【株式投資のコツ】大型株と中小型株の違いを知ろう!

今回は、大型株や中小型株の特徴について解説します。 大型株は、誰もが知っている大企業で、業績も安定している企業が多いので、じっくり利益を得たい投資家に向いています。一方、中小型株は値動きが荒いので、短期で利益を得たい投資家に向いています。

それぞれのメリット・デメリットを把握して、投資対象を決めるようにしましょう。まずは、大型株の定義から見ていきます。

大型株とは

東京証券取引所では、規模別株価指数の算出において、時価総額別に東証一部銘柄を以下の三つに分けています。

  • 大型株
  • 中型株
  • 小型株

時価総額とは、株価に発行済み株式数を掛けたもので、企業価値を判断するための指標です。時価総額が大きいということは、業績だけでなく、将来の成長に対する期待も高いことになります。

例えば、株価が1,000円で、発行済株式数が1億株の会社なら、時価総額は1,000億円となります。時価総額は、時価で評価されるので毎日変動します。

東証では、大型株を時価総額と流動性が高い上位100銘柄、中型株は大型株に次いで時価総額と流動性が高い上位400銘柄、それ以外を小型株と分類しています。大型株だけで、東証1部の時価総額の約6割を占めています。

さらに、大型株の中でも日本を代表する少数の銘柄を主力大型株と呼びます。東証では、大型株を「TOPIXコア30」と、「TOPIXラージ70」に分けています。TOPIXコア30が主力大型株です。

TOPIXコア30は日本を代表する少数の企業の集まりです。トヨタ自動車やソニーなど知名度が抜群で、時価総額も大きい銘柄です。世界景気や国内景気との連動性が強く、日本株全体の方向性を示します。

TOPIXコア30は毎年10月に構成銘柄の見直しが行われます。ただ、構成銘柄の入れ替えは毎年行われるわけではありません。

また、業種ごとに以下のように分類されます。

自動車株や電気株など海外への依存度が高い銘柄群は、「輸出関連株」といわれ、為替が円安に振れると株価が上昇する傾向にあります。反対に、小売や衣料品など国内の売り上げが大きいのが「内需関連株」で、いずれも「景気敏感株」といわれます。

機械や半導体製造装置、リースのように設備投資の動きに左右される銘柄を「設備投資関連株」といいます。また、建設機械や鉄鋼など中国経済の影響を受けやすい銘柄を「中国関連株」といいます。

海運株や証券会社、石油・ガスなどの市況に影響を受けやすい銘柄を「市況関連株」といいます。そし国債などの資産運用に頼る銀行は保険、有利負債が多い不動産などを「金利敏感株」といいます。

景気後退局面では、鉄道やガスなど収益の安定性が見直される「ディフェンシブ関連株」などがあります。

それでは、時価総額上位銘柄を見てみましょう。(2018年11月現在)

コード名称時価総額(百万円)
17203トヨタ自動車22,256,906
29437NTTドコモ9,822,631
39984ソフトバンク9,671,503
49432NTT9,176,606
58306三菱UFJフィナンシャル8,665,762
66861キーエンス7,473,772
76758ソニー7,226,790
89433KDDI6,597,138
96178日本郵政6,151,500
109983ファーストリテイリング6,022,862

1位はトヨタ自動車で、2位の NTT ドコモの倍近い時価総額があります。時価総額上位には、ハイテク以外にも通信や銀行など内需関連銘柄が多い傾向にあります。株価指数には、日経平均株価と TOPIX (東証株価指数)の2種類があり、日経平均株価は株価が高い値がさ株の影響を大きく受けますが、TOPIXは時価総額上位銘柄の影響を受けます。

ですから、トヨタや NTT ドコモ・ソフトバンクグループなど時価総額上位銘銘柄の動向は、TOPIXを見る際にも注目されるのです。また、業種ごとに時価総額は以下のようになっています(2018年10月現在)。電気機器や輸送用機器など、外需関連銘柄だけでなく、通信や銀行など、内需関連銘柄の時価総額が高いことが分かります。

業種上場会社数時価総額
市 場 第 一 部2,104675,752,161
1電気機器16072,233,417
2情報・通信業19759,522,212
3輸送用機器6254,540,904
4化学14641,451,332
5銀行業8240,248,719
6小売業19638,747,547
7医薬品3932,666,479
8サービス業19831,671,545
9卸売業17529,340,258
10機械13928,249,277


大型株のメリット

それでは、大型株のメリットから見ていきましょう。主に次の3つがあります。

  1. 流動性が高い
  2. 値動きが安定している
  3. 配当利回りが高い

それぞれ解説していきます。

流動性が高い

大型株の大きなメリットは、流動性が高いことです。流動性が高いというのは、買いたい時に買える、売りたい時に売ることができるということです。特に、出来高も多いみずほの注文状況を見てみましょう(下図)

