「カードローン」ということばは日常生活をおくる上でよく聞くと思います。また、見ない日がないくらいテレビのCMでカードローンの宣伝をしています。その中で、30分で即日融資が可能やら、ローンカードも自動契約機で即日発行できるなどメリットばかりを紹介しているのです。
CMだけを見ているとカードローンはとても素晴らしい商品のように見えますが、もちろんメリットばかりではありません。今回はカードローンを契約したことのない初心者のために、カードローンとはどういう商品なのかを分かりやすく解説していきます。また、金利や利息などの仕組みについてもシミュレーションをしながら説明し、賢く利息を抑える方法についても記述していきます。
カードローンとはどういうローン?
カードローンとはどういう商品
カードローンの特徴
資金使途が自由なので、生活費や旅行費などいろいろな事に使える。
カードローンは、ほとんどの金融機関で事業性資金を除いて資金使途が自由です。そのため、急な飲み会や旅行などにも利用できますし、生活費が足りなくなった月なとにも利用できます。
借入限度額までなら何回でも利用できる。
カードローンは他のローンのように、必要な金額が一回で融資されるわけではありません。契約時に借入限度額を設定して、限度額までなら何度でも借り入れすることができるのです。
毎月の約定返済の他にも自由に返済ができる。
ほとんどのカードローンは、約定返済という毎月一定日に返済する方法を採用しています。また、資金に余裕がある時には、随時返済という方法により、好きな金額をいつでも返済できるのです。
ほとんどの金融機関にある商品のため、自分に適した商品を選択できる。
カードローンは、ほとんどの金融機関で発売していて、それぞれに特徴があります。そのため、金利が低いところや、審査が緩いところなど自分の希望にあった金融機関を選択することができます。
カードローンの借入方法
カードローンで借り入れをする方法ですが、基本的にはローンカードによる借り入れと振り込みによる借り入れがあります。金融機関によっては、振り込みによる借り入れはやっていないところもあります。一方、最近では、カードレスのカードローンで振り込みによる借り入れだけの金融機関もあるのです。
ローンカードによる借り入れ
提携ATMからローンカードを使って、キャッシングをする方法です。金融機関によって利用手数料がかかるところとかからないところがあります。
振り込みによる借り入れ
カードローンの限度額の範囲内の金額を、電話やインターネットからの申し込みにより、利用者の口座に振込融資をする方法です。ほとんどの金融機関で振込手数料はかかりません。
カードローンの種類
カードローンの種類を大きく分けると、銀行系カードローン、消費者金融系カードローン、信販系カードローンなどに分類されます。それぞれに特徴がありますので、ここでは、特徴やメリット、デメリットについて詳しく解説していきます。
消費者金融系カードローン
消費者金融系カードローンとは、アコムやアイフルやプロミスなどの消費者金融会社が提供するカードローンてす。消費者金融系カードローンが適用される法律は貸金業法で、総量規制をはじめとする貸金業法に準じて貸付金額や貸付先などが決定されます。
総量規制
貸金業法の総量規制とは、総量規制の対象となる個人に対する貸付金が年収の3分の1を越えてはいけないという法律です。そのため、年収の3分の1を越えるような消費者金融系カードローンの借入限度額の設定は禁止されています。
メリット
消費者金融系カードローンのメリットは以下の通りです。
- ほとんどの金融会社で無利息サービスがあること。
- 即日融資など審査スピードが早い。
- 審査基準が比較的緩めである。
デメリット
消費者金融系カードローンのデメリットは以下の通りです。
- 金利が高めに設定されている。
- 総量規制の対象である。
銀行系カードローン
銀行系カードローンとは、メガバンクや地方銀行や信用金庫などが提供するカードローンです。銀行などは貸金業に含まれないため、カードローンが適用される法律は銀行法になります。
メリット
銀行系カードローンのメリットは以下の通りです。
- 金利が低めに設定されている。
- 最大借入限度額が大きい。
- 銀行のカードローンという安心感がある。
デメリット
銀行系カードローンのデメリットは以下の通りです。
- 審査スピードが遅め。
- 審査基準が比較的厳しめ。
- 無利息サービスを提供しているところがほとんどない。
信販系カードローン
信販系カードローンとは、信販会社が提供するカードローンです。銀行系カードローン並みの金利設定をしているところもあれば、消費者金融系のカードローンに近いものもあります。信販系カードローンは、総量規制の対象のため年収の3分の1以上の借り入れはできません。
