クラウド型ふるさと納税とは?ふるさと納税で自治体を応援しよう!

クラウド型ふるさと納税は、寄付型のクラウドファンディングの一種で、地域の課題解決に役立つ寄付の仕方です。通常のクラウドファンディングやふるさと納税とどこが違うのか、メリットやデメリットは何なのかを見ていきます。まずは、クラウドファンディングの定義からです。

クラウドファンディングとは

クラウドファンディングとは、「モノやサービスを作りたい」「世の中の問題を解決したい」と言ったアイデアやプロジェクトを持つ起案者がインターネットを通じて世の中に呼びかけ共感した支援者から幅広く資金を集める方法です 。

出典:A-port

クラウドファンディングの種類

クラウドファンディングには主に次の4種類があります。

  1. 寄付型
  2. 購入型
  3. 貸付型(融資型)
  4. 株式型

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1.寄付型クラウドファンディング

寄付型クラウドファンディングは、金銭的リターンを一切求めないタイプです。プロジェクトに対して支援者がお金を寄付する仕組みのクラウドファンディングで、リターンとして商品やサービス・金銭的なものは基本的に発生しません。お礼として手紙や写真を受け取れる場合はあります。

被災地の支援など社会貢献性の強いプロジェクトが多く、支援者は寄付として支援を行うことが主な目的となっています。東日本大震災では、有名人もチャレンジャーとなって、被災地で活動する NPO 法人への寄付金を集めました。

2.購入型クラウドファンディング

購入型のクラウドファンディングは、商品やグッズ・サービスなどの対価を得られる仕組みです。例えば、映画制作のプロジェクトであれば鑑賞券。モノづくりであれば、製作されたモノが対価となります。

お金がリターンとなることは、原則ありません。そのモノの価値によっては、寄付型クラウドファンディングに近いといえますが、提供する支援に必ず対価があるという点が異なります。購入型は一般の商取引であり、金融商品取引法などの金融規制の対象外となっています。

3.貸付型(融資型)クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)

貸付型クラウドファンディングは、 資産運用したい投資家から小口の資金を集め、それを大口化して借り手企業に融資する仕組みのクラウドファンディングです。投資家は借り手企業への共感や参加という意識ではなく、投資リターンを得る目的で資金を提供しています。

現在のクラウドファンディングで主流になっているのは、この貸付型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)です。

貸付型クラウドファンディングの利回りは高く、およそ5~15%。2016年におけるソーシャルレンディング業界全体の平均利回りは8.1%になっています。

4.株式型クラウドファンディング

株式型クラウドファンディングは、誰でも未公開企業に投資することができる枠組みです。企業が資金調達の方法として、未公開株を提供する代わりに、資金を募ります。株式型クラウドファンディングは、投資型クラウドファンディングという種類に位置づけられています。

国内においてはまだ最近注目を集め始めたばかりで、サービス数が少ないものの、最も大きなリターンを得ることができる可能性のあるクラウドファンディングです。

クラウドファンディングの市場規模

クラウドファンディングは、貸付型(ソーシャルレンディング)の割合が90%を超えています。矢野経済研究所推計によれば、2016年には745億円となり、2017年には1,000億円を超えると見込まれています。

出典:矢野経済研究所

クラウドファンディングの割合の大部分を占めるソーシャルレンディングの市場規模は2008年頃から増え始め、2017年頃から成長の勢いを増しています。法人融資では不動産経営の中小企業者が多くなっています。

市場企業と事業者数の拡大を背景に、日本におけるソーシャルレンディング事業者の種類と市場も多様化しつつあります。これまでは、不動産案件を主に取り扱う業者ばかりでしたが、再生エネルギーに、海外案件などの種類も増加しています。

現在の市場規模は1,000億円前後と、1兆円規模のファンドが存在する投資信託に比べるとまだまだ小さいものの、投資家のニーズに応えながら着実に市場を拡大しています。

2017年6月末時点におけるクラウドファンディング取り扱い企業数は170社前後。独自にウエブサイトを開設している企業は70社。事業者の親プラットフォームを利用した自治体及び一般企業のウエブサイトは、100社強と推定されています。

ソーシャルレンディング先進国といえるアメリカでは、2015年における市場規模が227億ドル(2.5兆円)にも達しています。日本は、2017年に1,000億円ですから、その市場規模の差は日米間で20倍以上あります。

世界最大規模の経済規模を持つアメリカですが、経済力の差が20倍もあるわけではありません。アメリカのソーシャルレンディング市場規模から考えれば、日本の市場が伸びる余地は十分あります。また、アメリカでは個人間金融が中心です。中国は企業融資。日本は不動産融資中心です。日本も様々な種類が増えてきていることから、今後の市場規模拡大が期待されます。

