国内旅行傷害保険】
適用条件 | 利用付帯 |
---|---|
死亡・後遺障害 | 最高10,000万円 |
入院 | 日額5,000円 |
手術 | 種類に応じて、5万~20万円 |
通院 | 日額3,000円 |
子カードの枚数制限がなく年会費無料
ダイナースクラブカードでは、子カードを発行したい場合には、必要な枚数発行ができるのも大きな特典の1つとなっています。しかも、年会費や発行手数料も全くかかりません!
通常法人カードの年会費が高ければ、子カードであっても、ある程度の年会費が取られることが普通ですが、ダイナースクラブビジネスカードでは、それがありません。
要するに、社員10人で使おうが、100人で使おうが、年会費は変わらず29,700円(税込)で利用ができてしまうのです。ですので、中小企業規模以上の人数の多い法人向けに、とても使いやすいカードとなっています。
企業向けサービスも豊富
ダイナースクラブビジネスカードでは、企業向けのサービスも多数あります。例えば、経営上の資金や管理の相談を無料で受けられる「プライベートアドバイザーサービス」や、カードの利用データを取り込むことができる会計ソフト「freee(フリー)」の有料プランが2カ月無料で使えるなど、さまざまな企業向けサービスも付帯されています。
このように、年会費は高い法人カードにはなりますが、その分特典も豊富に受けられるカードになっていますが、デメリットはないのでしょうか?
ダイナースクラブビジネスカードのデメリットは?
ダイナースクラブビジネスカードのデメリットは、以下のようなものが挙げられます。
- ポイントの還元率が低い
- マイルに交換するには、年会費が別途必要
- 国内では使えないお店も意外と多い
1点目は、ポイントの還元率が低いということですが、ダイナースクラブビジネスカードでカードを利用した際は、100円につき1ポイントのリワードポイントが貯まります。リワードポイントのメリットとしては、有効期限がないことにはなりますが、1,000ポイントにつき400円での旅行代金充当プログラムへの還元になるため、基本の還元率が0.4%と低くなっています。
2点目として、マイルへの交換をする際には、「グローバルマイレージ」への登録が必要ということです。年会費6,600円(税込)を払うことで、ポイントをマイレージに交換できるというサービスになりますが、さらに年会費を払わなければならないのは、デメリットと言えそうです。
しかし、このサービスを利用することで、マイルへの還元率は1000ポイント→1,000マイルと、1%還元が可能にはなるため、高還元で交換することは可能になります。そのため、ダイナースクラブビジネスカードを利用する場合には、マイルへの交換は必須になるため、事実上、年会費は33,300円(税込)と考えるのが無難になりそうです。
最後は、ダイナースブランドが意外と国内で、使えないお店があることです。ダイナースのブランドを利用する場合には、お店側が負担する「加盟店手数料」が高い傾向にあり、それが原因で使えないお店もあります。利用する際には、事前にステッカーなどを確認する必要もあるかもしれません。
以上のように、多少のデメリットもありますが、特にポイントの還元率が低くても、マイルへの交換によって高還元でマイルが貯まるカードにはなっていますので、中小企業のように人数が多い、企業で使うことで、高額な年会費も発行した枚数で割ってしまえば、1枚当たりの年会費ぐんと下がります。使い方1つでお得になる法人カードですので、大変おすすめです!