出典:楽天証券

このように、注文が多く入っているので、売買しやすくなっています。

値動きが安定している

大型株は、流動性が高いので値動きが安定しています。新興市場銘柄のように、短期間で2倍3倍に上昇したり、また短期間で半値になったりしてしまうような、ボラティリティ(値動き)が高いことはほとんどありません。

配当利回りが高い

大型株は大きな成長が期待できない反面、株主還元として配当が高い銘柄も多くあります。東証一部全銘柄の予想平均配当利回りは1.88%ですが、大型株の中には、以下のような4%を超えるような高配当銘柄もあります 。

配当利回り
17201日産自動車5.93%
27270SUBARU5.52%
32914JT5.29%
45411JFホールディングス4.66%
58035東京エレクトロン4.66%
61928積水ハウス4.64%
78031三井物産4.53%
88766東京海上4.52%
98053住友商事4.43%
104188三菱ケミカル4.32%

大型株のデメリット

大型株には、以下のようなデメリットもあります。

  1. 海外の影響を受ける(外国人投資家の割合が高い)
  2. 大きな値動きが期待できない
  3. 株価指数の影響が大きい

詳しく見ていきましょう。

海外の影響を受ける(外国人投資家の割合が高い)

大型株、特にTOPIXコア30は日本を代表する企業で、外国人投資家にも人気があります。世界に進出している企業も多いので、事業内容が分かりやすいのと、時価総額が大きいので、運用資金が大きい海外の機関投資家も売買がしやすいからです。

例えば、外国人投資家の比率が高いソニー(6758)では57.5%を超えています。ただ、東証1部全体の保有比率は3割程度ですが、売買代金では6割を外国人投資家が占めています。

日々の売買で外国人投資家の影響は非常に大きいので、アメリカやヨーロッパ、中国など世界の各市場の影響を大きく受けます。

大型株には、海外の売上比率が高い銘柄が多いことと合わせて、外国人投資家の影響が大きいということには注意しておかなければいけません。

大きな値動きが期待できない

大型株は流動性が高いというメリットの反面、大きな値動きは期待できません。短期で利益を狙うのには、あまり適していません。資金の大きな投資家は、中小型株では取引きしづらいので、大型株で短期トレードする場合もありますが、ロット(株数)を大きくしなければいけません。

また、値動きが小さく、外国人投資家や機関投資家などプロが多数参加しているので、初心者が短期トレードで利益を上げるのは困難です。資金の少ない、もしくは初心者の方は、短期ではなく、長期で大型株に投資するようにしましょう。

株価指数の影響が大きい

日経平均株価やTOPIXなどの株価指数は、大型株の値動きに大きな影響を受けます。逆にいえば、大型株は株価指数に影響を受けるということにもなります。

どういうことかというと、日経平均株価やTOPIXなどを株価指数には「先物取引」があります。現在では、現物株よりも先物取引の影響が大きくなっています。先物主導で相場が動くようになっているのです。

ですから、大型株単体の材料よりも、株価指数の値動きによって、短期的に株価が振らされてしまいます。業績に問題がなくても、海外市場で悪影響があれば、日経平均先物に売りがでます。そうすると、大型株も一緒に売られてしまうのです。

大型株の投資戦略

大型株のメリットとデメリットを考えた場合の投資戦略を考えてみましょう。結論から言うと、大型株は日経平均株価などの株価指数や、海外の影響を大きく受けて上下に振らされてしまうなど外部要因が多いことや、値幅が小さいのでデイトレードなど短期取引は向いていません。

動きが緩やかで、安定した配当を期待できるので中長期投資が向いています。そして、値上がり益(キャピタルゲイン)よりは、配当や株主優待などのインカムゲインをメインに投資しましょう。

例えば、個別銘柄に材料がなければ 、海外動向などで大きく下がった場合は割安になりますし、配当利回りも上がるので、大型株の買いチャンスです。外部環境によって大きく下落した時に買うようにするといいでしょう。

個別銘柄の選定が難しい人は、「TOPIX Core 30連動型上場投資信託(証券コード:1311)」の購入もおすすめです。TOPIXコア30に連動するETFで、通常の株式と同じように売買できます。しかも最低購入金額は7,000円前後(2018年11月現在)です。

大型株は株価が高い銘柄も多く、最低単位100株を購入しようとしても、トヨタは70万円前後、ソニーは60万円前後もします。100分の1で買うことができるので、少額から大型株に投資したいと考える投資家にとって利便性の高い商品といえるでしょう。

中小型株とは

時価総額が小さい中小型株は、個人投資家の参加が多くなります。東証2部や新興市場(マザーズやジャスダック)なども、東証1部の大型株に匹敵する銘柄もあるものの、一般的には中小型と同じジャンルに分類されます。