ふるさと納税とは

ふるさと納税とは、ふるさとや応援したい自治体に寄付ができる制度のことです。手続きをすると、所得税や住民税の還付や控除が受けることができます。多くの自治体では、地域の名産品などのお礼の品を用意しています。寄付金の使い道が指定でき、お礼の品ももらえる魅力的な仕組みです。

ふるさと納税のメリット

ふるさと納税のメリットは次の4つがあります。

  1. 税金の控除
  2. 応援したい自治体に貢献
  3. 返礼品がもらえる
  4. 寄付金の使い道を選べる

それぞれ見ていきましょう。

1.税金の控除

ふるさと納税では、上限額内で寄付を行うと、合計金額から2,000円を引いた額について所得税と住民税が控除されます。さらに、ワンストップ特例制度を使えば、確定申告を行わなくてもふるさと納税の寄付金控除を受けられる仕組みがあります。ふるさと納税先の自治体が年間で5つ以内であれば、ワンストップ特例制度を利用することができます。

2.ふるさとに貢献

生まれた地域でなくても、好きな自治体に寄付できるのがふるさと納税です。寄付先の数や金額、回数に上限はなく、控除上限額内であれば実質2,000円の負担で複数の地域を応援することができます。

3.返礼品をもらえる

日本各地の特産品がもらえるのも、ふるさと納税の大きな魅力の一つです。多くの自治体では、地域の名産品などをお礼の品として寄付者に届けています。日本は、海の幸や山の幸が豊富です 。日本中の多くの特産品を知ることができるのも、ふるさと納税のメリットです。

4.寄付金の使い道を選べる

ふるさと納税では、寄付金を自治体がどのように使用するのか、その用途を選択することができます。例えば、教育に使うのか、医療や福祉に使うのか、観光や災害復興に使うのか、そういった寄付の使い道を選ぶことによって、その地域に本当に役に立つお金の使い方を選ぶことができるのです。

ふるさと納税の仕組みと税額控除

ふるさと納税の流れは以下のようになります。

確定申告を行う場合

①ふるさと納税で寄付を地方自治体に行う

②ふるさと納税先から返礼品が届き、しばらくすると寄付を証明する「受領書(寄付金受領証明書)」が送付されてきます。

③確定申告をすると、寄付者の収入により限額が決まっていますが、所得税の還付や個人住民税の控除が受けられ、実質的な自己負担額を2000円にすることができます。所得税の場合は、当該年度から個人住民税の場合は、翌年6月以降から減額されます。

沢山の自治体に寄付をしたり、複数回寄付を行ったりする方は、確定申告を行う必要があります。

ふるさと納税ワンストップ特例とは

ふるさと納税の寄付先の自治体が五つまでの人は、「ふるさと納税ワンストップ特例」を使えば、寄付をした年の所得について確定申告の必要がなく、簡単にふるさと納税後の税額控除手続きができる制度のことです。

ふるさと納税ワンストップ特例を使える人は、以下の条件を満たす必要があります。

①寄付を行った年の所得について確定申告を行う必要がない

② 年間のふるさと納税納付先自治体が5つ

ふるさと納税を行い、その後にワンストップ特例申請書を提出しておけば、ふるさと納税先団体から住んでいる市区町村に、納税者の控除に必要な情報が連絡され、ふるさと納税をした翌年度分の住民税が控除されます。

寄付回数の少ない方は、ふるさと納税ワンストップ特例を利用した方が確定申告の手間が省けます 。

お礼の品で選ぶのが通常の「ふるさと納税」で、使い道で選ぶのが、「クラウド型ふるさと納税」です。それでは、クラウド型ふるさと納税を詳しく見ていきましょう。

クラウド型ふるさと納税とは

クラウド型ふるさと納税は、GCM(ガバメント・クラウドファンディング)とも呼ばれ、ふるさと納税を利用して行うクラウドファンディングです。

自治体が抱える問題を解決するため、ふるさと納税の寄付金の使い道をより具体的にし、そのプロジェクトに共感した人から寄付を募る仕組みとなっています。

自治体の課題をプロジェクト化します。例えば、自治体によって子育て支援、災害復興、動物愛護、産業復興といった様々なプロジェクトがあります。

地方自治体が課題を抱え、その課題解決のために、広域でそのプロジェクトを行った場合、政府(ガバメント)が行うような大きな課題解決ができると考えられ、クラウド型ふるさと納税(GCM)が始まりました。

通常のふるさと納税でも子育て災害復興など、寄付金の大まかな使い道を指定できますが、クラウド型ふるさと納税では、特定のプロジェクトに対して寄付をします。目的に応じて期間や金額を決め、インターネットを通じて個人から小口資金を集める仕組みは「クラウドファンディング」と同じです。

クラウドファンディングでは、資金が集まらないとプロジェクトが始まりませんが、寄付先が自治体なので、期間を延長したり、追加で募集を行ったり、規模を縮小しながらプロジェクトを継続させるのが一般的です。