ステータス性抜群!アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード
最後におすすめする法人カードは、ステータス性抜群の法人カードです。それが「アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード」になります。世界的ブランドの「American Express」の法人ゴールドカードになっています。では、基本スペックは以下のようになります。
年会費 | 31,100円(税込) |
---|---|
ブランド | American Express |
カード利用可能枠 | 制限なし |
支払い方法 | 1回払い |
カード締め日 | 19日/3日/7日※ユーザーにより異なる |
支払日 | 翌月10日/翌月21日/翌月26日※ユーザーにより異なる |
キャッシング機能 | なし |
子カード発行枚数 | 5枚 |
子カード費用 | 年会費12,200円(税込) |
ETC発行枚数 | 5枚 |
ETC費用 | 年会費550円(税込) |
ポイント還元率 | 基本還元率0.3% |
マイル還元率 | 基本還元率0.5%
ANAマイル:2,000ポイント→1,000マイル |
保険 | 海外旅行傷害保険:最高1億円(自動付帯、一部利用付帯)
国内旅行傷害保険:最高5,000万円(利用付帯) ショッピング保険:最高500万円 |
ラウンジサービス | 海外空港ラウンジサービス・国内空港ラウンジサービス有
空港手荷物無料サービス・ハイヤー送迎サービス有 |
その他 | WEB明細
経営管理サポート コンサルティングサービス レンタルオフィス(帝国ホテルラウンジ) 会計ソフト優待 |
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カードをおすすめする理由としては、以下の通りです。
- 抜群のステータス性と信頼性
- 企業向けビジネスサービスが豊富
- 国内外の旅行傷害保険が充実
では、早速それぞれ見ていきましょう。
抜群のステータス性と信頼性
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カードでは、年会費は高額になるものの、ビジネスマンとして、このカードを使っているのは、ステータス高く接待の場でも、当然信頼性を損なうことはないでしょう。
また、アメリカン・エキスプレスとしての長年の伝統からさまざまな店舗との提携をしており、帝国ホテルのビジネスラウンジが無料で使える特典も付帯しています。その他、法人会員制クラブ「クラブオフ」も年会費に含まれていますので、あらゆる業種のサービスを受けることができるのでも、社員への福利厚生として魅力的な特典となっています。
企業向けビジネスサービスが豊富
個人向けの特典もさることながら、企業向けのサービスが豊富なのも、おすすめの理由です。主なサービスとしては、
- G-Search(ジーサーチ)の無料サービス
- コンサルティング無料サービス
- ビジネス・カード会員限定のイベント
など無料で利用することができます。
G-Search(ジーサーチ)とは、企業情報や過去から現在に至る新聞記事等の閲覧など、情報収集やビジネスにおいての企業調査に役立てることができる情報サービスとなっています。これらが無料で使える他、経営での悩みがあった場合における、経営コンサルを受けることができるサービスもあります。
また、アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード会員が集うイベントも定期的に行われていますので、さまざまな業種業態の方との異業種交流の場としても、役立つかもしれません。
こういった企業面のサービスが豊富なのも、特徴の1つとなっています。
国内外の旅行傷害保険が充実
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カードは、旅行傷害保険もしっかり付帯しています。海外旅行傷害保険では、最高1億円の補償を受けることができ、国内旅行傷害保険では、最高5,000万円の補償を受けることができます。これに合わせて、子カードにも補償額は下がりますが、それぞれ最高4,000万円の補償が受けられますので、安心です。
【海外旅行傷害保険】
適用条件 | 自動付帯(一部利用付帯) |
---|---|
死亡・後遺症障害 | 最高10,000万円(内5,000万円は利用) |
傷害治療費用 | 最高300万円(内200万円) |
疾病治療費用 | 最高300万円(内200万円) |
賠償責任 | 最高4,000万円(利用付帯) |
携行品損害 | 最高50万円(利用付帯) |
救援者費用 | 最高400万円(内300万円は利用付帯) |
【国内旅行傷害保険】
適用条件 | 利用付帯 |
---|---|
死亡・後遺障害 | 最高5,000万円 |
入院 | ー |
手術 | ー |
通院 | ー |
また、ショッピング保険も500万円の補償が受けられる他、国内旅行傷害保険の場合には、航空機遅延損害保険も利用付帯で、適用されるので、出張中の遅延などにも対応ができます。
以上が、おすすめの理由になりますが、アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カードのデメリットはどのようなものがあるのでしょうか?
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カードのデメリットは?
