元保険会社社員が教える!保険と貯蓄の一挙両得の機能のある終身保険について

日本人は、生命保険が大好きです。なんと日本国民の80%以上がなんらかの保険に入っているそうです。日本人は心配性な国民性なので万が一があった時や、病気になったときに備えて保険に加入しています。保険に入るとなんとなく安心しますよね?

しかし、内容についてしっかり把握している人は、どれくらいいるのでしょうか。家を購入する時は、みなさん真剣に考えるのに、保険に加入する時は、勢いで入ってしまう人も多いのではないでしょうか。保険料の支払いは自宅の購入の次に高い買い物です。

新入社員の時に、保険会社のセールスレディから生命保険に加入して内容もわからずそのままにしている人も多いかと思います。今回は生命保険の中でも一番大切で、重要な終身保険に焦点を当てたいと思います。

終身保険に入っている人には内容の再確認に、終身保険に加入していない人にとっては加入のきっかけになればと思っています。終身保険とはそもそもどのような機能があるか、終身保険のメリット、デメリット、ちょっと変わった終身保険の使い方を中心にまとめていきます。

終身保険とは

終身保険とは被保険者(保険の対象者)に万が一のことがあったときに、保険金が下りるタイプの保険商品です。終身保険には満期がないので、解約さえしなければ、保険金はいつでもおります。

保険料は一定で、保険料の払い込み期間も終身(一生涯)というものが多いです。保険には、様々な種類のものがありますが、被保険者に万が一のことがあったときにお金の下りる生命保険は、保険の中でも最も大切な保険になります。しっかり内容に関して吟味することがとても大切です。

生命保険の中には、終身保険と定期保険があります。

定期保険とは、契約した一定の保険期間の間に、万が一のことがあったときに保険金が支払われるタイプの生命保険です。保険期間が決められているので、終身保険に比べて保険料は安いです。しかし、保険料は全額掛け捨てのタイプが圧倒的に多いので、保険期間中に何もなければ、お金は一円も出ません。

また更新型の定期保険というものがあります。これは、一定の年齢に達するごとに保険料の見直しがある商品です。保険料は、当然年齢が上がれば上がるほど上がっていきます。

若いときの保険料はとても安いです。しかし、50歳でも病気での死亡率は、5%を切っていますので若いときに死ぬ可能世は限りなく低いと思います。際に死亡率が上がる、70歳以降になると保険料は急激に高くなる傾向にあるので注意が必要です。

生命保険を組む際は、終身保険を中心にプランを立てて、手厚い保証が必要な時期は、終身保険をベースに定期保険でカバーする形が良いかと思います。

終身保険をベースに、生命保険の組み立てをしていったほうが良い理由は、終身保険のほうが、圧倒的にメリットが多いからです。次の章では終身保険のメリットについて説明していきたいと思います。

終身保険のメリット

この章では、終身保険のメリットについて説明していきます。終身保険の主なメリットは6つあります。1つずつ詳しく説明していきます。

保険料が一定

終身保険のメリットの1つ目は、保険料が一定のことです。終身保険は、定期保険と違って、支払う保険料が一生涯変わりません。保険料の支払いが変わらないので生活設計が立てやすくなります。また、死亡率が上がってくる70代、80代になっても保険料が変わらないので、保険金を受け取れる可能性が高くなります。

保険料の支払いが変わらないことは大きなメリットになります。

保険を契約してから、一定期間を経れば、解約返戻金は支払い保険料を上回る

終身保険のメリットの2つ目は、保険を契約してから、一定期間を経れば、解約返戻金は支払い保険料を上回ることです。これも終身保険の大きなメリットになります。

定期保険は、完全な掛け捨ての商品が多いですが、終身保険は貯蓄性を兼ね備えています。保障が必要なときは、保険として持っていて、保障が必要なくなったときは、解約して生活資金に充てることが出来ます。

しかも、終身保険の解約金は、一般的な個人年金保険や、学資保険よりも高い商品がたくさんあります。各保険会社は、終身保険に力を入れているので、利回りの高い商品が多いのです。

特に米ドル建て、豪ドル建てなどの外貨建ての商品は、日本円に比べてかなり金利が高いのでおすすめ出来る商品になります。

解約返戻金が増える終身保険の特徴を使っていくつかメリットのある契約方法があります。こちらに関しては、後程紹介します。

一生涯、保険金を受け取れる

終身保険のメリットの3つ目は、一生涯保険金を受け取れることです。終身保険は、満期がないので保険を契約している限り、保険金を受け取ることが出来ます。

保険料も一定ですし、若いときに終身保険に加入しておけば保険料も安く済むので、定期保険のように、保険金を受け取る可能性が高い年齢なったのに、保険料が高すぎて解約するといったことがなくなります。

