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カードローン…。お金を借りることの出来るカードでしょ!そんな答えが返ってきそうです。ではキャッシングは?これもお金を借りることでしょ…。と返ってきそうです。
ではカードローンとキャッシングの違いは?と聞くと、ほとんどの人が答えられないのではないのでしょうか?
今回はカードローンの説明を中心にカードローンとキャッシングの違いなどについて詳しく説明していきます。
カードローンとは
最近は、カードローンのTVCMが良く流れているので聞き馴染みのある人は多いのではないでしょうか?しかしカードローンという言葉を知っていても内容までは詳しく知らないという人も多いと思います。カードローンとはお金を借りることの出来るカードということは分かると思います。
しかしお金を借りるというと担保や保証人が必要であると考える人も多いと思いますがカードローンは担保·保証人ともになしでお金を借りることが出来ます。
また手続きも簡単で審査のスピードも非常に早いのがカードローンです。近年、銀行系のカードローンの申し込みが急増し社会問題になりかけました。
この章ではカードローンのメリット、デメリットを中心にカードローンについて詳しく説明していきます!
カードローンのメリット
ここではカードローンのメリットについて説明します。カードローンの主要なメリットは3つあります。
担保保証人が必要ない
会社が借りる融資のお金や個人が家を買うために借りる住宅ローンには、一般的には担保か保証人が必要になるケースは非常に多いです。担保や保証人を用意するのは大変なので無担保や保証人なしで利用できるカードローンのメリットは非常に大きいです。
ちなみに担保とは、ローンの返済が出来ないときに返済金額を補うための土地などのことをいいます。また保証人とは借主がお金を返せなくなったときに返済を求めることが出来る人のことをいいます。
融資までのスピードが速い
融資のスピードがほかのローンよりも早いことがメリットになります。一般的な融資や住宅ローンは融資の実行までにかなりの時間がかかりますが、カードローンは最短即日でお金を借りることが出来ます。融資実行までのスピードが速いことは大きなメリットになります。
(即日で融資を受けることの出来るカードローンは消費者金融系のカードローンのみです。銀行系のカードローンは2018年1月から金融庁の指導のため即日の融資を受けることが出来なくなりました。詳しい理由については総量規制のところで説明します。)
資金使途は自由
住宅ローンや会社の融資金は使途が限定されています。住宅ローンの使途はもちろん住宅資金のみなります。会社への融資金も仕事に使うお金に限定されます。
しかしカードローンの使途は自由です。遊興費に使っても全く問題はありません。カードローン以外にもフリーローンというものがありますがフリーローンは一回使ってしまうと再度の利用は出来ません。またフリーローンをしたければ再度の申込みが必要です。
しかしカードローンは極度額の範囲内であればいくらでも借りたり返したりすることが出来ます。このような使い勝手の良さは大きなメリットになります。
コンビニATMで簡単に利用が出来る
カードローンはコンビニのATMでも簡単に利用することが出来ます。コンビニに立ち寄ったときに返済や借り入れが可能になります。急にお金が必要になったときにコンビニから借り入れが出来るのは非常に便利です。
24時間365日コンビニのATMでカードローンを利用することが出来るのは大きなメリットです。
以上4点がカードローンの主なメリットになります。
カードローンのデメリット
ここではカードローンのデメリットについてまとめます。カードローンの主要なデメリットは3つあります。
カードローンを利用すると他のローンの審査に影響することがある
カードローンのデメリットの1点目は、カードローンを利用することによって住宅ローン等の他の審査に影響が出てしまうことです。たとえカードローンを使用していなくてカードローンの極度額を持っているだけで極度額まではお金が借りることが出来る人とみなされてしまいます。
カードローンは保有しているだけで住宅ローンなどの審査に影響があるのです。
私は銀行員なので住宅ローンの担当をしたことがあります。カードローンの極度額が残っているがために審査に落ちそうな人には実際にカードローンの解約をお願いしたこともあるので注意が必要です。
もし住宅ローンの利用予定があるならば、カードローンは解約しておくことが無難です。
借金に慣れてしまう可能性がある
借金は良くないもの(良い借金もありますが)と思われている方がほとんどだと思います。最初にお金を借りるときは罪悪感がほとんどの方にあると思いますが、カードローンの使用に慣れてしまうと罪悪感もなくなっていきます。