中型株とは、東証一部の時価総額101位から400位までの銘柄のことです。業界でいえば、一番手・二番手は東証一部が多く、三番手以下の企業が多くなります。株価の動向としては、大型株が大きく上昇した後、循環物色として中型株に資金が向いやすくなります。

ただ、小型株のように動きが大きいわけでもなく、大型株のように業績が安定しているわけでもないので、特徴がつかみづらい面があります 。

小型株とは、東証一部の時価総額400位以下の銘柄のことです。大型株に比べて時価総額が小さいため、発行済株式数が少ないのが特徴です。そのため流動性が低く、株価が大きく動きやすくなります。小型株は流動性の低さから、売買金額が大きい外国人投資家や機関投資家は売買しづらいため、投資対象にないにくい面があります。

ですから、個人投資家が主体となって売買されることが多くなります。ただ、近年では外国人投資家なども東証一部の大型株に資金が回ってこない場合には、小型株を売買の対象にします。大型株の商いが低調な時は、機関投資家の資金が小型株に回ってくるので、大きく値段が動きやすくなります。

一般に、中小型株は景気敏感業界に属している銘柄が多く、大型株よりも業績が国内の景気動向に左右されやすい特徴があります。また、ベンチャーなど新規公開企業も多いので、成長性が高く、株価が大化けする可能性もあるものの、値動きが激しくなりがちです。

中小型株のメリット

  1. 大きな利益を期待できる
  2. ユニークでビジネスモデルがわかりやすい

それぞれ見ていきましょう。

大きな利益を期待できる

時価総額の小さい中小型株は、少額の資金で株価が動きやすくなります。少しの買いで値上がり益を得られる機会が増えるので、デイトレーダーなど個人投資家の参加が多くなります。数日から数週間で2倍や3倍になる銘柄も珍しくありません。

ユニークでビジネスモデルがわかりやすい

中小型株には、最新のビジネスである AI(人工知能)やフィンテックなどユニークで新しいアイデアでビジネスを行っている企業が多くあります。大型株ですと事業範囲が広く、多くの分野に進出しているので、どのビジネスが業績に影響しているのか分かりにくい場合もあります。

しかし、中小型株では、業績内容が絞られていることも多く、ヒットすれば業績が伸び、株価も大幅に上昇する可能性があるのです。

中小型株のデメリット

続いて、デメリットについても見ていきましょう。

流動性が低く株価が乱高下しやすい

短期間で大きな利益を狙える中小型株ですが、逆に言うと大きな損失が出る可能性もあります。流動性が乏しいので株価が乱高下したり、取引が成立せずに気配値のまま推移したりする銘柄もあります。

知名度や信頼性が低い

大型株ですと有名な企業が多いので 、CMなどで目にする機会を多く、何をしている会社か理解しやすくなります。中小型株は好業績で堅調な企業もあるものの、どのような業界なのか分かりづらい企業もあります。

名前や業界からわかりづらい企業は、株価や業績をきちんと分析して投資を行う必要があります。また、新しい技術 AI(人口知能) やフィンテックなどは、そもそもどのような技術かが分かりづらく、分析が難しい場合もあります。このようなテーマ株は大きく上昇することもありますが、きちんとどのような技術なのかを、基礎的な知識でもいいので把握するようにしましょう。

信用リスクがある

新興企業の中には、売り上げは伸びているものの、利益が赤字という企業もあります。赤字の企業業でも、成長性が高ければ株価は上昇する傾向にあります。ただし、いつまでも利益が出ていない状態だと、突然倒産するという信用リスクもあるので注意が必要です。

中小型株の投資戦略

中小型株は、大型株のように配当を取りながら中長期で投資するというよりは、短期での取引が向いています。デイトレードもいいですが、数日から数週間ポジションを持ち越すスイングトレードがいいでしょう。

値動きが大きいので、利益確定もそうですが、損切りをきちんとする必要があります。短期間で20~30%下落することもよくあるので、例えば買値より10%を下落したら必ず決済を行うなど、損切りを徹底しましょう。

まとめ

今回は大型株と中小型株の特徴と、メリット・デメリットを見てきました。それぞれに特徴があるので、自分が短期で利益を取りたいのか、それとも長期でじっくりと利益を積み重ねていきたいのかを判断して、投資対象を決める必要があります。自分の投資スタイルにあった銘柄を取引するようにしてください。

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一橋大学経済学部卒業。証券会社でマーケットアナリスト、デリバティブディーラーを経て、個人投資家に転身。投資歴は20年以上。現在は、日経225先物を中心に現物株・FX・CFDなど幅広い商品に投資しています。保有資格:証券外務員1種

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