海外不動産に投資する方法は?海外不動産のメリット・デメリット、投資信託の海外リートもご紹介します!

近年では、海外の不動産を取り扱う業者も増えてきているようで、海外の物件を見聞きする機会も増えてきました。

国内不動産とはまた違った魅力を持つ海外不動産ですが、不動産投資を検討する人の中には、国内とは事情が異なる海外不動産に投資を始めてみたいと興味のある人も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、海外不動産に投資する方法を解説していきたいと思います。

海外不動産に投資するにはどんな方法があるのか、海外不動産に投資するメリット・デメリットは何なのか、そして合わせて投資信託海外リートのご紹介もしていきたいと思います。

海外不動産に投資する方法

不動産を取り扱う際の法律、慣習、価値観、そして購入システムも日本とは異なる海外不動産。オンラインで検索しただけでは、信頼性の高い情報を選ぶ判断も難しくなります。

国内の不動産の経験を持ちながら、海外不動産の購入を考える人にはどのような投資方法があるのでしょうか。

一番取り掛かりやすい方法として、

国内で海外不動産を取り扱う業者を探す方法があります。

海外不動産に関するセミナーを行っている業者は意外と多く、東京都内であれば探すのは簡単です。オンラインで検索してみると地域でも海外不動産セミナーの情報を調べることができます。

※地域でセミナーを探すのが難しい場合は、個別にて自宅で相談できたり、情報誌・DVD・資料などを取り寄せて情報を得る方法もあります。

海外不動産を購入する流れ

大まかな海外不動産の購入の流れは以下のようになります。

※投資物件を購入する国や、利用する業者によって多少の違いはあります。

  1. それぞれの国にどんな不動産があるのか学ぶ
  2. 投資先の国をいくつか比較検討する
  3. 利用する不動産業者をいくつか比較検討する
  4. 見積もり・相談をしてみる
  5. 具体的な買い付けの手続きに進む
  6. 売買契約を結ぶ
  7. 契約に沿って手付金、諸費用を支払う
  8. 登記などの公証手続きを行い、不動産の受け渡しが完了

それぞれの契約内容によりますが、管理委託は通常、購入した業者に任せる場合がほとんどです。

購入先となる不動産は、国内の不動産または現地にて直接海外不動産から購入する方法もあります。法律的な問題や、地域による慣習、言語の違いなどがある為、現地不動産を利用する場合には相応の知識が必要になります。

海外不動産投資のメリット

では、海外不動産に投資するメリットは何なのでしょうか。国内不動産の場合と比較しながら考えてみましょう。

高い利回り

不動産投資における利益には、

家賃収入による→インカムゲイン
売買差益による→キャピタルゲイン

の2種類があります。

基本的に不動産の需要は、人口が増加傾向にあり経済的に上昇傾向にある地域にて活発になります。そのような観点から見ていけば、国内の不動産の展開は若干懸念されている状況にあるのが現状です。

高齢化社会、少子化、人口減少などによって国内不動産の需要は低下していくだろうとも言われています。(ただ、不動産アナリストによっては、訪日外国人、中古住宅市場、物流関係などの需要は高まるとも予想されています。)

そんな中、これから人口増加や経済発展などが期待できる国々においては、かつての日本のように地価が高騰していくことによって高まる不動産収益が期待されています。

分散投資ができる

金融商品はそれぞれ、市場の動向によって常に上がったり下がったりしています。円が安くなれば、株式が値上がりする、市場が低迷すれば貴金属の値段が上がるなど、それぞれの金融商品は時に相反する動きを見せることが多々あります。

そんな中、多方面に投資をしておくことで、総資産の損失を最小限に抑えていくことができます。

仮に、国内不動産の価値が下がったとしても、これから上昇する海外不動産に投資しておくことで、トータルの利益をプラスに変えることができるかもしれません。

分散投資の1つとして、海外不動産への投資を考える人も増えてきています。

為替差益

海外不動産は基本的に日本円以外の資産になります。為替レートもその時々の市場動向に応じて、常に変化し続けています。

例えば1ドルが100円の時に30万ドルの不動産を購入しました。
数年後に、全く同じ30万ドルで不動産を売却する結果になったとします。
同じ30万ドルですが、売却時の為替レートが1ドル120円でした。そこで、為替差益による利益を得ることができるのです。

1ドル100円
30万ドル→3,000万

1ドル→120円
30万ドル→3,600万円

ドルで換算するとキャピタルゲインは「プラスマイナス 0」ですが、円に換算すると為替差益によって「600万円の利益」を得たことになります。

節税効果

納める税金はできるだけ少ない方がいいと願う人が多い中、不動産取得によって節税効果を期待することができます。

管理費、修繕費、委託費、保険料、ローン返済の利子額、減価償却費などの費用を総収入から経費として計上することができます。

これらの不動産運営にかかる費用を100万円で計上した場合、課税対象となる総収入からこの100万円を差引き、600万円の所得額として申告できるのです。

さらに、不動産収益がマイナスとなっている場合には、その̠マイナス額を差し引いた総収入の申告が可能となり、その分支払う税金を少なくすることが可能です。

中には、帳簿上で赤字計上するために減価償却費を活用する人も無きにしもあらずといった状況ですが、減価償却費の計上法が変更されたため、以前ほどの効果は得られないのが現状です。

