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民泊投資に参入する企業が相次ぐ中、個人でも不動産投資として民泊を考える人も多いでしょう。
国内の不動産投資家だけに限らず、アジア圏からも日本の民泊市場に参入する企業や個人投資家が増えてきているようです。近年、急激な増加を見せる訪日外国人への期待が、これから東京オリンピックを迎えることもあり、過熱してきています。
民泊はホテルや旅館経営のように専門的な知識や技術が不要で、むしろ素人っぽいサービスが好評だったりしています。会社員の副業として、主婦のパートとして、退職後の収入源として考えていける不動産投資です。
すでに所有している物件の空室を利用した民泊もあれば、自分も住んでいる住居の空き部屋を使って始める民泊もありますが、今回は新たに不動産の購入から民泊投資を始める人のために、民泊用のアパート・マンションの購入方法や、活用方法をご紹介したいと思います。
不動産投資をするなら民泊経営
人口減少によって生じる様々な不安を一掃してくれるのが、近年の訪日外国人の数です。
経済的にも著しい成長を遂げ、世界でも有数の先進国の1つとして評価される日本ですが、国際化という観点では多くの国々から一歩出遅れている状態でした。
そして、近年ようやく国際化への扉を開き始めた日本。急激に増え続ける外国人の数に対応すべき宿泊施設の需要から、民泊が注目され始めました。宿泊施設の需要は今後もさらに高まっていくだろうと予想されており、首都圏だけに限らず、地方でも民泊の普及が拡大しつつあるのです。
不動産投資としての民泊の魅力は、こちらの記事を参考にしてみて下さい。
民泊経営は始まったばかり
民泊経営はまだ始まったばかりです。まだまだ、これから開発されていく余地は広く、成長が期待できる分野であります。
今後も予測どおり、あるいは予測以上に訪日外国人の数が増え続けるのであれば、不動産投資としての民泊を考えない手はないと言えるでしょう。
大手企業でも民泊への参入が相次いでおり、代表的な企業をいくつかご紹介しておきましょう。
- エアビーアンドビー(airbnb)
→アメリカ発の大手民泊マッチングサイトです。世界192カ国、33,000以上の都市部をメインに80万以上の民泊情報を提供しています。2018年11月1日には、旅行大手JTBとの提携を発表しています。
- シノケングループ
→民泊用のアパート・マンションの販売や民泊管理事業を手掛けており、既存ビルをリノベーションした民泊経営も行っています。
- アパマンショップ
→民泊経営に参入するだけでなく、短期契約における賃貸業務も開始しており、従来のマンスリー、ウィークリーマンションとは違った賃貸契約を展開しています。
- 楽天LIFULL STAY
→楽天とLIFULLが提携した民泊事業です。民泊の情報提供や運用代行から、民泊予約、問い合わせ対応などを行っており、中国、アメリカなどへの海外展開も始めています。
民泊を始める方法について、以下からもご覧頂けます。
アパート・マンションの民泊の種類
民泊の経営方法
「オーナーがすべて管理するタイプ」
不動産の購入から、準備、集客、契約、管理、経営全般に渡ってオーナーが管理していく民泊
「管理会社に運営を委託するタイプ」
不動産を購入、準備した後、民泊必要な業務をすべて管理会社に委託する方法
「人を雇って運営していくタイプ」
オーナーも多少の業務に関わりつつ、自分で補えない部分を人に任せる民泊
宿泊サービスの種類
- 1ベッド単位で提供する(ドミトリータイプ)
→1部屋に布団やベッド数を増やして、1ベッド単位で宿泊サービスを提供する方法 - 1部屋単位で提供する(個室、貸切タイプ)
→1部屋いくら、人数不問で部屋を提供する方法 - 1人単位で提供する(個室、シェアタイプ)
→1部屋に対して、1人いくらか決めてサービスを提供する方法 - 1棟単位で提供する(貸切、貸家タイプ)
→アパートやマンションを団体向けに1棟まるごと提供する方法
アパート・マンションの購入方法
購入までの流れは
まず、不動産を探す前に検討しておきたいのが、どのようなターゲットを狙うのか。
ターゲットを明確にする
ターゲットが決まっていないと・・・
- どのような地域がいいのかわからない
- どのような建物がいいのかわからない
- どのような民泊にすればいいのかわからない
といった結果になってしまい、指標とするものがなく、無目的に不動産を購入してしまいかねません。どんな民泊があるのかを民泊情報サイトなどを参考にして、自分なりに民泊のイメージを持つことが大切です。
予算を決める
不動産を購入する場合には、現金で払う場合と不動産投資ローンを利用する場合があります。