ただ、中には NPO(民間団体) が運営するプロジェクトもあるので目標が達成できなかった場合の取り扱いについては確認が必要です。

また、通常のふるさと納税と同じように寄付金控除を受けることができ、プロジェクトによっては、返礼品が用意されていることもあります。ただ、返礼品を選択せずに、寄付金を全て事業費に使ってもらうこともできます。

クラウド型ふるさと納税を紹介

クラウド型ふるさと納税を取り扱っているサイトをご紹介します。

ふるさとチョイス

出典:ふるさとチョイス

クラウド型ふるさと納税で先行したのは、ふるさとチョイスを運営しているトラストバンク。2013年9月に「ガバメントクラウドファンディング (GCF)」 という名称で受付を始めました。2018年11月現在、実施されたプロジェクト総数は380を超え、 申し込みできる自治体数は70超、寄付総額は40億円近くになっています。以下のようなプロジェクトがあります。

  • 犬猫の殺処分ゼロをめざすプロジェクト
  • お祭りやイベントの開催を支援
  • 自治体を通じてNPOを支援
  • 歴史的建造物を保護するプロジェクト

ふるなびクラウドファンディング

出典:ふるなび

2018年4月に始まったサービス「ふるなびクラウドファンディング(FCF)」は、自治体または自治体が認めた個人や団体が、クラウドファンディングのオーナーとなり、ふるさと納税の制度を利用して、資金を募るクラウド型ふるさと納税です。

従来のふるさと納税の寄付金も使い道を選ぶことができますが 、FCFでは、プロジェクトごとに寄付金の使い道がより明確になっています。寄付者には共感したプロジェクトを選択して寄付を行うため、従来のふるさと納税よりも思いをダイレクトに反映することができます。

さとふるクラウドファンディング

出典:さとふる

2018年5月に始まったサービスです。ふるさと納税は、地方自治体への寄付を通じて地域に参加できる制度のことです。「このような商品を地域で開発したい」「文化遺産を修繕したい」というように、使い道を明確にして寄付金を募集しているものを「クラウド型ふるさと納税」と呼んでいます。

事業支援に対するお礼として、米や肉といったその土地の特産品や名産品がお礼品としてもらえることも特徴となっています。

クラウド型ふるさと納税が注目される背景

クラウド型ふるさと納税が注目されるようになったのは、過度な返礼品競争で通常のふるさと納税への批判が高まったことが一因です。

9月には、野田総務相がふるさと納税制度を見直す方針を発表。豪華すぎる返礼品の問題を受け、総務省は寄付額の3割を超す品と地場産品でない品を制度の対象から外す「ふるさと納税」の見直しを打ち出しました。

返礼品の割合は、各自治体の判断で決められています。返礼品割合を高くするほど自治体や国に収入が入らないことになります。ただし、そのお得感で人気が出ると、ふるさと納税の受入額が増えます。その結果、近隣の自治体も返礼割合を上げるなどして、過度な返礼品競争が始まってしまうのです。

返礼品割合が3割超の自治体は、平成29年の総務大臣通知発表前は約65%ありましたが、通知発表後は着実に減少しています。ただし、9月1日時点でまだ246団体、全体の14%が残っています。通知を守らない自治体を控除対象から 外すことも検討されています。

出典:自治税務局市町村税課

そもそもふるさと納税制度は、寄付税制の一つです 。寄付することは社会に貢献するものなら税金を払うのと同じ効果があるので、寄付をした分は所得税や住民税を控除するというのが本来の趣旨です。寄付ならどんな寄付でも寄付税制の恩恵が受けられというわけではありません。

とはいえ、返礼品割合を3割以下にしている自治体は1,600を超えており、通知を守っている自治体の方が多いのです。そして、返礼品目的で寄付先を選ぶのが主流の通常のふるさと納税よりも、「自治体の応援」というふるさと納税本来の趣旨に合っているのが、クラウド型ふるさと納税です。

まとめ

今回は、クラウド型ふるさと納税についてみてきました。 クラウドファンディングの制度を利用して、通常のふるさと納税よりも地域の応援という、ふるさと納税制度の本来の趣旨に合ってるということで注目が高まっています。

新しいサービスなのでまだ種類は少ないものの、自分で使い道を選ぶことができることにより、地域に実際に関わっていることを実感できる制度です。今回ご紹介したサイトなどで、自分に合ったクラウド型ふるさと納税を探してみてはいかがでしょうか。

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一橋大学経済学部卒業。証券会社でマーケットアナリスト、デリバティブディーラーを経て、個人投資家に転身。投資歴は20年以上。現在は、日経225先物を中心に現物株・FX・CFDなど幅広い商品に投資しています。保有資格:証券外務員1種

ブログ:先物オプション奮闘日誌 http://yanta.cocolog-nifty.com/

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