カードローンの選び方
職業や年齢別カードローンの選び方
どこの金融機関のカードローンを申し込むには、職業や年齢などによって変わってきます。まず共通していることは、どこの金融機関でも年齢が満20歳以上でないと借りることができないことです。
また、職業などによっても選択できる金融機関が決まってきます。例えば、パートやアルバイトの人は、銀行系カードローンの中にも申し込みできるところはありますが、消費者金融系カードローンの方が審査に通りやすいでしょう。
一方、専業主婦は収入が無いため、総量規制の関係で消費者金融系カードローンに申し込むことはできません。総量規制対象外の銀行系カードローンの中に、稀に申し込みができるところがあります。また、金利を重視する人は銀行系カードローン、審査の通りやすさを重視する人は消費者金融系カードローンなど状況によって選択するのも良いでしょう。
カードローンの金利と利息について
金利と利息との関係
カードローンの金利とは、借入額に対する利息の割合で、パーセントで表示されます。また、利息とは、借入額と金利に基づいた借入金に対する手数料のことをいいます。利息額は、借入額が大きくなるほど大きくなり、金利が高くなるほど大きくなります。
カードローンの金利について
カードローンの金利は、ほとんどのの金融機関で〇〇%~〇〇%という表示をしています。これは、どこの金融機関でも借入限度額が大きいほど金利は安くなり、反対に借入限度額が小さくなるほど金利が高くなります。
そのため、カードローンの金利は一定ではなく、利用者ごとに設定された借入限度額によって金利が変わってくるのです。例えば、50万円が必要な人がいた場合、必要な50万円の借入限度額でカードローンを契約するよりも、余裕をもって200万円の借入限度額で契約した方が金利は低くなります。ただし、限度額が大きい分や金利が低くなる分、審査も厳しくなります。
上限金利について
カードローンなどの個人の借り入れをする場合、利息制限法により上限金利が決まっています。銀行や消費者金融などの金融機関は、利息制限法で決められた上限金利を越えるような貸出は禁止されているのです。
利息制限法で定められた上限金利
元本 | 上限金利 |
---|---|
10万円未満 | 年20% |
10万円以上~100万円未満 | 年18% |
100万円以上 | 年15% |
このように定められているため、例えば、100万円の借入限度額を設定したカードローンは、年15%を越える金利を設定してはいけないのです。
金融機関別のカードローン金利の比較
消費者金融系カードローンの金利比較
カードローン | 金利(年率) | 借入限度額 |
---|---|---|
アイフル | 年3.0%~年18.0% | 最大800万円 |
アコム | 年3.0%~年18.0% | 1万円~800万円 |
プロミス | 年4.5%~年17.8% | 1万円~500万円 |
SMBCモビット | 年3.0%~年18.0% | 1万円~800万円 |
レイク | 年4.5%~年18.0% | 1万円~500万円 |
消費者金融系カードローンは、借入限度額や下限金利は金融会社ごとにいろいろですが、上限金利は、プロミス以外は横並びです。プロミス以外の年18%の上限金利は、利息制限法で定められた10万円以上100万円未満の上限金利の年18%を意識している金利だと考えて良いでしょう。
銀行系カードローンの金利比較
カードローン | 金利(年率) | 借入限度額 |
---|---|---|
みずほ銀行カードローン | 年2.0%~年14.0% | 10万円~800万円 |
三菱UFJ銀行カードローン「バンクイック」 | 年1.8%~年14.6% | 10万円~500万円 |
三井住友銀行カードローン | 年4.0%~年14.5% | 10万円~800万円 |
りそな銀行カードローン「プレミアムカードローン」 | 年3.5%~年12.475% | 30万円~800万円 |
楽天銀行カードローン「スーパーローン」 | 年1.9%~年14.5% | 10万円~800万円 |
住信SBIネット銀行MR.カードローン | 年0.99%~年14.79% | 10万円~1,200万円 |
オリックス銀行カードローン | 年1.7%~年17.8% | 最高800万円 |
じぶん銀行カードローン「じぶんローン」 | 年1.7%~年17.5% | 10万円~800万円 |
ソニー銀行カードローン | 年2.5%~年13.8% | 10万円~800万円 |