不動産投資ローンを組む場合には、年収に応じて融資額の限度が異なります。生活設計に合わせた無理のない予算を組んでいくことが大切です。
不動産購入にかかる費用は、一生のうちで最も高額な買い物になると言えるほどの資金が必要です。
- 頭金の支払い可能額
- 民泊の準備にかかる費用
- 月々のローン返済金額
- 返済期間・年数
- その他購入にかかる費用
予算を決めるコツとしては、どんなに高く見積もっても年収の5倍以下に抑えることが無理のない投資だと判断できます。
収入となる宿泊料はあくまで始めてみない事には具体的な金額がわからないものです。思ったように収入が入らない場合や、投資家自身の年齢や家族構成、後々必要と見込まれる大きな支出、現在組んでいるローンとのバランスを考えることも必要です。
情報を集める
不動産情報をできるかぎり集めていきましょう。地域ごとに、また建物のランクごとに不動産価格には大きな差があります。
ほとんどの不動産情報サイトでは、利回り率が表記されてあります。ここで表記されてある利回りとは、表面利回りと言われるもので、実質の収益率とは異なるものです。
- 宿泊の需要が低い地域ほど→表面利回りは高くなる
- 建物の状態が劣化しているほど→表面利回りは高くなる
- 交通に不便な立地であるほど→表面利回りは高くなる
などを考慮した上で、表面利回りが高いということは、不動産として不利な要素も大きいのだとの認識が必要です。立地環境、便宜性、建物の状況などをトータル的に評価しながら、民泊の可能性を検討していきましょう。
民泊に対する知識のある不動産、民泊に対して理解のある不動産を選ぶことが必須です。
民泊可能な不動産物件の情報サイトは、こちらをご覧ください。
投資用アパート、マンションの情報や、不動産投資に役立つ記事もご覧頂けます。
民泊に関する様々な情報がご覧頂けます。
リストアップした物件をリサーチ
予算に合わせて、立地環境や建物の外観や内装など気に入った物件をリストアップしていきましょう。
実際に物件を見ていきながら、理想的な民泊のイメージを固めていくことができます。
中古アパートを一棟購入する場合は、すでに数室が賃貸中になっている場合が多くなります。民泊によって退去を考える人もいるかもしれません。後でトラブルにならないように、空室にて民泊経営をしても問題がないか既存の入居者の意向を確認しておくことも大切です。
区分マンションの場合は管理会社への確認、近隣者への確認をしておかないと、購入後に民泊ができない環境だったという可能性もあります。
また、自治体で民泊が推奨されている地域だったとしても、近隣の人からの苦情が押し寄せてしまっては大変です。まだ、新しい分野だけに先入観だけで反感を持つ人もいるでしょう。周りへのリサーチも民泊経営を成功させていくには欠かせない事です。
リストアップした物件の情報を、あらゆる角度から検証してみましょう。気になった物件には数回通ってみると、前回には気付かなかった発見をすることができます。
費用のシュミレーション
リストアップした物件からさらに、有力候補をいくつか限定して、具体的な購入価格のシュミレーションをしていきます。他社と比較している事をアピールする事で、価格交渉に成功する場合もあります。
即決は絶対にNGで、できるだけ有利な条件で買えるように、あえて迷っているふりをするのも1つの方法です。
概ねの購入価格が決まったところで、実質利回りを概算で計算してみましょう。
実質利回りとは、
宿泊料の収入(多少低めに設定しておいた方が安心)-準備費用、管理・宣伝費用→収益額
収益額÷(投資総額+リフォーム費用)=実質利回り
最終的な有力候補は3つくらいにしぼっておくと、比較検討がしやすいと思います。
不動産投資ローンを選ぶ
ようやく購入するアパートやマンションが決まったら、次にする事は現金を用意して頭金を払うことです。ローンを組む場合は頭金を払うことを前提に、不動産投資ローンを選びます。
「不動産投資ローン」とは、
不動産投資用に物件を購入する際に、金融機関から融資を受けることができるシステムになります。自動車ローンや住宅ローンのようなものです。
※ただ、初心者はなるべく安全圏内、リスクを抑えた価格で購入することが望ましいでしょう。
「不動産投資ローン」は、金融機関によって様々な種類があるため、自分に合ったローンを見極めることが大切です。それぞれの物件によって適用される金利も変わってきます。
また、その時に市場動向によって金利が変動するタイプのものと、固定金利のものとあるので確認するようにして下さい。
不動産投資ローンについて、こちらのサイトにて詳しくご覧頂けます。
不動産投資ローンの審査に受かれば、無事契約成立となって、法的な書類手続き等を行い、物件の引き渡しが終了します。
頭金0円とは何?