ライフプランに柔軟に対応が出来る

終身保険のメリットの4つ目は、ライフプランに柔軟に対応が出来ることです。終身保険は、ライフプランに柔軟に対応できる保険になっています。

保険料の支払いが厳しくなったときは、払い済みという形にして、保険料の支払いを止めることが出来ます。保険料の支払いを止めても保障は残ります。また減額という保険金額を減らすことも出来ます。子供の成長に伴い必要な保障は変わってくるのでそのようなときも、しっかり対応することが出来ます。

また終身保険を解約して、解約返戻金を個人年金のように分割して受け取ることも出来るので個人年金の代わりに使うことも出来ます。

このように終身保険はライフプランにあった使い方が可能になります。

相続対策になる

終身保険のメリットの5つ目は、相続対策になることです。

生命保険は、法定相続人×500万円まで非課税になるメリットがあります。

現預金では、非課税になるメリットはないので相続税の対策としては、非常にポピュラーなものになります。しかしこの一見すると、とても簡単な相続対策ですが、相続税のかかる人で保険の非課税枠を利用している人は、全体の25%以下にとどまっています

定期保険でもこの制度は使えますが。掛け捨てになってしまうことに抵抗がある人が多いようです。終身保険であれば、損することなく相続対策することが出来るのでおすすめです。

また相続対策として、子供や孫に、贈与をして保有資産を減らす対策も一般的ですが、この贈与プランに終身保険を使うスキームが近年非常に人気になってきています。こちらの仕組みについては後程紹介したいと思います。

生命保険料控除が使える

終身保険のメリットの6つ目は、生命保険料控除が使えることです。こちらは、終身保険に限った特典ではありませんが。生命保険料控除が使えることは大きなメリットになると思います。

生命保険料控除とは、1年間の支払い保険料の一定額を所得税と住民税の対象となる所得から控除出来る制度です。制度の概要ですが、2010年度の税制改正により、2012年の所得税(住民税は2013年)から生命保険料控除制度が改正されました。2012年1月1日以降に契約した保険に関しては、新制度の保険料控除を利用して、2011年12月31日以前に契約した保険に関しては旧制度を利用する形になっています。

終身保険の場合、旧制度では、所得税5万円、住民税3.5万円が上限に所得から控除出来ます。新制度は、所得税4万円、住民税は2.8万円を上限に控除できる制度になっています。

終身保険は将来的に、解約すれば個人年金保険のように使うことが出来ます。個人年金は個人年金保険で保険料控除を利用できるので終身保
険を使えば将来の資金を貯めるといった同じ目的で2つの保険料控除を利用することが出来るのです。

終身保険のデメリット

終身保険のメリットについて、様々なメリットについてまとめましたがこの章では、終身保険のデメリットについてまとめていきたいと思います。終身保険の主なデメリットは3つあります。1つずつ詳しく説明していきます。

保険料が高い

終身保険のデメリットの1つ目は、終身保険は、一般的に定期保険に比べて保険料が高いことです。終身保険は、一定期間経過すれば解約返戻金が払い込んだ保険料を上回りますが、保険料が高い欠点があります。

子供の成長によって大きな保障が必要な時期もありますので、すべての死亡保障を終身保険で補うのは難しいかと思います。手厚い保障が必要な期間は、定期保険と終身保険を併用する必要性があります。

保険の見直しがしずらい

終身保険のデメリットの2つ目は、保険の見直しがしずらいことです。

終身保険は、契約期間中に新しい良い商品が販売されても解約して新しい商品に切り替えることが難しいです。

なぜなら途中で解約すると解約返戻金が、元本を下回る可能性がありますので、切り替えてしまうと大きく損を出してしまう可能性があるのです。

終身保険は、保障+将来の資金という性格がありますので、契約する時は慎重に商品を検討する必要があります。

早期での解約は損をする

終身保険のデメリットの3つ目は、早期での解約は損をすることです。

終身保険の早期での解約は、大幅に元本が割れる可能性があります。最近の終身保険は解約返戻金を大きくするために、早期で解約すると大幅に元本が割れてしまう商品性になっています。

これを低解約返戻金型終身保険といいます。終身保険は基本的に1回契約すると1 0年は解約できないと思っていたほうがいいかと思います。

お得な終身保険の使い方

終身保険はその商品性から様々な使い方が出来ます。今回は終身保険の変わった使い方について3つ紹介します。

贈与終身保険契約

最近相続対策として、生前贈与を行う人が増えています。しかし適切に生前贈与を行っていない事例も増えており、年々、税務調査で赠与の不備を指摘されるケースが増えています。