イオン銀行カードローン | 年3.8~年13.8% | 10万円~800万円 |
銀行系カードローンは、金利設定も借入限度額も銀行によっていろいろです。住信SBIネット銀行MR.カードローンは、借入限度額が1,200万円までで下限金利が年0.99%のため、まるで住宅ローンのようです。消費者金融系カードローンよりも、金利が低めに設定されているのが特徴です。
カードローンの返済の仕組み
カードローンを返済していく上で、利息はどのように計算されているのでしょう。ここでは、カードローンの利息の計算方法について説明していきます。
カードローンの利息計算方法
カードローンの利息の計算方法は、以下の式で計算できます。
この計算式は、まず借入金額×実質年率で現在の借入金額を1年間借りた場合の利息額を計算します。そして、365日で割ることで1日の利息額をだします。最後に借入日数を掛ければ利息額が算出されるのです。
カードローンの返済方法
カードローンは借入限度額までは自由に借り入れできるローンですが、返済方法は月の一定日の借入残高に応じて毎月一回返済する約定返済が基本です。さらに、資金に余裕がある時には好きな時に好きな金額を返済できる随時返済という方法があります。
約定返済の方法
金融機関によって違いがありますが、約定返済は以下の方法でできます。
提携ATMからの返済
返済日までに提携ATMに行ってローンカードを使って返済する方法です。約定返済のできる期間の前に返済すると、随時返済になってしまうこともありますので注意が必要です。
口座からの引き落とし
毎月の返済日に約定返済額を、利用者の口座から自動引き落としをする方法です。金融機関によって自社の口座でないと引き落とせないところと、どこの金融機関の口座でも引き落とせるところがあります。
振り込みによる返済
借り入れしている金融機関の返済専用の口座に、振り込みをして返済する方法です。振り込みをする金融機関によって、振込手数料がかかる場合があります。
インターネットバンキングからの返済
金融機関によっては、インターネットバンキングから返済できるところもあります。
随時返済の方法
随時返済の方法は、提携ATMからの返済、振り込みによる返済、インターネットバンキングからの返済ができます。金融機関によっては、出来ない返済方法もあります。
利息計算をシミュレーションしてみよう
それでは、実際にカードローンの利息の計算をシミュレーションしてみましょう。
シミュレーション
例えば、以下の場合の利息額をシミュレーションしてみましょう。
- 借入金額 30万円
- 借入期間 30日間
- 実質年率 14.5%
計算式は以下になります。
上記の場合の利息額は3,575円になり、一括で返済する場合は、303,575円が必要です。
ただし、実際のカードローンの返済は、ほとんどの金融機関が毎月の約定返済で、リボルビング返済方式を採用しています。この返済方式は毎月の借入残高から利息額を算出するため、毎月減っていく元金を考慮する必要があるのです。
手計算で算出することはなかなか困難のため、返済シミュレーターツールで算出すると良いでしょう。金融機関のホームページの中には、返済シミュレーターツールを公開しているところもあります。
カードローンの利息を賢く抑える方法
随時返済を利用する
カードローンの約定返済の毎月の返済額は、金利に比べて抑えられている金融機関が多いです。そのため、一生懸命返済をしていても、借入残高がなかなか減っていかない事象に陥ることがあります。
利息額を抑えるために大事なことは、借入残高を減らすことです。カードローンには随時返済という約定返済以外でもいつでも返済できる機能がありますので、資金に余裕がある時はこまめに返済をしていくと良いでしょう。
無利息サービスを利用する
大手消費者金融系カードローンを中心に、無利息サービスを行っています。金融会社によってサービスの内容に誤差はありますが、だいたいの内容は一致しています。
無利息サービスの内容は、初めてその金融会社を利用した場合、一定期間無利息で借り入れすることができるサービスです。例えば、無利息サービス期間中に借り入れをして、サービス期間が終わる前に全額返済できれば、利息0円で借り入れすることができたということになります。短期で資金が必要な場合には、大変お得なサービスです。
まとめ
カードローンは、簡単にお金を借り入れすることができるとても利便性の高い商品です。一方、カードローンの金利や利息の仕組みはとても難しいため、よく知らないで利用しているとどんどんと借入残高が膨らんでいってしまう可能性もあります。特に、初めてカードローンを利用する場合は、きちんと金利と利息の仕組みを理解してから利用することが必要です。