借金に慣れてしまうと金利などに鈍感になってしまう可能性があるのです。また借金体質になるとなかなか抜け出すことが出来なくなるので注意が必要です。
このように借金に慣れてしまう可能性があることは大きなデメリットになるのです。
ちなみにいい借金とは相続対策でローンを借りることなどです。ローンは負債なので相続税を減らす効果があります。
利息が高い
カードローンの金利は最大18%もの金利がかかります。住宅ローンや会社への融資金よりもはるかに高い金利になります。カードローンを使うことに慣れてしまうと金利の感覚がなくなってしまうことは十分起こり得ます。
以上3点がカードローンのデメリットになります。
この章ではカードローンについてまとめました。次の章ではキャッシングについて詳しくまとめていきます。
キャッシングとは
キャッシングとはクレジットカードについているお金を借りることの出来る機能のことをいいます。カードローンと一緒のように思われるかもしれませんがカードローンはお金を借りる専門のカード、キャッシングはクレジットカードの付帯サービスになります。
キャッシングのメリット、デメリットはカードローンのメリット、デメリットとほとんど違いはありません。こちらではカードローンと違うメリット、デメリットについて説明します。
キャッシングのメリット
ここではキャッシングのメリットについて説明します。キャッシングの主要なメリットは2つあります。
クレジットカード1枚でお金を借りることが出来る
キャッシングの大きなメリットはクレジットカード1枚でお金を借りることが出来ることです。財布に別のカードを入れる必要がないので便利です。
クレジットカード作成の際に同時にキャッシングの機能も付けられる
クレジットカード作成の際同時にキャッシングの審査を行うのでクレジットカードの審査とキャッシングの審査が同時に終わり便利です。またキャッシングの上限額を自分で設定することが出来ることもメリットです。
キャッシングのデメリット
ここではキャッシングのデメリットについて説明します。主要なキャッシングのデメリットは2つあります。
銀行のキャッシュカードと一体になっている場合間違ってキャッシングを利用する恐れがある
最近はキャッシュカードとクレジットカードが一体になっているものが多くなっています。キャッシュカードでお金をおろすつもりがキャッシングになってしまったというケースが結構多いので注意してください。
私は銀行員ですが何度かこのような問い合わせを受けたとことがあります。意外と間違えやすいので注意してください。
借金するのにカードローン以上に抵抗がない
キャッシングは立派な借金です。しかしクレジットカードと一緒になっているため抵抗なくキャッシングをしてしまう人が多くなってきています。気軽に利用出来てしまうことはキャッシングの大きなデメリットです。
この章ではキャッシングについてまとめました。次の章ではカードローンとキャッシングの違いについてまとめていきます。
カードローンとキャッシングの違いについて
今までカードローンとキャッシングについてそれぞれ説明していきました。この章ではカードローンとキャッシングの主な違いについて説明していきます。カードローンとキャッシングの違いは主に3つあります。
金利が違う
一般的にカードローンは残高が大きいほど金利は安くなります。しかしキャッシングの金利は同一のことが多いです。大抵のキャッシングの金利は15%~18%程度になっています。一方カードローンの金利は残高が多ければ低くなっていく仕組みになっています。
たとえば横浜銀行のカードローンでは残高が1,000万円ほどあると金利は1%台になります。このように大きな金額の借り入れを行う場合カードローンで借り入れを行ったほうが有利になります
返済方法が違う
カードローンの返済方法は基本的に分割払いかリポルビング払いになります。キャッシングは一括払いかリポルビング払いになります。それぞれの支払い方法について簡単に説明します。
一括払い
名前の通りの支払方法になります。お金を借りた翌月にまとめて返済する方法になります。金利は1か月分しか付かないのでのでもっとも経済的な返済の方法といえます。一時的にどうしてもお金を借りないといけないときに利用する際には非常に良い方法であるといえます。ちなみに10万円を1か月金利18%で借りた場合の利息は約1,500円です。
分割払い
借りたお金を何回かに分けて返済する方法になります。一回ごとの返済金額が少なくなるので余裕を持った返済が可能になります2回払いから36回払いまであるのが一般的になっているので資金計画に合わせた返済方法を選びましょう。
分割払いの欠点は金利がかかることです。2~ 3回の分割払いの金利であればあまり負担はないかもしれませんが返済回数が多くなると負担も大きくなるので注意が必要です。
リポルビング払い
リポルビング払いは残高に応じて毎月一定額の返済を行う方法になります。一般的に最初に設定されている返済額は少額のことが多いです。返済金額が少なければ長く利息を金融機関は受け取ることが出来るためです。
