ブル・ベア投信で大きな利益を狙おう!ブル・ベア投信のメリット・デメリットとは?

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日経平均株価など株価指数に連動するので値動きがわかりやすく、どんな相場でもチャンスがあるブル・ベア投信の人気が高まっています。しかも指数の動きの2倍から4.3倍までと大きなレバレッジをかけて取引することが可能です。今回の記事では、このレバレッジ投信の魅力と注意点を解説します。

ブル・ベア投信とは

ブル・ベア投信とは、先物やオプションを利用して、日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)など基準となる指数の変動率に一定の倍率をかけた値動きを目指す投資信託です。上昇相場ではブル型投信、下落相場ではベア型投資など、相場全体の方向性がはっきりすると人気が高まります。

ブルとは「雄牛」のこと。敵を攻撃する際にツノを下から上に突き上げるブルは、投資の世界で上昇相場の意味を持ちます。ですから、ブル型投信も相場の上昇で儲かる投資信託です。

ベアとは「熊」のことです。こちらは爪を上から下へ振り下ろして攻撃するので、投資の世界では下落相場を意味します。ベア型投信は、下落相場で儲かる投資信託です。

ブル型・ベア型ともにランキング上位に入る人気投資信託です。その秘密は、ブル型では日経平均株価などの株価指数の上昇時に、上昇率の2~3倍、ベア投信では株価指数の下落時に、下落率の2~3倍の収益を狙えることです。株価指数が少しの値動きでも高いリターンが得られます。

ブル・ベア投信は、株価指数先物を使い、2~3倍、中には3.7倍や4.3倍といった大きな収益を目指して売買しています。こうした高い収益を目指す方法を「レバレッジ取引」といいます。株式でいえば、信用取引と同じことを投資信託で行っているのです。ただ、個人投資家がブル・ベア投信を売買する場合、信用口座など新たな口座を開く必要はありません。損失をだしても投資額以上にはならず、追証(追加で資金を入れること)の心配もありません。売買手法は普通の投資信託と同じです。手軽に始めることができ、しかも信用取引の3.3倍以上のレバレッジをかけることができる。それが、ブル・ベア投信の魅力となっています。

倍率が高いほど利益も損失も大きくなる

ブル・ベア型投信の価格(基準価額)の値動きは、連動する株価指数の日々の騰落率に対して2倍や3倍などの値動きになることを目指しています。指数が1日で2%上昇すれば、2倍のブル型投信の基準価格は4%上昇を目指します。

逆に、ベア型投信の場合は、指数が2パーセント下落すれば、基準価格は4%の上昇を目指します。株価指数の上昇が長く続けば続くほどブル型投信の、下落が長く続けば続くほどベア型投信の利益は大きくなります。そして倍率が3倍、4倍と高くなればなるほど利益も大きくなります。以下の図をご覧ください。

出典:ダイヤモンドザイ

ブル・ベア型投信は日々の値動きに対してレバレッジを効かせる投資信託です。ブル型は上昇相場で利益が発生します。レバレッジ2倍の場合、指数に対して日々2倍動くため、上昇が続くと複利効果で2倍超の収益になります。

出典:ダイヤモンドザイ

ベア型投信の場合は、株価指数が下落した時に利益が発生します。ブル型同様、下落が続くと複利効果で2倍超の収益になります。

ブル・ベア投信のメリット

続いて、ブルベア投信のメリットを見ていきましょう。

ブル・ベア投信は少額で購入できる

ブル・ベア投信は、レバレッジが高くなればなるほど外れた時の損失は大きくなってしまいます。ですから、初心者の方は少額から投資を始めることをおすすめします。投資信託なので、ネット証券によっては100円から購入することができます。少額から投資を始めて、ブル・ベア投信がどのような値動きをするのかということをじっくり研究することができます。値動きに慣れてきたら、徐々に資金を増やすという戦略が可能です。

ブル・ベア投信はトレンド相場で大きな利益を狙える

ブル・ベア投信では、短期間で大きな利益を狙うことができます。ブル・ベア投信が大きく儲かる時というのは、ボックス相場(もみあい)からトレンド相場に転換して、一定期間継続する時です。ブル型ならボックス相場の上限を抜けた時。ベア型ならボックス相場の下限を抜けた時に仕掛ける 戦略が有効です 。下の図をご覧ください。

出典:四季報オンライン

このように、しばらくボックス相場が続いていて、上値抵抗線(レジスタンスライン)を抜けた場合は、ブル型投信。下値支持線(サポートライン)超えた場合は、ベア型投信を購入します。

トレンドが継続する限り、指数の騰落率よりもはるかに大きな利益を手に入れることができます。決済期日がないので、ブル・ベア投信なら数年単位で長期保有することもできます。しかし、相場の7割はもみ合いだといわれています。トレンドがずっと続くということは考えづらいので、利益が出たら確実に利食いを行うことが大切です。トレンド相場なのか、ボックス相場なのかを見極め、トレンド相場で利益を狙うようにしましょう。トレンド相場の見極めには以下の記事を参考にしてみて下さい。

トレンド分析を理解して投資に役立てよう!