指摘事項で多いのが、財産処分の権限を、受贈者に渡していないケース、受贈者の口座からまったく贈与資金が動いていないケース、贈与をしたことが明確になっていないケースが指摘事項として挙げられます。

財産処分の権限とは、実際にお金を受け取った人が、自由にお金を使える権限のことを言います。要するに、贈与を受けた通帳や届け出印、キャッシュカードを受贈者が持っているかどうかです。意外と贈与者が通帳や、届け出印などを持っているケースが多いです。この場合、贈与者の名義預金とみなされてしまうのです。

また贈与資金をまったく使っていないと相続税逃れとみなされるケースがありますので注意が必要です。

更に、贈贈与資金を受け取ったことが、贈与者、受贈者どちらも認識がないと贈与は認められません。その際、口頭の約束だけでは、後々立証することが難しくなります。後々贈与を証明するために贈与契約書という書類を作っておくことをおすすめします。

では贈与で終身保険を活用するとはどういうことかというと、受け取った資金を終身保険の保険料の支払いに充てるのです。

契約形態は、

  • 契約者:受贈者
  • 被保険者: 贈与者
  • 保険金受取人:受贈者

とします。このような契約形態にすると、保険料の出し手が、受贈者になるので贈与資金を保険料に充てられます。保険にお金を使ったという風にみなしてくれます。

また、贈与者の立場からすると、受贈者の無駄遣いが防げるうえに、終身保険は一定期間経過後解約すれば払い込んだ保険料を上回るので受贈者の将来のためにお金を取っておくことが出来ます。

契約期間中に、贈与者に万が一のことがあれば保険金が支払われるので相続税の支払いに充てることが出来るのです。一石三丁の終身保険の使い方になるのです。

終身保険を途中で払い済みにする

これは主に、プルデンシャル生命保険が活用している方法になります。終身保険には、満期まで保険料を払い続けるよりも途中で保険料の払い込みを中止したほうが解約した時の返戻利率が良くなるものがあります。

しかも商品によっては、一般的な個人年金保険よりも圧倒的に利回りが良い商品もあるので、個人年金保険の代わりに、老後のための資金を払い済みの終身保険で用意することが出来ます。

学資保険代わりに終身保険を契約する

学資保険は、商品によっては非常に利回りの良い商品もありますが(満期時に120%くらいに殖えているものなど)終身保険を学資保険代わりに使うこともおすすめです。学資保険の利率は一部の商品を除き非常に低くなっているので学資保険代わりに、利率の良い終身保険を契約する人が増えています。

おすすめの終身保険

ここまで終身保険のメリット・デメリット、終身保険のお得な使い方についてまとめていきました。終身保険に興味が出た方のために、この章ではおすすめの商品について2つ紹介します。

どちらも米ドル建ての商品になりますが、非常に良い商品性なので終身保険を契約する際はぜひ参考にしてみてください。

リタイアメントインカム(プルデンシャル生命保険)

プルデンシャル生命保険の商品で、米ドル建ての終身保険になります。こちらの商品の最大の特徴は、ライフプランナーと呼ばれる担当者が、顧客一人一人のライフプランに応じて払い済み前提の商品設計してくれることです。

一番利回りの良いプランを提案してくれるので安心して解約出来ます。プルデンシャルの担当者は商品ありきの提案ではなく顧客の状況に応じて提案をしてくれるので一度プルデンシャルの担当に提案を受けてみるのはいいかもしれません。

ドルスマート (メットライフ生命)

メットライフ生命の米ドル建ての保険です。毎月積み立て利率が変動する商品で最低金利保証は、3.00 %と非常に高いです。今後、アメリカの利上げがあると思いますので毎月金利変動するこの商品は今の時代に合っていると思いますのでおすすめ出来ます。

まとめ

いかがでしょうか。今回は終身保険について紹介しました。生命保険の中でも終身保険はもっとも大切な保険になります。終身保険のメリット·デメリットについてしっかり理解して自分に合った終身保険に加入することが重要になります。

終身保険は、死亡保証はもちろんですが、個人年金保険や学資保険の代わりに使うことも出来ます。また相続対策の一環としても使うことが可能な商品になります。

使用用途が広い保険商品になるので生活設計をしっかり立てることが肝心です。

ご自身だけでは難しいようでしたらFP(ファイナンシャルプランナー)に相談するのもいいかもしれません。その時は、保険会社や銀行に属していないFPに相談することをおすすめします。

また相談したその日に保険の契約をすることもやめましょう。じっくり自宅で再度検討しましょう。終身保険は非常に重要な保険であり、一度加入するとなかなかやめづらい性質があります。医療保険などの保険以上に慎重に選ぶ必要があります。

ぜひ自分に合った終身保険を見つけて家族の安心、老後の安定を手に入れましょう!

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