リポルビング払いは返済金額が少ないので返済は楽ですが金利が積み重なるのと返済金額がいくらなのか分からなくなるリスクがありますのであまりおすすめ出来る方法ではありません。
銀行でクレジットカードを契約する際は金利を多く受け取りたいので返済金額が少なくなるのでリポがおすすめですよ~などと言葉巧みに誘そってきます。返済能力に余裕があるのであればリボ払いは極力避けるようにしましょう。
この章では、カードローンとキャッシングの違いについてまとめました。次の章ではカードローンの審査についてまとめます。
カードローンの審査
カードローンの審査はどのようになっているのかの説明を銀行員の観点から説明します。カードローンには銀行系のカードローンと消費者金融系のカードローンの2種類が主になっています。一般的にアコムやプロミスなどの消費者金融系のカードローンのほうが銀行系のカードローンに比べると審査は緩いです。
ただし審査に落ちる要因は消費者金融系のカードローンも銀行系のカードローンも変わりませんのでこの章では審査のポイントについて詳しく解説します。主な審査のポイントは4つあります。
年齢や住所などの基本情報
カードローンに申し込む際は、当然ですが年齢や住所や性別などの基本的な個人情報を入力します。この時、重要なのが年齢です。カードローンを利用出来る上限の年齢は70歳程度であることが多いので注意してください。
勤務先
勤務先は非常に重要です。非上場の企業よりも上場企業の方が有利ですし規模が大きければそれだけ有利になります。注意が必要なのは自営業の場合です。住宅ローンもそうなのですが自営業の場合、決済書の情報が非常になります。昔は3年間赤字がないことが条件の銀行も多かったです。
最近はそこまで厳しくはありませんが勤め人の方が自営業の方より有利になります。
年収
年収もカードローンの審査において重要な基準になります。しかし安定的な収入があれば年収が低くても十分審査通ります。
信用状況
カードローンの審査において最も重要になるのが信用状況です。クレジットカードの滞納などがあるとかなり厳しいです。普通の滞納であれば2年経てば事故情報は消えますが大きな滞納をしてしまうと5年間延滞の記録は消えません。金融事故の記録があるとカードローンを利用することはかなり難しいです。
また金融事故がなくても複数社に借金があるとよほど属性が強くないとカードローンの作成は難しいです。
銀行カードローンに総量規制は関係ない?
この章では総量規制について説明したいと思います。総量規制とは、年収の3分の1までの金額しかお金を借りられない規制のことをいいます。ではこの総量規制はなせ出来たのでしょうか?
総量規制が出来た理由
総量規制は2010年に貸金業法が改正されて導入されました。総量規制が導入された経緯は、当時のグレーゾーン金利と大きく関係があります。当時の個人への貸し出しの上限金利は29.2%という認識でした。この金利でお金を借りると返済は本当に大変です。
複数の消費者金融からお金を借りて自殺する人まで出てきました。この状況をまずいと思った金融庁は、お金の貸しすぎを防ぐ意味で総量規制を導入したのです。
年収の3分の1までしかお金を借りることがなければ多重債務に陥ることがないだろうといった考え方からです。この年グレーゾーン金利も撤廃され個人への貸付の上限金利は18%に統一されました。
この総量規制ですが対象になっているのは貸金業者に限定されました。貸金業者とは、
- 消費者金融
- 信販会社
- クレジット会社
のことを指します。銀行は「貸金業者」ではないので規制の対象から外されました。その後、銀行は住宅ローンなどの金利が低下して中、多額の手数料を取ることの出来カードローンの営業に力を入れ始めました。審査も緩くなり多くの人にカードローンの利用を促したのです。
TVで大手銀行のカードローンのCMを観た人も多いのではないでしょうか。銀行はカードローンで多額の収益を得ることが出来ました。しかし多重債務に陥る人が増え社会問題になりつつありました。この状況はまずいと思った金融庁は2017年にようやく指導に入りました。
2018年1月から銀行カードローンは金融庁の指導で即日の貸付を行えないようになりました。即日の融資だけでなく審査そのものも厳しくなっています。
カードローン利用者にとっては厳しい状況かもしれませんが、高利貸の借金はいつか必ず破綻してしまいます。やはりカードローンなどの借金とは節度ある付き合い方が大事なのです。
まとめ
今回はカードローンを中心にキャッシングとの違いや、カードローンの審査のポイントや銀行カードローンは総量規制の対象外であることを説明しました。カードローンやキャッシングはいざというときには便利な機能ですが使いすぎには要注意です。計画的に利用することが何よりも大切なことを覚えておいてください!