人気のある「楽天日本株トリプル・ブル」のアベノミクス相場での値動きを見てみましょう。トリプル・ブルとは、日経平均株価の3倍の値動きを目指す投資信託です。以下の図をご覧ください。

出典:ダイヤモンドザイ

2012年12月から始まったアベノミクス相場では、日経平均株価が80%上昇の中、半年で5倍以上のパフォーマンスをあげました。指数にトレンドがでると、複利効果で3倍以上のリターンがでていることがわかります。

ブル・ベア投信のデメリット

ブル・ベア型は指数の何倍もの値動きをするリスクの高いファンドですので、購入する際は無理のない金額で行うようにしましょう。指数が思惑とは反対の方向に動いた場合は、大きな損失になってしまいます。ブル型投資信託では、下落が続けば損失が大きくなりますし、ベア型投資信託では、上昇が続けば損失が膨らんでしまいます。必ず儲かる商品ではないということに注意する必要があります。

ブル・ベア投信の倍率はあくまで目標

ブル・ベア投信は、「指数の日々の騰落率の概ね〇倍を目指す」など、レバレッジの倍率はあくまでも目標です。指数先物の売買状況などによって、必ずしも倍率通りにはならない時もありますし、 追加設定や解約などによる純資産の増減で、一時的な調整が必要な場合もあります。あくまでも目標の倍率を目指す投資信託であるということを理解して購入するようにしましょう。

ブル・ベア投信はもみあい相場で損失になる可能性がある

もみ合い相場になるとあまり設けられないばかりか、損する可能性もあります。もみ合い相場とは、値動きがない相場展開のことです。ブル・ベア投信の2倍3倍などの指標への連動性は、あくまでも前日に比べての目標です。このため、指数が一旦下がって元の値段に戻っても、投資信託の基準価額は元に戻らない可能性があります。

ブル・ベア投信は手数料がかかる

株価指数に連動する投資信託を「インデックスファンド」と言います。これは日経平均やTOPIX(東証株価指数)などの株価指数と同じ値動きを目指す投資信託です。インデックスファンドではノーロード(購入手数料がかからない)投資信託がほとんどです。しかしブル・ベア投資の場合は、1.08~2.2%の購入手数料がかかります。頻繁に売買を繰り返すとコストがかかることに注意しましょう。

ブル・ベア投信は注文申込締切り時間が早い

ブル・ベア投信は指数先物を取引します 。例えば日経225先物でしたら15時10分に引けるので、その日のファンドの資産状況によって、引け間際で売買を行います。ですから、ブル・ベア投信買い付けは引けの20分以上前に設定されています。主要ネット証券の申込締切り時間は以下のようになっています。

 

SBI証券 13時又は14時50分

松井証券 14時20分

カブドットコム証券 14時30分、45分、50分

 

証券会社ごとでも、投資信託によって締め切り時間は異なりますので、必ず確認するようにしましょう。

ブル・ベア投資のメリット・デメリットがわかったところで、人気のあるブル・ベア投信をご紹介します

人気のあるブル・ベア投信は?

ブル・ベア投信でも人気があるのは、日本で最も有名な株価指数、「日経平均株価」に連動するタイプです。レバレッジの倍率は2倍から4.3倍で、現在の売れ筋は4.3倍。リターンを目指すには高いレバレッジの方が有利ですが、思惑が外れた時の損失は大きくなるので注意しましょう。

まずはブル型投信から見て行きましょう。

楽天日本株4.3倍ブル

 

レバレッジ:4.3倍

対象指数:日経平均株価

運用会社:楽天投信投資顧問

純資産額:396億円

販売手数料:1.08%松井証券 2.2%SBI証券、楽天証券、マネックス証券等

信託報酬:1.22%

 

基準価額推移

出典:楽天投信投資顧問

ブル・ベア投信の中で人気のある投資信託です。日々の基準価格の値動きが、日経平均株価の概ね4.3倍程度となることを目指して運用しています 。

基準価格の推移を見てもわかるように、パフォーマンスは年によって大きく異なります。2016年の6月には基準価額が2,664円まで下落しました。そして、2018年1月には高値16,381円と6倍まで値上がりしています。ハイリスク・ハイリターンの投資信託といえます。レバレッジが4.3倍ということは信用取引の3.3倍を大きく超えています。短期トレードで大きなリターンを目指したいといった時におすすめのブル型投信です。 上昇相場では大きなパフォーマンスが期待できます 。

SBI日本株3.7ブル

 

レバレッジ:3.7倍

対象指数:日経平均株価

運用会社:SBIアセットマネジメント

純資産額:103億円

販売手数料:1.08%松井証券 2.2%SBI証券、楽天証券、マネックス証券等

信託報酬:1.00%

 

