初心者におすすめのETF5選!国内・海外・新興国などどれを選べばいい?

今回は初心者におすすめのETF銘柄を5種類紹介していきます。

ETFには国内株式型や海外株式型、債券投資型、コモディティ型など複数のタイプに分かれますが、その中にもたくさんの銘柄が存在しているため選ぶのが難しい特徴があります。そこで、今回はETFの各タイプごとに詳しく解説していき、その中からおすすめのETFを5つに絞って紹介していきましょう。

ETFはたくさんありすぎてどれを選べばよいか分からないという方は、ぜひとも今回の記事をご参考にしてみてください。

ETF|5つの種類を覚えよう

ETF(Exchange Traded Fund)は「上場投資信託」と呼ばれます。ETFは、日本のデフレ脱却のために2013年4月から日銀が主体となってスタートした金融商品のことです。

一般的な投資信託は投資家から資金を募り、その集めたお金を使って金融商品の運用を行います。しかし、投資信託の多くの商品は非上場のため、買い付け段階では価格が分かりにくいというデメリットがありました。そこで、取引所に上場している株価の指数などに連動する「上場投資信託(ETF)」という方法を用いることで、取引時間中であればいつでも売買ができ、細かな値動きもリアルタイムで確認できるようになったのです。

ETFの基本は特定の指数に連動して運用成績が左右されます。たとえば、日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)、他にも債券、REIT(リート)、通貨、コモディティ(商品)など、複数の指数から希望のものを選ぶことが可能です。株価指数1つとってみても、日本のものを選ぶか、アメリカのものを選ぶかで運用方法が大きく異なるため、まずはETFの種類について理解しておく必要があるでしょう。

ここでは以下5つのETFの種類を紹介しています。

  • 国内株式型
  • 海外株式型
  • 債券投資型
  • 金(ゴールド)連動型
  • 石油連動型

ここからはそれぞれの特徴や違いについて詳しく解説していきますので、どのETFを選ぶか参考にしてみてください。

ETF(1):国内株式型

国内株式型ETFは日本国内の株価指数に連動しています。株価指数にも種類があり、もっともスタンダードなタイプは日経平均株価(日経225)で、日本人投資家の選択肢として最多です。

日経平均株価連動型に人気が集まるのは、レバレッジの仕組みを利用して実際の値動きより2倍の値幅で動く特徴があるからです。たとえば、日経平均が1日に1%しか上昇しなかった場合でも、日経平均レバレッジ型のETFなら2%の上昇を記録します(繁体に下落したときの倍率も高くなるのでリスクとリターンが増えます)。現在ではレバレッジが設定できる倍率は2倍までとなっており、最大25倍のFXと比べると、リスクテイクと期待収益率のバランスが優れていることが分かるでしょう。

また、日経平均株価連動型にはインバース型と呼ばれる指数もあります。インバース型は実際に動いた指数とは正反対の値動きをする特徴があり、指数が下落すれば反対に価格が上がるのです。特に市場予想が右肩下がりという相場のときにインバース型に人気が集まります。

国内株式型ETFには、日経平均株価指数の他にも以下のような指数が存在します。

  • 東証株価指数(TOPIX)
  • 日経300
  • S&P日本新興株100
  • MSCIジャパンインデックス
  • 東証マザーズコア指数
  • 銀行業株価指数
  • TOPIX Core30
  • 日経中国関連株50 など

ETF(2):海外株式型

海外株式型ETFは、外国の株価指数に連動するように設定されています。海外株式は日本の証券取引所に上場している銘柄のほか、海外の証券取引所に上場している銘柄も含みます。特にアメリカには豊富な指数が揃っており、日本で購入できる海外株式ETFは50種類程度しか存在しないのに対し、アメリカでは2,000種類を超えるETFが上場されています。

その中でも特に人気が高いのがアメリカを代表する株価指数S&P500に連動したETFで、こちらは国内・海外問わず取引することが可能です。ただし、日本で取引する場合は円建てとなるため、常に為替相場の影響を受けるリスクにも注意しておきましょう。

S&P500指数以外にも、海外株式型ETFには以下のような種類があります。

  • CSI300
  • ハンセン中国企業株指数
  • SET50指数
  • ダウ・ジョーンズ工業株30種平均 など

ETF(3):債券投資型

債券投資とは、国や企業等が資金を調達する際に発行する証書をベースに、投資家に対して利子とともに、償還日に元本を返済することです。つまり、債券投資を行うことによって投資家は利子という利益を受け取ることができます。

ETFにも世界各国が発行した国債が指数となるものがありますが、そのほとんどは外国債券です。日本国債に連動するETFは存在せず、日本国内に上場している債権の種類もごくわずかとなっています。また、国内債券に投資したとしても現在の低金利状態では利回りを出すのは難しいでしょう。