デメリットとしては、以下のようなものが挙げられます。
- 年会費が高額
- 子カードの枚数制限が5枚まで
- ラウンジサービスが少ない
やはりネックなのは、年会費が高額ということではないでしょうか。全体的な特典としては、十分な内容になっていますが、特典をしっかり使わなければ、企業規模(カードの利用額)によっては、確実にマイナスになるケースがほとんどかと思います。ある程度の収入がある方向けの法人カードであることは、間違いないでしょう。
また、子カードの発行が5枚までと制限があることに加え、年会費が1枚ごとに12,200円(税込)取られてしまうのも、ネックなポイントです。
3つ目は、空港ラウンジサービスが年会費の割には、充実していません。特に海外では、ハワイ・ダニエル・K・イノウエ国際空港と仁川国際空港のみですので、年会費2,000円の「EX Gold forBiz」と内容が変わりません。海外へ行く頻度が多い場合には、ラウンジサービスは期待できませんので、注意が必要です。
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カードの、おすすめできる理由とデメリットについてお話ししてきましたが、このカードは、抜群のステータス性と企業向けのサービスが充実した法人カードになります。
そのため、収入の高い代表者や役員の方向けの法人カードとなっていますので、役員用と社員用と分けて、法人カードを作成するのも1つの手段になるかもしれませんね。
以上が、おすすめできる法人カード5選になります。
- JCB法人カード
- EX Gold forBiz(オリコカード)
- 楽天ビジネスカード
- ダイナースクラブビジネスカード
- アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード
上記5つの法人カードを説明してきましたが、それぞれ特徴が大きく異なるため、企業規模やビジネススタイルによって、マッチした法人カードがあるかと思いますので、ぜひ参考にしてみてください。
まとめ
法人カードとは、企業向けのクレジットカードになっており、特徴として、
- カード券面が会社名と個人名
- 会社名義の引き落とし口座に指定が可能
- 支払い方法か基本1回払い
- 企業向けの特典が多い
上記の特徴があります。
また、法人カードのメリットとしては、
- 経理上の手続きを効率化できる
- ポイントやマイルが貯まる
- 法人ならではの特典が受けられる
などがあり、特に法人カードを持つことによって、経理上の効率化を図ることができるのは、最大のメリットとも言えます。
そして、おすすめの法人カードとして、
- JCB法人カード
- EX Gold forBiz(オリコカード)
- 楽天ビジネスカード
- ダイナースクラブビジネスカード
- アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード
上記の5つのカードをご紹介してきました。
【JCB法人カード】
メリット
- 年会費が安い
- 子カードも発行でき、ETCカードを発行枚数に制限なし
年会費が安価でも保険がしっかり付帯している
デメリット
- 空港ラウンジサービスなどの特典はない
- 審査は法人カードの中では、厳しめ
- 限度額も法人カードの中では、低め
- 海外での加盟店は少ない(海外での利用に弱い)
【EX Gold forBiz(オリコカード)】
メリット
- 年会費が格安の法人ゴールドカード!
- ポイントは使えば使うほどお得
- 支払いがスムーズなコンタクトレス決済
- 空港ラウンジサービス有
- Mastercardを選んだ場合には、プラチナ級の特典も!
デメリット
- 子カードの発行が3枚まで(ETCカードも)
- 少額しか利用しなければ、ポイントの還元率が低い
【楽天ビジネスカード】
メリット
- プライオリティ・パスが無料付帯
- ポイントが高還元
デメリット
- 楽天プレミアムカードと楽天ビジネスカードが2枚それぞれ発行される
- 子カードの発行ができない
- ステータス性は低い
【ダイナースクラブビジネスカード】
メリット
- ダイナースクラブのステータス性
- 海外旅行・国内旅行サービスが充実
- 子カードの枚数制限がなく年会費無料
- 企業向けサービスも豊富
デメリット
- ポイントの還元率が低い
- マイルに交換するには、年会費が別途必要
- 国内では使えないお店も意外と多い
【アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード】
メリット
- 抜群のステータス性と信頼性
- 企業向けビジネスサービスが豊富
- 国内外の旅行傷害保険が充実
デメリット
- 年会費が高額
- 子カードの枚数制限が5枚まで
- ラウンジサービスが少ない
と、それぞれメリット・デメリットがありました。
総じて言えることは、法人カード経費での清算において非常に役にたつ決済ツールとなっています。法人カードを使うことで、経理上の手続きを効率化させることを最大のメリットとして、通常のクレジットカード同様に特典も、受けることができます。
法人カードの種類においても、さまざまな種類がある中で、ポイントが貯まらない、1回払いしかできない、キャッシング機能は付けられないなどの制約があるカードもありますので、注意して選びましょう。
そして、選ぶ際には、ビジネススタイルに合わせて、出張が多ければ、ラウンジサービや旅行保険の充実したカードや、買い物が多ければ、ポイントの還元率が高いものなど、スタイルにあった法人カード選びをしていくことで、より有益なカード選びへと繋がるのではないでしょうか。