2015年2月設定のSBIアセットマネジメントが運用する、ブル型投信です。株価指数先物取引を積極的に活用し、日々の基準価格の値動きが、株式市場全体の値動きのおおむね3.7倍程度となる投資成果を目指して運用を行います。実質組入銘柄は日経225先物なので、対象指数は日経平均株価となっています。期間収益率を見てみましょう

 

設定来:75%

6ヶ月:52.47%

1年:74.06%

3年:112.82%

 

このように高いパフォーマンスとなっています。しかし、楽天日本株4.3倍ブル同様、下落相場では大きな損失が出る可能性があるので要注意です。

基準価額の推移は、以下の図のようになっています。

出典:SBIアセットマネジメント

続いてベア型投信を見てみましょう。

楽天日本株トリプルベア III

 

レバレッジ:―3倍

対象指数:日経平均株価

運用会社:楽天投信投資顧問

純資産額:37億円

販売手数料:1.08%松井証券 2.2%SBI証券、楽天証券、マネックス証券等

信託報酬:1.00%

 

株価指数先物取引(日経225先物等)を活用し、日々の基準価格の値動きが、株式市場全体の日々の値動きの概ね3倍程度反対となることを目指して運用を行います。つまり、株式市場が上昇すれば基準価額が大きく下落し、株式市場が下落すれば基準価格が大きく上昇する投資信託です。基準価額は以下のようになっています。

出典:楽天投信投資顧問

日経平均など株式市場が好調なことから、ベア型投資信託は大きく値下がりをしています。 ただ、2018年10月は日経平均株価が歴史的な下落幅を記録したことから、10月2日の安値1600円から10月29日の高値2364円まで248パーセント値上がりしました。

ブル・ベア型ETFとは?

ブル・ベア投信の歴史は古く、1995年に第1号が登場しました。2012年からは、ETF(上場投資信託)にもブル・ベア型が登場。日経平均に連動するタイプのほか、TOPIX(東証株価指数)に連動するタイプもあります。

ETFとは Exchange Traded Fundsの略で、上場投資信託と呼ばれています。特定の指数、例えば日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)などの動きに連動する運用成果を目指し東京証券取引所などに上昇している投資信託です。

ブル・ベア投信に比べ次のようなメリット・デメリットがあります。

ブル・ベア型ETFのメリット

取引コストが安い

取引コストには、売買コストと保有コストの2種類あります。ETFの売買コストは、株式と同じ売買委託手数料です。ブル・ベア投信では、1~2%の手数料がかかるのに対し 、ETF の売買手数料は、売買代金10万円以下は無料の証券会社もあるなど、非常に安くなっています。

保有コストとは、主に信託報酬です。信託報酬とは、投資信託を管理・運用してもらうための経費として、保有している間ずっと投資家が支払い続ける費用のことです。ブル・ベア型 ETF では信託報酬が0.3~0.8%程度となっていて、ブル・ベア投信の1%前後と比較しても安くなっています。

いつでも売買できて、値動きがわかりやすい

ブル・ベア型 ETFは、証券取引所に上場しているので、株式と同じように、指値注文や成行注文が利用でき、リアルタイムで取引することができます。ブル・ベア型投資信託の基準価額はその日の引けで決まるので、いくらで約定するかが不明です。

ブル・ベア型ETFのデメリット

金額を指定して買付することができない

ブル・ベア型 ETF では、株数単位で買付けします。例えば、価格が8,000円で 一株単位の取引だと、8,000円ずつ購入する計算になります。一方、ブル・ベア型投信は、証券会社によって違いはあるものの、100円から購入することが出来、金額指定で購入可能です。

代表的なブル・ベア型 ETF をご紹介します

ブル型ETF

NEXT FUNDS 日経レバレッジ・インデックス連動型上場投信(証券コード:1570)

日経平均株価が値上がりすると、その変動率の2倍のリターンを目指します。例えば、1日の日経平均株価の変動率が2%だった場合、レバレッジ型 ETF の変動率は4%になります。東京証券取引所の売買代金ランキングでも常にトップ3に入るほど人気のあるETFです。価格の推移は以下のようになっています。

出典:ヤフーファイナンス

売買単位は一株単位。約2万円前後で購入することができます。

続いてベア型ETFです。

NEXT FUNDS 日経ダブルインバース・インデックス連動型上場投信(証券コード:1357)

日経平均株価の-2倍の値動きを目指す ETF です。例えば、日経平均が2パーセント下落したら、4%上昇することを目指します。ベア型 ETF で最も人気があり東京証券取引所の売買代金ランキングでも20位以内に入る人気ETFです。

出典:ヤフーファイナンス

まとめ

いかがでしたでしょうか。ブル・ベア型投資信託では、最大4.3倍のレバレッジをかけるので、短期間で大きな利益を狙うことができる投資信託です。ただし、思惑と逆に入った場合や、もみ合い相場では損失が膨らんでしまうので、取引タイミングには注意が必要です。ブル・ベア型投資信託は、短期投資と割り切って取引するようにしましょう。

 

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