一方、海外の国債では年利5%を上回るような種類も存在するため、国内株式型ETFなどと上手に組み合わせてリスクヘッジすることで期待以上の利益を狙うこともできます。

債券投資型ETFの代表的な指数は以下の通りです。

  • シティグループ世界国債インデックス
  • バークレイズ・キャピタル自国通貨建て新興市場国債 など

ETF(4):金(ゴールド)連動型

ETFは株式や債券以外にもコモディティ(商品)の指数に連動したものもあります。その代表的なものが、金(ゴールド)に連動したETFです。

金は「有事の金」という言葉がある通り、万が一現金が使えなくなったときの代替手段としての地位を確立しており、ETFとして投資されることも増えています。金の投資といえば初期費用が大きくなりそうな印象を受けますが、実は1口単位の投資が可能で、ETFによっては4,000/口から購入できるものも。

金の現物を購入するには高額の売買手数料が発生しますが、ETFの場合は現物金との交換ができない代わりに手数料が低く、保管コストもかからないメリットがあります。

金連動型ETFは国内・海外の証券取引所に上場しているため、株式や債券と同じように取引時間中であればリアルタイムの取引や値動きの確認が可能です。

ETF(5):石油連動型

石油連動型ETFは原油ETFとも呼ばれます。こちらも金連動型と同じようにコモディティタイプとなりますが、実際に現物交換を行うわけではなく、証券取引所が開いているときにリアルタイム取引ができます。また、5,000円以下から投資できるメリットも魅力的です。

石油連動型ETFに投資する利点は、株式や債券とは異なる要因で指数が変動するため、投資ポートフォリオを組む際のリスク分散に向いていることでしょう。ETFであれば取引の期限がないため、中~長期保有にも適している性質もあります。

石油連動型ETFの商品は国内ではWTI原油価格連動型上場投信、NOMURA原油インデックス連動型上場投資、海外ではユナイテッド・ステーツ・オイル・ファンドWTI原油連動ETFなどが代表的です。

ETFの正しい選び方

ETFには大きく分けて5つの種類があることを紹介してきました。また、その5種類の中にも細かく商品が分かれており、初めてETFに投資する人にとっては選び方が非常に難しいデメリットがあります。

そこで、ここではETFの正しい選び方として主に3つのポイントから要点をお伝えします。ETF選びのポイントとなるのが以下の3点です。

  • 分配金
  • 出来高&純資産額
  • 信託報酬

ETF銘柄の中には投資家に分配金を用意するものもあり、その利回りの高さを基準に銘柄を選ぶ方法があります。また、出来高や純資産額が多い銘柄ほど人気の高い特徴があるため、上場廃止のリスクを抑えることに役立ちます。

信託報酬とは投資信託を管理・運用するために投資家が支払うコストのことで、信託報酬が低いETFに投資するほど収益性が高まるのです。

今回は上記3点を基本に、ETFの選び方をもう少し具体的に紹介していきましょう。

分配金

株式投資や投資信託を行ったときに受け取れる分配金ですが、ETFに投資した場合でも分配金が受け取れます。分配金とは、株式会社が利益を得た際にその一部を投資家に還元することです。

分配金を受け取る条件としては、ETF銘柄を運用している会社が指定した権利確定日にそのETFを保有しておくだけです。この期間内にETFを保有していれば分配金を受け取れる「受益権」が与えられます。

分配金の利回りは銘柄によって異なりますが、日本証券取引所グループが発行した「東証公式ETF・ETNガイドブック」によると、配当金の平均利回りは2.33%となっており、銘柄選びの基準になります。また、高配当銘柄で構成されたETFなどの場合だと、配当利回りが3%を越えることも珍しくないので、できるだけ高い数値を狙うのが基本です。

出来高&純資産額

出来高とは売買の合計数量を指し、純資産額とはそのETFの合計資産額を表します。出来高と純資産額はどちらも取引規模の大きさを確認する数値として適しており、数値が高いほど人気のあるETFだということが分かります。

ETFで注意すべきポイントは流動性リスクです。流動性リスクとは、「買いたい(売りたい)のに変えない(売れない)」危険性を表しており、出来高や純資産額が大きいETFほど流動性リスクを抑えることに役立ちます。たとえどれだけ分配金利回りの高い銘柄であったとしても、取引したいときにできなければ利益確定には至りません。そのため、そのETFがどれだけの投資家に買われているか(売られているか)を把握しておくことも重要です。

また、純資産額が小さいETFになると出来高も少なくなるケースがあり、上場していたとしても途中で廃止になってしまうケースも考えられます。上場廃止になったETFでも、廃止時点で資産が算出されて返還されますが、上場廃止になる銘柄が順調な値動きを見せる可能性は低いでしょう。

このように、投資リスクを軽減するためにも、購入しようとしているETFの規模にも注意が必要です。

信託報酬

ETFにおいて注意すべきポイントは信託報酬です。信託報酬とは投資信託を運用・管理する際に発生するコストで、ETFの場合は投資家が証券会社に対して支払う義務を負います。そのため、できるだけ信託報酬の低いETFを選ぶのも大切です。

ETFは一般的な投資信託に比べると信託報酬が低く設定されているものの、銘柄によって差があるので、それぞれのETFをしっかりと見比べなければなりません。また、信託報酬はETFを保有している間に毎日発生する手数料なので、気付いたときにコストばかりがかさんでいないか注意しましょう。