海外不動産投資のデメリット

次に、国内とは事情が異なる海外不動産に投資する場合のデメリットを考えていきましょう。

融資に限界がある

不動産購入にかかる費用は、その他の投資に比べると高額となるのが大きな特徴です。

1,000万円以下で購入できる物件は少なくなり、現金で購入する人は少なく、どうしても金融機関からの融資に頼らざる得なくなってしまいます。

海外の不動産であるために、融資できる金融機関も限られてしまいます。海外の金融機関からの融資を受ける場合には、条件も厳しくなり、金利も高くなってしまうリスクがあります。

情報入手が困難

国内の不動産であれば、実際に物件を見に行って調査をする人が多い中、海外不動産の場合は簡単に物件を見ることができません。

また、国内のように首都圏と郊外による地価の違いなどの認識が足りずに、不利な条件で購入してしまう恐れもあります。

国内の地域の情報であれば、詳細まで調べることが可能ですが、海外から、しかも日本語のみに限定された場合には、入手できる情報の非常に少ないということです

カントリーリスク

日本も含めた先進国は、政治的・経済的にも安定しており、突発的に国の内情が激変する可能性は低いと言えますが、多くの新興国ではそうではないのが現状です。

内戦に悩まされている国、民主的な意味でまだ進展が遅れている国、思想的に危険な国、治安の悪い国など、平和な日常を送る日本人には理解できない諸事情がたくさんあります。

何らかの事情で、保有する不動産の法的価値が無くなる可能性も考えておく必要があります。新興国の不動産を選ぶ際にはその点にも注意することが必要です。

為替リスク

為替差益は、利益につながることもあれば、損失につながる要素ともなるものです。

不動産売買を行った時の為替レートによって、予想以上の損失となる場合もあります。また、月々に得る家賃が定額だったとしても、為替レートによっては大きな損失を出してしまうリスクがあります。

少額からできる投資信託海外リート

Man
海外不動産投資は確かに大きな利益を狙えるメリットもあるけれど、デメリットを考慮してみると、初心者には難しい投資方法でもあるよね。
Expert
そうですね。自分で取引ができるようになるまでには、かなり勉強しなければならないのは事実です。購入前にも時間をかけたリサーチが必要になります。
Expert
そこで、今回おすすしたいのが投資信託の海外リートです。

海外リートとは

海外リート(REIT)とは、プロに運用を任せて不動産投資が行える投資信託です。

国内の不動産を取り扱ったものはJリート(REIT)、
海外の不動産を取り扱ったものは海外リート(REIT)といいます。

不動産投資信託を総称して「リート」(REIT)と呼ばれることもあります。

そもそもリートとは、

投資家から集めた資金をもとに、複数の不動産へ投資を行う為に発行される市場に上場した証券のことです。
この証券を発行するのは、不動産事業を運営する投資機関になります。

このリートと呼ばれる証券を販売することで、投資機関は不動産運営の資金を賄うことができるという仕組みになっています。

リートを購入した投資家は、投資機関から運用収益の1部である分配金を受け取ることができます。

また、そのリート証券が値上がりした時に売却して売却差益による利益を得ることも可能なのです。

国内の不動産を取り扱うJリートは2018年9月の統計では61銘柄あり、それぞれの銘柄は市場にて直接購入することができます。

海外不動産を取り扱う海外リートは、基本的に国内では直接購入することはできません。

海外リートの銘柄は、海外の市場にて売買されるものになりますが、海外リートに投資を行うファンドを購入する方法があります。

投資信託海外リートの紹介

では、国内で購入できる投資信託海外リートにはどのようなものがあるのでしょうか。

国内で購入できる海外リートは2種類あります。

  1. ETFで購入する海外リート投資信託(市場にて購入)
  2. 海外リートに投資をする投資信託ファンド(金融機関から購入)

ETFで購入する海外リートの場合は、証券会社の口座にて株式などと同様に価格×個数にて売買取引が行えます。ETF取引ができる証券会社であれば、どこでも購入は可能です。(手数料が異なります。)

海外リートの投資信託ファンドを購入する場合は、銀行・証券会社の窓口、またはオンラインから購入することができます。(ファンドによって、取り扱う金融機関が異なります)