不動産投資に関する情報を調べたり、民泊投資物件の情報を検索している過程で、おそらく「不動産投資 頭金0円」という宣伝文句を目にすると思います。
不動産購入の際には、頭金をいくらか払っておくことが、ローン審査に通りやすい条件だとも言えるのですが、この「頭金0円」とは一体どういうことなのでしょうか。
頭金0円とは、要は「自己資金0円でも不動産投資はできる」ことをアピールするための宣伝文句の1つで、結局はローンを利用して不動産の購入価格を返済していくことに変わりはありません。
ローンを組むということは、借金を抱えてしまうことでもあり、借金はできれば少ない金額で抑えておきたいものです。そのために通常は頭金は月々の返済額の負担を抑える役割としても考えられています。
頭金0円の危険性
頭金がないだけでなく、購入にまかなう諸費用や準備資金をすべてローンに頼ってしまう場合は注意する必要があります。
頭金0円を鵜呑みにして、高額な不動産をローンで購入してしまい、返済に行き詰まってしまう人も少なくないと言います。最悪の場合は、返済できずに購入した不動産を売却したとしても、借入残高以上の価格が出なかった場合には、大きな損失となってしまいかねません。
やはり、自己資金をある程度用意した上で、余裕のある返済計画、投資計画していくことが大切です。
アパート・マンション民泊の活用方法
民泊アイデア参考事例①
20代前半に人気の格安ドミトリータイプの民泊です。狭い部屋でも2段ベッドを敷き詰めれば6人分のベッドを作ることが可能です。安さを重視したゲストに大好評で、以下の部屋は東京都浅草にある民泊ですが、意外にも日本人の20代の利用が多いようです!
宿泊料:1ベッド(1人)2,504円
場所:東京都浅草
キッチンや浴室、テレビ、洗濯機などは他のゲストと共用になります。
1人ずつで予約を受けてもいいでしょうし、5,6人の家族連れやグループ向きにまとめて提供してもいいですよね。
※ドミトリータイプは宿泊料が安いだけに、チープなイメージになりやすいところですが、スタイリッシュなインテリアがお洒落でポップなイメージを与えているところが人気の秘訣でしょう。
民泊アイデア参考事例②
こちらの民泊は、中古物件DIYの典型的な成功事例です。何の変哲もない和風の木造アパートが、オーナーのセンスによってお洒落に変身しています。おそらく、費用をほとんどかけていないと思われる工夫が凄いです!
下記の参考URLから全室の写真を見ることができます。
宿泊料:1部屋2,700円
ベッドは3台あり、人数は相談できる
場所:東京都足立区
※畳の部屋をそのまま利用してありますが、赤や青、紫などのちょっとした配色がインテリアに加えてあり、質素ですがオーナーの心遣いが伝わるようなお部屋です。
民泊アイデア活用事例③
デザインにこだわった新築マンションの民泊です。メゾネットタイプで階段を上がると小さな寝室がもう1つついています。白と黒を基調にした部屋で1級建築士がデザインしたハイセンスなお部屋です!
宿泊料:18,000円
追加人数1人に対して2,000円加算
場所:東京都渋谷区
※キッチン用品、洗濯機、コーヒーマシーン、浴室、トイレ、すべてスタイリッシュでこだわったインテリアが素敵です。周囲にも飲食店などの商業施設が多いことも魅力になっています。
民泊アイデア活用事例⓸
中古マンションを超高級和風にリフォームした民泊です。旅館風のイメージがマンション内で味わえる独特の雰囲気をもつ部屋です。外国人向けや高齢者向けなどの宿泊施設として好評です!
宿泊料:貸切タイプ 38,000円
7名分の寝具が用意してあります(お布団)
場所:東京都高輪白金
※伝統工芸品のアンティークものがインテリアになっており、高級感を強調しています。和紙のブラインドもお洒落です。全体的に茶色やベージュなどでまとまてあるのも落ち着いた雰囲気を味わえるでしょう。
寝具が全部ノリの効いた白のカバーでまとめてあるのも非常に清潔感があります。
民泊アイデア活用事例⑤
2,000冊以上のマンガが溢れている部屋で、マンガ好きにはたまらない民泊です。子供連れの宿泊にもいいでしょう。でもマンガにはまってしまって外に出なくなる恐れもありますが・・・。他では見られない個性的な民泊です!
宿泊料:6,500円
場所:東京都大田区 秋葉原・羽田空港に便利
※マンガだけでなく、ゲーム機も数種そろっていることが凄いです。親の旅行に仕方なくついてきた、難しい年頃の息子さんのために両親とは別で借りてあげると喜ぶでしょう。
また、仕事に疲れた社会人がちょっと気晴らしやリラックスするのに1,2泊してもいいかもしれないですね。外国人向きにはなりませんが、とても面白いアイデアです。
まとめ
日本では民泊という宿泊スタイルがビジネスとして成り立ったのは最近のことです。まだ生まれたばかりの業種であるからこそ未知の可能性に秘めていると言えます。
民泊で準備する設備と欠かせないのが、
- キッチングッズ
- 冷蔵庫
- 冷暖房設備
- 浴室(トイレ)グッズ
- 洗濯機(またはコインランドリー)
- Wi-Fi設備
などになるでしょう。後は、それぞれの民泊スタイルに合わせて、あえて設備にお金をかけず宿泊料を安くしたり、パジャマや浴衣、部屋着など、準備する物も異なると思います。
アパートやマンションを格安で購入して、DIYやリフォームでアレンジすれば、意外と費用をかけずに民泊経営を始めることが可能です。ただ、競合もこれからは増々多くなってくるでしょうから、自分だけの思いがけないアイデアが必要となるでしょう。
ゲストの心を魅了する民泊がどういうものなのか、ちょっと考えてみるのも楽しい投資になるかもしれないですね。