ETFの購入方法

ETFは株式を買うときと同じように証券会社に口座を解説することで始められます。基本的に全国にある証券会社であれば、どの会社でもETFは購入できますので、まずは口座開設からスタートしてみましょう。

ETFの購入は最低売買単位が決められており、「口」と呼ばれています。1口5,000円のように、ETFの種類によって口ごとの単価が定まっています。

基本的にETFの購入方法は株式と同じです。ETFも株式同様、常に市場価格が変動するので、相場の状況を見ながら「指値注文」や「成行注文」を行います。指値注文とは、あらかじめ価格を指定して注文を行う方法で、成行注文は市場の成行を見て注文が行われます。

また、注文時は「買い」だけでなく「売り」から入る「空売り」を行うこともできるのがETFの特徴です。相場の状況を見極めて「売り・買い」を組み合わせて利用していくと良いでしょう。

ETFはいくらから購入できる?

最近ではETFの種類が増え、1口からでも購入できる銘柄もあります。そのため、安く購入できるETFであれば5,000~11,000円程度あれば投資できるものも。しかし、安い銘柄だからすぐに始められるというわけではありません。

ETFには先ほど紹介した信託報酬と売買手数料の2つのコストが発生します。信託報酬はETFを購入して保有しているだけで必要なコスト、売買手数料はETFを売買したときに証券会社に支払うコストのことです。

投資金額が少なければどれだけ運用利回りが高くても利息は少なくなります。そして、取引や保有のたびに手数料が発生するため、当然ですが元手が少なければ期待収益率も低くなります。つまり、少額投資だとあまり大きな儲けにならないばかりか、コストばかりが膨らんでいく構図になりやすいのです。

そのため、少なくとも元手資金は10万~100万円ほどは用意しておきたいところです。

おすすめのETFは?人気銘柄5つを紹介

最後にETFのおすすめ銘柄を5つ紹介していきます。流動性の高いもの、信託報酬の低いものなど、ここで紹介している銘柄はそれぞれの独自の特徴を持っているため、ETF投資をご検討中の方はぜひともご参考にしてみてください。

日経225連動型上場投資信託

日経225連動型上場投資信託は東京証券取引所に上場しているため、ほとんど全ての証券会社で扱っています。純資産総額は5兆2,485億円と国内ETFの中では圧倒的な高さを誇り、流動性の高さは折り紙付きです。

日経平均株価に連動しており、ソフトバンクやファーストリテイリング、ファナック、KDDI、京セラなど優良企業によって構成されています。

ただし、配当金の利回りは2017年7月決算時で1.4%とそれほど高くはありません。出来高と流動性の高さを最大限に活かし、デイトレードやスイングトレードなど短期間の売買が基本となります。

iシェアーズTOPIX ETF

こちらも東京証券取引所に上場しているETFで、ほぼすべての証券会社にて購入することが可能です。日経225連動型上場投資信託と異なる点は、東証株価指数(TOPIX)に連動していることです。

TOPIX指数のETFの中では格段に安い手数料が魅力で、信託報酬は年0.06%。また、売買単位も1口から投資可能で、数千円から購入することができます。

MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス

MSCI社(モルガンスタンレー・キャピタル・インターナショナル)が提供する世界中の株式指数に連動したETFです。日本やアメリカはもちろんですが、ヨーロッパ、中国、アジア、アフリカなど世界各地の株式市場の、大型~中・小型株が含まれています。

銘柄数は2,500種類を越え、全世界株式市場の時価総額約85%をカバーする規模が魅力です。

MAXIS J REIT上場投信

国内の不動産に特化したETFで、年0.25%という低い信託報酬、年4回の分配などの強みがあります。また、MAXIS J REIT上場投信はフリーETF対象となっているため、カブドットコム証券で取引を行うと手数料が無料になります。

REIT向けのETFには他にもNEXT FUNDS 東証REIT指数連動型上場投信などもありますが、MAXIS J REIT上場投信は比較的出来高が少なくなっているため、分配金狙いの中~長期投資狙いがおすすめです。2017年10月決算時の分配金利回りは3.47%となっています。

SPDRゴールド・シェア

SPDRゴールド・シェアは「金地金価格(ロンドン金値決め)」に連動したETFで、2008年に東証一部に上場しました。年0.40%という安い信託報酬に加え、米国の証券会社を利用すると現物の金と交換することもできます。

また、1口あたり11,000円台から購入することもできるため、国内の金ETFである「金価格連動型上場投資信託」と比べて低コストで投資に参加できる特徴があります。

おすすめETFまとめ

今回はETFの種類を紹介しつつ、5種類のおすすめETF銘柄を紹介してきました。

ETFの種類には5つあり、最後に少しだけおさらいしておきましょう。

  • 国内株式型
  • 海外株式型
  • 債券投資型
  • 金(ゴールド)連動型
  • 石油連動型

上記の種類には期待運用利回りや運用方法が異なるため、1つだけに絞って利用するよりも、色々な種類を組み合わせて分散投資することが基本です。ETFの銘柄によっては短期取引に向くもの、長期取引に向くものがあるので、今回紹介した銘柄を参考に自分だけのポートフォリオを作り上げてみましょう。

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