それでは、ETFタイプの海外リートと、投資信託ファンドタイプの海外リートをそれぞれいくつかご紹介したいと思います。

ETF海外リート

国内の証券取引所に上場しているETF海外リートで、日本円で取引できるものになります。詳細は、2018年11月5日の情報を参考にしています。

i シェアーズ米国リート

証券コード【1590】
投資内容:ダウジョーンズ米国不動産インデックス連動する米国リート投資信託です。米国を代表する複数のリートに幅広く投資ができます。

出典:ブラックロック 参考URL

運用会社:ブラックロック
価格:1,985円
分配決算日:年4回
直近分配金:19円
分配利回り:1.81%
信託報酬:0.2%以内

※運用会社のブラックロックはETFを運用する会社では、純資産残高ランキングで1位の会社で、世界的に信用度の高いETFの1つです。

NEXT FUND S&Pシンガポールリート

証券コード【2045】
投資内容:S&Pシンガポールリート指数に連動する、世界各国のリートに投資を行います。

出典:日経新聞 参考URL

運用会社:ノムラ・ヨーロッパファイナンス・エヌブイ
価格:10,970円
分配金:なし
信託報酬:0.85%

※シンガポールリート指数は、工業・商業リートが50%以上を占めており、今後のアジア主要国の発展とともに値上がりが期待できるETFです。

上場インデックスファンド・豪州リート

証券コード【1555】
投資内容:S&P・ASX200オーストラリアリート指数に連動する、世界各国の不動産に投資を行います。

出典:日経新聞 参考URL

運用会社:日興アセットマネジメント
価格:1,532円
分配決算日:年6回
直近分配金:9円
分配利回り:3.69%
信託報酬:0.45%

※純資産額、価額ともに安定した上昇基調にあります。最低売買単位は10口となっていますので、最低購入金額は15,320円となるので注意して下さい。

海外リート投資信託ファンド

最後に、海外リートに投資信託を行っている投資信託ファンドをご紹介します。金融機関の窓口、オンラインで少額から投資ができる投資信託です。

各種ランキングを参考にして、手数料、分配金利回り、純資産額からそれぞれ1つずつ選んでみました。今後の海外不動産投資にお役立て下さい。

ダイワグローバルREITオープン

分配金利回りで選ぶならこの投資信託ファンドがおすすめです。分配金利回り17.39%。

最低購入価格:1,000円以上
投資内容:世界各国の安定性の高いリートに投資を行います。近況では、米国リートが50%近くになり、続いてオーストラリア、イギリスとなります。

出典:大和証券 参考URL

運用会社:大和投資信託
価格:3,081円
分配決算日:毎月
直近分配金:30円
分配利回り:17.%
購入手数料:2.7%
為替ヘッジ:なし(為替ヘッジ有も選べます)

 

※上記のグラフは分配金を再投資した場合の価額の推移になります。純資産額は低下してきていますが、分配金を再投資した価額はここ数年上昇基調にあります。

販売会社:楽天証券、大和証券、三井住友銀行、その他金融機関

たわらノーロード先進国リート

購入手数料は無料。信託報酬にかかる手数料も0.29%と低く、費用を抑えたい方におすすめです。
投資内容:S&P先進国リート指数に連動する世界各国のリートに投資を行うインデックス型のファンドです。

出典:アセットマネジメントOne 参考URL

運用会社:アセットマネジメントOne
価格:10,413円
分配金:なし
購入手数料:無料
購入最低価格:1,000円以上
為替ヘッジ:なし(為替ヘッジ有も選べます)

※純資産は上昇傾向にあり、値動きも比較的安定しています。価額は設定来上昇基調を保っていることも安心できる要素となります。目論見書の内容も非常に充実しています。

販売会社:SBI証券、松井証券、PayPay銀行、みずほ銀行、その他金融機関

三井住友・DC外国リートインデックスファンド

純資産総額は決して多いとは言えませんが、設定以来の額は増え続けており、昨年比112%増加しいる点を評価しました。
投資内容:S&P先進国リートに連動する世界各国のリートへ投資を行うインデックス型ファンドになります。

運用会社:三井住友アセットマネジメント
価格:11,088円
分配金:なし
購入手数料:なし
購入最低価格:販売会社による
為替ヘッジ:なし

※設定来の価額の騰落率は8.93%となっています。純資産額が減少する傾向にあるファンドも多い中、純資産額の増加と価額の上昇率のバランスに優れたファンドです。

まとめ

今回は海外不動産への投資方法や、おすすめの海外リートのETF、投資信託ファンドなどをご紹介してみました。

現物の不動産投資を考えるならば、確かに海外不動産は最もハードルの高い投資方法の1つだとも言えます。

十分な資金とリサーチが必要となる海外不動産投資ですが、各自で海外不動産の勉強をしながら、投資信託にて少額から海外不動産投資を始めることが可能です。

まずはプロの運用方法が学べる海外リートのETFや投資信託ファンドを始めてみるのも、今後、現物の海外不動産を取得する上で大きく役に立つでしょう。

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